久しぶりにRuinaをプレイしてその面白さに再びかんたんしましたのでおすすめするとともに攻略のかんたんなコツ的なものを書きたいと思います。
↓製作者枯草章吉氏のサイト。
その界隈では傑作として名高いのでご存知の方も多いかもしれません。
聞いたことがない・プレイしたことがない方はむしろ幸運です。何周クリアしようが、初プレイ時のフレッシュな感動ほど良いものはないですからね。
評価されているポイントはRPGとしてのバランス・完成度の高さもございますが、何よりもその世界観・キャラクターがアマチュア作品と思えないほど極上に魅力的な点にあると思っています。
とりわけ製作者枯草章吉さんの歴史関係の造詣の深さが素晴らしく、人類史・ファンタジー史への理解・考察に立脚した物語構成力が半端ないのですよ。歴史好きには是非プレイしていただきたいRPGなのであります。
以下、若干のネタバレを含みつつ、物語の核心には触れないかたちでご紹介を。
作品のススメ
まずはタイトルロゴ。
世界観。
大河のほとりにある小さな町を舞台に物語が展開していきます。
基本的にはひたすら町はずれのダンジョンを探索していく感じ。
物語には直接関係しないところまで世界設定が練られているのがファンタジー好きの心をくすぐります。
巨大な樹。奈落界。冥府。天界。いずれもゲームには関係いたしません。
こういう細部いいよね。
冒険するダンジョンのご紹介。
序盤の洞窟。
○印の箇所を探索して、戦闘や障害を乗り越えることで空白部の地図が埋まっていく感じです。
ちなみに経験値稼ぎは不要で、探索が進めば自然とレベルが上がっていく仕組みになっています。サクサク攻略できてありがたいの。
洞窟の奥には不思議な世界が広がっています。
ダンジョンの中に……星空と森?
ちなみにこのマップのBGM「Song for Explorer(大嶋啓之さん)」は名曲です。
更には古代都市が……?
もちろん、こうした世界が洞窟の奥に広がっているのにも相応の理由と目的があり、その仕組みを解いていくことが冒険の大きなテーマになっていく訳ですね。
出会う人々や事件もバラエティ豊かでして。
町の神殿と、宗教総本山の僧兵との対立があったり。
軍事貴族が事件を利用してのし上がろうとしたり。
民心の移ろいに距離を感じる、情趣深い女性がいらっしゃったり。
古代種族との邂逅があったり。
泉の中には女神がいたり。
泉の中には変態もいたり。
いいことを言う簒奪者(全裸)がいたり。
信仰のありようを考えさせてくれる少年がいたり。
プレイヤーの心情を慰めてくれる巫女さんがいたり。
物語の本質を上手く説明してくれる仲間がいたり。
様々なかたちで世界観のよさをプレイヤーに訴えかけてきてくださるのですよ。
ゲームブック的な作品でして、つくりこまれた物語設定をいろんな角度で楽しませてくれるのが本当に嬉しいですね。
登場人物同様、私が推したいのは豊富な文献類。
この世界の神話や歴史を記す文献の数々を読めちゃうんですよね。
中には攻略に役立つものもあるんですが、
それ以上に「アツいな」と感じ入るのが、同一の出来事を扱っていても、媒体によって表現や細部が異なるところ。
微妙に経緯が違うのが、書き手や読み手の事情を考えさせられて面白いです。
(ある女とはターニャちゃんなのだろうか)
この傾向は過去の帝国の歴史描写なんかで特に強く、「史実はどのように変容して後世に伝わっていくか」「史実と文献のズレはどのように生まれるか」等に思いを馳せさせてくれるのです。
その上で「歴史と物語の違い」「物語の役割」を踏まえて当作品も展開していくのがね、イチ歴史ファンとしてもイチ文学ファンとしても非常に快いんですよね。
他にも、この史書類、単純に読み物としても面白いの。
特に過去の帝国の歴代皇帝描写。
「星に至った」。主人公の某ルートイベントを踏まえるに、たぶん事実なんだろうなあとか。
