久しぶりに南紀へ行きまして、どしゃ降りのなか新宮を散歩していたらかえって幽玄な雰囲気を味わうことができてかんたんしました。
熊野界隈の古代的な空気感って、あらがえないような不思議な魅力がありますよね。
三重県東紀州「ウミガメ公園 、花の窟神社、丸山千枚田、赤木城、鬼ヶ城」 - 肝胆ブログ
新宮城
「続日本100名城」にも選ばれた風靡なお城、新宮城。
豪雨 笑。
とはいえ、雨の石段・城址というのもなかなか風情が良いものです。
熊野信仰や水運の要の地に建てられているだけあって、大規模なお城ではありませんが非常に立派なつくり・威容を楽しむことができます。
さすが、前作より城数が減った信長の野望・新生でもばっちり登場しているだけありますね。
雨なので視界はよくありませんが、熊野川や太平洋の至近に建てられており、いかにも交通の要所な選地を実感できます。
阿須賀神社
渋沢栄一さんで知られる東京は王子の飛鳥山も、この阿須賀権現を勧進したことが由来だったんですね。知らなんだ。
こちら阿須賀神社には資料館が併設されていまして、往年の熊野信仰を物語る史料の数々を見ることができます。
想像以上に見ごたえがあったのでおすすめですよ。
個人的に見逃せなかったのは、元ネタは不明ですが「1561年 小早川隆景が毛利元就の代参で熊野詣」という熊野史年表の一文。
1561年……絶対ただの熊野詣じゃないやん。畠山家と対三好家戦略の情報収集とか密約とかやってるやつやん。
などと想像できて楽しい驚きでした。
平清盛さんとかもいろいろありましたが、熊野は独特の信仰の力で日本中の情報が集約される地だったことは間違いないですもんね。
歴史ものの創作だと「紀伊で知った」と言えば特有の説得力が出るので便利な気がします。「京で知った」「堺で知った」よりも裏の独自情報っぽくてよくないですか。
こういう紀州独特の特性が信長の野望の畠山家の力にフィードバックされればなあ。
神倉神社
神々降臨の地、神倉神社。
ここから、石段を登りまくる必要がありますのでがんばりましょう。
さすれば、ご神体のゴトビキ岩を拝観することができます。
圧倒されるような迫力がございますね。
奈良の大神神社とかもそうですが、岩や山といった自然そのものを神体とする古代信仰のかたち、素朴に響くものがあります。
がんばって登った分、見晴らしもいいですよ。雨ですが。
南紀最大の町だけあって、建物密度が高いですね。
いまはコロナ禍であれですが、やがて海外からの観光客も復活して、栄え続けていただきたいものです。
なお、ゴトビキ岩の近くの手水鉢にはこんな解説が。
一瞬、戦国時代の大関高増さんかと思って、時代が合わんやんけと勘違いしたのですが、後で調べたら大関高増さんの曾孫も大関高増さんだったんですね。
この「大関高増の母」さん、シャム姫という徳川家康さんが側室に産ませた娘という話もあるそうで。詳しいことは分かりませんが、いろんな縁やお話が世の中にはあるもんだなあ。
熊野速玉大社
熊野御幸の歴史等も含め、ご由緒の深さを感じることができますね。
新宮の中ではアクセスもよいので、一度は行ってみることをおすすめしたいです。
めはりずし
熊野速玉大社の目の前にある「花風月」さんで休憩がてら昼食。
南紀と言えばめはりずし。
めはりずしと言えば将太の寿司屈指の良エピソードで全国的に知られていますね。
「どうしたんや流れ職人佐治安人!! ここへ来て大ボケかいな!!」のやつ。
(将太の寿司のノリがいいギャラリーが好きです)
めはりずしの素朴な味がもともと好きなのですけど、こちら「花風月」さんのお料理はどの品も手間と愛情がかかっている感じで、胸があたたかくなるような素敵さでした。
おすすめです!
以上、新宮市を半日まわってスゲェ楽しかったというお話です。
新宮にはほかにも徐福さん伝説の地とかもありますので、歴史好きなら間違いなく楽しめる土地ですよ。
とりあえず各神社には世界平和を祈っておきました。
これからも世の中や皆さまが無病息災であられますように。