肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

映画「街の野獣(1950) 感想 薄っぺらい男の追い詰められっぷりが最高」ジュールズ・ダッシン監督

イギリスを舞台にしたノワール(犯罪)映画「街の野獣(Night and the City)」を初めて観たところ、主演リチャード・ウィドマークさんの薄っぺらいのに憎めない演技と悲惨な追い詰められ方が最高でかんたんしました。 あと、必要以上に出てくるプロレスシー…

「下剋上 感想」黒田基樹さん(講談社現代新書)

黒田基樹さんによる戦国時代の代表的な下剋上事例を紹介する新書が発売されていまして、長尾景春さんを取り上げていてくれたり新たな視点で伊勢宗瑞(北条早雲)さんが高く評価されていたり最近の研究を採用して三好長慶さんのことも高く評価されていたりし…

「じゃりン子チエ 文庫版17巻 感想 猛威を振るう危険酒"ばくだん"」はるき悦巳先生(双葉文庫)

じゃりン子チエ文庫版17巻。 これまでにも時々登場していた怪しいお酒「ばくだん」がますます話をかき混ぜるようになってきてかんたんしました。 いまよりは多少おおらかな昭和時代とはいえ、「ばくだん」を小学生が売っている姿を堂々と掲載していいのだろ…

「光と風と夢 感想 特に後半が好き」中島敦さん(青空文庫)

中島敦さんの南洋もの小説「光と風と夢」を読んでみたところ、はじめは西洋人の日記文学エミュレーターっぷりすげぇなと感心していたのですが、後半に進むにつれ主人公の自我の起伏がえらいことになってそれがまた大層美しいなとかんたんいたしました。 www.…

「めとろ庵の春菊天そば 関西人にこそトライしてもらいたい美味さ」

東京メトロの立ち食いそば「そば処 めとろ庵」の春菊天そばが異常においしくてかんたんしました。 www.metro-pro.jp ↓グーグル画像検索 www.google.co.jp 「春菊天そば」。 関西人にはあまり馴染みのないメニューかもしれません。 私の場合、10年くらい前に…

「今川のおんな家長 寿桂尼 感想」黒田基樹さん(平凡社)

黒田基樹さんによる寿桂尼さんの評伝が気になる視点盛りだくさんでかんたんしました。今後、こうした論点提起に基づく後発研究が進むことを楽しみにしています。 www.heibonsha.co.jp 「おんな戦国大名」寿桂尼の発給文書から、今川家の当主代行としての政務…

「神秘主義 キリスト教と仏教 感想」鈴木大拙さん / 訳:坂東性純さん・清水守拙さん(岩波文庫)

鈴木大拙さんの著作を久しぶりに読んでみたところ、相変わらずの奥深い思索・弁舌ぶりにかんたんしました。 www.iwanami.co.jp キリスト教神秘思想を代表する修道士エックハルト、中国、日本の禅僧の問答、真宗の念仏者の極点・妙好人の信心の世界、これら東…

大相撲'21夏場所感想「NHKの大相撲取組動画、超いいね」

大相撲の21年夏場所がコロナ禍の中でも無事に終了いたしまして、照ノ富士関の優勝、貴景勝関や遠藤関の奮戦等々見どころが多い内容でかんたんしました。 そして、今場所からテレビ放送での視聴をやめてNHKの大相撲取組動画サイトで視聴するようにしたんです…

「ウルトラマンガイアの感想、全話一気視聴をおすすめしたい」

ウルトラマンのサブスクが始まりましたので、ウルトラマンガイアを一気見してかんたんしまくりました。 あらためて、ウルトラマンガイアは傑作ですね。 かんたんし過ぎて思わずウルトラマンオーブTHE ORIGIN SAGAの地球編まで再視聴してしまいました。 ultra…

「じゃりン子チエ 文庫版16巻 感想 ヒラメちゃん最高やなとなる鉄下駄編」はるき悦巳先生(双葉文庫)

じゃりン子チエ文庫版16巻に収録されている長編「赤子編」「鉄下駄編」がともに完成度が高く、とりわけヒラメちゃんの子どもらしい活躍がまぶしい鉄下駄編は映画化できるんちゃうかというくらいにかんたんしました。 www.futabasha.co.jp 16巻収録のお話は次…

