夫婦喧嘩コメディ映画「エドワールとキャロリーヌ」が親近感の湧く喧嘩描写が大変優れている上にヒロインのキャロリーヌ(若いときのアンヌ・ヴェルノン)さんが非常にキュートでかんたんしました。
以下、ネタバレを含みます。
ストーリーはあってないようなものですが……。
駆け出しピアニストのエドワール(ダニエル・ジェラン)さんと、お金持ち家出身のキャロリーヌさん夫婦。
キャロリーヌさんが夫を親戚主催のパーティで売り出そうとしたところ。
キャロリーヌさんのドレスのスカートが短すぎるという理由で烈しい夫婦喧嘩になり、パーティでもすったもんだがあったりキャロリーヌさんが他の男に口説かれたりエドワールさんもマダムにすり寄られたりするものの、最終的には特に深いきっかけもなく仲直りするという。
この夫婦喧嘩の発端のくだらなさ、ぎゃあぎゃあ騒ぐんだけど頭が冷めたらなんとなしに仲直りしてしまう間合い、非常に古今東西変わらぬ夫婦喧嘩のリアリティコメディ味があっていいのですよ。
ストーリー的にはなんてことない映画なんですが、ジャック・ベッケル監督の腕がいいためか、夫婦模様、パーティ模様、脇役の話への入り方、一つひとつが写実的で、現代の日本人が観てもまるで違和感を覚えないのがすごいと思います。
主人公がピアニストという設定を活かして、要所要所で流れるピアノシーンがメリハリを効かせてくれますしね。
ピアノを弾く男というのもなかなかセクシーでよい。
脇役たちも気の利いた演技でよい。
なにより、とにかくキャロリーヌさんがかわいい。
夫の辞書を粗末に扱うも、とぼけて知らないふりをするキャロリーヌさん。美人。
ロングドレスのスカートを切って得意になるキャロリーヌさん。かわいい。
スカートの短さにマジギレする夫。
キレ返して挑発するキャロリーヌさん。腹立つ顔してるのがかわいい。
ビンタされるキャロリーヌさん。これは現代ではあぶない。
ビンタし返すキャロリーヌさん。三倍くらいやり返すタイプです。
泣きわめくキャロリーヌさん。うっとい表情がかわいい。
泣きわめき続けるキャロリーヌさん。子ども染みていてかわいい。
パーティ後、にじり寄ってきた夫への距離を測りかねるキャロリーヌさん。
上手く表情をつくれない様を上手く演技できている表情がかわいい。
夫の電話相手が気になるキャロリーヌさん。素でかわいい。
仲直りする夫婦。Fin!
最初から最後まで、かわいいキャロリーヌさんの活躍を見ているだけで充分以上に楽しい映画でございました。
アンヌ・ヴェルノンさん素敵ですね。
まさしく
彼女は"観客"を知っている
幼く無邪気で悪戯で それでいて美しくあることが
いかに“観客”を虜にするのか
という感じです。
いい夫婦喧嘩コメディでございました。
親近感の湧くような夫婦喧嘩はいいものですね。
不倫とか借金とかアル中とか常習的DVとかじゃないし。
リアルタイムで喧嘩や冷戦や熱戦している世の中の夫婦方もそのうち上手く仲直りができますように。