肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

和歌山県 高野山「金剛峰寺」と「壇上伽藍の中門」と「霊宝館」

 

 

高野山にかんたんした話の後半です。

 

↓前半

trillion-3934p.hatenablog.com

 

 

 

高野山メインロードの西側「金剛峰寺」「壇上伽藍」「霊宝館」について記載します。

 

 

金剛峰寺

 

恥ずかしながら今回初めて知ったのですが、現在の金剛峰寺を創建されたのは豊臣秀吉さんなのだそうです。

紀州征伐の際、当初は高野山も焼き討ちされるはずだったところ、木食応其(もくじきおうご)さんという高野山の僧侶が秀吉さんを説得し、高野山は降伏を許されたとのことで。
この木喰応其さんは近江六角家の家臣だとか一門だとかの出身と言われていますが、詳細は良く分かっていないみたいです。


木喰応其さんは豊臣政権のブレーンの一人として活躍するようになり、九州征伐などでも活躍します。
並行して秀吉さんをバックに高野山の再興に尽力。
秀吉さんのお母様を弔うため、現在の金剛峰寺のもととなった青巌寺を開きました。


もともと「金剛峰寺」とは高野山全域を示す言葉だったそうですが、現在は「総本山金剛峯寺といえば高野山全体」「単に金剛峰寺といえば寺院としての金剛峰寺を指す」という使い方をされることが多いようです。

 

 

↓入口。

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↓外観。

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豊臣秀次さん自刃の間(柳の間)などもございます。

柳の間の近くには休憩スペースがありますので、哀しい気持ちになった直後にお茶とお菓子をいただいて心を休めることができますよ。

 

蟠龍庭という大規模な石庭も見応えがありますし、三石のごはんを一度に炊けるというお釜(炊事所)も見ものです。

 

ぜひ内部を拝観してみてください。

 

 

↓近くには全国の金剛講の総本部もあります。

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すんごいスケールの建物でびっくりしました。

若い人は“講”って言っても分からないかもしれませんが、あらためて巨大な力を有する組織なんだなあとかんたんさせられます。

 

 

 

壇上伽藍の中門

 

高野山まで足を延ばした理由はこれを見たいがためでした。

以前NHKの「新日本風土記」で再建を進めている場面が特集されていて、一度実物を見てみたかったのです。

 

高野山 - 新日本風土記 - NHK

 

 

↓'15年に再建された中門。

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威風堂々としていて、正統派の格好よさで、すこぶる素敵だと思います。

 

 

仰げば尊し

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↓いいよいいよー。はぁはぁ。

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↓朱に交わって赤くなりたいものです。

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↓再建の経緯。

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↓壇上伽藍の様子。3枚目が高野山の中心「金堂」です。

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私の体感では、この壇上伽藍は「奥之院」に勝るとも劣らないほどありがたい場所でした。

山深い土地にこれほど大規模な宗教都市を築いたとは、驚嘆すべきことだと思います。

 

 

霊宝館

 

高野山が所蔵する貴重な宝物が展示されている博物館です。

仏像・曼荼羅好きにはたまらないプレイスですよ。

 

 

↓外観。壇上伽藍の近くにあります。

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私が訪れたときは「正智院の名宝」展('17年度夏期企画展)をやっていました。


真言宗なので仏像は不動明王が多かったです。
明王さんもそれぞれ表情や雰囲気が違うもので、見比べると面白いですね。

個人的には如意輪観音像の容姿が好みのタイプでした。

 


地味に嬉しかったのが安宅冬康さんゆかりの連歌集が展示されていたことです。
(木喰応其さんも含め、戦国時代は高野山でも連歌ブームだったみたいです)

 

「名歌懐中鈔」という冊子で、由来としては堺の連歌師「宗訊」さんが橘鴨冬(安宅冬康さんの別名)に請われて天文十八年(1549年)に書写したものを桃山時代になって更に写したものだそうです。
中身は新古今歌人の和歌をセレクトした「六家抄」から更に抄出したものとのこと。


1549年といえば江口の戦いです。
三好長慶さんが細川家を下剋上した節目の年です。
長慶さんの弟である冬康さんも淡路島から海を渡って摂津に来てはった訳ですが、ちゃっかり堺に寄って歌集を注文していたんですね。

同年、江口の戦いの相手方である三好宗三さんも堺の天王寺屋(津田宗達・津田宗及父子)と曜変天目茶碗を使いながら茶をしばいていたみたいですし、生き死にの戦いをしながら風流も楽しんでいたのが当時の武士だったのかもしれません。

 


本館では独鈷杵なども展示されていました。

そう言えば「新桃太郎伝説」のえんま様の武器が独鈷だったなあ。
和風ファンタジーと密教は相性がいいですね。

 

 

 

以上、2回に分けて高野山のご紹介でした。

 

大阪中心部から2時間半くらいで着きますし、イメージほど遠くはないですよ。

(東京行くのと変わらんやんけと言われればその通りなんですが)

 

