マイフェイバリットゲームであるウィザードリィ#7を久しぶりにプレイしまして、やっぱり楽し過ぎてこのゲームは最高やなとかんたんし、もう一周プレイしようか迷っているところです。
正式名称は「CRUSADERS of the DARK SAVANT」、通称CDS。
ダーク・サヴァントという悪のSFボスの手先となって攻略してこい的なニュアンスでしょうか。#6でベラさんを殺害してエンディングを迎えた方なら、そういう展開でオープニングを迎えるので分からないでもありません。
ストーリーは#6からの続きもので、#6ラストで「コズミック・フォージ」という書いたことがなんでも実現するペンを発見するところから始まります。
コズミックフォージを管理しているアレスエイデスさんの要望で、「アストラル・ドミナ」というどんな生命でも生み出せる宝珠を探しにいくことになった冒険者一行。
剣と魔法の西洋ファンタジーだった#6から、いきなりSFアドベンチャーな#7に切り替わって脳が混乱したプレイヤーも多かろうと思います。
今回のラスボスはこちら、ダーク・サヴァントさん。
オープニングでラスボスを紹介してくれる親切仕様。
ゲーム内容はまったく親切ではありませんが。
彼の正体的なネタバレは#8に持ち越すといたしまして、以下、#7のネタバレはふんだんにございますのでご留意くださいませ。
パーティは次のとおりです。
いちばん難易度の高い6人パーティ&転職なしで久しぶりにクリアしました。
侍の斬月さん。
#7はキリジュツゲーなので、キリジュツと命中率に優れる侍は強力な職業です。
中盤、まともな刀が手に入らないのは玉に瑕ですが……。
モンクのハチさん。
#6に続いてモンクは強力です。
スネークスピードも覚えて、先制で敵の首を刎ねる切り込み隊長に。
ヴァルキリーのミリアムさん。
バランスよく強いヴァルキリーはとても役に立ちます。
なお、#7ではファイターは2倍のダメージを受ける謎特性があるので使用してはいけません。
レンジャーのロバートさん。
#7では弓矢が役に立たないので、ひたすらスタンロッドで敵を麻痺らせる役です。
ユビサキワザやレンキンジュツで幅広く役に立てるのはいいですね。
ビショップのドミニクさん。
パーティ随一の魔法キャラ。
転職なし前提であればビショップは便利です。
充実した呪い装備の数々も地味に強力。
サーマルパイナップル(核爆発手榴弾)を投げ続ける役なので、敵撃破数が大変なことになっています。
序盤から重要呪文「BLD.フラッシュ」「スリープ」「コンフュージョン」「アスフィジェーション」で大活躍できるので、アルケミストはおすすめですよ。
「DE.ポイズン」も意外なボスを即死させられたりして便利ですし。
#7はレベルゲーのため、攻略効率だけを考えたら経験値を稼げて荷物も分散できる2~3人パーティが一番楽なのですが、#7ではアイテム種類が豊富なので6人パーティの方がプレイしていて楽しかったりするんですよね。
どういうパーティにするかはプレイするたびに一番悩むポイントです。
6人パーティでラストフロアのロボットやゴローの間ボスにほどよく苦戦するのも楽しいし、少人数でレベル100台にして強敵どもを瞬殺していくのも楽しいし。
こういうことを書いていると、一人旅とか二人旅で再プレイしたくなってきて困ります。いいロールプレイングネタが思い浮かんだらまたキャラメイキングしてしまうかもしれない。
(以前は三好三人衆でプレイしたこともあります)
#7は旅する世界が惑星全土に及ぶため、従来作品よりプレイ時間が相当かかります。
船や、SF兵器的な要素も追加されていて、従来作品のファンからすれば違和感をぬぐい切れない気もしますが、慣れると#7のチャンポンスケール感はとてもいいものだと思うんですよね。
船で大海原を進みます。
ちなみに#7ではスイエイスキルはとても重要で、スキルが10以上ないと水のマスに入った瞬間「イヨヨ」「ファー」と謎の悲鳴をあげて死亡します。
