肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「映画マイ・インターンに見る起業とコーポレートガバナンス」ナンシー・マイヤーズ監督

 

マイ・インターン」という映画を観てみたらとても面白かったうえに「最近っぽい起業とコーポレートガバナンスの感覚」をサラッと実感できていい映画だなあとかんたんしました。

 

wwws.warnerbros.co.jp

 

 

 

 

 

以下、ネタバレを含みますのでご留意ください。

 

 

おおまかなあらすじとしては、Webで服を売る先進的な急成長企業が社会貢献アピール目的でお年寄りのインターンを募ってみたところ、かつて電話帳製作会社で働いていたという70歳のロバート・デ・ニーロさんが応募してきたような次第になります。

美人で有能な社長のアン・ハサウェイさん付きの雑用係としてロバート・デ・ニーロさんが配置されて、しばらくは何の仕事もなくヒマしていたんですが、徐々に穏やかで誠実でスマートな人柄とパフォーマンスが評価されてアン・ハサウェイさんたちの信頼を得ていく……ちゃっかり会社のマッサージ師を口説き落として彼女までゲットしてしまう……という話。

 

ロバート・デ・ニーロさんが穏やかでキュートで有能なお爺ちゃんという、ちょっと男性陣はみんなこれ見習った方がいいんじゃないかというくらい魅力的な存在に描かれておりますので、そういう意味ではリアリティに欠けるんですけれども。

 

「職場にこんなサポーターがいてくれたらいいのになあ……」とふん詰まった気持ちを抱えている働く女性たちにとってはたとえ幻想であってもいっときの安寧に浸らせていただけるありがたい映画になっているのですよ。

仕事と家庭の両立に苦労してはる女性は素直に楽しむのが吉かと存じます。

一方でサラリーマン諸氏はこういう映画を観て定年退職後のライフプランを鮮やかに具体化いたしましょう。

 

 

 

 

 

映画の見どころは、いまほど申し上げたロバート・デ・ニーロさんのシニアな魅力と、ラストシーンで胸の前で拳を握りしめながら涙ぐんでいるアン・ハサウェイさんの圧倒的なかわいさなんですが、個人的にはもう一点、「今日的な成功した起業家あるある……企業の成長ステージに合わせた経営体制の構築」という現実的な課題を分かりやすく視聴者にお伝えいただける点も見逃せないなと思いました。

 

 

と申しますのも、この映画の舞台となる企業はアン・ハサウェイさんが短期間でゼロから築き上げたんですが、成長に組織が追いついておらず、アン・ハサウェイさんの超人的な才覚・努力でなんとか組織が回っている状況でございまして。

創業者頼みの組織力のまま、先に会社の規模だけがどんどんデカくなってしまっているというステータス、これってヤバいですよね。

 

起業直後に求められる能力……ビジネスの仕組みを創り出す段階と、組織拡大後に求められる能力……仕組みの洗練と権限・組織のデザインが求められる段階。

創業者のトップがどっちも上手いことできるケースは実際のところ稀なのです。

 

起業して、組織の成長段階に合わせて創業者もまた成長していかねば、部下を育てていかねばならないのですが……。

 

アン・ハサウェイさんもそこんところでやはりつまずいている模様です。

 

 

ほいで、アン・ハサウェイさんの右腕っぽい部下が遠慮気味に投資家からのメッセージを伝えてくるんですよ。

 

アン・ハサウェイさんは実務に専念して、経営は外からCEOを招聘すべし」

 

という。

 

 

この辺の相場観はさすがアメリカという感じもするんですが、いまの世の中はだんだん社長というものが「創業者」や「出世レースの果て」というものだけではなくなってきていて、「いろんな会社を渡り歩く経営のプロ」という人材もひとつの有力な候補になってきているんですね。

 

しかも、これはまさにアメリカ的なのですが、「社長を選ぶのは現社長ではなく、株主(投資家)……正確に言えば株主の信認を得た社外取締役たちである」というね。

 

どれだけアン・ハサウェイさんが有能であっても経営のプロじゃないでしょ、だったら外からCEOを呼んできた方が組織も上手く回るし株価も上がるよね……というド正論を、彼女の気持ちなんてお構いなしに投資家さんたちは仰ってくるのであります。

 

こんなんゼロから会社を育て上げてきた創業者からしたら憤懣やるかたないですよね。

 