道すがらには真田家ゆかりの「九度山」もございますし、なにしろ日本屈指の歴史と支持を有する宗教聖地ですから、一生に一度くらいはと思って訪れてみることをおすすめいたします。

 

 

 

この先もずうっと法灯が護持されていきますように。

 

 

和歌山県 高野山「奥之院」と「金剛三昧院」と「濱田屋・森下商店のごま豆腐」

 

久しぶりに訪れた高野山の森厳とした雰囲気にかんたんしました。

 

www.koyasan.or.jp

 

www.kongosanmaiin.or.jp

 

www.nankaikoya.jp

 

 

昨日は奈良県を褒めておきながら、今度は節操なく和歌山県を愛でたいと思います。

 

高野山に行ってまいりました。

見どころがとても多いところですので、二回に分けて記事を書きます。

本日は高野山メインロードの東側、「奥之院」「金剛三昧院」「濱田屋」「森下商店」を。

 

 

奥之院

 

一の橋から奥之院に続く参道を中心にご紹介いたします。

 

こちらの参道、弘法大師様がおわします奥之院までは2㎞ほど。
メインロードから往復1時間ほどの散歩になります。

その間、両サイドには戦国武将や戦没者や老人会や企業などの墓地・供養塔がずらっと並んでいるのが特徴です。

とりわけ戦国時代末期~江戸時代初頭の大名の勢揃いっぷりは凄いですよ。

 

↓参道の雰囲気。物思いに耽りたくなってしまいます。

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↓後北条家墓所高野山北条氏直さんと縁がございます。

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↓細川家⇒三好家⇒長宗我部家の後、阿波に赴任した蜂須賀家。

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↓相馬家。信長の野望の奥州勢では一番好き。

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↓平戸松浦家の墓所はなぜか断トツに草生していました。

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紀州征伐時に焼き討ちを取りやめた経緯から、豊臣秀吉さんは別格の扱い。

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その他にも織田信長さん、武田信玄さん&勝頼さん、伊達政宗さん、石田三成さん、明智光秀さんなどなど……挙げ出したらキリがないほどのお墓があります。

織田信長さんなんて高野山と戦っていたのに、他の武将と等しく供養されているとは寛大な取り計らいですね。

1582年、織田信長さんは甲州征伐などと並行して高野山を包囲させていたのですが、本能寺の変が起こって撤退することとなりました。
三好家遺臣の松山重治さんも高野山攻めに参加していたみたいです。

 

 

↓黄昏の南朝を支えた勇者、橋本正高さんのお墓なんかもありますよ。

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↓有名人もいいですが、名もなき無数の庶民の供養塔にも感じ入ります。

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↓ここからは企業シリーズ。関西私鉄王 松本重太郎さんのお墓。

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↓左右のコーヒーカップがキュートなUCC上島珈琲

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↓白蟻も供養されています。

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↓ …………。

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こうしたお墓が延々と続いた末に、目的地の奥之院がございます。


聖地ですのでもちろん撮影は禁止。
厳かな気持ちで祈りを捧げましょう。

 

疲れた方は、奥之院近くでバスに乗ることも可能ですよ。
奥之院周辺はバリアフリー対応もなされていてかんたんしました。

 

 

 

金剛三昧院

 

北条政子さんが夫の源頼朝さんを弔うために創建された塔頭です。
開山第一世はなんと臨済宗の開祖、栄西禅師。

 

その後、仏教の道場としても有力武家の帰依を受ける寺院としてもおおいに栄えたそうです。

鎌倉幕府中枢との関わりが強かったため、足利将軍家とも縁が深いようで。
観応の擾乱室町幕府武家の時代も過ぎ去ったいま、足利尊氏さん・足利直義さんの位牌が仲良く並んで供養されているところを見るとつい涙が浮かんできてしまいます……。

 

 

↓本坊。中には小栗宗丹さんの見事な襖絵(重要文化財)がありますよ。

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↓本堂。源頼朝さんと同じ大きさという愛染明王像が安置されています。

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↓ここにも登場UCC高野山をまわるとUCCが好きになる。巧妙だ。

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けっこうお年寄りはこういう寄付碑を見ているものです。
企業PRとしても侮れないですよ。

 

 

高野山に現存する最古の建造物、多宝塔(国宝)。

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こちらの金剛三昧院、高野山全域の中でも古寂びた風格は随一だと思います。

「枯淡」という言葉が似合う場所で、私はとても気に入りました。

 

 

 

濱田屋さんと森下商店さんのごま豆腐

 

帰りに高野山名物のごま豆腐をお土産に買いました。


友人のおすすめに従い、「生」を濱田屋さんで、「真空パック」を森下商店さんで購入。
どちらも金剛三昧院の帰り道に立ち寄りやすい場所にあります。


それぞれのお店は、濱田屋さんが「ストイックで緊張感みなぎる」、森下商店さんが「関西の親しみやすいおばちゃん」という感じの雰囲気でした。

味は……生と真空パックで比較するのもアレなので参考程度に思っていただきたいのですが、濱田屋さんは「やや濃厚」「柔らかくネッチリした食感」、森下商店さんは「ベーシックにうまい」という印象です。

