子どもの絵本コーナーにあった「船の切り口から説明する世界史」本が極めてハイクオリティでかんたんしました。
これは、中学校や高校時代に副読本として欲しかったなあ。
皆さん、船は好きですか。
私は大好きです。
こちらの絵本はですね、人類にとっていかに船が大事な存在であったか、いかに船が素晴らしい進化を遂げてきたか、そして船を軸として人類がどのような歴史をたどってきたかを、50ページ程度のボリュームでバッチリ知らしめてくれる素敵本なのであります。
著者であるヒサクニヒコさんのイラストが非常に分かりやすくてですね。
歴史の理解という意味でも、船の構造のイメージアップという意味でも、めちゃくちゃはかどるんですよ。
船が絡むコンテンツを創作する方にとっても非常に参考になると思います。
少しだけ絵本の中身を引用させていただくと……
ローマ船からLNG船までをずらっと見せてくれる序論のページ。
船は現物が残らないので、史実解明が難しいということを諭してくれるページ。
日本(戦国時代)の安宅船。
快速帆船! ティーレース!! この過剰な帆の数よ!!! たまらん……。
このように正確かつ美麗かつ簡明なイラストの数々にですね、よだれ出る訳です。
他にもそもそもの船の構造紹介や大航海時代船や蒸気船や第二次大戦軍艦とかも豊富ですからね、何がしか船の歴史に心揺さぶられたことのあるあなたは手に取ってみると幸せになれると思いますよ。
歴史本としてもですね、
- ピラミッドは船が作った
- 船でひとつになった地中海
- 大航海前夜の世界の海
- 鄭和の大航海
- 鎖国と内航の時代(日本)
- ヨーロッパの大航海時代
- 帆船と大砲の時代
- 大きな鉄の船の時代
- 第2次世界大戦と船
- 日本と太平洋戦争
- 海は資源の宝庫(現代)
- 海のルールと安全(現代)
等々、いったい何歳児を想定読者に置いて作成されたのか分かりませんけど※、少なくとも中学生・高校生、あるいは社会人の復習としても充分満足できる世界史概論になっておりますから、広くおすすめしたいドキドキ本になっております。
この本を幼児や小学生に独占させていてはもったいないですよ。
上記※の件、普通に「徐福」「漢」「壊血病」「十字軍」「朱印船」「ドレイク」「三角貿易」「トラファルガーの海戦」「スエズ運河とパナマ運河」「アヘン」「ヒトラー」「南極条約」「メタンハイドレード」「戦略ミサイル」みたいな用語が出て来ますからね。
絵本だからといってレベルをいたずらに下げないスタイルが好きだぜ!
子どもの絵本コーナー、たまにとんでもない大人もびっくりな逸品が眠っているから楽しいですね。
こうした良本との出会いをきっかけに歴史好きや船好きの少年少女が増えていきますように。