肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「Another Gene(アナザージーン) 感想 続編を切に願う」脚本:足木淳一郎さん / 作画:Gurihiru(ツブラヤイマジネーション)

 

ツブラヤイマジネーションで待望のオリジナルコミック「Another Gene(アナザージーン)」が公開されていてかんたんしました。

これは読切で終わらせずに続編や映像化等の展開をこいねがいたいですね本当に。

 

imagination.m-78.jp

 

 

以下、Another Geneのネタバレを含みますのでご留意いただきたいのですが、ネタバレといっても上記キービジュアルをご覧になればなんとなく察せるとは思います。

 

要はガイさんが(ちょっとだけ)出るので、ジードファンだけでなく、オーブファンも絶対に読みましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「Another Gene」はウルトラマンジード世界の続編にあたる作品でして、主人公はベリアルさんのもう一人の息子「叶夜ニクス」さん。

本編のウルトラマンジード=朝倉リクさんがベリアルさんからウルトラマンの遺伝子を持って生まれてきたように、叶夜ニクスさんはベリアルさんのレイオニクスとしての遺伝子を持って生まれてきております。

そんな彼が、ゼナさんたちAIBと協力しながら、怪獣探偵としてエレキング・ザンドリアスとともに活躍している……というお話。

 

ツブラヤイマジネーションで「ジード」と「Another Gene」をつなぐ短編小説も読むことができまして、モアさんたちジード登場人物のその後の様子も伺えるのでジードファンは必見モノでありましょう。

 

 

 

 

読みどころとしましては、まずは何といっても作画ユニット:Gurihiruさんの素晴らしい描写力。

どのコマもあたかも1枚絵のような完成度で見惚れますし、一方で漫画としてのテンポ・コマ割もばっちり。素晴らしいウルトラマン・コミックに仕上がっています。

主人公の叶夜ニクスさんの朝倉リク好対照なデザインはまことに好感度高く、邪悪さ・冷徹さがより強調された伏井出ケイさんは黒格好いい。漫画的デフォルメが聞いたマグマ星人軍団のデザインも楽しいし、幼体的なエレキング・ザンドリアス・グビラはそれぞれかわいくて頼もしい。

それぞれ特撮とはまた違った表現力に満ちていて、「ウルトラマン」を漫画化する意味を十二分に感じますね。

 

ウルトラマンの漫画といえば作画コストが高いことで知られていますので、なかなかホイホイ継続連載するのも難しいとは思うのですけど、あまりにも面白いのでこの一作だけに留めず今後も続編をアップしていただきたい……。この1話でさようならというのはファンに対してあまりにも残酷な仕打ちではないでしょうか。

 

 

 

文芸面でも、叶夜ニクスさんのお人柄やセリフや趣味嗜好、朝倉リクさんと似通うものを感じずにはいられなくてめちゃくちゃ好感度高くて業が深いですね。

どう見てもこれは兄弟。同じ親の子じゃないですかまことに。

 

ジード」、朗らかな登場人物たちとは裏腹に設定はめちゃくちゃ重たくて業が深い作品なわけですけど、この「Another Gene」もその塩梅がまったく通底。

こんな業が深くて魅力的なキャラクターを生み出してしまった以上、叶夜ニクスさんの人生にひとまずの見通しが立つまではしっかりと続編を制作いただきたいものです。

 

足木淳一郎さんのキャラ理解と、キャラの活かし様が本当にすごい。

特にゼナ先輩の相変わらずな活躍っぷりほんと好き。

 

 

 

そしてガイさんですよ。

イラストも文芸も、これはまごうことなきガイさん。

出てくるだけでずるいほど格好良く、ファンを狂喜させる男そのもの。

 

ガイさん、やっぱりジード世界にも過去にいらっしゃっていたんですね。

革ジャケ入手後なので、時系列的にはオーブ本編後に二回来ていたのか、あるいはオーブ本編開始直前にほかの宇宙の地球にちょっと立ち寄ったのか。

 

 

「Another Gene」にガイさんを出演させた点、私は英断だと褒め称えたい。

 

単にオーブ好きだからじゃないですよ。

いやそれもめちゃくちゃあるんですけど。

 

叶夜ニクスさん、レイオニクス系主人公でしょ。

今後、変身することはあってもたぶん巨大化まではしないでしょ。

コミックの強みを生かして、巨大化バトルではなくて、等身大サイズのドラマを描いていく感じになりますでしょ。

 

そんな世界に既存のウルトラキャラを導入するとしたら、クレナイガイorジャグラスジャグラー(人間態)というのはまこと理にかなっていると思うのです。

 

なぜなら、数あるウルトラマン登場人物の中で、ウルトラマンや魔人態への変身に頼らずともドラマを成立させることができてしかも他の宇宙にシレッと現れることができるという点では、この二人のポテンシャルが突出しているからであります。

問答無用の人間力、地球人とはケタが違う寿命と生命力、多次元を渡り歩く謎の移動力、そして文字通り漫画じみた戦闘力。

「オーブオリジンサーガ」や「エピソード10構想」の存在により、テレビ本編以降の姿を描いても何ら違和感がないというおいしさ。

これだけの貴重な条件を兼ね備えている人物はモロボシ・ダンさん以来といっても過言ではないでしょう。

 

現にジャグラーさんはウルトラマンZにヘビクラ隊長としてレギュラー出演するという快挙を成し遂げているわけですから、ここはガイさんも「ニュージェネのオーブ」としてではなく「クレナイガイ」として更に掘り下げる展開が欲しいと思っていたまさにこの時にこんな傑作への出演がなされて嬉しいったらないのですよ。

 

ジャグラーさんがリクさんやハルキさんら光系の人物を庇護しがちなのに対して、

ガイさんが叶夜ニクスさんのような闇を抱えた人物を導いているというのも解釈一致度が高すぎて唸ります。

 

ジャグラーさんは闇の力で光を支えて、ガイさんは闇を抱いて光となる。

ジャグラーさんが新しいドラマを始めたら、ガイさんにも新しいドラマが訪れる。

これからもそうあれかし、二人が対照的にキャラを深めていくことこそがいずれ「二つのパワーで闘え! ウルトラマンオーブ!」のネクストステージに繋がるはずですわ。

「二つのパワー」って「フュージョンカード2枚」と「ガイ&ジャグラー」のダブルミーニングだと思うんですよね。

 

 

……と、途中からAnother Geneではなくオーブが好きだという話にズレた気がしないでもありませんが、そういう期待も含めてAnother Geneの連載が今後も何かしら続いていきますように。

 

本当に、「ニュージェネの一員としてのオーブ」以外のガイさんの発展を待ち望んでいたから超うれしい。