どちらのお店もとてもおいしかったので、好みや日持ちニーズや立ち寄りやすさで選んでよいかと。



 ※濱田屋さんは「生」のみ販売、
  森下商店さんは「生」「真空パック」両方を販売

 ※和歌山県でごま豆腐といえば、NHK朝ドラの
  「ほんまもん」を思い出します。
  ストーリーはほとんど覚えていませんが、
  池脇千鶴さんが魅力的でしたね。

 

 

 

 

以上、高野山の東側でした。

 

足を延ばしてよかったと心から思いましたよ。

 


世界遺産になってから高野山に行くのは初めてでしたが、噂通り西洋人観光客が多かった印象です。

異国の宿坊に泊まってみるのも楽しい体験なんでしょう。


ヨーロッパなどでは「修道院に泊まる」という旅の仕方があると聞きます。

キリスト教徒でなくても宿泊可能なのかどうか分かりませんが……

いつか経験する機会に恵まれますように。

 

 

和歌山県 高野山「金剛峰寺」と「壇上伽藍の中門」と「霊宝館」 - 肝胆ブログ

 

 

奈良県桜井市の「大神神社」「白玉屋榮壽 みむろのもなか」「三輪そうめん山本の名建築」

 

 

 

 

奈良県桜井市がドライブに最適なことを再認識してかんたんしました。

 oomiwa.or.jp

  

www.begin.or.jp

 

www.miwayama.co.jp

 

 

何日かかけてあちこち出かけてまいりました。

奈良は年々道路事情が改善してきておりますが、その中でも桜井観光はおすすめですよ。

 

 

大神神社

 

日本で最古の神社のひとつ、大神神社


祭神は大物主大神(おおものぬしのおおかみ)という国造りの神様で、さまざまなご利益を授けてくれるとのことです。
パワースポットとして近年人気が更に高まっているそうですが、個人的には「お酒」「蛇」のイメージが強いですね。

お酒屋さんで吊るしている「杉玉」はこの大神神社が発祥という説が有力らしいですよ。



↓侘びた味わいのJR桜井線「三輪駅」。

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↓二の鳥居。

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↓静かな気持ちになれる参道。

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↓ご由緒。

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記載のとおり、本殿がなくて、「拝殿の奥にある三輪山そのものを拝する」という原始神道のあり方を保っている神社であります。

プリミティブな古代信仰と日本神道の狭間に位置している訳ですね。

 

 

↓巳の神杉(みのかみすぎ)。

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ものすごく運がよければ、神様の化身である白蛇さんが木の周辺を散歩しているところを見れるそうです。
(私は見たことありません)

 

 

関西で寺社を訪れるなら、私は奈良県滋賀県をおすすめします。


人が少ない(とりわけ若者が少ない)割に格式も風趣も逸話もまことに素晴らしいところが多く、平たく言えばシニアに向いているのです。


喧騒を離れたい方、深みのある緑に癒されたい方は大和を訪れましょう。

 

 

 

白玉屋榮壽(しらたまやえいじゅ)の名物「みむろのもなか」

 
大神神社参拝の魅力を倍ほども高めてくれるのが、こちらの「もなか」です。

私はこの「みむろ」がもなかの中で一番おいしいと信じています。
各地においしい名物もなかがある中、お叱りをいただくことは覚悟の上です。

 


ちょっとだけ粒をのこした肌理細やかなあんこ。
空手で言えば正拳突き、ボクシングで言えば右ストレート。
まっすぐにおいしい、超正統派の味わい。


皮はさっくりさくり、噛みしめれば僅かな粘り。
パサパサでもモフモフでもありません。
繰り返します。
さっくりさくりを追いかけて、袖を摘まむような名残りの粘り。
もなかの皮なんてどこも一緒でしょ、という蒙を打ち破ってくださいます。


あんこと皮のコンビネーションは息の合った名優共演の舞台さながらです。

めっちゃおいしいです。

お茶にも抜群に合います。

日持ちもします。

 


「奈良にうまいものなし」、あるいは「最近の奈良の食べものはうまい」、両方ともよく聞かれる言説ですが、真実は違います。

みむろのもなかや、後ほど紹介する山本そうめんや柿の葉寿司がある以上、「奈良には昔からうまい食べものがあって、最近は更にうまいものが増えている」というのが正確でありましょう。

 

 

↓車にせよ電車にせよ、「参道店」がアクセス便利だと思います。

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大鳥居横の「本店」は歩くにはちょっと遠いですし、車でも動かしてまたすぐ降りるのは面倒です。
しかも「参道店」はたいてい空いています。
 

 

↓「参道店」に行くには二の鳥居から踏切を渡って、こちらを左折です。

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三輪そうめん山本

 
そうめんの三輪山本さんも有名なお店です。


以前もくず餅を紹介したことがありました。

奈良県桜井市 三輪山本の「吉野本葛入りくず餅」 - 肝胆ブログ

 