「織田政権の登場と戦国社会 感想」平井上総さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑧)

列島の戦国史8巻(/全9巻)、いよいよ織田信長さんの登場であります。 現段階の織田信長さん研究を分かりやすく簡明にまとめてくださっていて、いわゆる「最近の研究だと信長さんは……」的な文脈に関心のある方には最適な内容になっていてかんたんしました。 …

小説「破船 感想」吉村昭さん(新潮文庫)

吉村昭さんの小説「破船」を読みまして、例によって救いに乏しい過酷な展開を淡々刻々と描写する筆致にかんたんするとともに、帰属する集団に自己が埋没する人間のありようがリアリティあり過ぎてぞくぞくしました。 www.shinchosha.co.jp 二冬続きの船の訪…

「ウィザードリィ#7 久々攻略の感想および考察(種族、ゴローの間等)」PS ガーディアの宝珠版

マイフェイバリットゲームであるウィザードリィ#7を久しぶりにプレイしまして、やっぱり楽し過ぎてこのゲームは最高やなとかんたんし、もう一周プレイしようか迷っているところです。 正式名称は「CRUSADERS of the DARK SAVANT」、通称CDS。 ダーク・サヴ…

「旅をする木 感想 命を見つめる姿勢、吉村昭さんと共通するもの」星野道夫さん(文春文庫)

星野道夫さんのエッセイ「旅をする木」をあらためて読んでみたところ、一つひとつの命を見つめるやさしい視線と、吉村昭さんの小説にも通じるような透徹とした姿勢とを感じてかんたんしました。 books.bunshun.jp 広大な大地と海に囲まれ、正確に季節がめぐ…

「大友義鎮 国君、以道愛人、施仁発政 感想」鹿毛敏夫さん(ミネルヴァ書房)

ミネルヴァの評伝「大友義鎮」が発売されまして、義鎮(宗麟)さんの内政・外交・文化面の知らなかった事績が豊富に紹介されていてかんたんしました。 一方、義鎮さんの生涯・合戦・家臣・ライバル(島津家除く)についてはあまり触れられていないのは素直に…

「漢詩百首 日本語を豊かに 感想」高橋睦郎さん(中公新書)

中公新書、高橋睦郎さんの「漢詩百首」が、漢詩の味わいや各詩人のプロフィールに気安く親しめる良著でかんたんしました。 日本人・日本語の歴史に対して、漢詩がいかに重要な役割を果たしてきたかを論じてくださっている熱量も素敵ですね。 www.chuko.co.jp…

信長の野望20XX「寿桂尼の追憶 感想」

20XXで花蔵の乱イベントが実装され、個人的に今川家で一番好きな武将である岡部親綱さんが登場・活躍されていてかんたんしました。 ↓「寿桂尼の追憶」実装リリース nobu201x.gamecity.ne.jp 以下、ネタバレを含みますのでご留意ください。 攻略に役立つ情報…

「草枕 感想 那美さんは男性向け恋愛コンテンツの一原型ではないか」夏目漱石さん(青空文庫)

青空文庫で夏目漱石さんの草枕を再読しましたら、昔読んだときは高尚な芸術論的作品のように思えたのに、今読んだら「これは一種のTo Loveるとして読んだ方が面白いのではないか」という風に思えまして受容体たる己の精神的変化にかんたんしました。 www.aoz…

「じゃりン子チエ 文庫版15巻 感想 お好み焼き屋のオッちゃん(百合根)の火力マシマシ」はるき悦巳先生(双葉文庫)

じゃりン子チエの文庫版15巻、ギャグのキレが高い巻でかんたんしました。 脂がのっている時期というやつですかね。 www.futabasha.co.jp 15巻に載っているお話は次のとおりです。 テツに客は来ない 商売繁盛ゲン直し テツの白星ホルモン さぁ勝ち越しだ エイ…

「アイデンティティが人を殺す 感想」アミン・マアルーフさん / 訳:小野正嗣さん(ちくま学芸文庫)

「アイデンティティが人を殺す」というエッセイを読んでみたところ、まこと現代世相にフィットした考察や意見が記されていてかんたんいたしました。フランス語の原文には触れていませんが、小野正嗣さんによる訳もすごくいい気がいたします。 このテキストは…