スキル100でも7-8マス泳ぐのが限界ですので、船が手に入った時のやったぜ感はすごいものがあるんですよ。
最強の武器「ライト・ソード」。
「光の柱を発する取っ手」。要はライトセーバーですね。
素でめっちゃ強い上、終盤のロボット敵に倍打だったりします。
ムラマサより倍近く強いライト・ソード、ドラゴンや悪魔よりも強いロボット……となると受け入れられないファンタジーファンも多いかもしれません。
#7はハマる人にとっては本当に面白いんですけど、こうした点で好き嫌いが別れるのもやむを得ない気がしますね。
電脳的な要素も普通に登場しますし。
最終的にパーティはアストラル・ドミナを無事に発見します。
アストラル・ドミナを横取りしようとするも、台座から動かせなくて激高するダーク・サヴァントさんがかわいいシーンです。
ラスボス戦の難易度はそれほど高くありません。
その後はマルチエンディング形式で、今回は憎めない勢力であるティーラングについてみました。
既にアストラル・ドミナはダーク・サヴァントさんに持ち去られてしまい#8に続くという場面なのですけれども、それはそれとして抗争を続けているアンパニ・ティーラングには参るね感があって好きなエンディングです。
惑星ガーディア、これから先も平和になることはなさそうですね。
こういう味わい深い種族間対立等が#7の魅力だと思いますので、以下考察を。
考察①:ガーディア土着種族の存在意義
惑星ガーディアには土着の五種族と、宇宙から到来したアンパニ族、ティーラング族が登場します。(厳密には他にも巨人や魔女やロボット等もいますが省略)
土着の五種族は、ガーディアとともに天才科学者「フォーンザング」さんがアストラル・ドミナの力で生み出した方々です。
彼らは「異星人が来るとき、この世は滅びるであろう」という予言を踏まえ、主人公やアンパニ・ティーラングの到来を受けて混乱・戦乱状態にあります。
ティーラングは目的達成には手段を選ばない侵略商人で、ダーク・サヴァントと手を組んでガーディアに侵攻してきています。どう見てもエイリアンですが意外と気さくな面もあります。
アンパニはティーラングのライバル種族で、公平・モラルを重んじる軍隊的商人です。どう見ても米軍です。
ここでは、フォーンザングさんが土着五種族をどのような意図で生み出したのかを考察したいと思います。
まずは各種族のかんたんな紹介を。
ゴーン族
ゴーン族は強力な武士団種族で、ダーン族とムンク族の戦争を抑止するほどのガーディア最大戦力として位置付けられています。
しかしながら、星から来た者どもの策略で大魔法使いムラカトスさんが暗殺されてしまったり、帝国が内部分裂状態に陥ったりと、ゲームプレイ時点では往年の力を失ってしまっている模様です。
なんとなく、西洋諸国の植民地戦略に翻弄されたアジア・アフリカの強国がモデルになっているような気がしないでもありません。
聖堂の島でゴーン姫が葬られていたりアンゴーン・大名がかなり強かったりするところから見て、かつては相当強大な力を誇っていたっぽい。
ダーン族
身体は貧弱ながら、瞑想・精神修養で魔法の力に優れた種族です。
首領マグナ・ダーンさんのもと一枚岩に結束しているのが強みですが、肝心のマグナ・ダーンさんの徳が低いのが残念。
末端の方々はいい人たちなんですけどね。
なんとなく、キリスト教で異端とされた宗派あたりがモデルになっているような気がしないでもありません。
ムンク族
強靭な肉体と怪しげなドラッグに定評のある種族です。
アストラル・ドミナの本質に肉薄するような「夢」を見ることができる辺り、ポテンシャルはそうとうある種族なのですが、どうも全体的に個人主義的で種族としてのまとまりがありません。
何もかもがダーン族と真逆で彼らとは犬猿の仲。また、ゴーン族にとっては「食料」視されているようです。