大神神社の帰り、車であれば昼食はこちらがいいと思います。

そうめんや柿の葉寿司を1,000円前後でいただくことができます。

 
そうめんはもちろん美味です。

極細なのにコシがめっちゃあるすんごいそうめんをいただけます。
寒い季節でも「にゅうめん」があるので安心です。

にゅうめんですよにゅうめん。
こんなシニア好みなうまいものを出してくれる店、なかなかないですよ。
(もちろん若者にも女性にもおすすめです)

 
サバとマスの柿の葉寿司もしっかりうまいです。

そうめんだけだと物足りないかもしれませんが、柿の葉寿司をつければノープロブレムです。
盆地の奈良県でこんなうまい魚をウオオという感動を得られます。

 
あと、一緒に出してくれる温かいお茶もありがたい脇役ですよ。

 

 

それでですね。

そうめんや柿の葉寿司だけなら「お取り寄せ」もできますが。


この「三輪山本」さんの更なる魅力。

それは「建物」です。

 


竹中工務店さん(狩野忠正さん)が1980年に建築されたというこちらの建物。

三輪そうめん山本本社 | 竹中工務店


これまでに数々の賞を受賞したり数々のデザイン特集で取り上げられたりした、隠れた名建築なんですよ。


奈良の大地にめちゃくちゃフィットしているフラットなデザイン。

築30年を経たとは思えないほど美しい保全状況。

店内から見わたせる白く清浄な石庭。

 


この建築デザインを見逃してしまったら桜井まで来た甲斐がありませんよ。

他にも、店内には「いまではもう手に入らんやろなあ」と思わずにはいられない巨大一枚板のテーブルなんかもあって、見れば見るほど「ただで見てええんやろか」と思わずにはいられない素敵空間なのであります。

座敷の個室なんかもありますし、料理以外の楽しみも実にふんだんなお店だと思います。

 

 

↓エントランス。

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↓私、この深い屋根が好き。

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お客さんが多かったので、店内は写真撮っていません。

ぜひ実物をご覧ください。

 

 

 

 

以上、奈良県桜井市のお出かけ情報でした。

 

 

奈良県はアピールが苦手だったりホテルが少なかったりで古都の割に人が少ないんですけど、そんな奈良県が好きです。

混雑しない程度に奈良県人気が高まりますように。

 

 

 

 

「天災が導く人の歴史」日経BizGate 松本治人さんの記事より

 

 

 

日経系列のWebサイト「日経BizGate」で、豊臣秀吉徳川家康の決戦が天正地震で流れた説」が紹介されていてかんたんしました。

 

bizgate.nikkei.co.jp


 ※記事では、ほかに慶長伏見地震慶長三陸地震
  (伊達政宗さんエピソード)も紹介されています
 

 

以前、NHKでも取り上げられていた説ですね。
けっこうありそうな話だと思います。

 

www.nhk.or.jp

 

 

1584年の「小牧・長久手の戦い、家康さんは秀吉さんに野戦で一勝したものの、信雄さん対応など外交・調略面では秀吉さん優位で推移し、結局は互いに勢力を保ったまま講和する運びとなりました。


その後、秀吉さんは1585年に紀州四国征伐に成功し、力をぐんぐんと増していくことになります。

で、1586年になって秀吉さんは家康さんを「今後こそ」ボコボコにしてやろうと準備を進めていたのですが。
このニュースで紹介されている天正地震マグニチュード8・最大震度6クラス)」が起こってしまい、前線基地の大垣城が全壊するなど被害は甚大で、仕方なしに方針転換して家康さんと和解交渉を進めることになった、という説になります。
(家康さんの三河地方のダメージは比較的軽かったようです)

和睦路線に転じてからは、秀吉さんの妹・母親を家康さんのところに送って……という有名なエピソードに繋がっていく訳です。

 


戦国系の創作作品では「小牧・長久手の戦い」と「徳川家康が豊臣政権へ臣従」は一連の流れとして語られることが多いのですが、実際は二年というけっこう長い期間が挟まっていて、その間に紀州四国征伐やこの大地震といった大イベントが起こっていたということであります。


 ※ちなみに小牧・長久手の戦いの裏番組として。
  畿内では根来・雑賀衆岸和田城に攻め寄せてきて
  中村一氏さんたちが苦戦していたところ、無数の蛸が
  海から現れて豊臣方を守ってくれたという楽しい伝説が
  ございます。
  (南海電鉄蛸地蔵駅はこの伝説に由来しています)


 ※よく「家康さんは織田信雄さんにハシゴを外された」と
  言われますが、結果論から言えば真に「ババを引いた」のは
  信雄さんと一緒に秀吉さんを圧迫していた長宗我部元親さんや
  根来寺雑賀衆の皆さんということです。

 

 

「天災が導く人の歴史」という視点がじわじわ根付いてきているように思えます。

東日本大震災で当時の某政権が支持率を大きく落とした記憶も新しいですから、現代人にとってもスッと理解しやすいのでしょう。


自然災害の多い日本では、天災が人の歴史に大きな影響を与えてきたという視点は蓋然性が高いのではないでしょうか。

こじつけ気味かもしれませんが、平家凋落時には養和の飢饉がありましたし、執権北条家がヘイトを集めるきっかけには鎌倉大地震の影響もあったように思えます。
また、細川晴元政権の崩壊……木沢長政さんや三好長慶さんが勢力を伸ばした背景には天文期の大飢饉・大水害の影響も大きかったんじゃないかなとも考えております。