映画の中ではこんな重たい経営課題(+旦那の浮気)を背負ったアン・ハサウェイさんが、ロバート・デ・ニーロさんのあたたかなサポートを受けながらなんとか課題を一つひとつ乗り越えていくような美しい展開なんですけれども。

その難題の一つとして「投資家からのCEO交代プレッシャー」が採用されているのがたいへん現代的でアメリカ的でいいなあと思ったのです。

 

 

なにがいいなあって、やっぱりアメリカ人であってもいきなり外からCEO連れてこられるのはすんなり受け止められない、消化できない、超ストレスフル、というのは変わらないんだなというのが(笑)。

 

日本よりはるかに進んだ(もしかしたら行き過ぎた)ガバナンスの仕組みを持っていても、中で働いている人間の気持ちはあまり日本人と変わらないんだな、そりゃそうだにんげんだものと共感できたのがこの映画のサブメロディ的によかったんでございます。

 

 

さらに良かったのが、アン・ハサウェイさんが自分の会社の服を自分で注文して、届いた品の梱包のイケてなさをチェックして、会社の物流センターに直行して現場のスタッフさんたちに改善の指示を手本見せながらやっているところ。

しかも彼女の説明がハートフルだからか、現場のスタッフさんたちもモチベーション上がって笑顔で従っているところ。

 

作中でロバート・デ・ニーロさんにも称賛されていた場面なんですが、こんな細部にまで心を込めた仕事をしているアン・ハサウェイさんの姿はシンプルに美しいです。

ジェンダーどうこうでなく、やっぱり一仕事人として頑張っている人が報われてほしいなあという気持ちになりました。

 

 

 

長々と小難しいことを書きましたが、映画はコメディタッチのライトな演出ですから大変観やすい内容になっています。

ハリウッド系でたまにはいい話が観たい、あんまり重たい話ではなく、というニーズにぴったりですよ。

 

 

邦画洋画を問わず、お仕事がんばっている人を勇気づけるような作品がこれからも定期的に登場してくださいますように。

 

 

 

「古本屋台」Q.B.B……作:久住昌之、画:久住卓也(集英社)

 

兄弟ユニット「Q.B.B」の漫画「古本屋台」が特定の層にだけめっちゃ突き刺さる作品になっていてかんたんしました。

 

古本屋台| Q.B.B./久住 昌之/久住 卓也| まんが単行本|BOOKNAVI|集英社

 

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原作が久住昌之さんで、作画が弟の久住卓也さんになります。

久住昌之さんはいまやすっかり有名人ですが、テレビ的な明るい世界だけでなく、いまもこうしたニッチなサブカルチャーな世界でも素晴らしい仕事をされているのが本当にすごいですね。

 

 

内容としましては、タイトル通り「古本の屋台」……基本は古本屋なんだけど、1杯だけ白波のお湯割り/ロックを100円で飲むことも可能……というファンタジーなお店を舞台にした情景を描いている作品になります。

 

1杯しか飲めないお酒をゆーっくり飲みながら、気難しいオヤジさんや常連客と古本などの話題を語り合う……ような話が2ページ1話でたくさん収められておりますよ。

オヤジの人物造形が最高でしてね、はしゃぎ過ぎると「帰んな」とか言われて追い払われてしまうんですが、その独特の緊張感もまた楽しそうでいいんです。

他の日に行ってみたらオヤジがバイオリン弾いていたり、ときにはオヤジの方が酔っぱらってしまっていたり、屁をこいたりしていてね、パーフェクトに近いけどパーフェクト過ぎないオヤジの存在感にみんな引き寄せられてしまう訳です。

 

 

古本を屋台で……しかも飲み屋機能、サークル機能付き……となったらそれはもう特定層の願望そのものですよ。

よくこんなファンタジーを漫画にしてしまったものだ。

 

中には古本屋台のオヤジがふらっと消えたと思ったら、どこぞのお金持ちに誘われて浅間高原の別荘客相手に屋台出してきたみたいな話があったりして。

小学生の「学校に侵入してきた悪者をボクが格好良くやっつける」みたいな妄想の、これぞまさしく中高齢インキャ版やなあ! とでもいうべき愛おしさに満ちてございます。

 

 

