肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

信長の野望・大志PK「六角義賢&筒井順慶の顔グラが好き、というかマイナー武将の描き方記事が好き」

 

大志PKではややマイナーな大名方の顔グラが刷新されているようです。

 

リンク先の記事で新顔グラと、マイナー武将の顔グラにこめた思いとが紹介されていて、とても惹かれる内容だったのでかんたんしました。

 

www.4gamer.net

 

 

詳しくはリンク先の記事と画像をご参照いただきたいのですが、

「……いい。」と浸ってしまいました。

 

思わず眠いのにブログを更新しようかという気になってしまったくらい。

 

 

今回顔グラを更新された……

六角定頼さん、

六角義賢さん、

南部信直さん、

蘆名盛氏さん、

筒井順慶さん、

浦上宗景さん。

 

どうしよう、なんなんだろう、このツボを突いた面子。

嬉しい。

 

しかもどの顔グラも素敵。

各大名のイメージとすこぶるマッチしています。

さいきんの信長の野望は武将愛の裾野がめっちゃ広がってきましたね。

 

 

これら面々の顔グラ、甲乙つけづらい出来なのですが……

 

あえて取り上げるとしたら

 

六角義賢さんと

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筒井順慶さん。

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六角義賢さんは、なんというか、「個人としてはめっちゃ有能で、営業もできて、ゴルフもできて、地頭もよくて、人柄もいいんだけど、絶妙に部下と話が噛み合わない、コミュニケーションするのに疲れる」タイプのおっさんの空気を放ちまくっていて最高に六角義賢さんぽい。

脂の抜けた老後になってから御伽衆として輝き始めそうなところまで含めて好き。

 

 

筒井順慶さんは、リンク先記事でも説明されてはる通り、熟慮、判断×判断、wait・wait・wait、結果として最適解にしっかり辿りつく英邁感をストレートに表現した顔グラになっていてですね。

心のままに生きるのみ」な大志松永久秀さんと最高に相性が悪そうなのが最高です。

従来顔グラより若者寄りになっているのもいいですね。若いですからね、順慶さん。

 

「筒井順慶 感想」金松誠さん(戎光祥出版 シリーズ【実像に迫る】) - 肝胆ブログ

 

 

 

これだけ魅力的な顔グラをつくってくださったのですから、彼らが登場するイベントなり201X登場なり、ますます出番が増えてくださいますように。

 

いずれは、三好家の次男三男&息子&三人衆(せめて長逸さん)、細川晴元さん、三好宗三さん、木沢長政さん&遊佐長教さんも……駄目だ、言い出したらキリがないや。

 

逆に、畠山高政さんはイケメン顔グラに相応しい能力再評価を……笑。

 

 

 

「田舎教師 感想」田山花袋さん(岩波文庫)

 

前から気になっていた明治時代の小説「田舎教師」を読んでみたら、これが青年期の煩悶をすさまじくクリアに描いた傑作でかんたんしました。

高校の国語の教科書に載せたらいいのにと思うくらい。

私の中では夏目漱石さんの「こころ」に匹敵します。

 

www.iwanami.co.jp

 

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以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実在した青年をモデルにした、救われない系の話です。

スカッとしたり笑い転げたり系ではありません。

 

埼玉北部を舞台に、貧乏と挫折と不健康とコンプレックスとを抱えた青年が悶々と日々を送り、夢破れ、恋破れ、病没していく物語。

貧困を理由に、東京で学問に励んだり栄達したりという思いは砕け散り。

仲の良かった学友たちはそれぞれの道で活躍したりイイ女を捕まえたりする中。

自分は望んでた訳でもない田舎の教師となって、日々給金を稼ぎ、親のこしらえた借金を補う毎日が、毎日だけを……という。

 

 

全編通してつらいことだらけなお話なんです。

 

貧乏描写が読んでいてつらい。

序盤の生活苦からしてつらい。

終盤の自分も病気、母親も病気、父親はひたすら頼りないがつらい。

 

何も持っていないのにエネルギーだけはあるのがつらい。

文学の同人誌を作り始めてすぐに投げ出すのがつらい。

友達同士で夢だけは壮大に語り合っているのがつらい。

こっそり東京藝大(音学校)を受験して落ちているのもつらい。

遊郭の女に入れあげるもあっさりと捨てられてしまうのがつらい。

 

