肝胆ブログ

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大相撲'20.11月場所感想「貴景勝関はいい大関」

 

コロナや横綱大関陣の休場、更には琴奨菊関らの引退と、寂しいニュースが多過ぎた20年11月場所を、一人残った大関貴景勝関が見事に締めくくってくださってかんたんしました。

場所後の八角理事長のお言葉通り、貴景勝関はいい大関ですね。

 

www.sumo.or.jp

 

 

今場所の幕内勝ち越し力士は次のとおりです。

 

13勝 貴景勝(優勝)照ノ富士(技能賞)

11勝 北勝富士志摩ノ海(敢闘賞)

10勝 大栄翔、千代の国(敢闘賞)

  9勝 宝富士、栃ノ心、竜電、千代大龍、天空海、明生

  8勝 隆の勝、高安、玉鷲、琴勝峰、遠藤、徳勝龍、逸ノ城千代翔馬

 

 

貴景勝関はいい大関さん。

彼はぶっきらぼうな物言いをしたり、言葉足らずだったり、ご家族までニュースになったりと、損をしているような場面も多いんですけど、今日の優勝インタビューはまことによかったですね……!

ちゃんと親方たちへの感謝を口にしてくれて、見ていて嬉しかったです。

更に、

本割は自分なりに集中していきましたけど、力及びませんでした。負けて出来ることというのは無心になって、自分が挑戦者として新弟子のころから目指していたもの、何も考えずに強くなりたかった自分を意識しながら、何も考えずにただぶつかっていきました。 

 

という言葉は、貴景勝関の人柄を感じるとともに、高い次元で活躍している方の精神性の一端を垣間見れた気になれました。テレビを一緒に見ていた少年少女も感心していましたよ。

 

 

 

照ノ富士関は、もはや実力は明確に大関並、恐いのはケガだけ、という感じですね。

8日目の大栄翔戦、9日目の高安戦で、それぞれ回り込まれて苦戦していたように見受けられたのですが、そこからの10日目以降は相手を正面に捕らえる技術が一層冴えわたっていて、これは技能賞も当たり前という感じでした。

殊勲賞もあげてよかったんじゃないかなあ。

 

 

 

北勝富士関は、宝富士戦の熱戦を制して以降、モチベーションもグンと上がったようで何よりです。文字通り、実力が一枚向けた感じで、ああいう機会をモノにできたのは幸甚だったのではないでしょうか。

敗れた宝富士関も、後半は疲れが出ていたような気がしますが、前半の体幹の強さ、当たられた時の動じなさは素晴らしかった。いい意味で脂がのってきた印象ですね。

 

 

志摩ノ海関、千代の国関の敢闘賞コンビも大変喜ばしいですね。

志摩ノ海関は竜電関戦や、敗れはしたものの貴景勝関戦が印象よかったです。

千代の国関は序盤戦の生き生きっぷりと、千秋楽の小手投げの迫力がよかった。

かわいい志摩ノ海関とイケメン千代の国関、これからますます活躍していただきたいものであります。

 

 

推しの大栄翔関が地味に10勝できてよかった。特に話題にはならないけど、幕内上位でしっかり10勝しているのが大栄翔関。好き。照ノ富士関戦や玉鷲関戦が良かったなあ。

同じく推しの隆の勝関も、三役で勝ち越せてよかった。胸を張って実力が本物だと言ってよいでしょう。少し硬くなっている場面もあったので、まだまだ安定的に星を上げれそうです。

 

 

9勝した竜電関は、立ち合い時の腰をくいくいするのがめちゃくちゃ気になりましたが、あれがいい感じにリラックス効果あったのかもしれませんね。ストイックで真面目そうな竜電関に一見似つかわしくない動きではありますが、更なる高みに上る過程のような気もするので今後を見守りたいです。

新入幕の天空海関、好きなタイプですし、しっかり星を上げられてよかった。それ以上に、ダンプに追突されても無事でよかったです。リアル異世界ちゃんこにならなくてホッとした人も多いはず。

 

 

負け越した方々の中では、炎鵬関・照強関の両者がやはり印象深いですね。この二人の対決は想像以上に熱かった。

個人的には、豊昇龍関の初日、魁聖関に胸を合わせた状態から投げ勝った一番がとてもアガりました。豊昇龍関の良さが光っていたと思うんです。引続き琴勝峰関たちに負けずに昇っていってほしい。

 

 

そして、琴奨菊関の引退。

ただただ寂しい……。

昔から好きだったので……最近の、往年の人気力士が続々引退する状況と相まって……自分の中で、時代が確実に変わったことを強く実感しています。

 

 

でも、寂しい一色ではなく、上でいろいろ書いたように、嬉しい・楽しい面も多い場所でした。

重ねて言いますが、大関がしっかりと締めてくれて本当に良かった。

 

 

来年の初場所横綱二人の去就、貴景勝関と照ノ富士関の挑戦と、のっけから巨大トピックスに溢れていますが、引続き充実感の高い場所になりますように。

 

 

 

 

定点観測:相撲界の毛利三兄弟

 若隆景(前頭筆頭)   7勝8敗

 若元春(十両六枚目)  8勝7敗

 若隆元(幕下二十八枚目)4勝3敗

 

若隆景関の粘りある取組みっぷりは、幕内で確実にファンを増やしていますね。

お兄ちゃんお二人も勝ち越せてよかった。