2022年5月の夏場所、せっかく観客数が元に戻ってきたのに……と言われてしまいそうな取組みが多い場所ではありましたが、最後は照ノ富士関が実力と人格で締めてくださいましたし、霧馬山関や佐田の海関、また、大栄翔関や隆の勝関等々、日ごろ「地味」と言われがちな力士たちが地味に活躍してくれていてかんたんしました。
今場所幕内で勝ち越した力士は次の通りです。
12勝 照ノ富士(優勝)
11勝 大栄翔(殊勲賞)、隆の勝(殊勲賞)、
佐田の海(敢闘賞)
10勝 霧馬山、碧山
隠岐の海、翠不二
明生、一山本
おめでとうございます。
日ごろ、地味に応援している大栄翔関、隆の勝関、佐田の海関という地味な面々がそろって活躍してくれて嬉しいです。
佐田の海関の知名度、今回でずいぶん上がったんじゃないでしょうか。
個人的にショックだったのは、佐田の海関がいつの間にか「35歳力士」という文脈で応援されていたこと。相撲内容含めフレッシュなイメージが強いだけに、いつの間に35歳になっていたのだろう……と、オールドファン丸出しの衝撃がございました。
地味という意味では、明生関も少しだけ復調してきていて嬉しい。
若隆景関、そして若元春関はすっかり人気力士として定着してきた気配ですね。
二人とも敢闘精神あふれる取組をいつも見せてくださいますので、実力も人気もますます上がっていきそうです。
勝ち越した中では、隠岐の海関も地味に今場所強かった気がします。
相変わらず腰が重い上に、捕まると転がされてしまうので、隠岐の海関に苦手意識を持っている若手も多そうですね。
さて、今場所、地味に一番一目置かれるべきなのは霧馬山関ではないでしょうか。
幕内上位にあってシレッと10勝している上に、好不調が出る押し相撲の大栄翔関や隆の勝関と違って基本的に組みにいくスタイルですし、安定した強さの水準がますます上がってきている印象があります。
- 前まわしを速攻で取る上手さ
- 相手の腕の手繰り方・絞り方の上手さ
- 相手の良いところを出させない戦略眼
- 色んな技を試そうとしている節のある器量
- とはいえ基本的には組んでから寄って勝つ力
- 取り口のバリエーション、防御力を支える足腰
等々、全盛期の鶴竜関を思い出させるような魅力があります。
あと1勝していたら技能賞もらうべきだったと思う。
今場所も敗れたとはいえ、貴景勝関にあえて突っ張りあいで挑む、照ノ富士関にあえて組みにいく等々、楽して勝とうとせず(除く若元春関戦や隆の勝関戦)に自分の糧を増やしにいっているような姿勢が、楽しみな若者感出まくっています。
若隆景関、豊昇龍関、琴ノ若関と、有望な若者が上位に入ってきていますが、もしかしたら最も高い次元の目標を見据えて稽古しているのは霧馬山関なのかもしれない。
ますます目が離せませんね。
そうはいっても若者の成長にはいましばらくの時間が必要な中、照ノ富士関だよりになっている土俵の現状はじゃっかん寂しいものがあります。
照ノ富士関の身体の具合がこれ以上悪くなりませんように。
これからもしばらくは若者たちの大きな壁になっていてくださいますように。
今場所は、十両で推している武将山関も勝ち越してくださってほくほくです。
(9勝6敗)
後半が特によかった。
英乃海関や竜電関を倒したのはすごいことだと思います。