大相撲2021秋場所、新横綱の照ノ富士関がまさしくな横綱相撲で優勝を遂げるとともに、宇良関や妙義龍関の活躍、ケガから復帰した貴景勝関の意地、復調してきた大栄翔関の殊勲星、いよいよ存在感を増してきた霧馬山関や豊昇龍関モンゴル次世代、幕内のバリエーションを広げてくれている九重部屋勢などなど、見どころの多い場所になってかんたんしました。
幕内での勝ち越し力士は次の方々です。
13勝 照ノ富士(優勝)
11勝 妙義龍(技能賞)、遠藤
10勝 大栄翔(殊勲賞)、阿武咲、隠岐の海
9勝 御嶽海、霧馬山、若隆景、千代の国
千代丸、宝富士、琴恵光、豊山
今場所の照ノ富士関はひたむきな新横綱っぷりがしみじみと観客の胸を打ちましたね。落ち着いた一番一番の取組み、優勝時も含めたインタビューの受け答え等々、気持ちに浮わついたものがまったく見られず、粛々かつ着実かつ力強い姿がめちゃくちゃ魅力的でした。
照ノ富士関がいてくれることで、土俵が重みある締まりようだったと思います。
横綱としての照ノ富士関の姿、これからも長く見ていたいですね。
妙義龍関はめちゃくちゃ格好良かった。
低い当たり、鋭い出足、妙味のあるインタビュー。
あれだけの稽古をされている方ですから、こうして立派な成績と優勝争いに結びついて、ファンはものすごく嬉しいと思います。
遠藤関は幕内下位だと相撲勘の良さが冴えわたりますよね。
再び上位に食い込んで存在感を発揮していただきたいものです。
推しの大栄翔関が復調してきてくれて何よりです。
金星・殊勲賞はもちろん嬉しいのですけど、ある意味ではそれくらいできて当然の地力をお持ちなのですから、更に上の地位に昇っていっていただきたいところです。
阿武咲関も素晴らしい出足が目立ちましたね。
敢闘賞受賞しても良かったと思います。条件厳しいなあ。
あとは隠岐の海関。
地味に、最近じわじわと更に実力が上がっている気がいたします。
ここは妙義龍関に続いて、優勝争いに本格参戦していただきたい。
隠岐の海関が優勝したら祭ですよ。
9勝した霧馬山関は立派でした。
バランスの良さ、一つひとつの技能の高さが鶴竜関に通じますね。
幕内上位の壁を乗り越え、いよいよモンゴルニュージェネレーションの中で上位定着一番乗りでしょうか。
発熱で途中休場した豊昇龍関は負け越しとなりましたが、あの二丁投げ気味の一本背負いは伝説になりましょう。彼には華がありますから、霧馬山関といい対比関係になりそうですね。
同じく負け越した宇良関も、一番一番の敢闘精神が最高でしたね。
こちらの送り吊り出しも伝説になりそうです。
今場所は珍しい技がたくさん見れてよかった。
そういえば星勘定はそれぞれながら、九重部屋勢が銘々エネルギッシュでよかったですね。皆さん個性が強いし、個性を活かしあっている印象があります。あまり王道感はありませんが、彼らの存在が幕内の魅力を増幅してくれている印象が残りました。
なんとなく相撲界も不安定な時期が過ぎつつあり、徐々に落ち着きが見られ始めた印象があります。
あとはコロナ禍が穏便に収まり、一部の方々による過剰な白鵬関叩きを控えていただき、白鵬関も独自の道を静かに進んでいけば、というところでしょうか。
そろそろ特定の課題ばかりを話題にするのではなく、腰を据えた議論や本質的な変革に取り組んでいけるといいですね。
新横綱がしっかり着地いただいたことを幸いに、大相撲がますます発展していきますように。
あと、最近押している武将山関が今場所も8勝7敗で勝ち越してくれて嬉しい。
十両上位でも立派に通用しています。
ばいんばいんとした押しが見ていて気持ちいいんですよね。