肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「アド街ック天国の気にスポのBGM=ウルトラQ(ウルトラファイト 白い殺意)のBGM」

 

タイトルの事実にいまさら気づいてかんたんしました。

 

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これ、アド街ック天国でいつも流れている奴やん……。
そうか、どこかで聞いたことがあると思ったら、ウルトラQやんか……。

 

恥ずかしながら、両番組のイメージがなかなか結びつかなくて
全然気づきませんでした。

 

それにしてもウルトラQとは。
アド街ック天国のスタッフは渋いとこ選びますね……。

 

 

ウーさん。

皆で「ウー、ウーよ」とか雪ん子のモノマネしてた記憶があります。
初代ウルトラマンの「まぼろしの雪山」は哀しいお話でした。

ウルトラファイトでの役柄とはずいぶんギャップがありますね……。

 

 

親を亡くした子どもがひとりでも減りますように。

 

 

「ウルトラファイト」円谷プロ ウルトラチャンネル

 

ユーチューブの円谷プロ公式サイト「ウルトラチャンネル」で
ウルトラファイト」が始まっていてかんたんしました。

 

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www.youtube.com

 

懐かしい……。

ダルンダルンに傷んだスーツのウルトラセブンや怪獣が、
訳もなく命のやり取りをする3分番組です。

特徴は遊園地ヒーローショーにも劣るほどの低クオリティ。

なのに、無性に面白い。

「予算なんて要らねえ! 関係ねえ!」

ものづくりの可能性をあらためて教えてくれる偉大なコンテンツです。

 


とりあえず4/18現時点で2つアップされていますが、
#2の「神か悪魔かテレスドンの方を気に入りました。
(たぶんそのうち更新されて消えると思います)

昼寝をしゃれ込んでいたエレキングテレスドン
ささいなきっかけで殺し合い。

若干巻き込まれたウルトラセブンも、両者が揉み合う様を眺めて静かに頷き
「シュワッチ!」と帰っていく。


筋なしオチなし解説なし、
あるのは殺伐とした展開と呑気な実況だけ

この昭和感あふれる開き直りとシュールさ、抜群です。

 


今日はなんか疲れたのですぐに寝るつもりだったのですが、
この番組のおかげで元気が湧いてきました。

ありがとうウルトラセブン
ありがとうテレスドン

 


新しく始まったウルトラオーブファイトも
負けないくらい面白い番組になりますように。

 

 

 

「田中邦衛さんの魅力」大学の若大将/大脱獄/学校より

 

この半年ほど「北の国から」「県警対組織暴力」「トラック野郎・爆走一番星」と、
田中邦衛さんが出てくる映画にかんたんすることが多く……

 

ようやくにして、田中邦衛さんが好きな自分に気づきました。

 

そこで、「田中邦衛をやろう!」とひとり思い立ち、
週末にまとめて鑑賞したのが次の3本です。

 


旧い作品から順に、

 ・大学の若大将(杉江敏男監督)……1961年
 ・大脱獄(石井輝男監督)……1975年
 ・学校(山田洋次監督)……1993年

となります。


初めに3作品の簡単なあらすじ(若干のネタバレ含む)を書いて、
最後に田中邦衛さんの魅力をまとめようと思います。

 

 

大学の若大将

 


加山雄三さんが主演の青春映画となります。
当時最高のイケメン「若大将」に見惚れるシリーズの第一弾です。

そう言えば「こち亀」の中川さんも学生時代「エレキの若大将」と呼ばれていましたね。
秋元治さんはちょいちょい子どもには分からないネタを混ぜてくる印象があります。


この映画、ストーリーは盛りだくさんなので一言では表しにくいのですが、
加山雄三さんがモテまくりつつ最後は本命の星由里子さんと上手くいくという筋で、
合間合間に大学水泳部の青春的な場面やら、家族内の喧嘩と仲直りやら、
友人の恋の応援やらが挟まってくる構成になっています。


