肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧

大相撲「2025初場所 感想 豊昇龍の楽しむ力、復調する者 調子を崩す者」

2025年になりまして大相撲初場所、豊昇龍・琴櫻両大関の綱取り挑戦であったり照ノ富士関の引退であったり序盤から話題と感情が濃い場所になりましたところ、豊昇龍関が最後の最後まで意と地力を貫き通してチャンスをものにしたり、初場所あるあるな気もする…

小説「アメリカ彦蔵 感想」吉村昭さん(新潮文庫)

「アメリカ彦蔵」――幕末に漂流してアメリカ船に拾われたことでアメリカ国籍を得、ハリスさんの通訳として日本へ帰国し、明治の日本社会でアメリカ人として生きた方――の吉村昭作品を読みまして、船の上だけでなく、人生そのものが二国の政治情勢のはざまで漂…

「楠木正成・正行・正儀 南北朝三代の戦い 感想」生駒孝臣さん(星海社新書)

楠木正成・正行・正儀お三方の実像を可能な限り史実ベースで描いてみましょう、という新書が出ておりまして、もちろん史料的制約は大きい中ではあるのですが、楠木一族が南北朝時代に果たした役割、河内や摂津・和泉を中心とした一族・家臣団、それぞれの戦…

「黒牢城 感想 まさかの有岡城密室殺人ミステリ小説」米澤穂信さん(角川文庫)

直木賞を受賞して各種ミステリランキングでも1位を取って、という小説が平積み販売されていまして、ほへえと思って手にとってあらすじを見てみたらまさかの「主役:荒木村重」「安楽椅子探偵:黒田官兵衛」「舞台:有岡城」という要素にたいへん驚き、内容も…

「三井大坂両替店 感想 デキる経営は今も昔もそう変わらない」萬代悠さん(中公新書)

江戸時代の三井大坂両替店……現代でいえば銀行……の経営っぷりを一次史料ベースで丹念に読み解いた書籍が出ておりまして、その面白さ、時代の社会環境のなかでベストを尽くす経営っぷりの現代と変わらぬ創意工夫にかんたんしました。 現代人が過去に転生して現…

「陰陽師 蒼猴ノ巻 感想 いや、ゆ、ゆけぬ……」夢枕獏さん(文春文庫)

陰陽師 蒼猴ノ巻、いつも以上に安倍晴明さんのビターな一面、源博雅さんの笛、蘆屋道満さん流の人助けが楽しめるほか、新たなライバルキャラが登場したり、「ゆこう」「ゆこう」の掛け合いを外してきたりと、楽しめる巻になっていてかんたんしました。 books…

「相馬一族の中世 感想」岡田清一さん(吉川弘文館)

あけましておめでとうございます。 相馬一族、そのなかでも主に奥州相馬氏の中世……鎌倉時代・室町時代・戦国時代・相馬藩成立までを俯瞰した書籍が出ておりまして、歴代の社会状況と相馬氏の動向がたいへん分かりやすくまとめられていてかんたんしました。 w…