肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「ハレ婚。11-12巻 松橋うらら編」NON先生(講談社)

 

ハレ婚の松橋うららさん編にかんたんしました。


うららちゃんかわい過ぎる問題……!!

 

yanmaga.jp

 


「ハレ婚。」とはヤングマガジンで連載されている恋愛漫画です。

 

ハレ婚。
ハーレム結婚の略称。

地方都市……北茨城市をモデルにした町を舞台に、
少子化解決を目指して「一夫多妻」を認める条例施行後の
愛の姿を描いている漫画となります。

 

 

この漫画。


・登場する女性がことごとくかわいい。

・メイン男性の伊達龍之介が不審かつ格好いい。
 (男性読者受けはしなさそうですけど)

・2010年代地方都市の空気感を丁寧に切り取っている。


という素晴らしい特長がございまして。

いつの間にかすっかり嵌まってしまっておりました。

 


その中でも最新刊に収録されている「松橋うらら編」。

これはすごいですよ。

全体にエロい漫画なのですが、このエピソードだけはピュアラブなのです。
でも、このエピソードがもっとも倫理から外れていて、もっとも情感的で、
もっとも未来に繋がるビッグバンなのです。

恋愛漫画に少しでも関心のある方にはぜひお目通しいただきたい。

それくらいに心が乱れる、優れたエピソードでございました。

 

以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 


松橋うららさんは主人公の実家の喫茶店でバイトしている女子高生です。

喫茶店の客がお爺ちゃんばかりというのがまたリアルなのですが
それは置いておいて。


彼女は物語の本筋……主人公の小春ちゃんも含めた伊達龍之介を巡る
恋愛模様には関わっておりません。

物語的には脇道のエピソードになります。

 

 

うららさんは高校卒業を間近に控えています。

東京の大学を受験するはずだったのですけど、実家(農家)の都合でキャンセル。
それどころかお家のために高校卒業同時の見合い結婚を親から求められています。

これも嫌な感じにリアルです。
都心部の人には理解しがたいかもしれません。
でも、いまでも「娘が生意気になったら困るから高等教育は受けさせない」という
親御さんはけっこういるもんなんですよ。

 

 

うららさん、好きな男性がいます。

その相手は……学校の先生です(結婚済)。

そう、恋の成就=不倫完成なのです。

 

高校卒業を控え、バレンタインデーに告白するかするまいか……という
エピソードになります。

詳細な顛末はここでは明かしませんが……。


うららさんがとにかくかわいすぎて、圧倒的な破壊力を発揮しているのです。

 

先生に相談があるからと呼び出しておいて(呼び出したのは友達ですが)、
先生が来るまでの間、先生との思い出をひとり反芻し、
窓辺で涙を浮かべているうららさん。


なんやかんやあって伊達龍之介や主人公たちの暮らす家で
酔いつぶれた先生を前にして、
「もう少し・・この部屋にいてもいいですか?」と
主人公たちに断りをいれるうららさん。


「ごめんなさい」
「もうしないので」
「もう これで・・やめますので」
「1回だけ」
「許してください」
そう言って、先生に添い寝するうららさん。


目覚めた先生が
「・・わかってると思うが」
「俺は教師だ」
「嫁もいる」
「何もしてやれねぇ」
と明言したとき、

「私・・何も要りません」

と、思い出だけで充分だと答えるうららさん。

 

もうここで号泣ですよ。

ぜったい、先生は50年経っても忘れられませんよ。

これこそ女の意地、女の発露だと思います。
こんな、こんなことまで女に言わせて、それでも……。

 


この先生は「ハレ婚。」という作品の中でも屈指の男性だと思います。
現実では、99.5%の男性はうららさんに手を出すことでしょう。

出さないことでうららさんは未来に希望を見出すことができて、
出さないことで先生は何十年にも亘る苦みを覚悟したのです。

こんなのファンタジーです。

ファンタジーだからこそ、このエピソードが眩いのです。

 

ああ、大人にこそ読んでもらいたい。

全国の中高生をニヤニヤさせている漫画だとは思いますが、
いろいろ経験してきたおっさんおばさんにこそ読んでもらいたいんだ。

くう。

 


この漫画、秀逸です。

女性陣は魅力的過ぎて、リアリティがありません。

メイン男性の伊達龍之介も同じくリアリティがありません。
リアリティがないからこそ、漫画として没入できるのです。

それなのに、女性の心理は嫌になるくらいリアルなのです。
漫画の舞台となる地方都市の実情も嫌になるくらいリアルなのです。
作者さんの描写、取材力、構成力が口惜しいくらい身に沁みます。

そして、伊達龍之介とは別軸でリアリティのない先生を相手に据えたことで、
松橋うらら編は突き抜けた傑作になったのだと感じます。

 

 

けっしてスイーツ一辺倒な漫画ではありません。

むしろ、かわいい、エロい、かわいい、エロい、ハァハァの中に
ちくちくざくざくするリアルさを突き付けてくる漫画なんですよ。

 

この先メインストーリーがどうなるか分かりませんが、
楽しみに推移を見守りたいと思います。

とりあえず、うららさんが安易に伊達龍之介とくっついたりしませんように。
かと言って、しょうもないぽっと出の男とくっついたりもしませんように。

 


実際にうららさんのような子が娘だったら、私はどうしたらいいんだろう。