大相撲は相変わらず上位陣の休場が続く中、朝乃山関が素晴らしい成長ぶりを見せつけてくださり満足度の高い気持ちで一年を締めることができてかんたんしました。
幕内で勝ち越した力士は次のとおりです。
14勝 白鵬(優勝)
11勝 朝乃山(技能賞)、正代(敢闘賞)
10勝 隆の勝、輝
8勝 琴勇輝、大栄翔(殊勲賞)、炎鵬、妙義龍、玉鷲、照強、松鳳山、豊山
白鵬関はご本人のお言葉通り若手の壁としてデカすぎる存在感を示しましたね。
カチ上げ一発で終盤の話題をさらっていくあたり、役者としての大きさも健在です。
カチ上げの是非はともかく(私は消極的肯定派)、あの多彩な立ち合い、多彩な取り口はすさまじいの一言で、力強さに多少陰りが出たとはいえ、瞬発力は充分維持している上に老練な技能の数々を繰り出すもんですから、これは若手からしたらちょっとすぐには超えられそうもない相手だと言わざるを得ません。
そんな中、朝乃山関が今場所は素晴らしい力強さでした。
北勝富士関戦なんか最高。
優勝した時より強くなってるじゃないか、本当に横綱狙えるんじゃないか、と相撲ファン一同かんたんしきりでしたよね。
朝乃山関は右四つという絶対の形を手に入れていますから、これからはますます立ち合いが重要になっていきますね。
右四つになるまでの前段階として、相手に数択を迫れる上手い立ち合いが伴えば鬼に金棒であります。
千秋楽で舞の海さんも仰っていましたし、他の相撲関係者も口をそろえて仰っていましたけど、若手有望株ほど白鵬関に負けないくらいに立ち合いを研究していってほしいなと思います。
駆け引きで白鵬関に匹敵する小憎らしい若手が増えてほしい。
そして、朝乃山関におかれては、互角の立ち合いを繰り広げた上で、力勝負に持ち込み、白鵬関をきれいにブン投げて世代交代の象徴的場面を描いてやるくらいの大望を抱いてほしいんですよ。
色んな発言を聞いていると、白鵬関自身もそういう瞬間を待っているような気配がするんですよね。
2020年はいままで以上に立ち合いに注目。
そして、相撲界にとって節目の年になるんじゃないかなという予感がいたしました。
朝乃山関が出てきてくれてよかった。
十両あたりの黄金世代ももうじき幕内入り。
時代、動きますね。
九州場所、他にも星数はともかく松鳳山関と琴奨菊関のご当地力士が盛り上げてくださったり(嘉風関の引退が寂しい)、炎鵬関と石浦関の白鵬内弟子コンビが大活躍して盛り上げてくださったり、私的に推しの大栄翔関や隆の勝関が見事に勝ち越してくださったりと、休場多過ぎじゃないかという中でもときめくものは多かったように思います。
大栄翔関、いよいよ三役が見えてきた!
実力に比べれば注目度はまだまだな印象なので、ますます番付も人気も上げられるよう、一層稽古に励んでいただきたいですね。
隆の勝関は相変わらず力強い下半身、足の伸び伸びっぷりが素敵。
今度こそ幕内定着できそうで嬉しいです。
あと、今場所は照ノ富士さんの幕下優勝に泣いた人も多かったんじゃないでしょうか。
私も涙ぐんでしまった。
終わってしまうと来年が待ち遠しくなる九州場所。
どのようなかたちに変わっていこうと、いまの相撲人気が2020年も維持・発展していきますように。
*定点観測:相撲界の毛利三兄弟
若隆元(幕下十三) 3勝4敗
若元春(十両十一) 5勝10敗
若隆景(前頭十六) 4勝1敗10休
若隆景関の俊敏な取り口、湧かせていただけに残念です。
急ぐことないので、ゆっくりでも皆さんのし上がっていただきたいですね。