あけましておめでとうございます。
信長の野望201X、去年のお正月は三好元長さんが登場して驚いたものですが、今年のお正月は木沢長政さんが登場していて再度驚きました。
この201Xスタッフさん方の粋?なお計らいにはかんたんするばかりです。
↓木沢長政さんが登場する「新春の宴~華~」ガチャのリリース。
ジャンジャン横丁のおっさんがコスプレして日本橋に迷い込んだ色。
華やかな浅井三姉妹とのギャップが激しすぎて混ぜるな危険感がすごい。
手にしているのはブーメランなんでしょうか。彼の生涯を具現化……?
(入手してみましたが全身図がなかったので詳細不明です)
人物紹介
木沢長政さんについては何度か取り上げたことがあります。
「南近畿の戦国時代 躍動する武士・寺社・民衆」編:小谷利明さん・弓倉弘年さん(戎光祥出版) - 肝胆ブログ
「戦国期細川権力の研究」馬部隆弘さん(吉川弘文館) - 肝胆ブログ
あらためてかんたんに彼を紹介しますと、
- 元々は畠山総州家の奉行人の家(の庶流)出身
- 畠山総州家と細川晴元家の両方に属す二股特性持ち
- 足利義晴さんに接近して「守護並み」というグレー肩書を標榜し勢力拡大
- 畠山総州家を下克上し、畠山尾州家を下克上した遊佐長教さんと河内を二分
- 大和にも進出し、柳生家等、興福寺に反目しそうな国人衆を配下に
- 細川高国さんとは本気で戦わず勢力を温存
- 細川晴元家の一向一揆・法華一揆扇動を主導(諸説あり)
- 細川晴元家でライバルだった三好元長さんを謀殺(諸説あり)
- 飯盛山城や信貴山城の元々の主であり、居城を次々と移動
- 最終的には自立して独立勢力となるも、足利義晴さんには見放され、遊佐長教さんには裏切られ、三好長慶さんと三好宗三さんには危険視され、皆から攻撃されて滅んでしまう
……という、なかなかハードコアな生涯を送ったことで知られている方ですね。
スキル名の「法難の底意」とは、京に応仁の乱以上のダメージをもたらしたという一連の宗教一揆の背後に木沢長政さんがいたんじゃないの説から来ているのでしょう。
伝統的な三好長慶さんの物語では「父の仇」として素晴らしい悪役となります。
主家を簒奪し、細川晴元さんを陰で操り、三好元長さんを罠に嵌め、混沌たる畿内で頭角を現すも、光り輝く貴公子三好長慶さんに見事な仇討ちを遂げられてしまうという。
ヤクザ映画かよというくらいの悪役嵌まりっぷりであります。
一方、さいきんの研究では
- 細川晴元さんを操っていたのは可竹軒周聡さんあたりではないか
(木沢長政冤罪説) - 足利義晴さんから見れば木沢長政さんは一貫して忠臣だったのではないか
(足利義晴無節操説) - 木沢長政さんの成り上がりっぷりは積極的に評価すべきではないか
(木沢長政=三好長慶の先駆者説)
などのフォローの声も出てきており。
いずれにせよ畿内史周辺ではカルトな人気を誇るお方なんですよ。
知名度は乏しくとも星3化されるだけの実績は充分あると言えるでしょう。
ところで木沢長政さんの所属は正しく「畠山家」となっておりますが。
そうなるとこの方はいったい……
他の遊佐信教さんや安見直政さんは畠山家所属なので尾州家だけがハブられている訳ではなさそうです。
どうやら201Xの世界線では畠山高政・昭高兄弟は傀儡にすらなれずに家から追放されているらしい……お気の毒。
全体攻撃バフのロマン
201Xのゲーム仕様では、全体攻撃バフは効果がほんのりなので使い勝手が良いとは言えません。邪魔にもなりませんけどね。
(一方、全体防御バフは強敵の攻撃を凌ぐのにとても役立ちます)
そんな中、畿内史界隈の主要人物に全体攻撃バフの使い手がやたら多いのは、何らかの製作者のメッセージを感じずにはいられないと思いませんか。
- 三好長慶:全体攻撃バフ+35%、自身防御バフ+40%
- 三好義賢:全体攻撃バフ+40%(自軍ピンチ度に応じて増加、最大70%)
- 六角定頼:全体攻撃バフ+40%、自身防御デバフ▲20%
- 木沢長政:全体攻撃バフ+35%(後列時は+45%)
ここで読み解くべきなのは、
ゲーム内の実利ではなく、畿内史解釈というロマン
だと私は思い始めたのです。
すなわち。
全体攻撃バフというあまり役立たないスキルを「家中、他大名、国人衆、公家、寺社、町衆、惣村……という多種多様な畿内社会を統率する能力」だと脳内変換すれば!
純粋な統率力
三好実休(義賢)さんこそガチンコポテンシャルNo.1(+40%over)。
裏(後列)で暗躍している時の木沢長政さん(+45%)もさすが。
年代別に実力を並べると
1532年(三好元長死亡)
暗躍木沢長政(45%)>六角定頼(40%)>三好千熊丸(35%)
1542年(木沢長政死亡)
六角定頼(40%)>表に出てきた木沢長政(35%)=三好長慶(35%)
1546-47年(細川氏綱の乱全盛期)
自軍大ピンチ三好実休(70%)>六角定頼(40%)>三好長慶(35%)
となんだか絶妙にリアル極まりない感じに。
六角家の役割
足利家や細川家を後見する、皆から一目置かれる(+40%)実力者。
但し、足下では家中の綻び(自身防▲20%)も予見されるのでは……
他家に介入すればするほど自家が弱っていく悲しい六角家。
生存能力
三好長慶さんのスゴさは純粋な統率力(+35%……)だけでなく、魑魅魍魎うごめく畿内争乱を生き抜いた(自身防+40%)ところにあるよね!
(なおメンタルに防バフはかからない模様)
などなど、ゲームに活かせないところで充分に楽しむことができる!
かもしれません。
乃美大方?
阿菊御料人?
あんな紹介状何枚積んでも来てくれないお高くとまった女なんか知らんもん。
古来から様々なゲームで縛りプレイや二次創作が楽しまれてきたように。
ピュアな攻略効率以外のところでも楽しめるのは幸せなことだと!
やけくそ気味に思う今日この頃です。
そろそろ長慶さんにスキル鍛錬こないかなあ。
↓来ました('19/3/5)
以上、正月からしょうもないたわごとでございました。
ところで、201Xの年末年始ご挨拶のところで
来年はいよいよ2020年へのカウントダウンが始まります。『信長の野望 201X』も新たなステージに進められるようコンテンツの強化を図ってまいりますので、引き続きユーザーの皆様にはご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
とありましたが、201Xは2019年で一区切りなんですかね?
201Xが202Xにバージョンアップして、これまで集めた武将たちが引き継げなくなったり引き継げても戦力的には微妙になったりとかあるんでしょうか。
愛さえあれば、これまで育ててきた初期武将たちを引続き使うことも可能な、従来のゲームバランスの思想を保ってくれたり。
201Xのシナリオが好きなので、シナリオの連続性を保ってくれたり。
してくださったらいいなあ。
そうあれかし。
2019年後半の課金離れを防ぐためにも、早めに方針を示してくださいますように。
個人的には、多少のインフレならば、その分新規参入の人が気軽に201Xシナリオを楽しめるようになるでしょうから、その辺は好意的に受け入れたい派です。