戦国期にも「天道」思想が流行したそうですが、日ごろの行いが悪ければ天によって罰せられる、お天道様は見ていますよ、という言い回しカルチャーはこうした歴史から培われてきたのかもしれません。

冷静に考えたら政治家の振る舞いと地震水害飢饉に関係があるはずはないんですが、やっぱり今も昔も庶民は「政治が悪い」と思っちゃうもんなんでしょう。
というか、日頃は漠然としている政治への不満が、天災を契機に表面化してくるということなんでしょうね。

 


ニュースの記事に戻って、少なくとも天正地震(や慶長伏見地震)で秀吉さんが損をして、家康さんが得をしたというのは間違いないように思えます。

でも、こうした不幸が秀吉さんによる「浪速のことも夢のまた夢」の情趣をいや増していますし、こうした幸運が家康さんによる「江戸時代の泰平」に繋がっていったと思えば、否定のしようもif妄想のしようもなく「まあこれでよかったんかなあ」という気分になっちゃいますね。
つくづく歴史ってのは繊細なのに丈夫なものです。

 

 

現代もいろいろある世の中ですが、大地震や大水害がこれ以上起こりませんように。
政治はともかく、経済や庶民生活へのダメージはつらいんですもの。

起こるなら日中の火を使っていない気持ちも落ち着いている時間帯に起こって、被害が拡大しない感じでなにとぞ。

 

 

 

 

「ナポレオン 覇道進撃 13巻」長谷川哲也先生(ヤングキングアワーズ)

 

 

ナポレオンさんの生涯を描いている漫画「ナポレオン 覇道進撃」の13巻が、ナポレオン帝国の崩壊間近感が色濃く漂いまくっていてかんたんしました。

 

www.shonengahosha.co.jp


マッセナさんの表紙が目印です

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こちらの漫画「ナポレオン 獅子の時代(全15巻)」「ナポレオン 覇道進撃(連載中)」、とてもおもしろいのですが知名度が低い印象です。

覇道進撃13巻も発売日に行きつけの本屋さんへ買いに行ったのですが、新刊コーナーに平積みされることもなく、1冊だけが棚に入れられていました。
お気に入り作品がいまいち売れていない現実を見るとけっこう傷つきます。

 


作品の特長として、作者の長谷川哲也さんがナポレオンさんの生涯をよく消化しはった上で、登場人物ひとりひとりを「非常に濃い」キャラクターに再構築していることが挙げられます。

これは実に難しい知的活動で、どれだけ実力あるクリエイターでも歴史作品については「魅力的なのは主人公周辺のみ」「まわりのモブは主人公のすごさを引き立てる係」になりがちです。
その点、この「ナポレオン」はナポレオンさんの敵も味方も庶民も貴族も文化人も、それぞれが実にキャラ立ちしてはって、それぞれがそれぞれの人生を生きている感が素晴らしいんですよ。

ちょっぴり「濃い」魅力に偏りがちなところはありますが、登場する人物は男も女もイカした奴らばかりなのです。

 


膨大な数の人物が登場してくるので紹介し始めたらキリがないんですが、


・ナポレオン

・レティツィア(ナポレオンの母)

・ポリーヌ(ナポレオンの妹)

ジョゼフィーヌ(ナポレオンの最初の妻)

ロベスピエールフランス革命指導者)

・ダントン(〃)

サン・ジュスト(〃)

マルキ・ド・サド(小説家)

・サンソン(死刑執行人)

・デュゴミエ(フランス革命軍将軍)

・マルモン(ナポレオンの戦友)

・ビクトル(ナポレオン軍兵士)

マッセナ(ナポレオン軍元帥)

ランヌ(〃)

ダヴー(〃)

・ネルソン(イギリス海軍提督)

タレイラン(フランス外務大臣

フーシェ(フランス警察大臣)

ゲーテ(詩人)

ゴヤ(画家)

マッセナの御者

・サラゴッサでマルボが惚れた女性

 


……などなどの描写はとてもイイですよ。


とりわけ獅子の時代」におけるロベスピエールさん、「覇道進撃」におけるタレイランさん&フーシェさんは主役の座を奪うほどの活躍ぶりです。

「「大陸軍は地上最強!」」というキャッチコピーとともに戦争描写が注目されやすい作品なのですが、内政・外交・陰謀面の描写も充実しています。

フランス革命に興味がある方はもちろん、歴史ものや政治ものや組織経営ものに関心のある方へ自信を持っておすすめできる作品だと思います。

 

 