何事も成さぬままに病に倒れるのがつらい。

生活を立て直そうと決意した直後に倒れるのがつらい。

まともな医者もいない環境で暮らさざるを得ない現実がつらい。

教え子の女性が自分のことを慕ってくれていることにもはや気づけないのもつらい。

世間が日露戦争の勝利に沸く中、主人公は人知れず命を落としていく対比がつらい。

あとに残された老いた母と、主人公を慕っていた女性、それぞれの寂寥がたまらない。

 

主人公のセリフが終盤に近付くほどにつらくなるのがつらい……。

「何か一つ大きなことでも為たいもんですなア――何でも好いから、世の中を吃驚させるようなことを」

こんなことを言った。そしてこれと同じことを昨年羽生の寺で和尚さんに言ったことを思い出した。堪らなくさびしい気がした。

「絶望と悲哀と寂寞とに堪え得られるようなまことなる生活を送れ」

「絶望と悲哀と寂寞とに堪え得らるる如き勇者たれ」

「運命に従うものを勇者という」

「弱かりしかな、不真面目なりしかな、幼稚なりしかな、空想児なりしかな。今日よりぞわれ勇者たらん。今日よりぞわれ、わが以前の生活に帰らん」

「第一、体を重んぜざるべからず」

「第二、責任を重んぜざるべからず」

「第三、われに母あり」

かれは「われに母あり」と書いて、筆を持ったまま顔を挙げた。胸が迫って来て、蒼白い頬に涙がほろほろと流れた。

「病気さえしなけりゃなア!」

「世の中と謂うものは思いのままにならないもんだ!」

 

 

こう書いているとなんでこんな暗い物語を読んで喜んでいるのか自分でも不思議なんですが、この小説、面白いんですよね……。

男女の違いや境遇の違い、時代の違いを超えた、青年期の普遍がありありと描述されているからでしょうか。

主人公「清三さん」の気の毒な部分も仕方ない部分も、たまらなく愛しい。

自分のかつてであったり、あの頃のアイツであったり、あるいはアノ人の息子さんであったり……数多くの若者の姿を「清三さん」の中に見出してしまうのですよ。

 

負のエピソード中心なるも、これはよい青春生活。

ティーンエイジの頃に読んで、年取ってからもっかい読むのがいい小説。

私が大学の先生なら、入試の現代国語に出して受験生を厭な気持ちにさせたいぞ。

 

病んでいる時ではなく、病みから復活した後に読むのがおすすめです。

 

 

 

現代日本にも主人公のような若者が無数にいらっしゃると思いますが、それぞれの煩悶を乗り越え、健康を害せず無事に大人になっていかはりますように。

 

 

群馬県館林市「館林城、田山花袋、榊原康政・善導寺、日清製粉ミュージアム」 - 肝胆ブログ

小説「蒲団 感想 中年男の気持ち悪さがリアル過多でいいね」田山花袋さん(岩波文庫) - 肝胆ブログ

 

 

 

 

「ドリフターズ6巻感想 織田信長さんの煽りスキルが半端ない」平野耕太先生(ヤングキングアワーズ)

 

ドリフターズの6巻がいよいよ大規模会戦で各キャラクターの魅力が思う存分描かれていてかんたんしました。

ヘルシングの終盤といい、平野耕太作品のキャラクターが入り乱れて争う様は本当にいいものですね。

 

www.shonengahosha.co.jp

 

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(表紙は安倍晴明さんです)

 

 

ドリフターズは剣と魔法なファンタジー世界を舞台に、戦国武将等各時代のヒーローが召喚されて争っている感じの物語です。

主人公は島津豊久さんで、脇を織田信長さん、那須与一さんが固めているという。

海外勢だとハンニバルさんだとかロシア皇女のアナスタシアさんだとかが登場します。

 

この6巻では主人公勢と「黒王」という謎の救世主系人物に率いられた軍勢との決戦が描かれています。

敵はオークやのコボルトやの竜やの巨人やのを、明智光秀さんや土方歳三さんやらが指揮しています。

カオスですね。

 

 

 

以下、ネタバレを含みますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

非常に見どころの多い、名場面続出型の戦でございました。

 

エルフやドワーフを指揮して長篠型陣地を構築する織田信長さん。

巨人の首を嬉々としてもごうとする島津豊久さん。

三連継矢で竜を射殺す那須与一さん。

 

中でも大きな見どころが2つ。

 

織田信長さんと明智光秀さんの舌戦。

本能寺&山崎後に異世界に辿りついた二人が、両軍に分かれて対峙。

シチュエーションだけでもたいがい面白いのですが、光秀さんの存在に気付いた信長さんのキレッキレな煽りと光秀さんの暗い応酬が超よかったです。

 

信長さんの

手前ぇも

こっちに来てたか

金柑頭!!

