肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

大相撲2022九州場所感想「相撲戦国時代の乱世は続く」

 

年を締める大相撲九州場所

白鵬関の引退や照ノ富士関の膝悪化を受け、番付秩序が崩壊した、平幕優勝が続く相撲戦国時代の到来だと言われて久しいですが、2023年を迎えるにあたって次世代の台頭もまだまだ見通しきれない混沌っぷりにかんたんしてしまいますね。

ガチンコ前提による転変の激しさなので一番一番の見ごたえ、各力士の工夫・研究の濃さが伝わってくる醍醐味は増してはいるんですけど。

 

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今場所勝ち越した幕内力士は次の通りです。

 

12勝 貴景勝高安(殊勲賞)阿炎(優勝・敢闘賞)

11勝 豊昇龍(技能賞)

10勝 若元春、王鵬、平戸海

  9勝 琴ノ若、明生、錦富士、竜電、阿武咲、輝

  8勝 若隆景、霧馬山、翠富士、佐田の海、錦木、

      妙義龍、隠岐の海

 

 

今回の優勝は阿炎関でした。

再起後の活躍はまことに素晴らしく、諸手突きの伸びっぷりが見ていて気持ちよい……のですけど優勝決定戦の変化気味の立ち合いが脳震盪に繋がってしまったのが阿炎関にとっても高安関にとってもファンにとっても不運だったなと思います。

たとえ優勝決定戦で変化を選んだとて、本割で勝っているわけですし、高安関のこの数日の固さを踏まえれば阿炎関の優勝は順当な結果だったと言えるはずだったのに。

阿炎関、けっこうデリケートなところがある印象ですので、行きすぎたバッシングとかを受けて調子を落とすようなことがなければいいのですが。

 

高安関のファンでなくても、気持ちとしてそろそろ高安関に優勝してほしいという相撲ファンは多いと思いますので、阿炎関も高安関もノーサイドで来場所からまた良い取組を見せてほしいですね。

 

貴景勝関がここ数場所、常に大関としての威信を示し続けてくれているのはまことにご立派だと思います……それだけに、そうとう肉体に無理がきている気がしてならないので、どうかご安静にしていただきたい……。

 

 

今場所は豊昇龍関と王鵬関に注目が集まりましたね。

とりわけ豊昇龍関は若隆景関とともに次世代筆頭的な立場を固めてきている印象。

豊昇龍関には大きく育っていただきたいので、いまくらいの実力で下手に優勝するよりは、あと二段三段の力・スピードを得ていくための奮起に繋がってほしいです。

 

その陰で、力強い相撲で10勝している若元春関、シレッと小結で勝ち越しているのになぜかあまり注目されていない霧馬山関も来年さらに飛躍していただきたい。

 

このほか、個人的に今場所感心したのは琴ノ若関の懐深さの活かし方の成長、錦富士関のまわしを守りながら前に出るセンス良さ、阿武咲関の攻め口のバリエーション増加、あたりでしょうか。

まだまだこれからではありますけど、琴ノ若関のスケール感はもうひと化けしたら手がつけられなくなるんちゃうかと思うくらいのポテンシャルを感じます。

 

とはいえ、これら楽しみな若手の中から突出した存在が出てくる……のはまだ少し先で、当面は引続き混戦が続く感じですかね。

「最強横綱が君臨していて他の力士はみんな挑戦者」みたいな時代は分かりやすい楽しさがあるのですけど、乱世の時代は個々のファンが個々の力士をじっくり観察しないと楽しみ方が分かりにくいところがありますので、興行的には大変そうです。

 

 

あと、私のなかで大ニュースは千代大龍関の電撃引退。

協会に残らず焼肉屋開店を目指すということですが、誰かに担がれたりしていないかまことに心配です。無事に店をオープンしたら一度食べに行ってみたいものだ。

もう少し活躍を見ていたかったなあ。

 

 

パッと見スーパースター不在に映る現在の相撲界、そんな中でも力士方の努力・熱戦のもみ合いの中から、次の時代を拓く新しい存在が飛び出てくる2023年でありますように。

 

 

あと、推している武将山関が勝ち越せてよかった。

なんでいつも千秋楽までハラハラさせてくれるんでしょう。

そのうち北青鵬関を弾き飛ばすくらいの勢いを得ていただきたいものです。