肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

漫画「ナポレオン 完結記念 名ゼリフ集」長谷川哲也先生(少年画報社)

 

漫画ナポレオンが遂に完結して皆さまかんたんしましたよね。

歴史漫画好きの方は絶対に全巻読むようにいたしましょう。

 

 

↓最終巻の公式HP

www.shonengahosha.co.jp

 

 

 

 

私に西洋史やフランス社会の豊富な知見があれば登場人物一人ひとりやストーリー展開・演出・表現などについて深く語りたいところなのですが残念ながらそんなものは有していませんので、代わりに各巻の好きなセリフを紹介していきます!

 

 

獅子の時代

1巻

大陸軍は世界最強ォォ~~ッ」

(ナポレオン)

 

この漫画を象徴するセリフのひとつです。

シチュエーションによっては「地上最強」に。水上最強ではありません。

軍隊もので、いざという時に全員が心を一つに叫べるフレーズがあるのっていいですよね、読者的にもこのセリフが出るたび熱くなるものがあります。

 

 

2巻

私は童貞だ

 知らなかったか

 私が愛するのは市民と革命だ

 誰かではない」

ロベスピエール

 

同じくこの漫画でもっとも有名なセリフのひとつ。

ロベスピエールさんとサン=ジュストさんはこの作品で一貫して超魅力的なキャラになっていますので、フランス革命直後の恐怖政治あたりが好きな方はただちに愛読者になった方がよろしいかと思われます。帝政期に入っても事あるごとにこのお二人の影響が強く残っている演出になっているんですよ。

 

 

3巻

「あれが小ジブラルタルのミュルグラーブ砦か

 あれは 女だな」

「?」

「?」

「見えるじゃろ あの丘

 上玉の女だ

 美人でちょっと興奮しとるぞ」

「ええっ」

「普段は冷たくとり澄ましておるが

 内心はおまえに征服されたいのじゃ

 見ろ

 ちょいとイジってやっただけで欲情して

 パンと胸が張り乳首がとび出し

 股もぐっしょり

 足首まで濡らしておまえをまっておる」

「そ…そうですね

 そんな気がしてきました」

「女が誘っておるのがわかるか」

「ええまァ…」

「すぐに手を出してはいかん

 ゆっくりじらしてやれ…」

ドガアアアン(大砲着弾)

「ひっ」

「見たか

 こともあろうにわしらの大切な女に

 外国の犬どもが手を出しおった

 踏つけ 犯し 腰を動かし続けておるぞ」

「!」

「どうすればいい」

「殺す」

「奪い返す」

「できるか」

「できます」

「俺たちの方が強い」

「そうともおまえたちは強い

 なぜなら奴らは国王のために戦う犬畜生で

 わしらは愛する祖国のために戦う

 自由の戦士だからだ

 おまえたちは何だ」

「革命軍!」

「わしら革命軍は地上最強だッ

 いってみろ!」

「革命軍は―――

 地上最強オォ~~ッ」

(デュゴミエ将軍演説)

 

老将デュゴミエさんの超名演説。

全巻通じても屈指の鼓舞シーンだと思いますわ。

「地上最強」フレーズを後にナポレオンさんがパクるのも納得ですよね。

 

 

4巻

「女房はオレの出張中にポックリ逝っちまった

 毎日会いたくてたまらん

 なんかの罪で告発したければしろ

 その代わりしばらく俺たちを

 二人きりにしておいてくれ」

(ダントン)

 

恐怖政治のさなか、毎晩墓を掘り起こして妻の遺体を抱きしめているダントンさん。

この光景を目撃したロベスピエールさんの、「ダントンの声は奴の人間性そのものから出ている 欺瞞ではないから危険だ その声は市民に届く」という評も大好き。

先のデュゴミエ将軍演説もそうですが、当作品は、どのような声が人々の胸に届くかをよくよく練っておられるのがリスペクトなんです。

 

 

5巻

(サンソン…

 王党派で処刑人の君には分からない

 首の重さは皆同じだ

 我々の目指したのは

 君と私とルイがひとつのテーブルで

 コーヒーを飲み 語り合える世界だ)

ロベスピエール

 

ロベスピエール革命に殉ず。

獅子の時代前半の山場です。

そしてここからナポレオンさんの活躍が広がっていくのです。

 

 

6巻

「撃て」

(ナポレオン)

 

国民公会側に立って、王党派市民の集まりに躊躇なく方(釘とマスケット弾)を放つナポレオンさん。

結果として、最小限の死者で治安と政治を守り、彼は大きく名を高めます。

ナポレオンさんのことをよく知る人たちが、彼の出自や経験から「あいつは本当に撃つぞ」と確信しているのが好き。

 