 

上等だよ相手してやる来いよ!!

俺の丁稚ごときの分際で何をトチ狂ったか

俺を殺ろうとしやがって!!

 

ようも信忠(せがれ)殺してくれたなあ

わかってんだろうなあお前

わかってるよなお前

 

丹波一つに十年かかる雑魚が

俺にかなう

わけがねえだろザコが!!

お前みてえな低能の雑魚をちっとでも信用したのが

俺がばかだったわがっかりだわ

何が気にくわねぇで謀反おっ始めたか知らんが

 

能無しのお前には充分以上だっただろうがよ

あーひょっとして秀吉(サル)とくらべちゃった? 自分

でもしょうがねぇじゃんお前猿より無能だもの

 

なんか? 聞いたら? お前? 謀反の後?

猿に負けて滅んだらしいな?

まあしょうがないよなぁ

猿よりお前だいぶ無能だったもんなあ

 

おれがお前につけたキンカンってあだ名な

アレお前の頭がキンカンみてえって意味の他に

キンカン程度の脳だって意味よ

そえものだそえもの

そえものごときが俺になり替わろうとか笑わすなキンカン

 

そんなそえものがなんで謀反?

そえものなのに?

ああ

天下人にあこがれちゃったかな?

自分で天下の軍勢を差配したくなっちゃったのかな?

よかったじゃねえかお前も大軍指揮できてよ

クソみてえなクソ化物のクソ徒党だけどよ

あーでもこれ 黒王の軍なんだっけ

丁稚根性染みついてんなあ おまえ

 

を受けての光秀さんの一言。

うえさま

お前の信忠(むすこ)は死にざまに

まるで端女の様に泣いていたぞ

 

というね。

どっちも超ひどい。最悪で面白いです。

 

信長さん自分も美濃攻めやの石山攻めやのに何年もかけてたじゃんとか

丹波はだって丹波なんだから仕方ないじゃんとか

秀吉さんより有能な人なんていないじゃんとか

そういう個々の反論をせず、

「お前の息子超ダセェ」

と品のない反論で信長さんをキレさせる光秀さん本当キレ者。

 

 

島津豊久さんの捨てがまりと土方歳三さんの邂逅

細かい経緯や描写は説明しませんが、

島津豊久さんの

那須与一さんにビンタされた後の表情、

敵陣に突っ込む背中、

達者でのー!!

 

がほんま格好よい。

 

豊久さんの中にかつての新撰組を見出してかつての輩に邂逅する土方歳三さんも。

同じくらい切なくて格好よい。

 

ここは是非漫画を読んでみてもらいたいです。

一度でも「島津もの」「新撰組もの」の創作作品に触れて楽しんだことのある人なら、ぜったい響くものがあると思います。

異世界ものの、僅かな場面で、これだけ情緒を揺さぶるシーンが描けるのは。

平野耕太先生の卓越した技量もさることながら、日本の歴史もの創作作品の中で、積み重なってきた文脈があってこそだと思うんですよね。

作者と先人方いずれにも拍手をお送りしたい。

 

 

 

いうてもまだ6巻で、お話はまだしばらく続くようです。

スキピオさんやハンニバルさんの覚醒等、おいしいタメもまだまだございます。

いい漫画がじっくり続いてくださっているのはとてもありがたいことです。

 

まだ終盤戦に間に合うなら、中東成分が少ないのでヌールッディーン様あたりが登場してくださいますように、なんてね。

 

 

 

大相撲'18九州場所感想「個人的には隆の勝関を今後推したい」

 

大相撲が九州場所を終えました。

貴景勝関の優勝、高安関の無念、松鳳山関・琴奨菊関のご当地盛上げ等、かんたんする内容の多い場所となって何よりです。

 

www.sumo.or.jp

 

 

幕内の勝ち越し勢は次のとおりです。

 

