肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「ブラックティガー 第2話」秋本治先生(集英社グランドジャンプ)

 

秋本治先生の新連載「ブラックティガー」の第2話にかんたんしました。

 

最新号の内容|集英社グランドジャンプ

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(立ち絵からして格好いい)

 

 

「ブラックティガー」は女性ガンマンを主人公にした西部劇漫画です。

ページ数多めの1話完結型の漫画で、年数回の不定期連載になる模様。

 

おおきくは「美人が外道を撃ち殺す」バイオレンス漫画です。

1話の時点で「格好いい!」という印象が強く残りましたが、
今回の第2話では格好いいのはそのまま、なおかつスカッとしました。

端的に内容を要約すれば、
ロリコン死すべし。


私も最近の事件をひきずっているのかもしれませんが、
「よしっ!」と思ってしまいました。

天誅もの」の伝統的殺され役といえば悪徳政治家ですけど、
現代世相だと「賄賂・汚職」よりも「市民の安全を脅かす悪漢」の方が
シンプルに共感できるのかもしれません。


物語の終盤、難敵と戦うか和解するか決断を迫られる場面があるのですが、
「どれだけ有能だろうがロリコンは殺す」という
主人公の真っ直ぐな姿勢がとてもいい。

るろうに剣心斎藤一ヘルシングアンデルセン神父なんかが代表事例ですが、
自分の中の絶対的な善悪基準に従って即断即決するキャラはいいですよね。

ブラック・エンジェルズの「親がみていようがみていまいが外道は殺す!!」を
思い出してしまいましたよ。
(こんな台詞が週刊少年ジャンプに載っていたんだからおおらかな時代でした)

 

 

この「ブラックティガー」、とにかく力強い魅力に溢れています。


まず作画が力強い。
最近の漫画では珍しいくらい画面が「黒い・濃い」のです。
土と火薬の匂いが濃厚で、荒涼としていて、塵芥のように人が死ぬ。

服を脱いでいる時の主人公は黒い画面の中で白い花のようなアクセントですが、
服を着ている時の主人公は一番真っ黒で審判の鎚のように強大なのです。

両津勘吉でもMr.クリスでもない、秋本治先生の新境地ですね。

 

トーリーも力強い。

ところどころ強引で漫画的なのですが、ページの分量を踏まえて
バトルシーンに尺を割くためにはこれでいいのだと思います。

意外と、西部劇や時代劇って工夫しないと展開が地味になるんですよね。

例えばいくら「凄腕」のガンマンだからといって、
一瞬で40人を殺害するのは無理だと思います。

でも、40人を瞬殺した方が絶対にストーリーは盛り上がりますから、
「スネイルマガジンといった専門用語」と「迫力ある作画」で
強引に納得させてもらった方が読者も楽しい。

荒唐無稽過ぎない、白けさせない加減を見極めたうえでの
力強いストーリー展開。

さすがだと思います。

 

 

以上、「いい映画を観た」ような読後感に浸れました。

こち亀時代からそうなのですが、秋本治先生のストーリー構成は
昭和の名作映画シリーズ……例えば寅さんや眠狂四郎のように、
「どの作品から観ても大丈夫」「どの作品も安定して面白い」という
美点を有しておられて、これは希有なスキルだと思うのです。

尋常でない抽斗と研鑽なしにはこんなことはできません。
ものづくりの道の手本のようなお方だと思います。

 

安定して面白い読み切りを創作できるベテラン漫画家さんのことを
もっと評価し、もっと敬意を払う風潮になりますように。