肝胆ブログ

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映画「悪魔が夜来る 感想 良い中世ファンタジー」マルセル・カルネ監督

 

フランス映画「悪魔が夜来る」を鑑賞してみましたら、日本人ウケしそうな中世ヨーロッパファンタジーな舞台で人間模様がしっかり描かれている作品でかんたんしました。

 

 

↓映画の予告編

 

 

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以下、あらすじレベルでお話を紹介します。

結末などの重大なネタバレはいたしません。

 

 

 

 

 

 

1485年。

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悪魔さんが人間を絶望させようと、二人の悪魔の使いをお城に送り込みます。

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悪魔の使いは美男美女。

リュートをかついだ吟遊詩人という時点で、wizardry#6-8好きとしては心躍るものがあります。

 

 

 

悪魔の使い(美男)は甘い顔面と甘い歌声でお城のお姫様を誘惑します。

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お姫様が正統派の美人でよろしいですね。

 

 

 

一方、悪魔の使い(美女)も淫靡な視線と脚線美でお城の領主とお姫様のお婿さんを虜にしていきます。

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悪魔の使い(美女)さんの悪魔的な蠱惑演技がたいへん見どころあります。

 

 

 

こんな感じで人間関係をしっちゃかめっちゃかにして、心弱き人間たちを絶望させてやろうという悪魔的作戦だったようなのですが。

 

 

 

悪魔の使い(美男)の方が、お城のお姫様にうっかりマジ恋してしまうのです。

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すっかり心を通い合わせてしまうふたり。

 

 

 

この思わぬ展開にご立腹の悪魔さんも、人間に化けて直接お城に乗り込んできまして。

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この悪魔さんの悪魔的演技が憎たらしくて楽しいんですよ。

 

 

 

色々あって、おおきくは悪魔パワーに人間たちがやられてしまうのですが、それでも人間の魂はけっして悪魔になんて屈しないぞ絶望なんてしてやらねえぜ的にお話が展開していくのです。

 

一説には、こうしたお話の筋について、ナチスドイツに占領されている中でフランス人の魂は決して屈しないぜというメッセージが巧みに秘められているのだ……的な解説もあるそうです。

とはいえ、ドイツ人もこの映画を見たら一目瞭然でそういうメッセージ性が込められていることには気づくでしょうから、検閲をくぐり抜けたというよりは、単に作品としてよくできているからお咎めがなかったんじゃないのとも思いますね。

 

 

 

個人的には、悪魔パワーによってかき乱される人間たちの心情面もさることながら、宴のシーン、狩りのシーン、お城や中庭のしつらえ、決闘のシーン等々、過度に装飾的でない、殺伐とした世界の中で中世なりの貴族趣味を演出している塩梅がとても気に入りました。

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CG等の最近の技術がなくて派手ではないんだけど、実物っぽいものをたくさん使ってリアリティがある画面になっている、ってのも古い映画の楽しさですね。

 

中世ファンタジーものの作品が好きな方にはおすすめできると思います。

 

 

 

いつの時代も悪魔に魂を売るような人が少ない世の中でありますように。