なんとなく、西洋人の目から見た日本の「禅」「忍術」やイスラム教神秘主義がモデルになっているような気がしないでもありません。
参考:ムンク族のもとで見られる「夢」。
単におクスリでラリッてるだけかもしれませんが、ここで見られる夢はアストラル・ドミナの力や、コズミック・ロードの役割(#8)にかなり近いと思われます。
ラットキン族
ネズミ人間ラットキン族。
盗賊を生業とするマフィア集団で、ティーラング族やダーク・サヴァントにも要領よく取り入って漁夫の利を得ようとしています。
なんとなく、イタリアンマフィアやメキシカンマフィア等、アメリカ裏社会がモデルになっているような気がしないでもありません。
土着種族ながらティーラングの宇宙船を強奪して#8の世界に進出し、ダーク・サヴァントにも一泡吹かすという痛快な面が魅力ですが、その本質は暗黒街の住人でしかないので怖い怖いです。
一族のブラインド・メイスさんがケーン・オブ・コープス(骸の杖)という#7最凶の武器をお持ちということで著名ですが、キャラ的にあまり彼と戦いたくないんだよなあ。
どうもプレイ時点では、ドン・バルローン率いるラズーカファミリーが、ブラインドメイスさん率いる盗賊ギルド勢を駆逐した後という設定っぽいんですよね。
#8でバルローンさんが「ケーン・オブ・コープス」を所持している辺り、バルローンさんはガーディアを離れる前のケジメとしてブラインドメイスさんを始末してきたのでしょうか。
単純な実力ではブラインドメイスさんの方が強いので、マフィアお得意の人質作戦とかでブラインドメイスさんを嵌めたのかもしれませんね。
ヘラゾイド族
エアスクーターに乗って移動する女性種族です。
#8に登場する種族「ハイガルディ」の末裔っぽい。
どうやって生殖しているのかは謎ですが、実際に数が少ないらしく、ドラゴン・マウンテンの上でひっそりとフォーンザングさんの遺産を守っています。
モデルどうこうより、ファンタジー世界におけるエルフの役割をSF世界に投影したような存在ですね。
ちなみに画像のジャン・エッテさんも#8に登場しますが……。
まとめ考察
ダーン族とムンク族は極めて仲が悪い。
ゴーン族は強大だが外からの謀略に弱い。
ラットキン族は混乱を助長させる存在。
ヘラゾイド族は現世不干渉で、過去の遺産を守るだけ。
そして、これら五つの種族すべてに通じなければ、アストラル・ドミナに至る謎を解くことはできない。
このように趣味が悪い設計をフォーンザングさんはしていったように映ります。
外から来た者たちの存在なしに、土着の五種族からアストラル・ドミナに到達する者が登場するとはとても思えません。
逆に、外から来た者たちがアストラル・ドミナを発見しフォーンザングさんの後を追うなら、これら在地の五種族に関わる試練を見事にクリアする必要がある訳です。
ゲーム的にはともかく、世界観的には「ガイコウジュツ」が超重要な気がしますね。
要は、ガーディア土着の五種族は、フォーンザングさんにとって後進に対する「試練」「課題」でしかないように見えるんですよね……人権感覚の欠片もないと言いますか、扱いがロボット兵と変わらないと言いますか。
アストラル・ドミナやコズミック・フォージを使いこなすコズミック・ロードにとっては、そのような感傷は取るに足らないことでしかないのかもしれませんけど。
それだけに、ラットキン族がガーディアを離れて好き勝手やり始めるのがウケるんですよね。
生まれがどうあれ、大事なのはタフに生き抜くバイタリティーですわ。
考察②:ゴローの間ってなんなの
ガーディアの種族や生物と同様、ゴローの間のボス(神竜・オメガみたいなもの)もフォーンザングさんの手で生まれた存在なのでしょう。
なんせアストラル・ドミナの力があれば無尽蔵のエネルギーを持つ生き物もつくることができるらしいですし。
ゴローの間のボスたちは次の方々です。
弱い順に並べています。
ラーセーレーテップさん。
はじめのダンジョンのボスが再登場。雑魚です。
