肝胆ブログ

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「ブラックティガー 第14話 禍福あざなえる西部開拓 感想」秋元治先生(グランドジャンプ2020 3号)

 

ブラックティガーの最新話が大好きな「幌馬車」「オレゴントレイル」ものでかんたんしました。

 

grandjump.shueisha.co.jp

 

 

いいですよね、幌馬車。

アメリカ開拓時代ならではの乗り物、舞台装置、意外と広くてめっちゃ機能的。

「大きな森の小さな家」「大草原の小さな家」なんかで憧れた元ちびっ子も多いと思うんですよね。

 

いいですよね、オレゴントレイル。

そんな素敵な幌馬車の大群が一心不乱に西を目指すグレートジャーニー。

「ビッグ・トレイル(1930)」の現代では再現不可能ちゃうかと思える幌馬車の群れ、渡河や谷下りの惜しみない撮影チャレンジっぷりなんかに憧れた元ちびっ子も多いと思うんですよね。

 

 

以下、一部ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このたびのブラックティガーは幌馬車トレイルものの鉄板要素が満載で最高でしたね。

  • オレゴントレイルというワクワクワードの解説
  • 泥濘や渡河に難儀する幌馬車
  • 「4頭立て」「幌や車軸の改良」といった幌馬車カスタマイズ要素
  • 秋元治作品ならではの幌馬車構造、煮炊きシーン等の考証・描写の確かさ
  • 胡散臭い行商オヤジや胡散臭いガイドリーダー
  • 襲撃に備えて円陣で休息をとる幌馬車たち

 

などなど、万雷の拍手で讃えたい贅沢場面の連続であります。

まさか21世紀にオレゴントレイルものの西部劇漫画が読めると思いませんでした笑。

 

 

 

ブラックティガーという作品自体も安定安心の面白さが続いていますしね。

今回はティガーさんの珍しい慌て顔が出ていてよございました。

日頃は無表情で悪人を何十人も始末しているのに、幼子の前では無垢な表情を見せてくれるというのが往年の時代劇スター味があってイイんです。

しかも今回はアクション・殺陣のシーンも往年の時代劇シーン味がありましてね。

 

ブラックティガーはあの頃のアクション娯楽映画好きには本当に堪らないんですよ。

楽しんで描いておられるのがめちゃくちゃ伝わってきます。

 

 

 

そういう訳で、西部劇の中でも幌馬車ものはメジャージャンルとは言えないかもしれませんけど、実はロマンとワクワクに富んでいて刺さる人にはうんごい刺さりますから、皆さん今回のブラックティガーをまずは読みましょうと言いたいのであります。

 

西部劇自体も現代では忘れられかけている文化ではありますが、時代劇同様、根強い支持をもとにキラリと光る後継作品が増えたり、あるいはかつての名作にアクセスしやすい環境が整ったりが進んでいきますように。

 

 

今号のグランドジャンプでは、「王様の仕立て屋」の渋谷文化考察もよかったですね。

渋谷、10回くらいしか行ったことないですけど。

こういう真っ当で応援したくなる依頼人の回、好きだなあ。