田中邦衛さんは、この映画の中ではライバル役です。
人呼んで「若大将」ならぬ「青大将」

ひどい。皆に青大将って呼ばれてますが、これオープンな陰口じゃないのか。

役柄としてはいいところのお坊ちゃんで、いつもイキっていて、
いつも空回っている感じの三枚目キャラになります。

ヒロインを強姦しようとしたところはいただけませんが、
それ以外は総じてムカつくけど憎めない人物で、
特にラストシーンの一連の展開は「見直したぜ!」とかんたんすること請け合いです。

終わってみれば加山雄三さんに並ぶほど田中邦衛さんに対する好感が印象に残って、
田中邦衛さんおいしいな、と思ってしまいました。


他にも見どころは多く、
北あけみさんのビキニ姿がスゲェとか、
水泳部員の50年前デザインの水着がやたら気になるとか、
加山雄三さんの胸毛セクシーだなとか、
加山雄三さんが箱根でつくる料理がやたらうまそうだなとか。

とりわけ食事シーンはすごく気合が入っていて、
水泳部の皆で焼肉を囲むシーンはとても印象に残りました。
(このシーンはオチ付きのギャグシーンでもあります)

全員で鉄板を囲んで、「まだまだまだ……せえの、ホォイッ」みたいに
一斉に箸を伸ばすところが。
全員がそろって丼飯に肉を乗せてワシワシがっついているところが。

男! 若者!! ってなります。
大学の体育会系のむさ苦しい系の親密な男たち……いいですよね。

あまり語り過ぎると変な方向に脱線しそうなので、この映画はこの辺で。

 


大脱獄

 


いかにもな70年代東映系の映画です。
高倉健さんと菅原文太さんのW主演……ストーリー的には高倉健さん主役かな。


この映画、ストーリーは荒唐無稽かつ乱暴としか言いようがありません。
かろうじて菅原文太さんに漢気を感じるくらい。
「主役なのに同情できない高倉健さん」とか、
逆に珍しいのではないかと思います。

展開としては、高倉健さん・菅原文太さんを含む死刑囚たちが
刑務所を脱獄するのですが……。
脱獄早々、侵入した民家で娘さんを強姦するか
どうかで仲間割れし、二人が死亡。

のっけから観客に「この連中はクズですよ」と教えてくれます。


高倉健さんは強盗殺人犯の役どころで、実際には殺人は犯していない、
真犯人は田中邦衛さん、復讐に行くぞ、という設定なのですが。

逃走中に無実の人を何人も撲殺しようとします。
復讐の為なら無辜の民草の命はお構いなし

うーーん、これはさすがに共感できないぞ。


反対に菅原文太さんは撲殺しようとした高倉健さんをニコリと許し、
最後まで健さんをサポートし続けます。
ご都合主義の連続で敵の情報やショットガンを調達してきて、超有能。

途中、健さんと文太さんが喧嘩してなぐり合うシーンはよかったです。


ちなみに、田中邦衛さんは顔面ごとショットガンで吹き飛ばされて死にました。
70年代東映ですから、邦衛さんはいわゆる小狡いチンピラ役です。

大親分ではなくて、要領よく立ち回ろうとするも結局は上手くいかない悪役。
この貫禄のなさ、むかむかしてくる自己中ぶり・保身ぶりが逆に凄い。


脚本よりは「面白い画面づくり」がメインの映画ですから、
頭を使わずに眺めているとけっこうよかったです。

オープニングの各死刑囚を紹介するズバァンとしたテロップとか、
道に迷って頭がおかしくなってケツを晒して凍死する死刑囚どもとか、
使用済みコンドームに小便を入れて暖を取ろうとする死刑囚とか、
民間人に殺意の籠った視線を送りまくる高倉健さんとか、
深い意味もなく脱線する鉄道とか、
70年代東映らしい鮮やかな朱色の血潮(これがまた雪景色に映えるのだ)とか、
印象に残る画面が多い娯楽大作ですよ。