「先の皇帝二代の間に生まれた」……近親相姦じゃねえか……とか。
このタイタス十世は一人だけ墓所の蓋が開いていたり、先の八世九世は墓所で一緒に眠っていたり、彼ら自身の遺志を感じさせられて演出がすごいんですよ。
そこかしこでローマ帝国や漢をオマージュしている感じがするのも楽しい。
どうです。
ちょっとフリーゲーム離れした物語の作り込みようだと思いませんか。
この凝りに凝った設定自体が高品質であるだけでなく、設定が上手くゲームの内容と噛み合い、盛り上げにおおいに貢献しているという点が実に素晴らしいのです。
「なんか面白そうだな」と思った方は、マジでプレイしたほうがいいと思いますよ。
攻略のコツ
プレイに当たって、主人公の出自を次の四種から選びます。
- 賢者の弟子 魔法使い型。強いというか便利。
- 騎士の嫡子 戦士型。シンプルに強い。
- 罪人の遺児 盗賊・忍者型。シンプルに強い。
- 神殿に拾われた孤児 僧侶型。サポートタイプ。強くない。
初プレイ時は、一番シンプルに遊びやすい騎士ルートがいいと思います。
賢者・罪人は、それぞれ強いのですが、最終戦でパーティ構成に制約が入ることがありますのでご留意を。
神殿は、主人公本人は強くないので、仲間の特徴を把握した2週目以降に選ぶのがいいと思います。
各出自それぞれの固有イベントもあり、私は神殿ルートのイベントが一番好き。
ただ、イベント内容がこのゲームの核心に触れる内容であり、初見では意味が分かりにくいので、そういう点でも神殿ルートは2週目以降にするのがおすすめです。
今回プレイした際の最終パーティはこちら。主人公は神殿ルートです。
経験者ならお分かりかと思いますが、主人公が攻撃バフ+ワイヤートラップ、仲間3人が弓の2回攻撃という明確に強い組み合わせで楽をした感じです。
このゲームはパーティの組み方がキモで、個々の戦闘は仲間の得意不得意で難易度が大きく変わりますし、探索面でも仲間のスキルを上手く活用していく必要があります。
例えば戦闘面では戦士タイプの仲間はタイマンに強いけど集団戦が苦手、魔術師タイプの仲間はその逆。
探索面では岩をどかすために「腕力」が必要、古代文字を解読するために「古代知識」が必要、船をこぐために「生存術」が必要、とかですね。
各仲間キャラの主観的な評価は次のとおり。
おすすめと書いてあるのは、1週目プレイを念頭にキャラの特徴が分かりやすくて便利、という趣旨です。最終的にはお気に入りキャラを使うのが一番正しく楽しくなるゲームですのであくまでご参考として。
- パリス 盗賊・生存術という便利な探索スキルを持ち、戦闘面でも序盤から終盤まで安定して強い。機械式連射弩の二刀流可能。弱点看破も強力。おすすめ。
- ネル 腕力・各種製作スキルが便利。全体攻撃バフ・全体防御バフ・全体回復が可能で単体攻撃も範囲攻撃も可能な勇者型。万能だが突出したものもない。
- ラバン 豊富な探索スキル、強力な単体攻撃、重要スキル「ワイヤートラップ」を所有。人選に悩んだ際は入れておいて間違いない。おすすめ。
- キレハ 生存術、料理上手が便利。弓や補助スキルが得意。上手く使いこなせば強いが2週目以降向きか。
- シーフォン 古代知識持ち。範囲攻撃魔法で雑魚敵戦や一部ボス戦が楽になる。命中率低下効果のある「闇の投影」はかなり便利。
- テレージャ 古代知識持ち。回復キャラ。加えて、「ワイヤートラップ」持ち、攻撃魔法も習得可能と、様々な局面で役に立つ。おすすめ。
- アルソン タンク型戦士。探索ではあまり役に立たない。強力な単体攻撃も覚えるが命中率にやや難あり。ボス戦の壁役等では非常に頼もしい。
- 竜人(エンダ) 腕力・生存術持ちで意外と探索で便利。戦闘ではブレスで範囲攻撃役が基本。ゲームに慣れていないと使いこなしにくいかもしれない。
- フラン 盗賊技能持ち。素早くて単体攻撃が得意で打たれ弱い。機械式連射弩の二刀流可能。足が速いので逃げるが成功しやすくなるのは地味に大きい。