前置きが長くなりました。


最新刊の覇道進撃13巻では、ナポレオンさんの再婚(ハプスブルク家マリー・ルイーズさんと)や第一子出産、マッセナさんのポルトガル遠征などが題材になっています。

史実ではナポレオンさんの絶頂期……が過ぎかけている気がしないでもないところ、ロシア遠征直前のタイミングですね。



作品内でも「徐々にナポレオンの足下が崩れてきている」様子がふんだんに散りばめられています。

これまでの巻で既にハイチ革命やトラファルガー海戦やスペイン反乱や勇者ランヌの死などを経ており。
ナポレオンさんの腹心ということになっているタレイランさんやフーシェさんは幾度も幾度も謀略を巡らせております。
オーストリアなどとの戦争では最終的に勝利を収めていますが、以前に比べれば判断ミスや連携疎漏や士気低下が目立ちます。

 


これまでの30巻近い物語を通じて、読者はナポレオンさんのいいところも悪いところも、頑張ってきたことも哀しかったことも知り過ぎるくらいに知っています。

最高権力者ってのがあんまり幸せじゃなさそうなことも知っています。

それでも野心と使命感で突っ走ってきてようやく築き上げた大帝国が、あちこちでヒビ割れしている、崩壊はもう目の前に迫っている。
確実に生じる破滅直前独特のザラついた空気感。
再婚しようが世継ぎができようがピュリファイされるものではありません。

 


大河ドラマ的な英雄出世物語……秀吉さんであれ歴代中華王朝の初代皇帝さんであれ、出世している途中こそが面白くて、昇りつめて以後の話はいまいち人気がなかったりしますよね。

物語に華や派手さがなくなっていきますし、どうしても悲哀や失策や老醜が生じてまいりますし。


そういう訳で万人受けしないのは否めませんが……

私は、絶頂後の失策や没落や余韻から学べるものも多い、そうした「暗い」話もけっこうおもしろいものだと思っています。



これから漫画「ナポレオン」も史実通りの失速フェーズに移っていきます。

題材の関係上、漫画においても「勢い」「カタルシス」はなくなっていかざるを得ないでしょうから、読者が目減りしていくかもしれません……。


何とぞこの一大絵巻をセントヘレナまで描ききっていただきたいと願っております。

 

 

それにしてもあのマッセナさんまで引退。
もうマッセナは奪うのだ!」石鹸カッターも見ることができないんですね。

寂し過ぎます。
横山光輝三国志における諸葛孔明さんの台詞「将が小粒になってしまった」を思い出さずにはいられません。

もちろん他にも超実力派元帥はたくさんいるんですが、漫画的にマッセナさんほどキャラ立ちしていた方は少ないので……。

育て上げてきたキャラを強制退場させなきゃならないのも歴史作品のつらいところです。

 

 

この作品が無事に完走して、最後までちゃんとコミックが発刊されますように。

そのためにもコミックを購入する読者がも少し増えますように。

 

 

 

 

「デビルマンサーガ 6巻」永井豪先生とダイナミックプロ(ビッグコミック)

 

 

永井豪先生の新作デビルマンサーガ」がおもしろくなってきた上に「第一部 完!!」にもなっていなくてかんたんしました。

 

comics.shogakukan.co.jp

 

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こちらは小学館ビッグコミックで連載されております、「デビルマン」のリメイクあるいはリブート作品になります。

永井豪先生はマジンガーであれキューティーハニーであれリブートを手掛けることが多いですね。
もともとデビルマンには一方ならぬ思いをお持ちになってはったので、「激マン!」などをやっているうちにデビルマンの描き直しにいよいよ挑戦したくなったのかもしれません。

 


さて、我々ダイナミック信者においては「神々の戦いを人間が描写することなどできない」であったり、「でたなゲッタードラゴン」であったり、端的に言えば「作品が無事に完結することはない」「“第一部 完”という名の投げっぱなしジャーマン」というのが基本教義になっております。

未完に終わった作品について、読者ひとりひとりに結末を自由に想像する権利を与えてくださるのがダイナミック作品なんですよ。

 

 

そこでこのデビルマンサーガですが。

当初は「グレンダイザーギガ」のように2巻くらいで終わるかな……と思っていました。


しかし、終わらない。

それどころか2巻になってようやく主人公「不動勇希」さんがデビルマンに変身するというテンポの緩やかさ。


原作デビルマン不動明さんは学生でしたが、今作の不動勇希さんは社会人です。
ロボット開発会社の若き社長さんです。
そんな勇希さんがアメリカ軍事企業の研究に巻き込まれ、南極で発見された「悪魔の壁画」「悪魔の鎧」の謎に絡め取られていくというストーリーになっております。
シレーヌさんも1巻からヒロイン級で登場しますよ。

 

 

3巻まで出ました。

デビルマンが悪魔化した同僚と戦っています。
悪魔化した同僚は「イエース!! アイムヒューマン!!」と意識を取り戻しますが、命は救えませんでした。

まだ第一部完の字幕は入っておりません。

 

 

4巻まで出ました。

不動勇希さんは日本に帰国しますが、やはり登場している飛鳥さんとサイコジェニーさんに色々吹き込まれたりして大変です。
一方で、日本でもアメリカでも「悪魔の鎧」に取り込まれて悪魔化しはる人が続々と……。