 


学校

 


一転、真面目でじんわりと染みる映画です。

東京の下町の夜間学校を舞台にした人間ドラマで、
前半はそれぞれ事情のある学生たちを掘り下げていく流れ、
後半は田中邦衛さん演じる学生(昼は労働者)の人生を悼む流れとなります。

主役は西田敏行さん演じる夜間学校の先生ですが、
後半は田中邦衛さんがもう一人の主役と言ってもいいでしょう。

田中邦衛さん演じる生徒の人生は凄惨で……
ひらがなの読み書きもできない老人労働者が、ようやく夜間学校に巡り会い、
初めて文字を学び、葉書を書くことができるようになっていくのです。
しかし、その頃には既に彼の身体はぼろぼろで……


田中邦衛さんの生涯を通じて、夜間学校の他の生徒たちが
「幸福とは何か」を語りあい、それぞれの感情を表し、それぞれが死を悼む。

見応えのある、見事な出来栄えの映画だと思います。


山形から東京に出てきた田中邦衛さんは、競馬が唯一の愉しみで。
同じく地方から中央に出てきたオグリキャップを全霊で応援するシーン。

恋心の行き場がなくなった憤りを西田敏行さんにぶつけ、
皆をがっかりさせるような当たり方をして、焼肉屋から放り出されるシーン。

俺とお前たちは「血統が違う」と何度も呟く田中邦衛さんの表情。


この素晴らしい演技を、ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思います。

 


田中邦衛さんの魅力

 


いまほど紹介した3作品にしても、その他の著名な作品群にしても。

田中邦衛さんほど「等身大の庶民」を得手とする役者はいないのではないかと思います。


加山雄三さんや高倉健さんのような憧れのスターではない。
西田敏行さんのような貫禄が滲むタイプでもない。


善人の役柄であっても、駄目な部分をたくさん持っていて上手くいかない。
悪人の役柄であっても、卑しいところをたくさん持っていて上手くいかない。

実際に世の中で一番多いタイプ、庶民の実像を鏡に映したようなタイプ。

いいところを卑屈や卑怯が潰してしまう。
悪いところを弱気な笑顔がフォローできてしまう。

「クラスにひとりはこんな人がいる」でもなく、
「いつかはこんな人になりたい、出会ってみたい」でもなく。

「誰しも自分の中にこんな人がいる」
そういう現実を映し出す演技なのです。

これは、田中邦衛さん自身がそういう性質の人物だからとかではなくて、
それだけ苦労している市井の人々をたくさんたくさん見てきたから、
学んでいらしたからではないでしょうか。


当時の映画を観れば観るほど……並み居る主演陣を押しのけ、
私の中で田中邦衛さんが大きくなっていきます。

この演技力……これこそ真にオンリーワンというべきかと思います。


若い方はワンピースの黄猿さんというイメージが強いかもしれませんが、
是非、田中邦衛さんの出ている映画を観ていただきたいですね。

何か心に残るものがありましたら幸いです。
そして、ご自身の中に田中邦衛さんを見出したのなら……
あなたはもう若者ではなくなってきています笑

 

 

いつかまた、田中邦衛さんの元気なお姿を見れますように。

 

 

 

堺市 やまつ辻田の「極上七味(千代の七味)」

 

堺市のうどん・そば屋さん「美々卯」で購入した「極上七味(千代の七味)」に
かんたんしました。

 

和風香辛料(七味・山椒) - 国産唐がらし(唐辛子)・国産たかの爪・国産輪切り唐がらし・国産石臼挽き山椒・石臼挽き山椒・製造販売元 - やまつ辻田

 

“美々卯”商標登録「うどんすき」を中心とする麺類日本料理の老舗

 

 
昔から美々卯さんは好きで、堺、本町、新大阪などの店舗によく行きます。

けっこうアクセスのよいところにお店を構えていることが多いうえに、
味の安心感、接客の安心感、どんな同行者でもたいてい喜んでくれる安心感と、
使い勝手がすこぶるいいんですよね。