- メロダーク 豊富な探索スキルを有する魔法戦士。一見万能だが致命的に足が遅く、序盤の戦闘ではあまり役に立たない。終盤は強力な全体攻撃バフを習得。
1週目で、主人公が騎士なら、仲間はパリス+テレージャがおすすめかと。
戦闘面についてもう少し補足しますと、パーティ組みでは次の要素が揃っているかを考慮するといいと思います。
- 強力な単体攻撃(「弓(特に2回攻撃弓)+ワイヤートラップ」or「八連剣陣(騎士主人公・ラバン)」)
- 雑魚散らし用の範囲攻撃(魔法・ブレス)
- 攻撃バフ(全体バフ:ネル・アルソン・メロダーク、自分バフ:パリス・キレハ・フラン)
主人公の出自にもよりますが、上級称号の「野伏Lv1」で「ワイヤートラップ」を、「裁きの司Lv4」で「聖戦(全体への攻撃2倍バフ)」を覚えられますので、余裕があれば考慮してもいいと思います。
なお、繰り返しですが、各キャラに大きな戦力差はないので、慣れれば好きなキャラを使うのが一番です。
攻略関係なしに各キャラの推しポイントを書くと次のとおりになります。
- パリス ダメな若者かわいい。シスコン。
- ネル ものすごく健全。混沌の力。
- ラバン 裏設定の豊富さ。過去に思いを馳せよう。
- キレハ 固有イベントの魅力。耳。おっぱい(4周クリア後)。
- シーフォン 厨二かわいい。放っとけない弟みたいなタイプ。
- テレージャ 話が長いタイプのオタク。性に寛容。おっぱい(4周クリア後)。
- アルソン 良識の高さと世間との感覚のズレがかわいい。
- 竜人(エンダ) 幼子。全裸。世界観と直結する出自。将来が心配。
- フラン メイド忍者。献身。料理下手。シンプルにかわいい。
- メロダーク 重くて全裸。料理下手。救ってあげたくなるタイプ。
個人的にはネルお姉さんがいちばん好き。
転変目まぐるしいストーリー展開、個性の強いキャラクターたちの中で、健全な精神の持ち主である彼女の存在のありがたさは極めて大きいんですよね。
一方、そんな健全な精神とは裏腹に、彼女だけは何のバックボーンもないのに混沌の力の影響で強いという裏設定がイカしています。
当方のネルさんは混沌の影響が強いのかLv1にして尋常でない強さに。
健全な人柄のせいか混沌のせいか、変なおじさんや変な宇宙人に気に入られやすいのもいいですね。
二番目に好きなのはパリスさん。
この人もネルさん同様、感性が平凡なのが好き。
たぶん私の場合、ネル・パリスという常人感性の持ち主を仲間にした方が、かえって世界観により深く没入できるのだろう。
続いて強敵「魔将」のご紹介と一言攻略を。
ナムリスさん。
人外の力(含む火炎ボトル)しか受け付けません。
アイビアさん。
炎系の範囲魔法がいいですね。
ダーマディウスさん。
縛り上げましょう。まともに戦ってはいけません。
ラァグさん。
バフかけて殴るのが早いです。
ク・ルームさん。
頑張りましょう。戦わなくてもいい相手です。
その他チップスを。
各マップには、隠された財宝があります。
メモや碑文のヒントを参考に、あやしい場所はどんどん調べましょう。
料理は大事。特に果物と野菜が大事。
このゲームのHP・MPは、自然体ではかなりシビアな管理が求められます。
料理を活用すればHPもMPも安価に大きく回復できますので、躊躇なく食材を買いましょう。果物・野菜の料理はMPを回復可能です。
ずいぶん長く書いてしまいましたが、色褪せることのない名作だと思いますので、まだまだ書き足りない感じもしますね。
ネタバレ全開で感じたことや考察なんかもいずれ書いてみようかなあ。
このRuinaのように素敵なフリーコンテンツがこれからも多く誕生し、クリエイターを互いに刺激し続けてくださいますように。
Ruinaで使われたBGM「Fairly Tale」くまさん(デジファミ音楽堂より) - 肝胆ブログ