ただでさえ好き嫌いの分かれる漫画太郎先生が、ますます好き嫌いの分かれるような展開をぶっ込んでいてかんたんしました。
これまでの展開もたいがい糞漫画(誉め言葉)でしたが、この9話では画太郎先生にしては珍しい角度のネタを披露いただいています。
以下、今週のネタバレを含みます。
画太郎先生が苦手な方はスルーしてください。
ストーリーはあってないようなもんですが、ものすごく大きな視野に立ってみれば原作通り展開しているように見えなくもない……いややっぱり原作は崩壊しているのですが原作に出てきた地理学者をとりあえずぶっ●して生き返らせようとしているのが現在です。
で、王子が唐突に「日本は来年滅びる」と言い出したのですよ。
相方の「パヤオ」(たぶん元ネタは宮崎駿)が理由を聞いてみると……
来年日本中の老人がゾンビになって若者を食べてしまう
という頭のキレたことを王子が語り始めます。
そんで、さらにパヤオが詳細を問い詰めてみたところ。
王子が語った内容はざっと次の通りでした。
老人のゾンビ化は薬漬けによる延命治療が原因
日本の老人の薬摂取量は世界一
自己負担の低さと医者の荒稼ぎが原因
一度にたくさんの薬を飲むと副作用リスクがハネ上がる
つまり日本の老人はいつゾンビ化してもおかしくない
…………。
予知夢で見た人がいるから間違いない
日本政府に訴えたが厚労省にもみ消された
薬が売れなくなったらワイロや天下り先が減る
日本人は永田町の古狸に化かされてきたんだ
…………。
こーなったのはパヤオたちにも責任がある
インターネットを見てこなかったからだ
「それはねパヤオ」
「ネット社会は
どこかにひとつ
真実を
かくしているから
なんだ…」「いちばんたいせつな
ことは」「地上波では
見れないんだよ
パヤオ」
…………。
どーした漫☆画太郎!!(笑)
というのが今週の展開でした。
画太郎作品とは思えないほどのテキスト量。
絶妙に原作(とアキラ)からインスパイアドフロムされた迷言の数々。
パヤオさんの驚愕ヅラの画力の高さもあって醸し出される無駄な説得力。
画太郎先生って……こんなアジテーターの才能があったんだなあ。
…………。
さすがにそのまま受け取る人なんていないと思いますが。
星の王子さまよろしく風刺漫画っぽい体裁になってはいますが。
いまから話すことはあくまで私の解釈ですが。
これ、政治やマスコミを風刺してませんからね。
風刺されているのは我々読者ですからね。
画太郎先生はアホな話を描きますがアホじゃありません。
そうだったのか!!!
またしてもネットで真実を知ってしまった……!!
とかリアクションしたらダメですよ。
たぶん画太郎先生はいつも通りのテイストで
「おめーら平成生まれの
変換ゆとりバカは
こーいうのがいいんだろ!?
うひゃひゃひゃひゃ!!!」
と笑ってはりますからね。
……マジで一流の風刺じゃねえか。
なんか画太郎先生にしてやられた気分です。
私だけでしょうか。
いつトラック落ちが始まるか分かりませんが。
この作品がどう転がっていくか、引き続き楽しみに見守りたいと思います。
もちろん単行本も買う予定です。
単行本にこんどこそ重版がかかりますように。