お年寄りにもちびっ子にも愛されているお店というのは案外少ないもので、
ありがたい限りです。


お料理。うどんすきが有名ですが、個人的には美々卯弁当や小うさぎ弁当、
単品のそば類などがお気に入りです。
とりわけ弁当類についてくる小鉢は季節感に優れていて味もよいのでおすすめですよ。

それで、うどん・そばについてくるのがこの「やまつ辻田さんの七味」なのですが、
これがすこぶるおいしい。

製法は

殆ど姿を消してしまった国内産唐辛子、朝倉粉山椒、有機黒ごま、柚子、高知糸すじ青のり(寒採り極上品)、有機金ごま等、これ以上にない7つの原料を明治35年以来の石臼製法でひきあげ、創業100年の秘伝で調合した山椒の香り高い極上の七味唐辛子です。


ということなのですが、とりわけ山椒の薫りが「フワァ……」と身体に染み入るようで、
うどん・そばの出汁に滅法合うのですよ。

単体で充分においしい料理が、この七味で更においしくなる。

七味の風味でお料理を塗り潰す感じではなくて、もとのお料理の輪郭がよりくっきりと、
色鮮やかに洗練させたようになるのです。


同じ堺ルーツの商品ですから、気が合うんですかね。



で、前からこの七味おいしいおいしいと話題にしていたところ、
美々卯さんでお土産に購入できることに気づきまして。

早速買って帰ってきたのです。


……買ってよかった。

さっきも親子丼をつくって食べたのです。
スーパーで普通に売っている鳥ももと卵をつかった、ごく平凡な親子丼です。

でも、その平凡丼にこの極上七味をかけるだけで……

グレードが上がった!

家庭料理とは思えないくらい、リッチ感というか、艶冶感というかを楽しめました。
いい、これはいいぞぉ!


出汁系料理全般を引き立たせてくれます。

数百円の缶でこれだけ楽しめるのだから、パフォーマンス最高です。
久しぶりにいい買い物をしました。

切れたらまた美々卯さんに行って買おうと思います。



ところで、美々卯さん新大阪店は客の回転が多いためか、
メニューの品数を絞り気味です。

できれば美々卯弁当を復活させてくださいますように。
(前は新大阪店でもメニューにあった気がします)

 

 

 

「室町時代式女子力養成講座」吉川英治さん 美しい日本の歴史より

 

吉川英治さんの「美しい日本の歴史」というエッセイで紹介されている、
室町時代の慧春尼という女性のエピソードにかんたんしました。


青空文庫

吉川英治 美しい日本の歴史

 


美しい日本の歴史と聞くと政治的な何かを想像してしまうかもしれませんが、
こちらは昭和30年代の作品ですので現代政局とは無関係です。

むしろ美しいどころか相当な下ネタが混ざりますのでご留意ください。



本作、歴史小説の大家である吉川英治さんのエッセイということで、
内容は様々な歴史上の逸話紹介が中心です。

明治天皇が下級官吏を気遣うエピソードだとか
高山右近の恋愛小説を書いたら上智大学からクレームが来たとか
なかなか興味深い内容が多いので、お暇な方はお目通しください。

その中で現代にも通じる「女子力養成講座」的な内容に目を引かれましたので、
そちらを特に取り上げたいと思います。



お題は「男に試されるような目に遭った場合、女は何とするべきか」



まずは失敗事例です。

「試されたお妃」という章で、出典は大鏡からとなります。


美しい姫君が皇太子のところへ入内するのですが、
どうも皇太子さまとソリが合わない。

ある日、皇太子さまが姫を試すようなことをします。
氷の塊を姫の掌に乗せて、「離してはいけないよ」と。

『そなたが私を信じるなら、そして私に生涯の貞操をちかう気なら、よし、と私がゆるすまで氷をすててはいけない』
と、いいつけた。姫は言われるとおりに、じっと氷を握っていた。
ところが、次第に爪の色が紫ばみ、皮膚の色さえ変じて来ても、姫はなお本気になって、持ち怺えているのだった。それはもう愛情の誓いなどとは別な我慢のように見えたのだろう。皇太子はついに興ざめを催して言った。
『もういい、もういい』
そして、そのあとで、近衆へつぶやかれたそうである。
『麗景殿(姫)の柔順もいいが、あれでは哀れを通りこして、まったく、たよりないね……自分のした戯れまで、うとましくなってしまったよ』