 

7巻

マッセナは奪うのだ

 返却など受けつけんっっ」

マッセナ

 

こちらも当作品の有名なセリフ。

マッセナさんは掠奪大好き貯蓄大好き倹約大好き、そして超有能な軍人というエグ味の強いキャラクターとして描かれていて、ファンも多いんじゃないでしょうか。

漫画を面白くしてくれている功労者のひとりだと思いますわ。

 

 

8巻

兵士に同情などしない

天啓のように舞い降りたのは

自分が必ず死ぬという実感

今日死ななくても明日

明日を生き延びても明後日

一年を生き延びてもいずれ死ぬ

ロディの橋の上にいるのはあのみじめな男ではない

全人類がそれと気付かずあの橋の上を進んでいる

「どけっ腰抜けども」

「司令官 何を!」

「見本を見せてやる」

生命は軽い

天啓か

俺は今日を生き延びたら

百万の生命なぞへとも思わん

 

橋の先には敵軍の大砲多数。

狙い撃ちを怖れて渡橋できない自軍。

ただ一人這って進む兵士(ビクトルさん)を見て、ナポレオンさんに天啓舞い降りる。

先頭に立って走り出すナポレオンさん。

すぐさま後を追うランヌさん。

そしてマッセナさんやマルモンさんたちが続く。

クソ度胸といえばそれまでですが、ここで天運と天啓を得たからこそのナポレオン帝政なんやなと迫力ある画面とセットで理解できる、当作品の中でも随一の名シーンなのであります。

 

 

9巻

「んーー

 どうしたのかなあボナパルト

 いつもの火事場のクソ力がでないようだねぇ」

オーストリア軍総司令官ダルヴィンチ)

 

フランス軍の得意な機動力を封じ、ナポレオンさん率いるイタリア方面軍を追い詰めるダルヴィンチさん。敵将も個性的で実によき。

地味に最終巻にも登場していて、インパクトのある風貌と合わせて作者的にもお気に入りだったのかもしれないっすね。

 

 

10巻

「マダム

 わたしを師と呼んでかまわんよ」

タレイラン

 

初登場のタレイランさん。

彼の登場で、長かったイタリア遠征編から政治パートに移っていくことが察せられます。登場したころは性的魅力の強さ推しっぽかったんですよねタレイランさん。

 

 

11巻

イスカンダル

 彼は気が狂っている

 でも誰もそのことを知らない

 本人ですら」

(エジプトの占い師)

 

実月のクーデターを経て、エジプト遠征編が始まります。

アレクサンダー大王物語を夢見るナポレオンさんがウキウキで終始楽しそう。

そして兵士や民からすると大変ひどい展開が巻き起こるのです。

 

 

12巻

(ブリュイ

 俺が間違っていた

 おまえは無能でも腰抜けでもなかった

 ただ奴の方が上手だった

 ここで艦隊を失うとは

 いくら後悔してもし足りん)

(ナポレオン)

 

アブキール海戦、ネルソンさんにより壊滅させられたフランス艦隊。

シリーズを通して見たことがないほど呆然とするナポレオンさんの表情が印象的。

この作品は期待に応えると言わんばかりにネルソン艦隊もまた魅力的なんですよ。

 

 

13巻

「見たか

 ひとりのマムルークとひとりのフランス兵が

 戦えばマムルークが勝つ!

 百人のマムルークと百人のフランス兵でも

 同じだろう

 だが

 2百人のマムルークと2百人のフランス兵では

 我々が勝つのだ」

 

四方大砲の大方陣を組み、マムルーク騎兵に大勝するナポレオンさん。

陸地の戦いで地上最強であることはなんら変わりません。

陣と銃・砲に敗れ去るマムルークさんたちの悔しさも、いい描写。

 

 

14巻

「帰国したら親戚や知り合いから金を借りろ

 君ならいける

 あの男みたいになれ」

ランヌ

 

レストランを開くのが夢の兵士に対して、ナポレオンさんのように夢に向かって進めと励ますランヌさん。この兵士さん、後に本当にレストランをオープンして覇道進撃を通して活躍してはるのが好き。

それにしても、兵士たちに対して近い目線で話してくれるランヌさん、本当に格好いいですよね。

 

 

15巻

「帰るのは俺だけだ

 他の奴らは置いて行く!!」

(ナポレオン)

 

