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「大江戸ブラック・エンジェルズ 5巻 感想 なぜ更に面白くなるのだ」平松伸二先生(リイド社)

 

平松伸二先生の「大江戸ブラック・エンジェルズ」、4巻が面白すぎてこれは歴代平松作品の中でも屈指の完成度やなとかんたんしていましたら、5巻は一層面白くなっていて時代劇漫画の中でも突出したレベルである上に麗羅・水鵬までまっとうに登場してブラック・エンジェルズファンとしても感涙という、時代劇ファンおよび往年のジャンプファンにとってもはや必見ものの作品になってきていてかんたんしました。

 

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深川寿橋のお晴らし地蔵に頼めば、仕置人が怨みを晴らしてくれるという噂を信じ、殺された娘の仇討ちを願う伊勢屋の主人。仇討ちがなかなか果たされないことにしびれを切らし、自ら仇を討とうとしたところへ謎の女仕置人が仇討ちに現れ、仕置料として四両を受け取っていく。一方、江戸の大火を鎮めた松田は、弟分の精児からの提言を受け百畳の大きさの紙に絵を描くことになるのだが……絶好調&最高潮のエクストリーム時代劇シリーズ第5巻!

 

 

「絶好調&最高潮のエクストリーム時代劇シリーズ」という表現が言い得て妙。

正確な自己紹介と言えましょう。

 

 

ストーリーの詳しい経緯は伏せますが、5巻は麗羅・水鵬というかつてのブラック・エンジェルズで人気を誇った二人の江戸時代ver.が登場する長編で、6巻以降にそのまま続いていく構成になっています。

ブラック・エンジェルズのメインキャラ、雪籐(雪士)、松田、麗羅、水鵬がこれで揃いましたし、それが単なるファンサービスにとどまっているのではなくてイケてる物語プロットとセットで登場しているところにほんま感動ですわ。ブラック・エンジェルズ知らなくてもまったく問題ないし。

平松伸二先生が自分でストーリーを考えているのか、リイド社の職人的編集者が支援しているのかは分かりませんが、ほんまに大江戸~は時代劇と平松魅力が融合したすごい作品になっていますし、このままいけばキン肉マンに続くレジェンド漫画家が人生後半で最高傑作を手にするやつになりそう。

 

 

ちゃんとした時代劇の脚本をベースにしながら、

  • 麗羅が蔦吉ばりの辰巳芸者になって強く美しく
  • 雪士(雪籐)がズアア~と飛んで悪党を始末し
  • 水鵬は泳いで鯨を捕え
  • 松田は麗羅片手に百畳紙へ巨大な墨絵を描き
  • 富岡八幡宮に黒い天使が舞い上がる

 

というケレン味と美麗画力みなぎる漫画的表現が最高よ。

とくに水鵬の泳ぎっぷりと松田の見得切りっぷりは純粋に絵として格好良すぎます。

マジでいまになってこんな平松作品を読むことができるなんて。生きてたらいいことあるもんですわ。

 

 

どのキャラもまだまだ引き出しがありますし、この分だったら新たな引き出しも増えていきそうなくらい充実度が伝わってきますし。

妖怪人間みたいな徳川将軍はじめ、並行してライバルキャラたちもだんだんキャラが立ってきている気もしますし。

 

一部の人にしか伝わらない話ですが、平松伸二作品が出オチ気味にならず安定飛行気味にもならずに、むしろどんどん面白くなっていくというのは奇跡だと言わざるを得ませんの。どうかこの驚異を一部の人が見漏らすことのなきよう、しかと伝わってくださいますように。

 

 

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