肝胆ブログ

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「大盛り! 成り上がり飯 2話 感想 土山しげるロスにスーッと効く」奥嶋ひろまさ先生(くらげバンチ)

 

くらげバンチへ移籍し「頂き! 成り上がり飯」の続編として連載が始まった「大盛り! 成り上がり飯」の第2話が、私がグルメ漫画に求める「おいしそうさ」「読みやすさ」「庶民感覚」「荒唐無稽かつツッコミ不在な漫画的展開」を極上レベルに満たしてくれていてかんたんしました。

絵のテイストや土俵となる漫画ジャンルはだいぶ違いますが、往年の土山しげる先生のグルメ漫画たちと相通じるものを感じてロス心にスーッと効いてしまう……!

 

未読の方は、25.6.29現在1話も2話も無料で読めるので今のうちに。

 

↓ 1話

kuragebunch.com

 

 

↓ 2話

kuragebunch.com

 

 

さっくりとあらすじを申し上げますと、

ケンカに明け暮れる超不良高校「王森高校」にて、「王森高校のママに俺はなる!」を目指し、主人公ケニーさんが不良たちを餌付けしていくというものになります。

今回始まった大盛り! 版ではケニーさんが2年生に進級し、ダブル主人公的に新入生のレオさんが登場。はてさてこれからどうなっていくんでしょうかという1-2話だす。

 

 

詳しくは読んでいただければと思いますが、作者の奥嶋ひろまさ先生は知る人は充分すぎるくらい知っている実力者(モンキー・ファクトリー関係者でもある)ですので、まず唸らされるのは圧倒的な読みやすさ。

 

その上で、毎話毎話どうみても不良高校生マンガものな入りのに途中からグルメ漫画へと誰一人ツッコむことなく超展開していく手腕に恐れ入るばかりなのです。どう考えてもおかしな展開なのに登場人物も読者もその流れに乗っかる心地よさの方を選択してしまう、教祖を超えた教祖、詐欺師を超えた詐欺師のような漫画的技量の冴えを見よ。

 

もちろん、出てくる食べものはいずれもおいしそうかつ庶民目線で、ちゃんと食欲がわきますの。食欲が失せるようなグロい場面や絵面は出てこず、ストーリーラインも超展開ながら爽やか青春感をあくまで守っているところも好感度高いんですよね。

 

 

こんかい推す2話では、主人公のレオさんがさっそく餌付け・篭絡されてしまうわけでありますが、そのグルメ漫画文法の極み的な堕とされようと食レポ力がとりわけ完成度高くてよかったです。

「不良に大切なのは筋肉じゃない
 気合いと根性と度胸
 そして――
 気合いと根性と度胸の元になるのが
 三大栄養素である
 たんぱく質
 炭水化物
 脂質だっ!!

 

初体験っ?
 小麦の香ばしい香り!
 ちっきしょう!
 表面を軽く焼いて
 バターを塗ってやがるな!
 甘みが口一杯に広がるぜっ!」

 

「幸せだっ!
 サンドイッチされてるのは
 食材じゃない
 俺自身だったんだ!
 幸せに押し潰されそうだぜっ!

 

 痛くねえっ!!
 もしかしてこれが脂質!?
 まるでハムがパンチから
 守ってくれてるみたいだ!

 

などなど。

このクオリティ、これからもくらげバンチを素敵に彩ってくれそうです。

 

成り上がり飯の人気が高まっていくとともに、リアル社会の喧嘩もおいしいものを食べて仲良く丸まってくださいますように。