フランスの各方面戦線がメタメタとなっていることを受け、こっそりフランスに帰ってクーデターを起こそうとするナポレオンさん。

自ら壮大な風呂敷を広げておいて皆を置き去りにしていくのマジでひどい笑

 

 

 

覇道進撃

1巻

「お前は男だ!」

(ナポレオン)

 

新シリーズが始まり、ナポレオンさんやランヌさんが事あるごとに人を褒めるときに放つセリフ「お前は男だ」。当時の価値観ベースのセリフなのであれやこれや言う人はさすがにいないでしょう。

覇道進撃1話のウサギ狩り、全体的にイカレていて大好きなファンも多いと思います。

 

 

2巻

「いいや

 ミシューなどという男は初めから存在しない」

(●ー●●)

 

詳細は伏せますが、覇道進撃以降は陰謀のキレ味も磨きがかかっていきます。

怖いわあフランス政界。

 

 

3巻

「申しわけありません

 退却命令を酒を飲んで忘れてしまいました」

「………

 聞かなかったことにしよう」

「退却中に飲んだくれていました」

「わかった

 貴様は後で処分する」

「はいっ」

(ネイ)

 

人気者のネイさんが本格登場。

覇道進撃では様々な活躍? をなされますが、お人柄がよく分かるこういう会話が私は好き。

 

 

4巻

(そうだ―――

 これが俺のなりたかったものだ

 奪う者ではない

 与える者

 フランス国民の父)

ダヴィッドくん

 君は私の意図を百パーセント理解した

 素晴らしい絵をありがとう~」

(ナポレオン)

 

ナポレオンさんが皇帝に。

有名な戴冠式の絵についてのエピソードであります。

 

 

5巻

「何も恐れず戦った10年前のあの日…

 偉大なネルソンと一緒に死ぬべきでした

 こんなみじめな日がくるとは思いもしなかった」

「お入りなさい友よ

 一緒に食事をしよう」

(元イギリス水兵)

 

5巻はトラファルガー海戦

偉大なネルソンさんの魅力をみなぎるほど摂取できる巻です。

が、イギリス海軍は後に軍縮。多くの水兵が行き場を失うという、やるせないエピソードが描かれておりまして、思わず涙を誘います。。

 

 

6巻

「よし 負傷兵をあつめろ

 それが終わったらロシア兵の負傷者も集めて

 火を焚いてやれ

 さもないとすぐに凍死しちまうからな」

(ベルナドット)

 

アウステルリッツの戦い終わる。

獅子の時代1巻のリバイバルですね。遥かな感慨がありますわ。

ナポレオンさんが主役の漫画なのでベルナドットさんは基本的にネガティブめに描かれるのですけど、ちょいちょい真面目さや紳士ぶりも表現されているんですよねえ。

 

 

7巻

「うるせえ

 お前はご機嫌とりと役に立つ奴ばっか集めてろ

 だがな これだけは言っとく

 俺が一番お前のことを好きなんだァ!

 (中略)

 お前が触ったもんはその権力で

 みんな腐っちまうんだ」

(マルモン)

 

古い戦友でありながら元帥になれず、ナポレオンさんをブン殴るマルモンさん。

マルモンさんはある意味でこの作品のヒロインのような人物で、初期から最終盤までかわいいんですよね。育ちの良さからくるピュアさも隠し切れないし。

 

 

8巻

「俺たちゃフランス人だ

 人妻に惚れるなんざ当たり前だ

 なんとかしろ」

(オージュロー)

 

人間臭さで人気のオージュローさん。

部下への説教内容もお人柄がにじみ出ていてイケています。

なんというかみんながイメージするフランス軍の会話な感じがしますね。

 

 

9巻

(聞いてないのか?

 マズイな バランス感覚でなく自分の声を聞いている

 政治家として劣化しているってことだ)

タレイラン

 

外交についてナポレオンさんと対話している際に。

こうした冷静な視線がまことにタレイランさんっぽい。他の政治家や将軍よりもナポレオンさんの内面に実は寄り添っているという点でもタレイランさんっぽいの。

 

 

10巻

タレイラン

 人間を信じないのですな

 だったら何を信じるのです」

「力の均衡(パワーバランス)」

「は…

 それこそ自然科学の分野

 なるほどあなたを理解した」

ゲーテタレイラン

 

勝ち続けるナポレオンさんのかたわら、先を読んで独自の外交を企てるタレイランさん。通りがかりのゲーテさんとの会話内容がとてもいいんですよ。この辺りからタレイランさんの際立った有能っぷりが読者的にもよくよく理解できてきたんじゃないでしょうか。

 

 

11巻

「君の能力は落ちたのに野心だけは9歳の子供のままだ

 ならば

 この先破滅以外の何がある…

 君は俺にとって英雄だ フランスにとっても

 最後までそうであって欲しかった」

ランヌ

 

ランヌさんの戦死。

衰えつつあるナポレオンさんを撃とうとしたランヌさん、

死の苦しみから解き放つためにランヌさんを撃とうとするナポレオンさん。

深い友情の交差する名シーンが心に残ります。

 

 

12巻

「あたしいい皇后だった?