オヤジ以外の話でも、主人公のおっさんが旅に出て

「おそい夏 海辺の安ホテルにひとり逗留…」

「厳選してきた五冊の文庫本を読みふける二泊三日…」

「長年の夢 遂に実現!!」 

からの

「って明日の朝チェックアウトだけど一冊も読んじゃいないや
 ダラダラしただけで…」

「あー楽」

 

みたいな空気感の話が多くてすごい共感できるんです。

これぞ分かりみが深いというやつですね。

 

 

ラスト間近のエピソードで、主人公のおっさんが古本屋台のオヤジの今後について夜中に一人考え始めてしまって寝付けなくなって、

「どうするつもりだろ…」

「この先…」

「俺が考えても仕方ないんだけど」

 

(目が冴えちゃった)

(…俺が)

(継ぐか)

(なんてな…)

 

と一人で夜酒やり始めるのもいいんですよ。

実にいい。

ほんまいい。

 

 

古本屋台というだけあっていかにも古本ファンが好きそうな本がたくさん出てきますが(つげ義春さんネタが多かったり吉村昭さんの本も出ていたりしてちょっと嬉しい)、それ以上に元文学青年が老後に渇望してしまうような“場”を具現化しているという点が秀逸な作品だと思います。

馴れ合いになり過ぎないで、一定の緊張感や距離感や秘密感が保たれているところまで含めて。

 

 

私は人見知りなので古本好きな人たちの集まり(古本屋に行くとよく店主と常連が楽し気に話していたりしますよね、周りの一見客にも気軽に声をかけたりしながら)には入っていけない方なんですが、入ったら入ったですごく楽しいんだろうなあと思ってしまいました。

 

出会いって、人と人との一対一な出会いも大事ですけど、楽しい“場”との出会いも大切ですよね。

たぶんボケ防止とか幸せな老後とかのためにも超重要だと思うのです。

 

 

孤独な大人たちにこそよい縁がありますように。

 

 

 

 

 

信長の野望・大志「長宗我部元親言行録」

 

大志の長宗我部家が能力も顔グラも優遇されていてめっちゃ強いのにストーリーは中途半端なところで終わっていてかんたんしました。

201Xといい、コーエー社は長宗我部家の物語づくりに苦戦しているのでしょうか。

 

 

大志ver.の長宗我部元親さん。いつもながら超強いし顔グラも渋くて素敵です。

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こちらは志「西海の主」。以前も触れましたが極めて優秀なオススメ志です。

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こちらはパパ親こと国親さん。やはり能力も志も優遇されています。

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元親さんの優秀な弟たち。能力も顔グラも上等な扱いです。

ずっと顔グラが変わっていない実休さん冬康さんは泣いていいと思います。

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ここからは元親さんの言行録を紹介して参ります。

 

 

1560年川中島シナリオなどで元親さんを連れて出陣すると発生する姫若子イベント。

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有名な逸話ですね。

この段階では家中も元親さんの器量に疑いを持っていたような演出になっています。

貼りませんが合間合間に入る秦泉寺さんのぼやきが面白いですよ。
秦泉寺さんもそのまま元親さんとずっと上手くやっていければよかったんですけどね。

 

 

 

続いて「天罰恐るるに足らず」。1567年天下布武で開始するといいと思います。

条件は本山家・安芸家を滅ぼすだけ。兵力は互角でも、元親さんが強いのでかんたんに決戦勝利可能です。

ちなみに残りの言行録も全部この流れで見ることができますよ。

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一条家やっちまおうぜ! 的なイベントになります。

会話の内容よりも、政治家モードの元親さんの姿のベーシックな格好良さに目がいってしまいますね。

 

 

 

こうして一条家に宣戦布告する長宗我部家。

一条家の城を残りひとつにすると気の毒な一条兼定さんが追放されます。

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そして、その1か月後には大友宗麟さんの支援を受けて復讐戦を仕掛けてきはります。

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ほんま、大志では大友宗麟さんの外交達者な一面が存分に味わえていいですね。

 

 

いよいよ四万十川の戦いです。

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宗麟さんの宣戦セリフは楽しいんですが

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あっさり蹴散らされて捕縛される兼定さん。

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宗麟さんも「マジか」という気持ちだったんでしょうか。
それともこの結果も含めて宗麟さんの想定内だったんでしょうかね。