カイムさんや魔将軍ザンさんも登場しますが、サイコジェニーさんが断トツ怖いです。
98ページ・112-113ページとか特に。

まだ黙示録は始まりません。

 

 

5巻まで出ました。

不動勇希さんが日本政府……「国軍省」から目をつけられ始めます。
この作品内では自衛隊が日本国軍に切り替わっている模様です。

そのうち悪魔王ゼノンになりそうな3人組も出てきました。

5巻といえば既に原作デビルマンと同じ巻数ですが、終わる気配がありません。
それどころか、絵もストーリーも徐々に「勢い」が出てきています。

 

 

そしてこの6巻です。

だんだん「悪魔の鎧」の謎が明らかになりつつあったり、だんだん不動勇希さんが好戦的になってきていたり、だんだん世界情勢が不穏になってきていたりと……。
「さあ盛り上げていくぞという土台づくり」が整いつつあるように感じます。

少し大人向けな描写かも知れませんが、軍事嫌いな不動勇希さんが「公」との関係で葛藤している描写もいいですね。
「軍に利用される恐れ」「日本(親しい隣人)の平和のため」「自分がデビルマンかつ殺人者である秘密」などの思いを抱える中、これから不動勇希さんがどんな選択をしていくのか。
先の展開が楽しみです。

 

 

遂に6巻ですよ。
6巻といえば「マジン・サーガ」最終巻と同じ巻数ですよ。

それなのに、原作デビルマンの1巻分くらいしかストーリーを消化していない……。
世界情勢だとか軍備増強だとかロボット技術だとかの要素が入ってきているためか、原作よりも壮大な規模で原作をやり直そうとされてはるようです。

このままのテンポで進めば、デビルマンレディー全17巻を超える長編になりそうな気が。
既に御年70を超えた永井豪先生の体力が持つか心配です。
遺作のつもりで描いてはるんだったらどうしよう。

 


デビルマンサーガ1巻の冒頭では、サタン・アモン・シレーヌが並んで神の軍勢と戦っている場面が描かれています。
ひょっとしたらデビルマンレディーの続編という位置づけなのかもしれませんね。

永井豪先生の場合、デビルマンレディールートの他にもバイオレンスジャックルートマジン・サーガ合流ルート完全新規ルートもあり得るのでまったく先が予測できませんけど。
昔からライブ感で展開を決めはる漫画家さんですから、読者側もライブ感を持って楽しみたいと思います。
仮に「神」の正体がケン・イシカワ率いるゲッターエンペラー軍団だったとしても受け容れますよ私は。

 

 

リアルタイムで永井豪先生が長編を書いてはって、それが右肩上がりに面白くなってきていて、しかもブン投げずに続いている。

なんて幸せなんでしょう。

 

 


収まりの良いところまでは連載が続きますように。

可能ならば黙示録の一端を見ることができますように。

 

 

 

「ウルトラマン ビジュアルブック 全42ウルトラ戦士+「ベリアル」完全撮り下ろし公式写真集」ぴあMOOK

 

たまたま手に入れたウルトラマンの写真集ムックにかんたんしました。

 

piabook.com

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人類に危機が迫ったとき、必ず助けに来てくれた、光のヒーロー。
この半世紀、どれだけ多くの怪獣や宇宙人が現れ、
平和を乱したことだろう。

しかし、われわれが希望を失いかけたとき、
いつも”彼ら”が勇気をくれた。
光の巨人ウルトラマン

栄光の歴史は過去から現在へ、そして未来へと、
果てしなく紡がれていく。

ウルトラマン/ゾフィー/ウルトラセブン/ウルトラマンジャック
ウルトラマンエース/ウルトラマンタロウ/ウルトラの父/ウルトラの母
ウルトラマンレオ アストラ/ウルトラマン80 ユリアン/ウルトラマンキング
ウルトラマンジョーニアス/ウルトラマンUSA/ウルトラマングレート
ウルトラマンパワード/ウルトラマンゼアス/ウルトラマンティガ
ウルトラマンダイナ/ウルトラマンガイア/ウルトラマンアグル
ウルトラマンナイス/ウルトラマンネオン/ウルトラセブン21
ウルトラマンコスモス/ウルトラマンジャスティス/ウルトラマンレジェンド
ウルトラマンネクサス/ウルトラマンマックス/ウルトラマンゼノン
ウルトラマンメビウス/ウルトラマンヒカリ/ウルトラマンゼロ
ウルトラマンベリアル/ウルトラマンサーガ/ウルトラマンギンガ
ウルトラマンビクトリー/ウルトラマンギンガビクトリー/ウルトラマンエックス
ウルトラマンオーブ

・変身アイテム大集合
ウルトラマンオーブ
ウルトラマンコンプリートデータ
・「必殺光線」ビジュアルデータ

 

 
こんなムック本が出ていたとは知りませんでした。

どうも出版数の少ない雑誌形式の本は見逃してしまいがちです。

 

 

