大河ドラマ「麒麟がくる」、遂に三好主従がおおいに活躍する回が放映されてかんたんしました。
大河ドラマの放映タイトルに「三好長慶」が冠される日がくるとは。
内容としても
- 明智光秀(長谷川博己)さん・細川藤孝(眞島秀和)さんの熱い好演
- 三淵藤英(谷原章介)さんのどこか引っかかる品のよさ
- 三好長慶(山路和弘)さんのキリリとした連歌詠みっぷり
- 松永久秀(吉田鋼太郎)さんの必死に殿を救おうとする姿
- 万里小路家襲撃時の極彩色な映像美
- 一転して駒さんとの一夜での、暗闇と小さな焚火の静かな映像美
- 大柿城攻城戦での「エイトオエイ」再登場
- そして「紀行」に越水城がまさかの登場
等々、見応えある回でございました。
三好主従はあくまで脇役なので、しばらく登場シーンは減ると思いますし、畿内史関係の掘り下げもここらが限界ギリギリの線だとは思いますけど、これだけでも充分過ぎるほど嬉しいものですね。
それにしても三好長慶さん襲撃計画。
これはたぶん「(足利義輝さんの暗部だと解釈されそうな)1551年の暗殺未遂×2は取り上げませんよ」「(ドラマ的に)悪いのは細川晴元さんです」ということだと思うんですけど、そういう史実解釈とドラマ制作の狭間的な話は置いておいて、「歌っているところを襲撃される三好長慶さんのマクロスヒロイン」感がただただ愛しいと私は思うのです。
史実の三好長慶さん、暗殺されそうになったときは自分で刺客に脇息ぶつけて身をかわしているし、基本武闘派だし、本来は決してヒロイン属性あふれるタイプではないはずなんですけど。
……いや、そうでもないか。
教興寺の戦いなんて、籠城している長慶さんを救いに畿内各地から六万もの兵が集まってきたんだもんな。
あれ? 史実でもヒロイン?
そうか……そういうことだったのか……(ゲッター線汚染)。
「三好長慶とは」分かりやすい最近の研究とかの解説 - 肝胆ブログ
明智光秀・細川藤孝・三好長慶・松永久秀という四人で、真紅の紅葉散る中庭で刺客と戦う絵面、超よかったですね。
最近の時代劇とは一線を画した色使い。
どちらかというと、「カラー映画」「総天然色」とか言われていた頃の時代劇(地獄門とか)を彷彿とさせるものがあるようにも思います。
チラッと出てきた大柿城攻防戦での「エイトオエイ」も本当にいい。
いまのところ、大河ドラマとしては第2回「道三の罠」が一番好きで、斎藤道三(本木雅弘)さんのヒリつくような深謀演技に加え、陣太鼓や「エイエイエイ」「エイトオエイ」を何十分もたっぷり堪能させてくれたのが堪らないんですよ。
中途半端なBGMよりも、太鼓と掛け声が生み出す、ある種「祭」のような高揚感が戦にはよく合うと思うのです。
この戦演出だけでも私は「麒麟がくる」を超推すよ。
ドラマ終了後、紀行に越水城が出てきたのにもたまげました。
まさかドラマ本編に登場していない舞台、しかも史跡がほとんど残っていない越水城を出してくれるとは。
こういうことをきっかけに、兵庫県で三好ファンが増えたり、信長の野望で当たり前のように越水城(と芥川山城)が実装されるようになったらいいなあ。
真面目な話をひとつだけ加えるとすれば、明智光秀さんと細川藤孝さんのいう「本来あるべき姿……足利将軍を各地の守護がしっかり支える姿、国衆も民もひとつになって世の安寧に尽くしている姿」が、なぜそうなっていないのか、あなたたちはもっと真剣に考えた方がいいのでは? 誰か特定の人物のせいにしていていいの? とは思います。
(あくまでドラマの現時点段階の話です)
そういう視点を補うべきなのが、斎藤道三さんであり、織田信秀さんであり、三好長慶・松永久秀主従な訳で、実際にこれだけ豪華な人物・役者陣を揃えてもいるのですから、ドラマにおける明智光秀さんの志がこれからますます磨かれて強靭なものになっていくといいですね。