戸次川の戦い前には元親さんと宗麟さんで思い出話とかしていたりして。

 

 

 

この兼定さん追放と四万十川の戦いの合間には、「名前を書こう」という言行録も発生します。

 

散らかった部屋を見た元親さんが。

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こうした日常の心得的な逸話は楽しいですね。

小早川隆景さんの「急いでいる時ほどゆっくり書け(焦ってミスるな)」とか。

 

 

 

土佐を統一したので、後は信長さんの後見を得て、阿波に襲いかかる流れです。

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まずは信長さんに外交で繋がりをつくります。

 

天下布武」シナリオだと信長さんの侵攻が進んでいなくて、自然体だと距離が遠すぎで外交できないことがあります。
仕方ないので、私は三好家と短期同盟を結んで河内畠山家を滅ぼし畿内に領地を得て、無理やり信長さんとお近づきになりました。

 

発生するイベントは有名な「鳥なき島の蝙蝠」。

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光秀さん大河ドラマ化おめでとうございます。

前半でまさかの進士晴舎さんの息子説が採用されたりしないかなあ(笑)。

 

大志では長宗我部ー明智ラインに触れて本能寺四国政策起因説的な前フリにするのかと思いきや、光秀さんの長宗我部家を見る目が存外冷たくて驚きました。

信親さんに「信」の字(名前の上の字の方が格が高いとされる)を与えることにイラっとしてはりましたし、この大志光秀さんなら長宗我部家のために本能寺を起こすことはなさそうです。

 

 

 

元親さんのラスト言行録は「四国の蓋」。

三好家の白地城を落とすだけなので発生させるのはかんたんです。

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……このイベント自体はいいんですけど、やっぱりここで言行録が終わっているのは尻切れトンボというか打ち切り漫画感というかがございます。

本能寺後の秀吉さんのイベントも収録されていないので、元親さんの対秀吉さんや戸次川がないのはまあ仕方ないんですが。

 

コーエー社の元親さんイベントは「周りは元親さんを舐めている」「でも実は元親さんの器量ってすごいんだぜ」というのが基軸だと思うので、もう少し元親さんが活躍する言行録が充実しないと「実はすごいんだぜ」感が目立たないんですよね。

このままPKで四国征伐と戸次川だけが実装されたら、「実はすごい」感が更に薄れて「やっぱり鳥なき島の蝙蝠やったね」みたいに映ってしまいそうでちょっと不安です。

 

三好家ファンとしては長宗我部家の人気を妬むだけではよくなくて、長宗我部は長宗我部でしっかり評価されていただいて、その長宗我部を苦しめた三好康長さんや十河存保さんもしっかり評価してもらうというのがおいしいストーリーだと思っています。
(個人的な意見です)

 

 

 

なんにせよ、PKで長宗我部家の物語に魅力的な結末が付加されますように。

哀しい内容なのは仕方なくても、美しさや共感が残るようなのが見たいです。

 

 

 

 

「AIやVR、今や化粧品販売にも必須か-資生堂や世界ブランド動かす」ブルームバーグの記事より

 

ブルームバーグに載っていた「資生堂等の化粧品会社がAIやVRを」という記事にかんたんしました。

 

AIやVR、今や化粧品販売にも必須か-資生堂や世界ブランド動かす - Bloomberg

 

 

ちょっと前に東洋経済でこういうニュースも目にしていたのでなお興味深いです。

toyokeizai.net

 

 

 

化粧品やファッションは、私の世代だとデパートや商業ビルがメインチャネルなイメージですが、けっこうなスピードでオンラインショップやCtoCに切り替わりつつあるようです。

 

確かにこれら業界は経営層も現場も危機感持ってそう。

アパレルの友達は、若者向けの服を売っているのに仕事の数割は毎日来るお婆ちゃんの話し相手だとか言ってたしなあ。

若者が服屋に来ねー。ていうか街に若者がいねー。

 

 

 

画像の超高画質化と、VRやARの技術と、それを支える処理能力が組み合わさったら。

 

画面上の自分のアバターに、好きな化粧品や服や髪型を当ててみて、バーチャルな試用・試着の上でモノを買うような……購買行動が一般化していくのでしょうか。

 

www.vertex-pts.com

 

 

化粧品ならスマホくらいのサイズでもいけそう。

むしろスマホの操作性とバーチャルメイクの操作の相性がよさそう。

 