こちらはウルトラマン50周年を記念して作成された写真集になります。

上で引用した通り、歴代ウルトラマンそれぞれの撮り下ろし写真が集結。
基本的に1ウルトラマンあたり見開き2ページの配分となっていますが、初代ウルトラマンだけは50周年ということもあってか「表紙+目次+10ページ」と優遇されております。

初代ファンは「買い」でしょう。


その他のコンテンツとしては、歴代ウルトラマン一覧とそれぞれの必殺光線のポーズ、加えて「ウルトラマンオーブ」を好演した石黒英雄さんのインタビューが載っています。
ライトなファンにとってはとてもありがたいですね。

 


このムックは去年、ウルトラマンオーブ放映中のタイミングで発売されたようです。
評判が良かったのか、その後ウルトラセブンウルトラマンゼロ」「ウルトラマン ビジュアルブック 特別編(ジードを追加)」も出版されたようで。

推しウルトラマンに合わせてどれか一冊程度は手元に置いておくと幸せになれるんじゃないでしょうか。

 

 

 

定価1,200円・中古850円程度で入手できる割に、写真の画質はとても美麗です。
実物をご覧いただければ分かると思いますが、表紙買いを即断できるレベルですよ。

 


ウルトラマンの写真構図もいいですね。

写真の現物を貼らずにコメントするのもなんなんですけど、せっかくなので私のお気に入りカットを紹介しておきます。
興味が湧いた方は買うなり立ち読みするなり試みてくださいませ。

 

 

ウルトラマン

 
表紙の写真。
初代マン独特の掌を開いて重心を落としたポーズがとても格好いいです。


見開き2点目の顔アップと歩いている姿。
目の輝き、冷気? 湯気? を纏った体躯が神々しいです。


見開き5点目、戦闘後に空を見上げている構図。
「シュワッチ!」の直前ですね。

3分間の、戦いは終わった。
ひとつの命が眠りにつき、戦士は空へ還っていく。
遥かなる怪獣墓場へ、魂が向かうのを見届けて。

添えられているコメントがとてもフィットしています。

 

 

ゾフィー

 
マントを羽織った立ち姿です。
とても貫禄があります。
内山まもる先生の漫画を読んで育った者としては深い感慨を覚えます。

 

 

ウルトラマンエース

 
お馴染みゴルゴダ星で兄弟の磔をバックに戦うエースさん。
ヤプール目線で見た、エースさんの恐ろしさが伝わってきます。

 

 

ウルトラマンレオ/アストラ

 
嵐の中、ベイブリッジの前で構える兄弟。

獅子座を遠く離れて、辿り着いた第二の故郷。
突然、嵐が巻き起こり、暗黒の雲が空を覆う。
ここからが、反撃のとき。
逆境こそ、彼らのターンだ。

このコメント、レオ/アストラにぴったりですね。

 

 

ウルトラマンキング

 
プラズマスパークタワーを望む部屋で、大企業の会長のようなポーズで座るキングさん。
おそらく一般ウルトラマンとはまったく違う次元のことを考えているのでしょう。
ジードでは崩壊した宇宙と一体化したようですが、まだまだ実力の底が見えません。

 

 

ウルトラマングレート


オーストラリアの砂漠を舞台に、バーニングプラズマのポーズを決めてはります。
スーツの素材が全身タイツっぽい生地なのがよく分かる写真になっており、スタッフのこだわりを感じます。

 

 

ウルトラマンティガ

 
太陽が黒雲に呑まれつつある場面で、こちらに背を見せるポーズ。
光と闇の両面を有する巨人に相応しい構図で、格別の存在感があります。

 

 

ウルトラマンネクサス

 
爆発する森林の中、身をかがめている姿の写真です。
確か原作でも森林で戦っていたような気がします。
攻撃あるいは回避から、次のアクションへ移る瞬間を捉えた構図でしょうか。
ネクサスらしい、安心感の足りない不穏なカットがいいと思います。

 

 

ウルトラマンオーブ(スペシウムゼペリオン)

 
青白い空間から現れたニューヒーローの図。
オーブは本当によい番組でしたね。
オーブは最新作のジードで力をお貸しする側として登場していますが、ガイさん(石黒英雄さん)&ジャグラーさん(青柳尊哉さん)にも再び会いたいものです。
ジードの映画で二人ともゲスト出演してくれたらいいなあ。

 

 

 

 

以上、私の感覚でいいと思う写真を挙げましたが、もちろん他のウルトラマン方の写真も大変魅力的ですよ。

お値段との関係でも抜群のパフォーマンスだと思います。
フィギュアとかに比べれば断然お求めやすい。

(S.H.Figuartsシリーズはものすごく購買意欲をそそるものの買い始めるとキリがないのでいつも自粛しています)

 


人気者が多すぎて絞るのが難しいと思いますが、このクオリティで怪獣・宇宙人版のビジュアルブックも発売されますように。

メフィラス星人が載っている限り買います!

 

 

 

'17.10.11追記

本当に出ました。メフィラスいました。

「ウルトラ怪獣ビジュアルブック」ぴあMOOK - 肝胆ブログ