……ひどい。

無茶ぶりをしておいて、リアクションがつまらないとダメ出し
完全にいじめです。

結局、この姫君は密通事件を起こしたこともあり、実家に帰されてしまったそうです。

どっちにしろ、男の観察が女をこころみる場合の眼は、暴戻無慈悲なものであるから、万一にも男から氷を手に載せられるなどの試しを仕向けられたら、女性はよろしくその処置に女性特有な冷めたい細心と美の放散を併せ用いて、逆に男へ火をつかませる思いを与えなければなるまい


吉川氏はそう結んでおられますが、「具体策を教えてくれ」と誰もが思うことでしょう。

そこで、次は正解編に移ろうと思います。

 

「尼のもの底無し」「さあお進み下さい」という章になります。


主人公は室町時代(吉川氏は鎌倉時代としていますが、正しくは室町時代のようです)の
慧春尼(えしゅんに、あるいはけいしゅんに)という尼さんです。

この慧春尼さんも男たちから試されるような目に遭いますが、
見事に斬り返してしまうのです。


彼女は大層美人だったそうで、出家後も坊主連中からのセクハラが絶えなかったとか。

例えばある日。
公の使者として某臨済宗大本山に赴いたところ、
一人の若僧というかバカ僧がこんなことをしてきました。

一人の若僧が躍り出て、やにわに、尼の前へ立ちふさがったと思うと、法衣のすそを捲り上げた。そして股間の陰茎を白日の下に露出し、しかも身を反らしてそれを赤黒い巨大なものに怒らしてみせながら、
『僧の物三尺。如何となす』
と、やったのだった。


意訳すれば、「どや! ワイのは90㎝やでぇ!」と見せびらかしてきた訳です。
最低かよ。道鏡かよ。ダーク・シュナイダーかよ。


対する慧春尼さん。

微動もせず、即座に、わが裳を左右へさッと掲げて、その真白な肌はもちろん、ふさやかな毛丘にかこまれた玉門までを、僧の一物の前へ示して、
『尼の物、底無し』
と、応酬した。
これは男僧の負けである。三尺と、底無しとでは、スポーツにしたって負けと極まっている。


えっ、そういう争い!?

呆気にとられるしかなかったのか、男僧の負けになったようです。
たぶん90㎝のものが9㎝くらいに縮んでしまったのでしょう。

この話を吉川氏が講演でやったら大受けだったそうですが、
平成の日本で同じ話をしたらドン引きされること間違いなしです。

 

似たようなエピソードがもうひとつ。

死ぬほど尼に恋した若僧があった。
ある晩、尼の寝床に這いこんで、泣きながら掻きくどいた。尼は『今夜はいけません、次のときに』と、なだめて帰した。そして数日後の、了庵上堂の大会の日であった。尼はわざと、性の大事について、人々へ法問を向けた。誰もが、偉そうに構えながら、性のことにふれると、みな口しぶる。すると尼は、先夜の若僧の名をさして『論議では埓があきません。先の夜、御僧が望んでいたお約束事を、ここで果たそうではありませんか。さあお進み下さい』と、禅床の真ん中へ出て衣を解きかけた。
若僧は逃げ出したのみか、山からも姿を消してしまったという。


純情かよ!

