2019年の大相撲初場所。
稀勢の里関の引退に始まり、豪風関の引退、相次ぐ怪我と休場……とつらい内容が続きましたが、最終的には玉鷲関が爽やかな初優勝を決めてくださり春の訪れを感じるような空気で終えることができてかんたんしました。
幕内の勝ち越し勢は次のとおりです。
13勝 玉鷲(優勝、殊勲賞、敢闘賞)
11勝 貴景勝(技能賞)
9勝 豪栄道、高安、北勝富士、宝富士、大栄翔、佐田の海、勢、矢後
8勝 御嶽海(殊勲賞)、千代大龍、阿武咲、明生、朝乃山
玉鷲関おめでとうございます。
しかも優勝した日に次子が誕生されるとは……!
ご本人も家族も部屋の皆さまもファンも感動ひとしおだと思います。
彼のように、地道に、まじめに、コツコツと稽古して成果を上げてとやってきた力士がこのような栄光を勝ち取ったのは、非常に嬉しい。
これからも長く活躍してほしいですし、気持ちの良い突き押し相撲を貫いてほしいと思います。あのおとなしそうなのに負けん気が強そうな取り口がイイんですよね。
貴景勝関は大関昇進が見送り、来場所持ち越しとなって残念でした。
みんな今日千秋楽の負け方がよくなかったと言ってはりますが、私は貴景勝関が悪かったというより豪栄道関が良すぎただけだと思います。
大関の意地と言われていた通り、ベスト豪栄道がよりにもよって今日のこの日に現れた訳で、ベスト豪栄道は横綱クラスの力があるんですからそれに負けたからといって印象点を下げられるのはあまりにも気の毒ではないでしょうか。
白鵬関の休場も残念でした。
序盤の綱渡り勝利の後、中盤は調子よさげでしたから、優勝はまあ白鵬関だろうと思っていたのですが……。
稀勢の里関がいなくなって、モチベーション面でも心配です。
鶴竜関もシレッと休場しているし。
栃ノ心関、千代の国関、琴勇輝関、十両に落ちた隆の勝関と、怪我人続出ですし。
世代交代云々以上に、みんなの満身創痍感がひどい。
稀勢の里関の引退……。
彼もまた、かつて長年の苦労が報われて、多くの人から共感や称賛を浴びた方です。
それなのに、ここ最近の彼のバッシングされようはあまりにも気の毒で、見ていられなかったですね……。
偉くなること、頂点を極めることのリスクを人々にまざまざと知らしめてくださったようにも思えます。
相撲に限りませんが、長年の苦労が報われる喜びの素晴らしさを、その後の失敗や低迷ばかりに目を取られて忘れてしまってはもったいないですよね。
稀勢の里関や豪風関が活躍していたあの頃を、私は忘れないようにしたい。
そう、豪風関と言えば、尾車部屋では矢後関がご活躍であります。
彼は相撲もいいし、顔や声もいいですね。
今後が楽しみです。
今後も去っていく人、上がってくる人が続くと思われますが、なんしか怪我がもう少し減ってくださいますように。
玉鷲関の喜びが長く続き、よい力士人生をまっとうできますように。
定点観測:相撲界の毛利三兄弟
若隆元 5勝2敗(幕下四十枚目)
若元春 7勝0敗(幕下三枚目、優勝)
若隆景 7勝8敗(十両五枚目)
若元春さんおめでとう!