引続き「麒麟がくる」が盛り上がりつつ、再び三好主従が存分に活躍する日も訪れますように。
以下、完全な雑談、というか戯れ言です
一説には、「麒麟がくる」のタイトルはウルトラセブンオマージュの傾向が見られるそうですね。
すなわち。
今般の「三好長慶襲撃計画」は「セブン暗殺計画」由来だと。
ははーん。
ということは、ウルトラセブンたる三好長慶さんが、いかなる戦いにも負けたことのない無敵の細川京兆家(特技:分身、というより分裂)に挑むことを強調されているのでありますね。
なるほど、これはよくできている。
確かにウルトラセブンと三好長慶さんの類似点が多いことはよく知られています。
- 頼りになる兄弟がいる。
- 優秀な息子がいる。
- 妻の影は薄い。
- 娘がいる説もある。(パパはウルトラセブン/松永久秀室)
- メガネが重要。(ウルトラアイ/20XX)
- 鋭い刃物を持っている。(アイスラッガー/岩切海部等)
- 三体のしもべがいる。(カプセル怪獣/三好三人衆)
- 部下には厳しい。(ウルトラマンレオ/松永久秀)
- その部下が息子の面倒を見てくれる。(ゼロ/義興)
- 過労で動けなくなるまで戦い続ける。
- でも本当は戦闘員ではない。(恒点観測員340号/連歌観測員344号)
- 出身地も近い。(M78星雲/〒771-2304 徳島県三好市三野町芝生822芝生城跡)
よし。
これらの根拠を踏まえれば三好長慶さんとウルトラセブンは科学的に完全一致していると言っても過言ではないと思われます。
おそらく「麒麟がくる」で三好長慶さんが御臨終になる際も、松永久秀さんに向かって「いま沈んでゆく夕日が私だ。そして、明日昇る朝日がお前だ」等と悲しい遺言を残されるのでしょう。
(そして続編では何事もなかったかのように復活されているのでしょう)
なんでこんな当たり前のことをいまさら言っているかといいますと。
「西へ」の明智光秀さんは、ウルトラ警備隊ということになるのであります。
明智光秀ウルトラ警備隊隊員説。
誰?
射撃が上手いからソガ隊員?
という意見も出るかもしれませんが……
私はあえて明智光秀=フルハシ隊員説を提言したい。
なぜなら、明智光秀さんの一番の特徴は「美濃斎藤家家臣」であり「(やがては)幕臣」という両属性にあるからですね。
ウルトラ警備隊員の中でこれに近い特徴を持つのはフルハシ隊員しかいません。
なぜかって?
ここまでヒントを出せば、勘のいい方ならお分かりでしょう。
そう、明智光秀さんは、畿内へ行くときは「フルハシ隊員」、美濃や越前で活動するときは「アラシ隊員」として二つの立場を使い分ける活躍をなさることをアピールされているのですよ。
言うなれば幕府はウルトラ警備隊で、斎藤家や朝倉家は科学特捜隊なんですね。
NHKさん、分かりましたよ。
伝わりました。
タイトルに隠されたメッセージをこうやって丹念に読み解けば、結論はひとつ。
「麒麟がくる」終盤、老境に入った明智光秀さんの演者を長谷川博己さんから毒蝮三太夫さんにサプライズチェンジされることを今のうちから仄めかしているということなんですね。
これには美濃のマムシも苦笑い。
若いときから大物に囲まれて育った明智光秀さんは悪い意味で怖いもの知らずになり。
織田信長さんに「うるせえこの野郎」等とうっかり毒舌を吐いてしまって関係が悪化し、本能寺の変に至ってしまうということか。
なるほどなあ。
ネタバレしてしまってすみません。
以上!
麒麟がくる「第二十二回 京よりの使者 感想 足利義輝=ノンマルト説か」 - 肝胆ブログ