大相撲で久しぶりに名古屋場所が開催され、久しぶりに15日間フル出場した白鵬関が全勝優勝で復帰するという異次元な事態を目撃しかんたんしました。
いろいろ物議はかもすのでしょうけど、数年先数十年先から見ても歴史に残るような場所になった気がしますので今場所を見届けることができてよかったなあと思います。
幕内力士の勝ち越し勢は次の通りです。
15勝 白鵬(優勝)
14勝 照ノ富士
12勝 琴ノ若(敢闘賞)
11勝 玉鷲
10勝 逸ノ城、豊昇龍(技能賞)、宇良
9勝 霧馬山、石浦
8勝 正代、御嶽海、明生、隆の勝、宝富士、北勝富士、
照強、志摩ノ海、千代翔馬、剣翔、一山本
千秋楽の解説で北の富士さんが白鵬関の心境を「凡人には分からない」と仰っていましたけど……いい意味でも悪い意味でも、確かに白鵬関はもう凡人の世界線では生きていないような気がしてきましたし、どのような取り口であろうがどのような批判をいま浴びようが数十年先の歴史で讃えられたり功績を評価されたりしているのは白鵬関の方なんだろうなという感慨を抱くような場所でした。
白鵬関自身が常々「未来の横綱が自分の記録を目標にできるように」等と仰っていますし、過去や前例や郷愁や虚像からしか相撲を評せない我々凡人に対して相撲の未来がどうあるべきか問いかけられているような気すらいたします。
14日目の立ち合いにかつての猫だましを思い出した相撲ファンも多いと思いますけど、あれで翔猿関はちょっと救われたんじゃないかと思ったり。
ルールの範囲内で新たな取り口や戦略を広げていくことをただ批判しているだけで本当にいいのか、相撲ファン的には揺さぶられたような気持ちです。
今場所の白鵬関を見ていて思ったのは、ビジネスの世界でグローバルなリーディングカンパニーがあの手この手で先進的な取り組みを、ときにはえげつない手法も駆使してシェア1位に君臨しているのと似通っているなあと。
資本力や人材や取引関係の優位性に安住してドンと構えてさあ2位以下の企業よかかってきたまえなんてやっているトップ企業ってありえないですもんね。
強大な企業ほどCSRを求められるのも批判にさらされるのも似ていますし、我が道を進んで世の中に大きなものを残していくのも同様なのでしょう。
前もなんかで書いた気がしますが、白鵬関については引退してしばらく時間をおいてからでないと我々凡人には上手く評価できないんだろうなと思います。
その上で、いまいま白鵬関を批判する人がいるのはいいと思うんですけど、批判する側の人も相応しい品格を保ってくださいますように。できれば口汚い言葉が千秋楽観戦に来て涙していたご家族の耳には届きませんように。
照ノ富士関の横綱昇進おめでとうを筆頭に勝ち越し力士それぞれに好ましい気持ちを抱いたり負け越しはしたものの大栄翔関が後半少しだけ復調していたのが嬉しかったり千代翔馬関のバタバタ相撲が最近わりと好きだったり推している武将山席が千秋楽で勝ち越してハッピーだったり色々語りたいことはありますが、白鵬関の衝撃が強過ぎたので省略いたします。