肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

大阪市阿波座「旧川口居留地」と「大阪川口基督教会」

 

阿波座のあたりを散歩していたら、旧川口居留地にある川口基督教会の見物が面白くてかんたんしました。

 

www.city.osaka.lg.jp

 

 

日本聖公会 川口基督教会

 

 

 

いまいちマイナーな阿波座駅。

かつては大阪府庁舎もあったそうなんですが、そんなことを知っている大阪人は少ない気がします。

 

阿波座といえば見応えのあるジャンクションの方がいまや有名かもしれません。

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人類スゲェと思わせられる立体交差。

 

 

阿波座というくらいですから、もともと阿波商人が割拠していたのでしょうけど記録がいまいち残っていないそうです。

近くには土佐堀もありますし、この界隈は四国系人材の橋頭保だったのでしょう。

三好三人衆が立てこもった野田城もそんなに遠くありませんよ。

 

 

 

そんな地下鉄阿波座駅から西側、川を越えたあたりが旧川口居留地であります。

 

 

 

1868年(明治元年)に大阪港が開港され、川口居留地が外国人に競売されました。

天下の台所として経済の中心だった大阪に期待して外国商人が集まってきたそうです。

 

ただ、いかんせんこの辺りの土地は狭く、当時の大阪港の機能も不便だったようで、やがて外国商人たちは「神戸の方がええわ」と移って行っちゃったそうですが……

神戸あっぱれ。

 

 

いまでは居留地の名残りをつたえるものはほとんどなく、寂しい限りであります。

 

 

 

そんな中、現在に当時の雰囲気を伝えてくれるのが川口基督教会です。

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ちょっと大阪ぽくなくてイイでしょう。

 

見学自由でして、前を通りがかると神父さんがどうぞどうぞと案内してくれます。
(布教されたりしませんので安心ください)

 

慶弔事の準備中でしたので内部の写真は遠慮させていただきましたが、現在も多くの信徒の崇敬を集めているのであろう、厳かで厚みのあるよい雰囲気の教会でしたよ。

一階から見上げても二階から見下ろしても充足感のある居心地。

信徒の寄付で少しずつ増やしているというステンドグラスがきれいでした。

 

阪神淡路大震災では建物がえらいダメージを受けてしまい、取り壊すことも検討したそうですが、様々な方の応援でなんとか修復することが出来たそうです。

建て直すよりも数倍のコストがかかったそうですけど、こういう建物は一度失われると二度と手に入らないですもんね。

 

 

この川口基督教会を開くもとになったのがチャニング・ムーア・ウィリアムズ師という日本聖公会初代主教の方による宣教で、これは明治後の大阪初のキリスト教布教だったそうです。

 

ちなみに東京の立教大学を開いたのもこちらのウィリアムズ師なんですって。

あんまりキリスト教のミッションって詳しくないのですが、日本聖公会立教大学の他にも桃山学院、プール学院、平安女学院などの関西人に親しみのある学校を開いているとのことで、思いのほか我々の生活に浸透しているようです。 

 

 

 

ぷらぷら歩いていて知らない歴史に出会うと楽しいものですね。

なかなか阿波座に用がある人は少ないかもしれませんけど、川口基督教会は一度ご覧いただく価値があると思いますよ。

大阪府の指定有形文化財ですし。

 

 

 

阿波座の界隈もちょっとずつ開発が進んで人が増えてきているようですし、10年くらいしたらすごく人気のあるエリアになっているかもしれません。

 

新しい人と古い歴史がいい感じに混ざって溶け合って魅力が増していきますように。