「東日本の動乱と戦国大名の発展 感想」丸島和洋さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑤)

列島の戦国史シリーズ、丸島和洋さんの「東日本の動乱と戦国大名の発展」が最新研究の反映を含めて密度・分量たっぷりな内容でかんたんしました。 シリーズの中でも、いい意味で戦国時代についてやや詳しい人向けだと思います。 www.yoshikawa-k.co.jp 16…

信長の野望20XX「平安編第4章 朝家の守護 攻略の感想」

信長の野望20XXに平安編第4章が実装されまして、難易度がいっそうハードになりつつ、物語の展開も急激にシリアス度が増してきてかんたんしました。 こういった好き嫌いが分かれそうな重いシナリオを下地にしていただけるなら、戦国時代の人物が平安時代に行…

漫画「食の軍師とは 概要と力石」泉昌之先生(週刊漫画ゴラク)

漫画「食の軍師」、いつまでたってもゴラクに掲載されないし単行本も出ないもんだと思っていたら8巻で連載終了していたことに今さら気づき、あらためて全巻読み返してみたら力石さんあっての食の軍師やなということをひしひしと再認識できてかんたんしました…

大相撲'21春場所感想「鶴竜関との別れ、明生関の覚醒」

大相撲春場所、相変わらずコロナで東京開催が続いているのがいい加減寂しい感じもしますが、内容としては横綱たちの出場/休場騒ぎだったり鶴竜関の引退であったり高安関の奮闘であったり照ノ富士関の完全復活であったりこれまであまり目立たなかった力士た…

小説「陰陽師 生成り姫 感想 陰陽師シリーズを初めて読む人におすすめ」夢枕獏さん(文春文庫)

陰陽師シリーズ初の長編作品「生成り姫」が、シリーズを初めて読む人にもシリーズのファンにもサービスレベルが高い逸品でかんたんしました。 books.bunshun.jp 十二年前、月の明るい晩。堀川の橋のたもとに立ち、笛を吹く源博雅と一人の姫。すべては二人の…

漫画「君に届け 感想 友達のちづとやのちんがすごくいいよね」

今さらながら「君に届け」の原作漫画を全巻読みまして、全編通した丁寧な心理描写にかんたんするとともに、ちづとやのちんみたいな女友達ちょういいよねという気持ちがみなぎりました。 betsuma.shueisha.co.jp 絵の線が感じいいなあ、完結したら全部読もう…

「交易の世界史 シュメールから現代まで 感想 溢れ出る刃牙文法」ウィリアム・バーンスタインさん / 訳:鬼澤忍さん(ちくま学芸文庫)

交易の世界史という、交易の観点から世界史の流れを追った書籍のダイナミックかつ巧みなレトリックっぷりにかんたんしまして、どこかで同じようなテイストの本を読んだことがある気がするなあと考え込んだところグラップラー刃牙だわと思い至りました。 www.…

「じゃりン子チエ 文庫版14巻 感想 掛け合いが楽しい巻」はるき悦巳先生(双葉文庫)

じゃりン子チエ文庫版14巻、周センセやジャリ屋の玉ちゃんが登場してますます賑やかになるとともに、各キャラのイキイキとした掛け合いが面白い、満足度の高い巻になっていてかんたんしました。 www.futabasha.co.jp 14巻に収録されているお話は次のとおりで…

「Bloodstained:RotN クラシックモード 攻略した感想」

Bloodstained:Ritual of the Nightに懐かしい仕様のクラシックモードが実装されていてかんたんしました。 いまどきこんな2D(風)のステージクリア型アクションゲームを楽しめるなんて本当にありがたいことであります。 playbloodstained.com クラシックモー…

「東日本の統合と織豊政権 感想」竹井英文さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑦)

東日本の戦国時代後半通史を記した当著が、最新の研究反映、視点の広さ、読みやすさ等を兼ね備えたハイレベルな一冊でかんたんしました。 www.yoshikawa-k.co.jp 16世紀後半、関東では武田・上杉・北条らの領土紛争が激化、奥羽では伊達の勢力が急拡大する…