 ちゃんとできてた?

 ちょっと どこ…

 フーシェ

「できてた

 フランス国民のほとんどが

 ジョゼフィーヌを幸運の女神だと言ってて

 彼女が好きで

 離婚を残念に思っている

 俺もそう思っている 皇帝は幸運を手放した」

ジョゼフィーヌフーシェ

 

ナポレオンさんとジョゼフィーヌさんの離婚にあたり。

ジョゼフィーヌさんとフーシェさんそれぞれが「らしくない」会話をいたします。

それぞれのこういう一面が奥深くていいですよね。

 

 

13巻

(まさか俺の血塗られた軍歴が

 銃声ひとつなく

 こんなに静かに終わるとは……)

マッセナ

 

トレス・ヴェドラス線をウェルズリーさんに築かれ、自軍の士気や練度や補給は低く、状況が詰んだことを悟るマッセナさん。

この後も最終巻まで生きてはりますが、活躍シーンは以降なくなるのがとても寂しい。個人的にはこの辺りからが終盤の始まりという感じがします。

 

 

14巻

「私は理性的に考えたうえで理性を捨てたのだ」

(スーシェ)

 

綺羅星なナポレオン軍団の中でも最も優秀な軍人のひとりとして知られる牛人スーシェさん。その彼の有名な功績がスペイン統治ですが、長谷川哲也ブシを利かせまくった描写がめっちゃ男前です。私がスペイン人ならもうギュンギュンですよ。

 

 

15巻

(アレクサンドルは正気に返る

 きっと今日和平を求めてくる)

(ナポレオン)

 

全編通しても最大級に哀しいシーン。

あれだけ英明を誇ったナポレオンさんがモスクワで1カ月をドブに捨て、ロシア遠征はこれより酸鼻を極めるのであります。

 

 

16巻

「人は弱ったり絶望した時何を思う?

 信じられない強さ

 不屈の精神をもつ英雄

 ミシェル・ネイはおそらくバランスをとっている

 破壊と悲惨な出来事ばかりのロシア遠征の片翼で

 夢と希望になったんだ」

第二帝政期時代の新聞記者)

 

ロシア遠征から40年、生き残った兵士たちがネイさんの活躍を偲んで飲み明かします。

この記者さんがおっしゃる通り、悲惨すぎる出来事があるとその分だけ英雄もまた輝くのでしょう。ナポレオン時代に優れた人物が多く出たのは、つらい出来事が多かった証でもあるのです。

 

 

17巻

「なあクトゥーゾフ

 俺はその…悪い上司だった

 今にして思えば君は実によく支えてくれた

 忠臣だった

 だのに俺は君に冷たくして すまない

 君の名声がうらやましかった…のかも…

「どっ どうかもうおっしゃらんで下さい

 わしは今すぐ死にたい

 死んでエカチェリーナ様に

 あなたがどんなに立派な皇帝になられたか

 報告せねば

 こんな幸福な日があろうか

 わしは何という幸せ者だ

 祖国が守られ

 こっ…このような優しい言葉を~~」

(アレクサンドル&クトゥーゾフ)

 

ロシアを守り切った二人の、あたたかくてならない好きなシーン。

一貫してナポレオンさんから警戒されてきたクトゥーゾフさんがこのように報われて、読者も嬉しかったんじゃないでしょうか。

当作品のアレクサンドルさんも、人柄がめちゃくちゃ良くて素直で応援したくなりますよね。

 

 

18巻

「私だって

 引退して奥さんと愛人と3人で

 キャッキャウフフ暮らしたいんだ」

(ベルティエ)

 

ナポレオン帝国の崩壊を予期しながらも仕事から離れられないベルティエさん。

これまでも実務や気配りを支えまくって有能ぶりを見せ続けてくれましたが、彼の存在の大きさを実感するのはむしろベルティエさん退場後のナポレオン軍の様子かもしれないっすね。

 

 