 13勝  貴景勝(優勝、殊勲賞、敢闘賞)

 12勝  高安

 11勝  隠岐の海、碧山、阿武咲(敢闘賞)

 10勝  松鳳山琴奨菊

 9勝    玉鷲、大栄翔、遠藤、名生

 8勝    栃ノ心、錦木、妙義龍、栃煌山、正代

 

 

貴景勝関はほんまよかったですね。

力強い、重みを感じる突き押し。

栃ノ心関戦等、清々しいほどの迫力で魅せてくださいました。

 

土俵外のことはあんまり言及したくないのですが、彼と彼の部屋が背負っている様々な物語や事情を、明るい方向に舵を切ったかのような、潮目を変えたかのような、非常に腹落ちの良い空気を相撲ファンに授けていただいたように思います。

いちファンとして、感謝し、ただただ祝福したいです。

 

貴景勝関は、負けた時の表情もよございました。

14日目の高安関戦での惜敗、あの顔はファンを増やしたと思います。

ああいう顔ができる男を応援したくなりますよね。

 

 

同じく、千秋楽に優勝を逃した際の、高安関の表情もよかった。

彼と彼の部屋もまた、現状、非常に重いものを背負っておりますので……

御嶽海関、貴景勝関と、若手の中に優勝経験者が出てきておりますので……

彼の無念さは察して余りあります。

 

かつての稀勢の里関同様、この悔しさがいずれ大きな実りをもたらすと思いますので、これからの一層のご活躍を祈念いたします。

 

 

隠岐の海関、碧山関が11勝を上げたのも嬉しいですね。

とりわけ碧山関はようやく復調してきはったなあと感慨ひとしおです。

松鳳山関、琴奨菊関のご当所二人が大いに盛り上げてくださったのもよかった。

この二人の激突は見応えありました。こういうのが見たかったんだよ的な。

 

 

今場所、個人的に惹かれたのは錦木関、竜電関(6勝)、隆の勝関(4勝)。

星的な成果には繋がりませんでしたが、それぞれ、今後の可能性を感じる取組が多かった印象です。

 

とりわけ隆の勝関は、残念ながら幕内の壁に跳ね返された結果にはなりましたが……。

一つひとつの内容は決して悪くなかったように思うのです。

技術面や肉体面の未完成感は否めませんが、彼もたいがい若いですしね(24歳)。

現時点ではまだ踏ん張り切れなくとも、あの足腰の伸び、しなやかさにはポテンシャルを感じざるを得ません。

幕内の経験、貴景勝関や貴ノ岩関等との合流、これらを糧に大きく成長してくれることを楽しみにしています。

 

顔もイイですし。

 

隆の勝関を推していきたいな、ファンになってしまったな、と感じた九州場所でした。

 

 

 

初場所、来年こそは、土俵外のアレコレやの引退懸念やのが過度に取り上げられることなく、取組の内容そのものに健全に注目が集まるようになりますように。

 

 

 

 

 

定点観測:相撲界の毛利三兄弟

 

 若隆元(幕下二十二枚目)2勝5敗

 若元春(幕下七枚目)  4勝3敗

 若隆景(十両六枚目)  8勝7敗

 

 

 

「FF2(PSP版)初攻略の感想 ワイルドローズがワイルド過ぎる」スクウェア・エニックス

 

DFFフリオニールさんが格好よかったのでPSPファイナルファンタジー2をプレイしてみたところ、思いの外な大ボリュームで相当なプレイ時間を費やしてしまいました。

 

ファミコン版にはなかったオマケ要素がふんだんに追加されていて、中でも「ソウル・オブ・リバース」という追加ダンジョンのストーリーと、ミンウさんの素敵アルテマと、追加武器「ワイルドローズ」のワイルドさにはかんたんさせられましたよ。

 

ファイナルファンタジー II | SQUARE ENIX

 

 

FF2をプレイしたのは初めてです。

一応ファミコン版を友達がプレイしているところは見ていたので、なんとなくの流れは知ってはいたのですが、いざ自分でやってみると色々な発見や気づきがあって面白いものですね。

 

以下、ネタバレを含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本編攻略

パラメキア帝国の侵略に立ち向かうフリオニールさんたち一行。

ファミコン版のフリオニールさんはパッケージ絵の面影なき「せんし」というビジュアルでしたが、PSP版のフリオニールさんはしっかりとグラフィック再現されています。

バンダナも衣装も当時のゲームと思えないくらいオシャレさんですね。

 

