201Xの大作イベント「関ヶ原異聞」のシナリオが戦国時代ゲームの歴史に永くその名を刻まれるべきと思わずにいられないくらいの傑作でかんたんしました。
現実の歴史と、201Xの歴史とを見事に融合していて打ち震えんばかりです。
↓関ヶ原異聞のリリース
終わってから語るなという話ですがご容赦ください。
また、以下に一定のネタバレを含みますのでその辺もご留意ください。
攻略に役立つ内容はありません。
というかこんな大事なときに1週間も所用でゲームできなかったのでEx2は未挑戦に終わってしまいました……シナリオテキストだけでも辛うじて全部読めてよかった。
かんたんに関ヶ原異聞のあらすじを紹介しますと、
というなかなかドエラい舞台設定で物語が始まるんですよ。
この時点で201X世界における歴史の修正力等々いろいろ語りたいことがあるのですが、いったん置いておいて……
ストーリーはまず、かわいい福島正則さんの登場から始まります。
カワイイ!!(かわいーーー!!)
ストーリー上の複雑怪奇な様相を吹き飛ばす福島正則さんのかわいいストーリーテラーっぷりがまずいいのですよ。
こんなに福島正則ファンを増やす戦国時代コンテンツはそうそうないと思います。
シナリオとしては、関ヶ原の戦いにいきなりヤング秀吉さんが登場したわけで、戦場の登場人物はいちおう全員豊臣恩顧なものですから、秀吉さんの顔を見るとみんなびっくらぽんになっちゃうんですね。
一方、秀吉さんは織田家臣ベースですから、信長さんのその後や、ご自身のその後はご存じないという、お互い噛み合わないところを上手く伏せながら、とりあえず戦場に跋扈する幽魔さんたちを東軍西軍力を合わせてやっつけていこうぜ! という具合に話が進んで参ります。
まつりさんの雑な進行が冴えわたります。
秀吉さんショックを受けた面々の代表例。
そんなこんなで皆さん秀吉さん登場に慄きつつ、現実を生きる人々としては今更東軍と西軍で協力なんてできるのかできないのか? 幽魔を倒してそのあとは再び東軍と西軍で決戦するのか? これから先の日ノ本はいったい? 的な感じで葛藤しながら、武将一人ひとりが実にイイ描写で描かれ満足度高く物語は大団円を迎えていく次第でして。
詳しくは書きませんけどね。
史実を活かしながら鮮やかにキャラ立ちしている各武将、さすが201Xです。
「小早川」の看板の重みに向き合おうとする小早川秀秋さん。
意外と一本気で不器用な面がまぶしい小西行長さん。
主家のためにシャアシャアと愚を引き受けることができる吉川広家さん。
腹の読み合いと箸のさばきが巧みな毛利秀元さん。
不吉な予言をよく当てることに定評のある安国寺恵瓊さん。
殿いじりに晩年の楽しみを見出した島左近さん。
父上を素直に認められるようになった細川忠興さん。
真心の言葉をまっすぐに伝えることができる黒田長政さん。
詳しい紹介を割愛される内藤如安さん。
他にもたくさんの魅力的な武将が登場しますが、取り急ぎこの辺りで。
そうそう、七本槍の中では個人的に一番好きな加藤嘉明さんがイイ場面で登場したのも嬉しかったです。
まつりさんの小早川秀秋さんフォローが、さいきんの研究がどうこうとかではなくて、年齢と責任という社会人としてまともな視点からの内容だったのもよかったです。
関ヶ原異聞のシナリオは、それこそ最新研究が盛り上がっている領域なのに、おそらくコーエー社ならその辺も充分承知しているだろうに、あえて学説披露的にならず、構成を戦国時代の通史的、総決算的、万民が求める世のあり方とは的なアプローチで文章を紡いでいるのが素晴らしいと思います。
武将方それぞれが、乱世に終止符を打つ責任感を抱いているのがね。たまらないよね。
特に根拠のない、個人的な印象論ですが、史実の関ヶ原の戦い時点では、武将方はここまでの社会的使命感って抱いていなかった、というより言語化できていなかったんじゃないかなあと思うんですよね。
まあ中にはこういうおじさんもいるんですが、
関ヶ原に集った多くの心ある武将方が、明示的に天下泰平を目指して行動しているというのはとんでもないことだと思うんです。
ただの妄想なんですけど、
あれだけ数々の戦いを平和裏に収めてきた201Xの世界線の果てが、史実通りに信長さんが横死し、史実通りに秀吉さんが天下を取って、でもどうやら粛清や外征も史実通りで、たくさんの人が死んで……という一見残酷な流れだったのだとしても、
201Xの物語、幽魔との戦いの数々によって、もしかしたら実際の歴史以上に天下泰平を求める人々の思いが強まっていて、だからこそ各人がその意を汲んで関ヶ原異聞の結末が××××という風になったのでは……とも感じとれて、
そう思えばなんか救われる部分もあるじゃないですか。
たとえ201X秀吉さんが、いずれは恐ろしい天下人になってしまうのだとしても。
秀家さん、そういうこと言わないで。私が泣く。
細川政元さんも細川高国さんも細川晴元さんも三好長慶さんも織田信長さんも、みんなろくな死に方しちゃいないのは確かなんですけどね。
たぶん天下人やっている間も皆さん特に幸せではなかったんじゃねと思いますけどね。
でもね、それでもみんな精いっぱい自分なりに天下人やって、その軌跡が後世に繋がっていったんですからね。
天下人になれば幸せ、出世すれば幸せ、という価値観を素直に受け入れられなくなった令和の我々は、秀吉さんの生涯に新たな何かを見出していくことになるのでしょう。
関ヶ原異聞の秀吉さん、まこと201X物語の集大成過ぎて泣かされました。
そして、こうした関ヶ原異聞ストーリーが終幕を迎える中。
なんなんこの異聞。
最高じゃないすか。
201Xをプレイし続けていてよかった。
なお、上で取り上げたのはシナリオ全体のほんの一部ですからね。
いずれ復刻するでしょうから、詳しく知りたい人は201X始めるといいと思いますよ。
リアルライフで201Xをやっている人にいまだ出会ったことがないので、プレイヤーが増えてほしいの。
想像してごらん。職場の同僚や正月に集った親戚がみんな201Xプレイヤーで、史実解釈とか推し武将とかパーティ編成とか微妙スキルの活用法とかで盛り上がれる世界を。
いろいろだらだら書きましたが、関ヶ原異聞は本当に面白かったです。
メタ的にはいずれこの安寧も破られて大坂の陣異聞が勃発するという再び歴史の修正力恐るべし的な事態になるのでしょうけれども、その際もどこか一部に救いのあるような豊かな物語となりますように。
ところで井伊谷異聞が復活しましたね。
信長の野望201X「異聞 井伊谷城奪還戦の攻略」 - 肝胆ブログ
トライしてみたら、三好家パーティでもExC16クリアできて驚きました。
なんやかやで三好家も成長しているんですねえ。