肝胆ブログ

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サカモトデイズ 7巻 感想「楽の宇田さん追悼」鈴木祐斗先生(ジャンプ)

 

SAKAMOTO DAYS7巻、この漫画は相変わらず面白いなあと思いながら読んでいたら、巻末の楽さんによる宇田さん追想オマケ漫画に感情を揺さぶられてかんたんしました。

こういう、お亡くなりになってから掘り下げられる関係性に弱いので弱ります。

 

www.shueisha.co.jp

 



表紙は楽さん。

ジャンプ本誌でも引き続き活躍中、先行きが楽しみな若者です。

 

 

 

以下、ネタバレというか、ジャンプでサカモトデイズを読んでいる人前提の文章になっていますのでお含みおきください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7巻オマケ漫画で、宇田さんが殺連に潜入する直前の様子が描かれまして。

 

スラー一味の宇田さんに対する送別が、それぞれの個性めっちゃ出てましてね。

  • 鹿島さんはスパイの入門書やサプリメントやらをどっちゃりお渡し
     →宇田さん「ありがと鹿島さん」

  • スラー(ボス)は宇田さんとジニア(百日草)を描いたイラストをお渡し
     →宇田さん(ボスちょっと上手くなってきたな……)
     ※ジニアの花言葉は「不在の友を思う」

  • 楽さんはゲームしていて目も合わさず手を上げるだけ
     →宇田さん「帰ってきたらカラオケ行こうぜ」
     ※本誌でスラー一味、カラオケ行ってましたよね……!

 

楽さんが、そんなかつてのひと時を思い起こしながら、一言「つまんねーの」と呟く。

 

 

そういう内容。

実際に絵を見た方が良いので、とりあえず買って読んでみてください。

 

 

ほんの1ページのオマケ漫画ではあるんですけど、これだけでスラー一味の中で宇田さんがいかに皆からの信頼を集めていたかとか、スラーは時々お絵かきをしているらしいとか、皆で時々カラオケ行っていたんだろうなとか、一味の日常や過去エピソードを想像できるようになっているのに唸りますし感情が渦を巻きますね。

 

楽さんの、若い頃特有の、自分の趣味とか世界だけを見ていて大事な人間関係から目離れしていたことに、後から(無自覚にしても)気づいて少し悔いるやつ、めっちゃサカモトデイズ的な映画的演出で好き。

もともとアクションシーンが映画的で超イケてる漫画な訳で、そこにこういう心理描写シーンまで映画的にブッこんでこられたらもう全面降伏ですわ。スゲェ。

 

 

宇田さん、あらためて同じ7巻を読み直すだけでも、

  • 対坂本さんで「ボス 俺がやりましょうか」。坂本さんと戦える程度の実力と自信はあるっぽい。
    それに対するスラーの「宇田くん連勤でしょ?」もいい……

  • 篁さんには圧倒されるも、これは相手が悪すぎる……むしろ、喉を貫かれた状態から、スラーをかばって篁さんのムーブに追いつき自爆できる実力がパない。
    スラーの、宇田さんの最期を見つめる視線も哀しげで良い。

  • スラーの「疲れた」「失敗した」「結局最後は宇田くんに助けてもらったな……」

 

ジャンプで連載を読んでいた時には出てこなかったエモがどんどん溢れてくるの、単行本で読み直す醍醐味ですね。

 

もちろん、これだけの人間関係を見せつけられても、しょせんはスラーの「コマ」でしかないのかもしれないんですけど。

冷静にスラー一味を見てみると、宇田さんのように良い意味でモブ顔で誰とでも上手くコミュニケーションできそうな人、他にいないですから、今後の連載も含めた長い目で見て、この殺連襲撃で宇田さんを失ったのは本当にスラー一味の致命傷だったみたいに後から乗せてこられるともう最高ですね。宇田さんがいれば上手く切り抜けられただろうに的なやつ。

 

 

今まで、スラー一味や宇田さんへそんなに感情移入していなかったのに、オマケ漫画1ページでスラー一味から目を離せなくなるの、ほんと我ながらチョロ過ぎて困る。

 

サカモトデイズが引き続き絶好調に連載が続いていきますように。