 

FF2はそんなに難易度が高いゲームではありません。

よく言われている通り、「よろい」「かぶと」「こて」は装備せず、軽装備と盾装備をキープすることで回避率を高めておけばスイスイ攻略していく事ができます。

 

 

魔法は何を使ったらいいのか一見分かりにくいのですが、

治療系の「ケアル」「レイズ」「エスナ(レベル5-6まで育てれば石化治療可能)」、

攻撃系の「ファイア(アンデッド一掃)」「ブリザド(亀殺し)」、

瞬殺系の「トード」or「ミニマム」or「テレポ」or「デジョン」、

MP対策の「アスピル」、

回避アップの「ブリンク」

そして何より攻撃アップの「バーサク」「ヘイスト」、

を覚えておけば大丈夫です。

 

マリアさんに限らず、余裕があれば全員に覚えさせてもいいでしょう。

 

終盤で大事なのはバーサクとブリンクです。

ていうかバーサクは本当に大事です。

このゲームは、

ボスが出る

 ↓

アタッカーにバーサクを重ねがけする

 ↓

殴る

 ↓

ボスは死ぬ

という美しい流れで構成されています。

信長の野望201Xと同じようなゲームデザインですね。

 

 

初見殺しは幾つかありますが、一番大事なのは初めの町「アルテア」のすぐ南にある半島の先っちょを歩かないことです。

 

オープニングイベント後10秒で辿り着ける地帯ながら、出てくる敵は中~後半に立ち寄る「ミシディアの町」の周辺の連中……ボムさんやのコカトリスさんやのという

 

このせいで私はゲーム開始直後に全滅の憂き目に遭い、PSPをへし折りたくなるような衝動に駆られてしまいましたよ。

まったくファミコン時代によくあったような雑な敵エンカウント配置をこの時代に再び経験することになろうとは。

 

まあ、ミンウさんが加入してブリンクで敵の攻撃を回避したりテレポで瞬殺したりできるようになれば、いい修行相手になってくれるんですけどね。

 

 

あと、PSP版には「秘紋の迷宮」という追加要素がありまして、攻略することで各キャラクター専用の武器を入手可能です。

フリオニールさんなら「ラグナロク」、マリアさんなら「アルテミスの弓」、といった具合に。

 

ただ……この秘紋の迷宮、報酬はデカいものの、めっちゃプレイ時間を浪費します

攻略本や攻略サイトの参照が必須な作業要素付きで、何回も同じマップを繰り返す必要があり……正直、あんまり楽しくありません。

報酬で手に入る武器が素晴らしい逸品揃いなだけに、むざむざスルーするのももったいないのが逆に腹立つという。

ソウル・オブ・リバースをプレイするなら、少なくともミンウさん、ヨーゼフさん、リチャードさんの専用武器は手に入れておいた方がいいかと思いますけどね。

 

私の本編クリアデータのステータスが↓の画像ですが、

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プレイタイム26時間半、歩数10万歩弱。

ファミコンゲームのプレイ時間じゃないよな……。

特定武器や魔法の熟練度上げ等はやっていない、自然体プレイです。

 

おそらく半分は秘紋の迷宮によるものだと思うんですよね。

 

こんなけ秘紋の迷宮に長期滞在していると、敵が多少弱くてもHPとすばやさは一定戦闘回数ごとに上がっていくので、戦闘では先制攻撃を頻繁に取ることができ、難易度が一層下がっていくという……。

 

うーむ、この追加要素は微妙だったなあ。

 

 

ちなみに、クリア時点で、よく使う武器や魔法の熟練度は10~11というところでした。

最大レベルは16とのことですが、よっぽど作業に励まないと無理そうっす。

 

 

 

ソウル・オブ・リバース攻略

本編をクリアすると、追加でプレイすることができるゲームモードです。

パーティメンバーはなんとミンウさん、スコットさん、ヨーゼフさん、リチャードさん

本編でお亡くなりになった方々がなぜか集結して、謎のダンジョンで謎の敵に挑むという構成でしてね。

 

これがストーリーテキストを中心にとても見応えやり応えがあり、「おお、PSP版(GBA版やスマホ版でもプレイ可能)をプレイしてよかったなあ」と思えること間違いなしなんですよ。

