ゲゲゲの鬼太郎決定版の3巻、個性豊かな妖怪・怪奇譚が次々と描かれてかんたんしました。
なかでも海座頭さんの登場シーンの格好良さ、迫力、海面の描写は素晴らしいのですけど、2ページで鬼太郎さんに退治される出オチっぷりもなかなかの緩急であります。
3巻に収録されているお話は次の通りです。
- 妖怪毛羽毛現
- 峠の妖怪
- 電気妖怪
- ダイヤモンド妖怪
- 白山坊
- 海座頭
- さら小僧
- 笠地蔵
- 磯女
- まくら返し
- おりたたみ入道
- おどろおどろ
- 手の目
- 鏡合戦
- 朝鮮魔法
- モウリョウ
- こま妖怪
- 妖花
- さざえ鬼
- 悪魔ベリアル
- 妖怪軍団
1話完結の読切エピソードが中心なので気安くていいですね。
ちなみにこの巻から「ゲゲゲの鬼太郎」名義になります。
以下、若干のネタバレを含みつつ好きなセリフ・シーンを。
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「世界を太古のむかしにかえそうとしてかなり成功をおさめていたのだ」
- 妖怪ぶるぶるの不気味さと、食べたらくらげの干物みたいな味がするというシュールさのギャップ。
- 妖怪かみなりの迫力と、寝技で勝負をつける渋さのギャップ。
- 妖怪輪入道が吐く炭素光線で身体がダイヤモンドになる目玉のおやじ……輪入道ってこんな特殊能力もってたの。
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「われわれにはあまりにも次元の異なる戦いでしたのでどちらがどのように戦ったのかわかりませんので解説していただけないでしょうか」
水木しげる作品のモブはみんな腹が座っていていいですよね。 - 海座頭の登場シーンは本当に格好いいと思う。大物感にあふれている。2ページでやられるけど。しかも戦いの内容は鬼太郎とのキス合戦だけど。
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「むかしから妖怪はこうした恵まれない人には人間に気づかれないようにたすけてやるのが趣味なんだ」
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鬼太郎は、押し入れにかくれていた手の目を「ほんとうの殺人犯はこいつです」交番に突き出しメガネを連れて帰った。
- 物語のトーンが他の話と違う「妖花」。太平洋戦争の名残を絡めた良作。
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鬼太郎はさざえ鬼の毛穴からすこしずつ出て合体したのだ。
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明治元年ポルトガルからベリアルという悪魔が商人にまぎれこんで日本にやってきたが明治維新のどさくさにまぎれてだれにも、気づかれなかった。
ベリアルさんは「脳みそをもった水爆」と言われるくらい強力な悪魔ですが、魔力を使ってまずやることがホットケーキをつくりだすことだったりするのがお茶目です。
ほんとうにゲゲゲの鬼太郎のキャラはみなが活き活きしていてひょうひょうとしているのがいいですね。
我々人類も妖怪の生命力に少しはあやかれますように。
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