 

化粧品店やアパレルショップも、いまはモノを並べるスペースを沢山取っていますが、そのうち全身画像の撮影とバーチャル高画質な試用・試着を試すスペース……ファッションの店というより写真撮影店のような見かけの……に切り替わっていったりして。

撮ったデータはスマホと共有できて、家族や友達に見せてから後で決済することもできたりして。

 

そうすると店舗やバックヤードにたくさん在庫を置く必要もなくなって、画面で選んだ商品をそのままおうちにお送りしますね的なオペレーションになりますね。

ファッション業界独特の素敵な紙袋文化がピンチだ。

 

うん、そうやって試用・試着にかかる手間が大胆に軽減されたら、ファッション業界の主流である「ブランド専属のショップ(特定ブランドしか置いていない)」が減っていって、セレクトショップのような「ブランド乗り合い型のショップ(色んなブランドを置いている)」が増えていきそうだなあ。

店員は色んなブランドの個性や組み合わせの妙を説明せんとあかんくなるから大変だ。

でも説明でけんとAIにやらせよーぜってなるから失業のピンチだ。

資生堂お姉さんたちをリスペクトしている人は多いので、客側としても彼女たちのこれからが不安であります。

 

 

……技術が一定水準まで行った時点で、インフラ面で商売の仕組みを先行的につくったショップが覇権取りそうだなあ。

 

 

 

こういうことを考えているとまだまだこの業界もビジネスチャンスがたくさんあるんじゃねという気分になってきます。

 

案外、化粧品やファッションの世界こそが一番身近なSociety5.0になっていくのかもしれませんね。

 

 

 

何はともあれ、現場で働いている人たちと情報を共有化し、現場で働いている人たちの心情にも配慮した事業構造変化がなされていきますように。

 

 

 

 

大阪市阿波座「旧川口居留地」と「大阪川口基督教会」

 

阿波座のあたりを散歩していたら、旧川口居留地にある川口基督教会の見物が面白くてかんたんしました。

 

www.city.osaka.lg.jp

 

 

日本聖公会 川口基督教会

 

 

 

いまいちマイナーな阿波座駅。

かつては大阪府庁舎もあったそうなんですが、そんなことを知っている大阪人は少ない気がします。

 

阿波座といえば見応えのあるジャンクションの方がいまや有名かもしれません。

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人類スゲェと思わせられる立体交差。

 

 

阿波座というくらいですから、もともと阿波商人が割拠していたのでしょうけど記録がいまいち残っていないそうです。

近くには土佐堀もありますし、この界隈は四国系人材の橋頭保だったのでしょう。

三好三人衆が立てこもった野田城もそんなに遠くありませんよ。

 

 

 

そんな地下鉄阿波座駅から西側、川を越えたあたりが旧川口居留地であります。

 

 

 

1868年(明治元年)に大阪港が開港され、川口居留地が外国人に競売されました。

天下の台所として経済の中心だった大阪に期待して外国商人が集まってきたそうです。

 

ただ、いかんせんこの辺りの土地は狭く、当時の大阪港の機能も不便だったようで、やがて外国商人たちは「神戸の方がええわ」と移って行っちゃったそうですが……

神戸あっぱれ。

 

 

いまでは居留地の名残りをつたえるものはほとんどなく、寂しい限りであります。

 

 

 

そんな中、現在に当時の雰囲気を伝えてくれるのが川口基督教会です。

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ちょっと大阪ぽくなくてイイでしょう。

 

見学自由でして、前を通りがかると神父さんがどうぞどうぞと案内してくれます。
(布教されたりしませんので安心ください)

 

慶弔事の準備中でしたので内部の写真は遠慮させていただきましたが、現在も多くの信徒の崇敬を集めているのであろう、厳かで厚みのあるよい雰囲気の教会でしたよ。

一階から見上げても二階から見下ろしても充足感のある居心地。

信徒の寄付で少しずつ増やしているというステンドグラスがきれいでした。

 

阪神淡路大震災では建物がえらいダメージを受けてしまい、取り壊すことも検討したそうですが、様々な方の応援でなんとか修復することが出来たそうです。

建て直すよりも数倍のコストがかかったそうですけど、こういう建物は一度失われると二度と手に入らないですもんね。

 

 