 

 

開始直後の難易度はかなり高いです。

本編終盤クラスの雑魚敵がわらわら出る癖に、当方は序盤で離脱した頃まんまの装備・ステータスですからね。

しかも開始直後のダンジョン(6階建)を抜けないと宿屋すらないという。

 

ただ、ミンウさんのブリンクなんかを活用して切り抜けて、ヨーゼフさん&リチャードさんと合流して、バーサクを覚えて、町に出て、そしてアルテマの封印を解くと……

今度は当方の戦力が適当なくらい過剰になって参ります

 

 

まずは、ミンウさんが遂に習得した究極魔法「アルテマ

FF2のアルテマは期待外れなへっぽこ魔法みたいに言われることも多いのですが、ミンウさんが繰り出すアルテマは一味も二味も違いますよ。

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レベル6にして、敵全体に1000前後のダメージ。

FF2では、同レベルのフレアやホーリーは2-300くらいしかダメージないですからね。

単体に放てば4-5000のダメージを与えよりますからね。

ブラックドラゴンだろうがダークベヒーモスだろうがもう怖くありません。

 

これぞ皆が探し求めしアルテマ

私たちが見たかったアルテマ!!

究極魔法、古代の英知!!!

ビバアルテマ!! フォーエバアルテマ!!!!!

 

という気持ちに浸れます。

本編のガッカリアルテマからの、こちらのアルテマの威力がもたらすカタルシスだけで、ソウル・オブ・リバースのプレイ価値は跳ね上がっていると思うのです。

 

 

更には……

本編で「マサムネ」があった部屋で手に入る「ワイルドローズ」なるスコットさん専用の最強剣がですね。

もうほんま「ワイルドが過ぎる」仕様のドエラいバランスブレーカーなんですよ。

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道具として使うと「味方全体にバーサク16」

 

1000弱もダメージを与えられなかった攻撃が、4000くらい与えるようになります

しかも重ねがけ可能

ちなみにラスボスのHPは25000です

過剰、圧倒的過剰……!

 

「●●●●だろぉ~?」というフィン王国民の声援が聞こえてきそうな嫁入り道具感。

もうなんなんでしょうねこの剣。

 

 

そんなソウル・オブ・リバースのクリアデータは↓の通りです。

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2時間でクリアできるボリュームで、苦労あり、過剰な爽快感あり、そしてイベントの質はすこぶるいいという。

これはいいオマケ要素。

この時間当コストパフォーマンスを秘紋の迷宮には見習ってもらいたいものです。

 

 

 

その他印象に残ったキャラ等

皇帝さんの有能感。

攻略上はそんなに強い敵ではありませんが、あらためてイベントを通して見てみると、この方、征服事業主としてはとても優れていますね。

 

ミスリル資源を一手に抑えているところや、「大戦艦」なる戦略兵器、更には自らの魔力で生み出した「竜巻」ジェノサイドと。

 

こんなけ民を殺したら統治どころじゃなくなるので、世界征服して何がしたいのかはよく分かりませんが……侵略の上手さだけで言えば超一級だと思うのです。

「大戦艦」で各地の町が穴ボコまみれになったり、「竜巻」で各地の町が滅ぼされちゃったのはインパクトありました。

 

終盤で地獄の力を手に入れたりソウル・オブ・リバースではあんなことになっていたりと、おそらく神々や悪魔にも気に入られたのであろう器量といい。

ケレン味に富みつつおおきくはイケメンなデザインといい。

このキャラいいなあ。

 

 

ストーリー全般を通しても、ループもののFF1よりも分かりやすく、英雄叙事詩的で、地獄を通ってパンデモニウムに攻め込む終盤の流れが美しかったです。

 

「最後の竜騎士」リチャードさんや、偉大なるミンウ兄さんの死に様もよかった。

癖のある三枚目の敵キャラ、ボーゲンさんもよかった。

でもとにかくミンウ兄さんが素敵だった。

褐色ターバン強い白魔導士美青年。

ミンウさんいいよミンウさん。

 

少ないテキスト量で、こんなに魅せてくれるとは思いませんでした。

ジョブの組み合わせが楽しいFF1、FF3に昔は夢中になっていたものですが、ややこしげなFF2をスルーしていてごめんよという気持ちになりました。

 

 