ゴローの間の財宝を1個はプレゼントしてあげるよ、という救済措置なのでしょう。
ホラゴースの悪魔さん。
たいして強くありません。レベル30もあれば普通に殴って倒せます。
ダルボレスの精霊さん。
同じくたいして強くありません。レベル30もあれば普通に殴って倒せます。
ここまでは6人パーティでも難易度低めです。
地獄よりの使者さん。
HP6698を誇る超タフな芋虫です。
まともに戦うと面倒ですが、魔法「ウィークン」でレベルを下げられますので、重ねがけしてから殴ればクリティカルや麻痺が発動して楽勝です。
千の目の怪物さん。
レベル99、HP9099の化け物クラゲです。
まともに戦うと状態異常を喰らいまくって殺されますが、この方も「ウィークン」が効くので重ねがけしてから殴ればクリティカルや麻痺が発動して楽勝です。
最後に第9世界の悪霊さん。
レベル60の上、ACがめっちゃ低くてこちらの攻撃が当たりません。
しかも敵の攻撃は99の固定ダメージ&猛毒で、レベル40程度では数発で殺されます。
倒すにはこちらもめっちゃレベルをあげるか、
弱ゴジリ(弾避け)召喚&命中率アップ魔法&回避率アップ魔法をかけまくってリセットしながら運頼み撃破を狙うか、
ということになります。
弱ゴジリさんも数ターンで殺されるのが超怖い。
第9世界の悪霊という名前もおしゃれです。
名の通り99ダメージを与えてきますが、これでレベルも99だったりしたら伝説になっていたでしょう。
というか名の通り99ダメージを与えてくるという時点で、存在がややメタ的な概念に踏み込んでいる気がします。
やはりラットキン族の設計はフォーンザングさん的にもやり過ぎたところがあったのかもしれませんね。
以上のゴローの間の怪物ども、やはり#7の世界観的には過剰な強さです。
ダーク・サヴァントさんより明らかに強いし。
フォーンザングさんが喧嘩しても勝てないんじゃないの。
彼らの打倒がアストラル・ドミナ獲得上必須でないことからしても、ゴローの間は「アストラル・ドミナへの試練」ではなく「アストラル・ドミナでつくったらやり過ぎちゃった生物と宝物を保管しておこう。アストラル・ドミナの使い途を誤るとこうなるぞ(戒め)」ということなのではないかなあと思っています。
考察③:ベラさんはグレーター・ワイルドで何してるの
#6の裏ボス、黒龍ベラさん。
彼はアレスエイデスさんを追って#8の世界へ向かったはずなのですが、なぜか#7のグレーター・ワイルドという何もない荒野で出会うことができます。
しかも問答無用でこちらを攻撃してきて、倒すとベラさんの家族の形見を落としていくという「何してんねん」感満載な感じで。
オマケ要素と受け取ることも出来ますけれども、彼が何しているか何らかの理由付けをしてみたいと考え、思い出したのが#6のこのセリフ。
ベラさんの宇宙船の燃料、そういえば恐竜でした。
そして、グレーター・ワイルドといえば#7最強敵のこちら強ゴジリさん。
もう分かりましたね。
ベラさんはグレーター・ワイルドで恐竜狩りをして燃料を補給していた。
ただ、強ゴジリさんやレックスさんは超強敵なので、ベラさんもバーサークして実力以上のものを出さないと倒せませんので。
(顔見知りの)主人公パーティが話しかけても気づかずに攻撃してきた、ということなのでありましょう。
ベラさんと#7で出会うこと自体が不幸な事故やったんや……。
以上、書いても書いてもキリがないほど、#7に対して感じることが溢れてきます。
王道ではまったくないのに、ユーザービリティも最悪なのに、こうも惹かれるのは独特過ぎる世界観とプレイ感覚のおかげ。
ハードルは極めて高いものの、これから先も#7にハマる奇特な人が現れますように。
プレイしたらがっかりしたわという人も多いと思いますけどご容赦くださいまし。
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