遅ればせながらウルトラマンオーブのオリジンサーガを視聴したところ、TV本編や後続シリーズとはまるで異なるガイさんジャグラーさんのアーリースタイルにかんたんするとともに、ガイア・アグルの関係性との対比を示したところがイケてるなあとほれぼれいたしました。
ウルトラマンオーブのオリサガは、ウルトラマンオーブエピソード10構想のうちの第1章「命の木」編を収録したものとなります。
「ウルトラマンオーブクロニクル(年代記) エピソード10構想」ウルトラマンオーブ完全超全集より(小学館てれびくんデラックス) - 肝胆ブログ
ガイさんが戦士の頂のリングに選ばれウルトラマンオーブとなり、ジャグラーさんが選ばれずに曇らされる。
それでもジャグラーさんはガイさんを懸命にサポートしながら、二人で命の木を巡る戦いに身を投じていく訳ですね。
以下、ネタバレを含みながら感想を。
全編通して見た感想としては、「ウルトラマンネクサス」がいまなりにアップデートされたような印象が強かったですね。
1話完結でない、連続ドラマ構成。
爽快感や娯楽性は少なく、シリアスで考えさせられる展開。
怪獣とのプロレスエンターテインメントが少ない代わりに、際立つ「ウルトラマン」のヒーロー性と神秘性。
ところどころ気になる一部登場人物の行動やもったりしたテンポ。
率直にいえば少年魂が燃え立つような感じではなく、そのままTVで放送しても人気が得られるようなつくりではありません。
一方で、ネクサス同様、こうした重厚なストーリー基盤を製作しておくことで、後のウルトラシリーズの設定やドラマに活きてくるものが多いという。
現在放映中のウルトラマンZの蛇倉隊長も含め、「O-50」に関わる人物や設定は広がる一方ですし、さいきんのウルトラマンシリーズにハマってきた人にとっては押さえておきたい作品だと思いますね。
とりわけガイさんとジャグラーさんが好きな方、「ウルトラマンガイア」が好きな方には積極的におすすめいたしますよ。
個別の登場人物については。
ガイさんは影がまったくなく、100%ピュアな光キャラになっていて眩しいですね。
後のエピソード3やエピソード5で大事な人を失ったり傷つけたりを経て、どこか影のある風来坊なTV版クレナイ・ガイさんが誕生する訳ですが、この段階ではピュアピュアのピュアなのです。
その癖、未熟でアーリーなウルトラマンオーブオリジン・ザ・ファーストが、異常なほど飛躍的な成長を遂げて多彩な必殺技を繰り出すようになっていきますので。
たいへん無垢でたいへんお強い。
これはジャグラーさんが曇るのもやむなしやなあと納得してしまいます。
ジャグラーさんは逆に100%ナイーブで、何かあるたび曇ったり傷ついたりしている姿にキュン死に間違いなしです。
後の諸エピソードでTV版以降の闇の仕草や闇のユーモアを身に着けていったようですが、この段階のジャグラーさんはただただ繊細な青年なんですね。
その癖、戦闘面では巨大化できないのに異常に強く、巨体の怪獣たちに我が身を顧みず突貫して仕留めていく姿が実にヒロイックです。
そして、何度もガイさんたちの危機を救いながら自分の活躍は自分で認めてあげられないのに、自分がガイさんに助けてもらうとめっさ顔を曇らせているところがね。
寄り添いたくなるような弱さと激しい強さが同居していて、たまんないっす。
ダイナとコスモスは「ウルトラマンサーガ」以来の信頼関係がいいですね。
ダイナはストロングタイプも披露していてオッと思いました。
コスモスはいつもながらムサシさんの「コスモース!」が爽やかで好きです。
一方、ヒーローとして成熟しているアスカさんとムサシさんは、結果としてジャグラーさんを一層曇らせる要因になってしまっている面もあって、ドラマ的に重いものを感じさせられました。
ジャグラーさん、ウルトラマンZ段階でも根に持ってる感じがしますもんね笑
そしてガイアとアグル。
この二人が登場するという話を完全に忘れていたので、登場したときは一人でめっちゃ盛り上がってしまいました。
ドラマ面でも戦闘面でも演出面でも活躍が多く、とりわけアグルは海を割って登場するシーンやジャグラーさんと邂逅するシーンが「完璧やな」と思わず声に出てしまうくらいグッときましたよ。
かつてのガイアとアグルの関係を踏まえ、ガイさんとジャグラーさんの関係を評したりアドバイスしたりする一つひとつのセリフが、ガイアファンにもオーブファンにももう堪んないすね。
これはマイ ベスト オブ ウルトラマン客演のひとつです。
オリサガ独自の登場人物としては和泉元彌さんと榎木孝明さんなどの役割・演技がよございました。
また、独自の戦う巨人「戦神」もいい造形だと思います。
ギャラクシーファイト続編のPVに「命の木?」や戦神&ジャグラーさんにちょっと似てる「アブソリュートタルタロス」さんが映っていますが、オリサガ要素も入ってくるんでしょうか。
今後のウルトラシーズ展開も楽しみですね。
ネクサスのノア要素同様、O-50にかかわる要素がいい意味でウルトラマン世界に厚みを与え、これからの魅力的な作品づくりに繋がっていきますように。
それにしてもウルトラマンZのせいでジャグラー愛がますます高まる一方だ。
どうしてくれるんだ。
これでZ後半でジャグラーさんがなんか大変なことになったら盛り上がりすぎて死んでしまうじゃないか。
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