ボム、モルボル、プリンという印象的な敵たち、チョコボ竜騎士アルテマというFFらしい要素のシリーズ初登場の舞台でもありますし。

 

今更ながら、FF2はおすすめの作品ですよと言いたいです。

 

 

最近のスクエニっぽい3D美麗CGバージョンのミンウさんにいつか出会えますように。

 

 

 

「鬼桃太郎 感想」尾崎紅葉さん(青空文庫)

 

明治時代に尾崎紅葉さんが執筆した怪作「鬼桃太郎」が青空文庫に収録されていてかんたんしました。

一度読んでみたかったんですよね。

 

 

青空文庫リンク

尾崎紅葉 鬼桃太郎

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子ども向け……という建前になっていますので、10分足らずで読めるボリュームです。

 

「桃太郎」のその後を描く物語でして、鬼サイドが桃太郎さんへ復讐を企てるというあらすじになります。

 

桃太郎、
雉子きじ犬を引率いんぞつ[#ルビの「いんぞつ」はママ]して
この鬼ヶ島に攻来せめきたり、
累世よよ珍宝たから分捕ぶんどりなし、
勝矜かちほこらせて
かえせし事、

この島末代までの

恥辱なり

 

という鬼の皆さまの憤懣がもう面白いですね。

 

 

以下、一部ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼ヶ島では「誰か桃太郎カタに嵌めたれや」と鬼王様がお触れを出すのですが、鬼さんたちは皆桃太郎さんのことが怖すぎて誰も手を上げません。

桃太郎さんよっぽど暴れはったんでしょうね。

 

文中の描写によれば、桃太郎さん、鬼ヶ島討入りの際には鉄の扉を砕いて侵入し、ついでに門番の鬼の角を根元からへし折っていったそうですよ。

鉄の扉を砕くって……もはやサムライというより超人ハルクですね。

角を折られた傷の痛みとトラウマで、桃太郎さんへの復讐に行けそうもない元門番の鬼さんがいとあわれであります。

 

 

で、その元門番の嫁さんが鬼ヶ島の川で拾ってきた苦桃の中から生まれたのが主人公の「苦桃太郎」さん。

まんま鬼版の桃太郎さんなのであります。

 

この苦桃太郎さんがすこぶる豪傑なので鬼ヶ島の皆さまも喜び、桃太郎退治に「行ってらっしゃい」と話が進みます。

 

 

桃太郎さんの犬猿雉よろしく、苦桃太郎さんもお供を雇うことにしました。

 

苦桃太郎さんが雇ったお供は……

 

龍王「ポイズンドラゴン」

白毛朱面の「狒(キングコング)」

牛並みに巨大な「狼」

 

という。

ほんまに子どもが考えたような、たいへん過剰な戦力を集めはりましたよ。

これでは桃太郎さんサイドの犬猿雉ではかないそうにありません。

 

 

さあ、待っとれ桃太郎、龍の背中に乗って日本までひとっ飛びじゃい……

 

 

というところで物語は急展開を迎え、非常にナンセンスな結末を迎えます。

ジャンプで10週打ち切りにあったような突き抜け方です。

風呂敷を広げ過ぎて畳めなくなったようにも思えます。

 

非常に倦怠感と脱力感を味わえるエンディングなので、その徒労も含めて面白い怪作になっていますね。

明治の子どもがこれを読んでどんなリアクションをしたのかが気になるところです。

「"ぼかん!” じゃねえよ!」と子どもたちで回し読みしてツッコミして笑い合っていたのなら微笑ましいな。

 

一見一読の価値はあると思います。

 

 

誰か奇特な方がこの作品を漫画とかアニメとかでリバイバルしてくださいますように。

 

 

朗読劇「雪間の草 感想」イストワール histoire 第9話 & 堺市「さかい利晶の社」

 

わりと最近堺市にできた施設「さかい利晶の社」で千利休さんを題材にした朗読劇を鑑賞したところ、たいへん情念深い作品で心揺らされかんたんしました。

 

www.osakagas.co.jp

 

www.sakai-rishonomori.com

 

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大阪ガスさんは、社会貢献活動として関西の歴史を題材にしたドラマシリーズを展開しており、これはその第9弾の作品なのだそうです。

さすが大ガスさん。

こういう地域の旦那っぽい活動、リスペクトせざるを得ません。

 

 