まったく、中世禅宗寺院の性道徳はボロボロのようです。
男色だけでなく、セクハラ密通夜這いまで日常茶飯事だったんですね。
こんな話ばかりを聞いていると京都や鎌倉をありがたがれなくなってしまいます。



さて、これら慧春尼さんのエピソードは、
「相手の想像を上回る」「意表を突く」大事さを教えてくれます。

男ってのは、自分のペースを崩されると途端に萎えてしまう、
風上に立てなくなってしまうものなんでしょう。

単にビローンにはビローンで返せ、ということではないと思いますよ。
「ビローン!」
「なんの! ビローン!」
「「ぎゃっははは!」」
みたいなカップルなら何の心配もないでしょうけど。

 

先日紹介した北方謙三さんの本にもこんなことが書いていました。

女性が、あたしと葉巻とどっちが大事なの、と言った。私は即座に、葉巻だ、と答えた。
葉巻はな、火をつけると煙になって消えちまうんだよ。おまえ、火をつけてやろうか。それで煙になって消えるなら、大事にしてやるぜ。
女性は唖然としていたが、それ以上、葉巻の話はせず、私は嫌われることもなかった。
よく聞けよ、君。女はな、自分が理解できない価値観については、時に、恐れて避けようとする。だから、一度か二度は、こんなふうにぶちかましてやればいい。


こちらは男女が逆転していますが、本質は同じことです。

ときには相手の価値観・常識を超えた一面を見せつける。
そうすることで、相手から一目置かれる女子力が備わっていく。


これで、今度から恋人にいきなり試されても大丈夫ですね。

……まあ、恋人を試すような男なんてそもそも碌な奴じゃないと思いますが。

 

 

さて、本日ご紹介した慧春尼さん。
最期はあまねく女人の幸福を祈り、自らを法灯とするべく焼身自殺したそうです。

なんと……。
身を焼くほどに、祈らずにはおられない出来事が多かったのでしょうか。

小田原近くの最乗寺に祀られているそうですから、
お参りしたら糞男退散のご利益とかあるかもしれませんね。

 


悪い男に引っかかる女性が減りますように。

 

ファミリーマートの「大きな白玉クリームぜんざい」

 

ファミリーマートの「大きな白玉クリームぜんざい」にかんたんしました。

 

www.family.co.jp

 


体験上、ファミリーマートのスイーツにはいいイメージがなかったのですが……

久しぶりに食べてみたら、これがたいそうおいしい。
思わず「おっ」と言ってしまう味でございました。



この商品。
白玉、あんこ、クリームの3種で構成されているシンプルな内容です。

 

商品名では白玉を推しています。

なるほど、確かに大ぶりだし、舌触りも伸びもよろしい仕上がり。
自信を持ってウリにしているだけあるなあと思いました。

けっこう腹持ちもよく、おやつにするには充分過ぎるボリュームです。

 

パッケージのシールではあんこを推しています。
「十勝産の粒あんやでえ!」みたいなことを書いていました。

なるほど、確かに輪郭がはっきりした甘味、
しかもスッとサラリと潔く口どけする品の良さ。

あんこは人によってけっこう好みが分かれる食べ物ではありますが、
コンビニとしては充分な品質、万人受けする味だと思います。

 

そして、私が一番かんたんしたのがクリームです。
この子が地味ながら秀逸な仕事をしているのです。

ミルク感がありつつ、さっぱりあっさりめのクリーム。

これが、白玉にもあんこにも絶妙に合っています。

白玉だけ食べてもうまい。
あんこだけ食べてもうまい。
白玉+あんこで食べてもうまい。


しかし。

白玉+クリーム+あんこの3点セットで食べるのは味の格が違います!