この川口基督教会を開くもとになったのがチャニング・ムーア・ウィリアムズ師という日本聖公会初代主教の方による宣教で、これは明治後の大阪初のキリスト教布教だったそうです。

 

ちなみに東京の立教大学を開いたのもこちらのウィリアムズ師なんですって。

あんまりキリスト教のミッションって詳しくないのですが、日本聖公会立教大学の他にも桃山学院、プール学院、平安女学院などの関西人に親しみのある学校を開いているとのことで、思いのほか我々の生活に浸透しているようです。 

 

 

 

ぷらぷら歩いていて知らない歴史に出会うと楽しいものですね。

なかなか阿波座に用がある人は少ないかもしれませんけど、川口基督教会は一度ご覧いただく価値があると思いますよ。

大阪府の指定有形文化財ですし。

 

 

 

阿波座の界隈もちょっとずつ開発が進んで人が増えてきているようですし、10年くらいしたらすごく人気のあるエリアになっているかもしれません。

 

新しい人と古い歴史がいい感じに混ざって溶け合って魅力が増していきますように。

 

 

 

 

映画「マザーウォーター 感想」松本佳奈監督

 

マザーウォーターなるストーリーもオチもない映画になぜだかかんたんしました。

 

 

 

100分ほどの映画でして、京都の洛北界隈(北山とか高野らへん?)を舞台に数名の男女の日常(主に飲食・散歩場面)を切り取ったような内容です。

 

登場人物はそれぞれ何らかの背景を持っているようですが、映画内で詳しく語られることはありません。

意味ありげな会話はしていますが、何らかの課題が明らかになったり解決したりという要素はナッシングです。

笑える場面もなければ泣ける場面もない、ただただゆったりとした生活の場面場面をアルバムのように収めた感じ。

カフェの隣の席の会話とか、隣の家が庭でやってるパーティとかをなんとなく眺めてみたようなテイストの映画になります。

 

 

面白いか? と聞かれれば……

10人中8人は「意味分かんねぇ」と斬り捨てるでしょう。

 

 

ただ……

 

 

季節、気分がフィットした場合のみ、

“なんかよかったな”が湧いてくる映画でもあります。

 

 

おりよく映画の季節は春。

春の夜、家族や大事な人とソファで寄り添ってぼんやり観るにはいいと思うのです。

 

 

 

 

ストーリーがない代わりに。

印象に残る食べもの飲みもののシーンがたくさん出てくるんですよ。

 

 

もたいまさこさんのアイデアで、軒先のベンチでイートイン可能になった豆腐屋さん。

できたての豆腐をその場で食べられるたぁなんて贅沢、なんて羨ましい。

そっけなく豆腐丸ごとと醤油だけ出されるのがまたいいのです。

 

ウイスキーしか置いていないバーの深緑色の壁。

カウンターの中から客の二人を映す場面があるのですが、そのシーンの緑の壁、茶色の木製カウンター、赤茶色のドア、こげ茶系の客の服装……の取り合わせが西洋画のような美しさをたたえていて素晴らしかったです。

 

小林聡美さんによる水割りのつくり方がまたいいのです。

イケてるバー独特の丸いおおぶり氷に、ウイスキーだけをまず注いでよく混ぜます。

空気を入れているのか香りを花開かせているのか、はたまた混ぜる時間そのものを味わっているのか。

そこから水を注いで再び軽く混ぜたら気持ちよく酔えそうな水割りの出来上がりです。

 

もたいまさこさんが春野菜を買い集めてこさえるかき揚げ。

一人でプレミアムモルツ? を開けて夕食を楽しんでいるのが格好いい。

昼間は街の人々と交流、夜は一人でかき揚げ。生き方上手感がパないのです。

 

サンドイッチのシーンなどでゆっっくりと動くカメラワーク。

なんでもない会話のなんでもなさをより増幅しているようで、観ているこちらの気持ちもゆったりしてくるかのよう。

またサンドイッチが美味しそうなんですよね……。

食べものは飯島奈美さんが監修されたそうで、さすがだ。

 

昔ながらの銭湯の脱衣場で食べている出前? の丼も惹かれるうまそうさでした。

おっちゃんが若者に半分あげる場面も万人に通じる郷愁があったように思います。

 

 

 

