肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

装甲騎兵ボトムズ「ビッグバトル」高橋良輔監督(日本サンライズ)

 

装甲騎兵ボトムズのTV版クエント編とラストシーンの狭間に位置するOVA
「ビッグバトル」にかんたんしました。

 

ボトムズWeb

 


前作OVAの「ザ・ラストレッドショルダー」がTV版ストーリーとものすごく
フィットしていたのに比べると、この「ビッグバトル」は各キャラの行動や
ATの挙動やストーリー展開に若干の違和感を覚えます。

特にピョンピョン跳ねる敵ATの動きは……。
どんな機械構造だったらあんなアクションができるの。


まあ、OVAも2作目ですしTV版との些細な相違点をあげつらうのは
野暮というものでしょう。

ガンダムしかりマジンガーしかり、徐々に“原典”とズレていって
オールドファンとニューカマーがしょうもない口喧嘩したりするのは
自然の流れ(プロレス)ですからやむなしです。

 

以下、軽くネタバレを含みます。

 

 

 

 

ストーリーをかんたんに申し上げますと、
ワイズマン打倒後のキリコがフィアナのためにヂヂリウムを求めていたら、
ロッチナの暗躍もあってバララント製PSのニーバさんとバトリングする羽目に
なったというものです。


ロッチナさん生きてたんすね。

「私が異能者であったなら!」とか絶叫してたので精神に歪みでも生じているかと
思ったら、ごく普通にキリコさん抹殺を命じていました。

粛々とバララント将校な仕事をしているのが不自然です。

ワイズマン(神様)をぶっ壊したキリコに今更喧嘩を売るとは。
それとも何か深謀遠慮でもあるのでしょうか。

 

ギルガメスでPS研究をしていたというおじさんも出てきました。

「PSを普通の人間に戻すのは不可能ではない」とか仰ったあとに
お陀仏していましたけど、これは今後の重要な伏線なんですかね。

フィアナさんが普通の人間に戻ってキリコと安らかな暮らしを送れたら
そんな幸せなことはありませんが、そんな上手い話はないのでしょう。

あるいは、未来技術に希望を託してコールドスリープに入ったのかなあ。

 

敵キャラのニーバさんはΖガンダムヤザンさんが強化されたみたいな風貌で
なかなかインパクトがありました。

戦闘中は「んんん……!」「ハァァァ!!」みたいな唸り声を
四六時中あげてはってなかなか危ない感じです。
人前で彼のモノマネするのは避けた方がよさそうです。

パーフェクトソルジャーな反応に一部機械製の身体とかなりの強敵でしたが、
いかんせんクエント編後のキリコに勝てるイメージは湧きませんでした。

サンサ編辺りで出てきてキリコ・イプシロンと三つ巴の戦いとかになってたら
面白かったと思います。

 

味方サイドのキャラでは、いつもながらキリコさんが格好良かったです。

特に地下廃墟を探索しているシーンで、ぶら下がってる遺体を見つけても
顔色ひとつ変えずに手で払うところ。

「死体なんて見飽きてる」「ミッション遂行にはなんら関係ない」という
キリコさんの姿勢がよく伝わってきて、無言ながらいい場面だなあと思いました。

 

フィアナさんは元祖パーフェクトソルジャーな活躍は一切なく、
ひたすらに不憫な役割でした。

「ヂヂリウム不足の禁断症状」とか言われてましたし、実際しんどいのでしょう。

何とかして差し上げたくなります。

 

三馬鹿トリオはいい意味で完全にいつも通りです。

終盤の戦闘シーンではけっこう活躍していて見直しました。
なんだかんだで頼りになるよねこの連中。

 

シャッコさんは渋い。

クエント編で躊躇なく足を撃ち抜いたキリコさんに対して
「俺もなんかの役に立つか」ってついてきて助けてくれるの。

黙って車のキーを渡すキリコさんも超嬉しそう。

いいですね、クラッシックな男の友情。

 


メカ関係では、今回のATバトルではローラーダッシュとターンピックに
フィーチャーしたカットが多くてよかったですね。

戦闘シーンは更に練り込まれた感じです。

個人的には、冒頭のバトリングで敗れて倒れたスコープドッグの足裏で
ローラーがむなしく回っているところに情味を覚えました。


そして地上戦艦

冷静に考えたら意味がよく分からない兵器ですけど、
ハッタリが効いていて「まさにビッグバトル!」な感じで大好きになりました。

ラストの観客席に突っ込んでいくところは「クズどもまとめて全滅しろや」な
勢いがあって半分ギャグっぽくて清々しかったです。

 

あとは、OPの映像が壊れたテレビみたいな色調に変えてあって
現代アートなテイストで面白かったですね。

DVDの調子が悪いのかと焦りました。

EDのスタッフロールがやたら高速なのも愛嬌があります。

 

 

以上、TV版からは徐々に乖離しつつも、戦闘シーンを中心に見応えのある
良作でございました。

デカ物相手の戦いってのはロマンがあります。
ロマンを感じましょう。
「ビッグバトル」というタイトルの作品に細かいことを求めてはなりませぬ

 

5分程度のPVでいいから、いつかバララントとギルガメスの総力戦映像が
観れますように。

こう、艦隊戦とAT戦が入り乱れてブワァーッと爆発しまくりで
最後は残骸と土塊の荒野が残るようなやつを。

 

 

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