この「雪間の草」。

タイトルから分かる通り、千利休さんのお気に入りの歌、

“花をのみ待つらん人に山里のゆきまの草の春を見せばや”(藤原家隆さん)

をモチーフにしてはります。

 

登場人物は3名。

 ・千宗易千利休):朝雛拓さん

 ・たえ(宝心妙樹):八田麻住さん

 ・千紹安(千道安):田米カツヒロさん

 

たえさんは「いね」と呼ばれる千利休先妻ですが、ドラマの都合上、名を変えて、ややオリジナル気味の人物造形になっています。

宝心妙樹の「妙」から名を取ったんでしょうかね。

 

 

ドラマは永禄年間、三好長慶さんの権勢がピークを迎えたり不幸が始まったりする頃のお話です。

千利休さんが、同い年なのに既に天下を取ってはる三好長慶さんに対してコンプレックスを抱いているような感じだったりするのが趣深いですよ。

 

大阪ガスの方が前説で仰ってましたが、千利休さんの壮年期を描いた作品は珍しいと。

まったく仰る通りで、記録の関係上仕方ないとはいえ、晩年期しかドラマで描かれない千利休さんもちょっと気の毒だと思います(笑)。

 

 

で、詳しい内容はネタバレしませんが……

 

この朗読劇がたいそうよかったのです!

利晶の社にある茶室を舞台に、三人の役者さんの、熱と気持ちがこもった演技がね。

 

朝雛拓さんの包容力、受け止め力の高い落ち着いた演技。

田米カツヒロさんの快活な、物語進行を滑らかにする小気味よい演技。

 

何より、八田麻住さんの情念のこもった演技がね、すごかった、観客全体、茶室全体を呑んでましたからね。

舞台もので「観客が一体となって」とはよく言いますが、「観客全体が呑まれて」ってそうそうないですからね。

 

情念の刃、雑に言えば昭和歌謡的とも申しますか。

千宗易さんに対するお言葉の数々。分かる。妻ならきっとそうであろう。

三好長慶さんを評するお言葉。分かる。彼に期待を寄せた同時代人ならそうであろう。

彼女の情念がなんともやるせない、無常の余韻を生み出してくださっておりました。

 

わずか1時間の朗読劇で、こんなに揺さぶられたら。

ええわあ……! と喜ばずにはおられません。

 

千宗易&千紹安父子の茶の湯着想なんかも要所要所で光り、茶道的な視点からも楽しいナイスな作品になっておりますよ。

 

 

イストワール過去作品はMBSの「ポッドキャスト1179」で公開されていますので、この作品もそのうち載るかもしれません。

www.mbs1179.com

 

興味がおありの方は是非聴いてみてください。

ていうか三好家を題材にしたという「蘆州の人」も公開されているんですね。

また時間ができたときにゆっくり聴いてみよう。

 

 

 

さかい利晶の社もあわせて見物してみました。

「堺にドライブスルーあるスタバができたなあ」とは聞いていたのですが、それが利晶の社のことだったのですね。

 

その名の通り、千利休さんと与謝野晶子さん、堺が誇る二大偉人を紹介する施設です。

 

思いのほか小規模な施設で、お二人に関する展示もひょいひょいと見れるボリュームなのがかえって好感度高かったです。

間口が広い方がいいですよね。

 

 

千利休さん関係では、棗&黒楽茶碗(ともにさいきん制作された品)がよかったのと、三好長慶三好実休兄弟が堺の名刹(南宗寺&妙国寺)に縁がある人で最近は天下人とも言われてるんですよと推されていたのがよございました。

 

 

そして、与謝野晶子さんコーナー。

これが一見の価値ありまくりでした。

 

与謝野晶子さんの生音声、孫をあやす動画などが視聴できたり。

明星やみだれ髪をはじめ、当時の素晴らしい装幀の数々を堪能できたり。

 

この時代の本を彩った装幀、素晴らしいですね。

一種のロストテクノロジーなのではないかとすら思ってしまいました。

 

 

利晶の社、南海堺駅からも阪堺線宿院駅からも近いのでおすすめですよ。

 

 

 

なんというか、本当に信長さん以前の畿内史コンテンツが増えてきましたね。

千利休さんも大河ドラマ化の推進運動があるそうで、夢のある話だと思います。

 

歴史の探求がいまを生きる人に活力をもたらしますように。