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「じゃりン子チエ 文庫版4巻感想 ヨシ江はんの実力」はるき悦巳先生(双葉文庫)

 

じゃりン子チエ文庫版4巻、おかあはんのヨシ江はんのキャラが大変掘り下げられてきていてかんたんしました。

5巻も来月発売されるそうです。

堅調に売れているなら何よりですね。

 

www.futabasha.co.jp

 

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4巻に収録されている話は次のとおりです。

 

  • ああ イデンの巻
  • 父兄運動会①の巻
  • 父兄運動会②の巻
  • 父兄運動会③の巻
  • イヤンなったテツの巻
  • おみやげ おみやげの巻
  • 泳げない二人の巻
  • 泳げない一人の巻
  • みんなで海への巻
  • テツじゃ の往復ハガキの巻
  • 往復ハガキの返信の巻
  • 鑑別所同窓会の巻
  • テツは大モン…の巻
  • 無敵な特別コーチの巻
  • 刺激的なチャリの巻
  • 恐怖の電話の巻
  • ボクサー・テツの初仕事の巻
  • ピーピーのテツの巻
  • ヒラメちゃんのプレゼントの巻
  • 傑作の題が決まらない…の巻
  • テツとヨシ江はんが!!の巻
  • 夢見がちな男たち…の巻
  • それぞれの悩み…の巻
  • ヒラメちゃんの表彰式の巻

 

父兄運動会、海水浴、テツの鑑別所同窓会、ボクシング篇……等々が収められつつ、チエちゃんを取り巻くそれぞれの人物がかなりスゴイ実力を発揮している巻になります。

 

以下、ネタバレ含みで各登場人物の活躍と好きなセリフをご紹介です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チエちゃん

「遺伝」という概念を知ってしまい、自分がテツに似ているんじゃないかと悩むチエちゃんが最高にかわいい。

「やっぱりイデンの話はホンマやろか

 ウチは大人になったらテツみたいになるんやろか

 今日もカッとして下駄ぶつけてしもたしなあ

 テツは足は速いし野球も…相撲も…

 ウチのええとこは全部テツに似たんかなあ

 ああウチは日本一とりかえしのつかん少女や」

 

テツの鑑別所同窓会についていって、思いの外なテツの人気に驚くチエちゃんもいいですね。親の知らない面を垣間見るという経験は大事。

ひょっとしたらテツは大人に人気があるのとちゃうやろか

そうゆうたら花井のオッちゃんもミツルのオッちゃんもお好み焼き屋の…カルメラの…みんな迷惑してるのにテツに会いに来る

 

両親のデートを目撃した場面も同様にイイですね。

なんの話をしてたのか聞こえへんかったけど

時々見えるお母はんの顔はいつも笑うてた

お母はんがあんなによう笑うとはウチは今まで知らんかった

それより時々笑うテツの顔がものすごかった

 

デート目撃の後、母と娘でウソ八百の会話をしながらごはんを食べるのも好き。

 

 

ヨシ江

異常に足が速いことが判明、

コケザルやヒラメちゃんにナイスフォロー、

テツを上手くリードして久しぶりのデートに持ち込む等、

彼女特有の強さがいよいよ現れてきた感があります。

 

「まあちょっと座りませんか」

 

の一言でテツをコントロールできるのがスゴい。

 

「わたし今でも雷蔵から来た手紙だいじにとってありますんや」

 

と、何となく今後の展開が想像できる殺し文句をシレっと吐いて完全にテツを手玉に取っているのが好き。

それにしても市川雷蔵好きとは。気が合いそうです。

 

 

テツ

ヨシ江はんにはやられつつも、相変わらずケンカは強いテツ。

元ランク1位のウェルター級ボクサーを一撃でノックアウトするというとんでもない活躍(営業妨害)をしているのに唖然です。

「キャ~殺して~」

 

ヒラメちゃんに甘え始めるのもウケます。

「とにかくワシおまえと居るとすごく素直になれるねん」

 

海水浴で、テツとカルメラが地元ヤクザとケンカしているのを、チエちゃんや花井のオッちゃんが笑いながら眺めている遠景も好き。

 

 

ヒラメちゃん

得意の絵でテツを描いてコンクールで表彰されるという栄誉に浴しました。

テツのお腹が冷えないよう、腹巻きも描いてあげたという彼女ならではの優しさがいいんですよね。

 

水泳で、いままで息継ぎなしで泳ぎ続けていたというのも彼女らしくて好き。

「チエちゃんのゆうとおり横に顔上げたら急に息が出来てん」

 

 

小鉄&アントニオジュニア

二匹でひょうたん池で泳いで、変な病気もらってきて全身痒くなるのがかわいい。

飲食店には入れられませんけど。

 

小鉄は、遺伝で悩むチエちゃんを眺めながら

ワシのことは分からんけどチエちゃんがどっちに似たのかはわかる

チエちゃんの横顔はお母はんにそっくりや

 

と、飼い主より先に正解に辿りついているのがいいんですよね。

 

その際、チエちゃんから小鉄はどっち似かと聞かれて

きびしいこときくなあ

どっちに似てるゆわれてもワシの場合目が開いたらダンボール箱に乗って河の上を流れとったもんなあ

猫にも捨てられた痛みはあるのさ

 

と深刻な身の上をひとり思い返しているのも男前。

 

 

ジュニアはお好み焼き屋に居座るオバはんらに、ソース塗ったお好み焼きをぶつけまくって顔に青ノリまでかけて撃退したというのが、バクチ屋の用心棒だった父親を彷彿とさせて好き。

 

 

 

 

まこと、一人ひとりのキャラが立ちまくっているのがさすがですね。

 

それにしても本当にストーリーを覚えていない。

原作もアニメも当時かなり見たはずなんだけどなあ。

 

5巻以降も登場人物たちの魅力掘り下げが続いて楽しませていただけますように。

 

 

 

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