相性。
相性って本当に大切。

別に白玉とあんこが喧嘩してる訳ではないんですよ。
むしろ仲良しフレンズです、マブダチです。

それなのにこのクリームが混じると、「まだ先があったのか」というくらい、
ラスボス倒した後の裏世界並の実力になるのです。



やあ、よくこんなにもバランスよくまとめあげたものだなあ、と
つくづく感心してしまいました。

これがファミリーマートで気安く売っていて、280円ですからね。
同じ水準のものを和菓子屋さんで求めたら、たぶん350円くらいになると思います。

素晴らしい企業努力。
正しい巨大資本の使い方。
ブラボー商品本部。
汁なし坦々麺以来の感動でした。

 

この調子で、次はフラワーペースト系商品の味が改良されますように。

 

「映画プリキュアドリームスターズ!」宮本浩史監督

 

プリキュアの'17春映画「ドリームスターズ!」にかんたんしました。

 

www.precure-dreamstars.com

 

 

私はドキドキ!プリキュアハピネスチャージプリキュア
Go!プリンセスプリキュアの3作品しか知らないビギナーですが……。

ちびっ子の付き添いで何作かの映画を観に行っており、
その中でも今回の映画のCGアニメにはかんたんしました。

(映画としての完成度が高いと思うのはハピネスチャージプリキュアです)

 

内容は子ども向けですから、CGアニメについて感想申し上げます。

今作は3D(CG)の世界と、2D(通常のアニメ)の世界を行き来する構成でして、
2Dの方も純粋にアニメとしてよくできている感じだったのですが、
とりわけ3Dの方は技術の進歩を実感できて、よかったなあと感じました。

実験的、トライ的なスタンスの映画を尊重したいと思います。


CGは従来シリーズのエンディングや映画で研鑽を重ねてきた印象がありますが、
今回の映画の美しさ、表現の多様さにはたいそう驚きました。

全体的に「和」「京都」をモチーフにしているようなのですが、
3Dの「桜」「光の当て方」「水面」の表現が滅茶苦茶きれいでした。

何より映画冒頭の、伏見稲荷の千本鳥居と厳島神社の大鳥居が混じったような
幻想的な光景を走り抜けるシーン
子ども向け映画としては、クレヨンしんちゃんの「オトナ帝国」、
ラストのしんちゃんが走り抜けるシーン(21世紀を手に入れろ)ばりの
美しさを感じました。
このシーンだけでも、大人料金を払った価値があったかなと。

加えて、全体的に使用されている和の折り紙・千代紙をモチーフとした背景
和傘を活用した場面転換
桜吹雪に対する光の当て方

プリキュアが初めての映画体験というお子様も多いと思いますから、
原体験としてこういう美しい場景をインプットするのは大変有意義だと思います。



一方、土・砂・雨の表現、戦闘シーンのバリエーションという点では
まだまだ2Dアニメの方に一日の長があるように感じました。
この辺りは引き続き研究の余地がありそうです。

嵐山の竹林をモチーフにしたシーンも、少し道幅が広すぎるように思いました。
あんなに幅が広いと、情趣が削がれてしまう印象があります。
広くないとキャラクターを動かしづらいとは分かりつつ……
散歩道としてはもう少し道幅が狭い方が味がある。


まあ、こんな細かいことを指摘するのも野暮だと思います。
年々技術が向上しているのは間違いないのですから、
引続き日本CGアニメの水準を高めていっていただきたいと願います。

 


その他雑感を申し上げますと、
今回の映画は従来以上にお子様が楽しめるよう随所で工夫されていた印象です。
いままで拝見したシリーズの映画よりも、ちびっ子たちが一喜一憂し、
一所懸命ミラクルライトを振っていましたよ。

 


あと、直近作のプリキュアアラモード
初見だったのですが、なんかすごいですね。
敵をケーキまみれにして浄化していました。

敵をケーキまみれにして浄化していたんですよ

自分でも何を言っているのか分からないのですが、
なんしかスゲェ、とかんたんしました。


まとめますと、CG映像の美しさを堪能できる良映画だと思います。
小さいお子様が身内にいる方、CG技術に関心のある方におすすめです。

 

 

東映作品ですし、この技術を使ってグリグリ動く鋼鉄ジーグとかが観たいです。
まずは劇場版マジンガーZが傑作となりますように。