食べもの飲みものの他にも。

全編を通じて登場する赤ん坊「ポプラ」氏がすげぇかわいいんですよ。

赤ん坊好きならもうこれだけでずっと眺めていたいくらい。

 

街のみんなで育てているような子どもで、登場人物それぞれとポプラ氏の関わり場面がすげぇいいんです。羨望です。

とりわけ、銭湯の脱衣場ですぴすぴ寝ているポプラ氏、それを眺めているもたいまさこさんがね、もうこっちまでめっさ孫欲しくなってしまいますよ。

赤ん坊っていてくれるだけで……

ほげほげ言ったり妙な速さで腕を上げ下げしているだけで周りは幸せです。

 

 

 

繰り返しますが、ストーリーは特にありません。

場景は印象に残りますが、言葉として身体に残るものはほとんどないでしょう。

 

それでもいい、そういうのもたまにはいい、という方にはとてもおすすめですよ。

 

 

 

洛北界隈のあの気持ちのよい空気感がこれからも受け継がれていきますように。

 

 

 

 

 

 

おこわ米八の「おこわいなり」

 

デパ地下によく入っているおこわ屋さん「おこわ米八」のおこわいなりが心にやさしい味わいでかんたんしました。

 

www.yonehachi.co.jp

 

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(写真はオフィシャルHPより引用)

 

 

 

600円ちょいのお手ごろな値段で、いなりずしが5個というお手ごろなサイズ。

 

 

おこわの種類は季節によって違うようですが、’18.4月現在だと

 

 ・赤飯

 ・栗

 ・あさり

 ・竹の子

 ・五目

 

というラインナップでございました。

赤飯・栗・五目が定番品で、あさり・竹の子が季節品でしょうか。

 

 

おこわっておいしいですよね……

たまに食べたくなる味というか、老い始めた身体がもち米を欲しているというか。

 

むちむちした力強い食べ味。

赤飯のハレの日感。

栗のめでたホッコリ感。

五目の贅沢パーティ感。

 

おこわ米八のおこわは煌びやかなデパ地下ファミリーのお母ちゃん的ポジションです。

 

 

季節品もよかった……。

あさりのむちむち感ともち米のむちむち感のむちむちデュエット。

竹の子は薄味の仕立てが鮮やかな旬の風味を呼び起こして。

 

個人的には5種の中で竹の子が一番好きでした。

日ごろは赤飯推しなんですけどね。

 

 

 

そんな既に完成度の高いおこわさんたちが「いなりずし」としてお揚げに包まれている訳であります。

 

ともすれば「やり過ぎ」感、「完成度を損なうのでは」感すらありますざんしょ。

 

ところがところが、このおこわ米八のお揚げはこれまた只者ではありませんでしてね。

こちらのお揚げは「ふわぁ……っ」とした広がりのある包容食感と「じゅわぁ……っ」という濃厚甘辛な情緒深い食味とを兼ね備えた知勇兼備的すごいやつなんです。

 

このお揚げでおこわを包み込むと。

 

もう最っ高に、爆裂的にうまい逸品になってしまうのです。

普段地味なお母ちゃんがヒョウ柄をまとった! 的な鮮烈。

 

 

一口目はある種どれも同じ印象と言うか、おあげの「ほらほらうまいやろ?」みたいな濃厚攻めを受けるのですけれど。

中に入っているのが実力者なおこわさんたちですからね、二口目からは各おこわの個性がしっかりと味わえて、甘辛お揚げと混然一体化した幸せな味わいが春先の疲れた心にじんわり染み入るぜフッこの野郎的な走馬燈が突っ走るのですよ。

もち米のタフな食べ味が味の濃さをうまいことフォローしてくれて食べ飽きしないし、量が少ない割にお腹のたまりもよろしくてああ万歳。

 

 

 

デパ地下に行くと551とか御座候とか柿安とかまい泉とかあれもこれも素敵ねとついつい目移りしちゃいますけど、いつもそこにいてくれて私たちを幸せにしてくれるおこわ米八、そして「おこわいなり」のありがたさにも我々はもっと注目して敬意を払うべきではないでしょうか。

 

あー、こんな記事を書いていたらまた食べたくなってきた。

おこわが湧く泉とかがあればいいのにな。

 

 

 

デパ地下という素晴らしい文化、民草の暮らしに根を下ろした名店の数々がとこしえに栄えますように。