19巻

「命は神様が決める

 それまで人は必死に生きるんだ

 ジュノーが最後にやったことは間違ってる

 見習うんじゃないよ」

(レティツィア)

 

友人を次々と失い、帝国も風前の灯火となったナポレオンさんを慰める母。

とりわけ、ナポレオンさん同様に大事にしていたジュノーさんの自死を悼みながら、息子の自死だけは避けさせようという言葉に胸を打たれます。

 

 

20巻

(ナポレオンよ

 わたしの娘と孫を苦しめているのは我々ではなく

 おまえなのだぞ)

(フランツ2世)

 

もはやナポレオン帝国の崩壊は確実というなかで、ナポレオンさん本人が率いる軍だけが連合軍に次々と勝利し、かえってよい条件での和平のチャンスが狭まっていく……。

当作品のフランツ2世さんは、したたかな外交や軍事を行いつつも、ハプスブルクの誇りをもって家族を非常に大事にしているのが素敵なんです。最終巻での登場シーンも好き。こんなお爺ちゃんみんな欲しいよね。

 

 

21巻

「これより我々古参近衛兵(ヴィエイユギャルド)は

 エルバ島へ向かう」

(カンブロンヌ)

 

エルバ島送りになったナポレオンさんを追って、徒歩で行進していく古参近衛兵たち。

行く先々で連合軍をビビらせながら進み、ナポレオンさんと再会した時には大号泣する様がめちゃくちゃいいんですよこの人たち。近衛兵たちの扱い、ナポレオンさんが苦境に入ってから最終巻まで、ずっと光っていますよね。

 

 

22巻

「それは違います

 あなたたちはフランスとナポレオンを切り離した

 私はブルボン王朝とフランスの代理人としてここにいる

 私たちもナポレオンの被害者です」

タレイラン

 

ウィーン会議にて。

やータレイランさんまじタレイランさん。

フランス革命を通してフランス人一人ひとりがいかに鍛え上げられたか、軍事以外でもまざまざと実感してしまいます。

 

 

23巻

「皇帝万歳」

「皇帝万歳」

「皇帝万歳」

(若きフランス兵)

 

エルバ島から脱出したナポレオンさんに対峙したフランス兵たち。

ナポレオンさんを撃つよう命令されますが……

巻き起こったのは皇帝万歳の泣き叫びでございました。

 

いたずらに新たな血を流すだけだとタレイランさんは仰いますが、人々の感情はそんなにかんたんではありません。

 

 

24巻

「わが軍は同盟軍を見捨てたりはせん!」

(ブリッヒャー)

 

ナポレオンさんに苦戦し、撤退しても不思議でないところをイギリス救援に向かうブリッヒャー元帥(プロシア)。

結果としてワーテルローの連合軍勝利に繋がる決断でして、彼の不屈の闘志がナポレオンさんを追い詰めたと言っても過言ではないでしょう。

 

 

25巻

(強さこそ正義

 国家は強さあってこそ成立する

 だが今のボナパルトは弱い)

ダヴー

 

ナポレオンさんの敗北後、パリを守るために自らの判断でプロイセンと戦い、そして勝利するダヴーさん。

不敗のダヴー獅子の時代から覇道進撃まで、徹底した強さと鋼っぷりで魅せてくださいました。難儀するたびに髪の毛が散っていくのも好き。

 

 

26巻

フーシェが来る会食なら私は行きません」

「その式典にフーシェは来るのですか?

 では私は欠席します」

フーシェと同じ場所の空気を吸うのも嫌です」

(マリー・テレーズ)

 

登り詰めたところで、意外なところから足場が崩れるフーシェさん。

どうもこの作品では、愛妻を失って再婚すると破滅する男が多いようです。作者の信念でしょうか笑

 

 

27巻

「フランス人が私の戦争の傷から癒え

 そして皆がまだ私のことを憶えているうちに

 それを発表するんだ

 攻撃のタイミングは君にまかせる

 スルトのようにうまくやれ

(ナポレオン)

 

1821年、ナポレオン死去。

1823年、セント・ヘレナ回顧録出版。

 

最高のタイミングで世に広まった回顧録により、ナポレオンさんの一生は伝説となり、フランス国民に染みわたってまいります。

 

最終27巻、これまでの登場人物があちこちに出てきて、感情をぶちまけてくれるのが大好き。獅子の時代1巻を読んだ人は覇道進撃最終巻まで必ず読み終えるようにいたしましょう!

 

 

 

 

以上、漫画ナポレオンのセリフ紹介でございました。

この偉大な作品もまた、時をこえて多くの方に読み継がれていきますように。