肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「ブラックティガー 3話 溟海の銃撃手」秋本治先生(グランドジャンプ)

 

 

 

ブラックティガーの3話が引き続きおもしろくてかんたんしました。

もうなんだか、「現代に劇画が復活した」という趣すら感じますね。

 

↓1話を無料で読むことができます

grandjump.shueisha.co.jp

 

↓もっと見くだしてください

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以下、グランドジャンプ'17.22号の一部ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 


以前も紹介しましたが、「ブラックティガー」は凄腕の巨乳美人ハンターが悪党どもを片っ端からブッ●すバイオレンスアクション漫画です。

「ブラックティガー 第2話」秋本治先生(集英社グランドジャンプ) - 肝胆ブログ



舞台設定は南北戦争直後のアメリカなんですが、今回、ブラックティガ―姐さんが太平洋航路を横断したことがあるらしいことが語られました。

そのうち幕末の日本やアヘン戦争後の殺伐とした清国に来ていた番外編とかやるのかもしれません。

 


今回のお話は「海戦」です。

南北戦争期の海戦とは、また絶妙に面白マニアックなところを持ってきはりますね。

 


合衆国軍(旧北軍)の船を次々に破壊し乗員を虐殺・略奪してまわる旧南軍残党兵どもをブチ●せ的なミッション。



ガトリングガンといった南北戦争っぽい武装、帆船&老船夫部隊で敵の大型装甲蒸気戦艦を襲うカタルシス

秋本治先生のミリタリー造詣を活かした舞台構築・ギミック配置が最高です。

取材・考証に良質な手間をかけていることが存分に伝わってまいります。

 


練り込んだ舞台があるからこそ、迫力ある作画が活きるというものですね。

今回もスクリーントーンを極力使わない「真っ黒な」誌面構成がめちゃくちゃ格好いいですよ。



とりわけ。



敵艦に馬で飛び移るシーン。
(煙幕で敵艦の位置が見えないのに、老船夫の計算を信じて飛んだんですよ)


次のページの見開き無双シーン。
(一瞬で6人くらい殺害しています)


「ティガー一群の強さを見せてやれーっ」の次のページの、銃身で敵の鼻を砕きつつ、次の敵にもう一丁の銃を向けるシーン。
(超怖い)



この辺りの描写は凄まじいの一言です。

 


今回はバイオレンスシーンが後半に集中しております。

中盤まで丁寧に丁寧にドラマを展開し、緊張感をじわじわじわじわ高めて……

溜めに溜めたエネルギーを一気に爆散させる極上の暴力。


もうほんまにブラックティガー姐さん素敵過ぎます。

 

 

 

更に更に。

 


脇役の「ボブ・スミス」さんがめちゃくちゃ良かった……!


詳細は書きません。

書きませんが、秋元治先生の「こち亀」っぽいひょうきんで人間味あふれるキャラが、こういう行動を取ると。

こち亀」っぽい、楽しくあたたかい線で描かれたキャラが、こういう行動を取ると。

こんなに胸に迫るシーンを生み出すんだ……! と驚きました。


映画的物語(特にかつての西部劇・時代劇)としては珍しくない役割かもしれませんけど、秋本治先生の絵柄を組み合わせたらこれほどドラマにアクセントがつくんですね。


ボブ・スミスさん、ぜったい家族からも友人からも信頼抜群だと思います。

理想の男性像のひとつです。

一読者として「超格好良かったよ!」と惜しみない賛辞を贈らせていただきます。

 

 

いい物語はいい悪役といいバイプレイヤーがあってこそ。


第2話はいい悪役に、第3話はいい脇役に恵まれた作品でしたね。


第4話も楽しみです。

 

 

 


このたびのグランドジャンプ、他には「こううんりゅうすい<徐福>」、「すんどめ!!ミルキーウェイ」、「王様の仕立て屋」あたりがよかったですね。

 


「こううんりゅうすい<徐福>」本宮ひろ志先生の古代日本漫画なんですが、めっさ毒舌な卑弥呼さんが素晴らしかったです。

求婚してきた狗奴国王に向かって……

「お前の顔を見ているだけで吐きそうになる」
「下品で己の事しか考えず… 常に自分こそがこの世で一番の人間と目立ちたがる」
「それはお前が誰にも認められぬどうでもいい人間だからだ」
「そんな吐きそうな顔を…」
「夫婦になって毎日見なければならぬ事など」
「考えられぬ…」
「さっさと吉備へ帰るがよい」



おいおい、


この卑弥呼さん……

 


最高かよ。


仕えたい貴女に。

 

 

 

「すんどめ!!ミルキーウェイはものすごくアホな設定のエロ漫画なんですが、エロ画力がとても高いのでつい読んでしまいます。

今号の水中●●●もたいへんけっこうでした。

 


王様の仕立て屋パタリロっぽいテンポの良さと、絶妙に省略された絵の味わいが素敵です。

今号はファッション漫画というよりグルメ漫画でした。
栗食べたいです。

「行(ゆく)秋や 手をひろげたる 栗の毬(いが) 芭蕉


いい句ですねえ。
秋ですねえ。

 


あと、「竹田役員待遇」で、「ラブホ街の半地下にある、デリヘル嬢の出入りをこっそり眺めて楽しむだけの秘密倶楽部」というネタがあまりにも上級者向けの洒脱味に富んでいて笑いました。

とがしやすたか先生は変わることのない風格をお持ちですね。

 

 

 

 

グランドジャンプもどんどん充実してきています。


引続き各連載が好調に盛り上がっていきますように。

秋本治先生やゆでたまご先生だけでなく。

ベテラン漫画家さん方のルネサンスがますます輝きますように。