いのたにさんのラーメンを食べがてら徳島城博物館と三好長治終焉の地を訪れまして、阿波国を巡る戦国興亡ドラマに浸ることができてかんたんしました。
www.city.tokushima.tokushima.jp
www.town.matsushige.tokushima.jp
徳島城博物館「阿波戦国絵巻―細川・三好・長宗我部・蜂須賀―」展。
担当者の方がそうとう気合の入った戦国時代ファンなのか、展示構成や解説文ひとつひとつに気持ちがこもりまくっていてかんたんしました。
各地で三好関係展示が開かれるだけでも衝撃なのに、その熱量までハイレベルなのですから現実感がない多幸感に包まれてしまってどうしましょう。
想像していた以上に世の中には三好家ファンが多いようでマジで頭が下がりますしただただありがたいっす。
タイトル通り細川讃州家・阿波三好家・長宗我部家・蜂須賀家および千利休さんの珍しいものがいっぱい見れますので、各家のファンは多少遠くてもぜったい見た方がいいし図録も手に入れた方がいいと思いますよ。
個人的に印象に残った点を書きますと
- 三好家最初期の活動を知れることで有名な、犬神呪術師取締命令文書が見れる!
- 三好之長さんの木像、彩色が摩耗した結果、絶妙に顔が脂でテカっているように見える。
- 三好実休さんの画像(ムチムチの方。太りやすい家系なのだろうか)の賛、あらためてまじまじ読むと普通に「之虎」と明記されてますね……。
- 讃州寺所蔵文書の細川氏之(1540)、遊佐長教(1549)、三好実休(1551)という組み合わせ・実力者の変遷が感慨深い。
- 他の方々と見比べると安宅冬康さんの字はものすごく繊細な印象を受ける。内容も風流。
- 十河一存さんの花押が見れる。内容も面白い。
- 勝瑞城発掘の茶器が素人目にもセンスいい。三彩の水滴も刷毛目茶碗も。
- 千利休さんと三好宗渭さんの仲良さは近年注目ですね。宗三さん時代も仲良かったりしたんでしょうか。
- 戦国武将列伝で紹介されていた三村元親さんと細川讃州家の結びつきを示す文書がさっそく展示されていて感激。
- 小早川隆景さんの木像、静かかつ迫力があって大人物感を見事に表現していますね。大阪城がこんなの所蔵していたなんて知らなんだ。
- 長宗我部氏が阿波国南部の日和佐氏にかなり気を使っていた様子が知れて面白い。境目の国衆って本人も大変ですけど相手する方も大変ですよね。
- 本能寺の変付近の長宗我部家関係文書(いわゆる本能寺の変四国が原因説の根拠文書シリーズ)が充実しているので、戦国時代ファンなら幅広く楽しめると思います。
- 伝蜂須賀正勝さん所用の胴丸、朱漆と金箔のバランスが良くていいですね。
- 見性寺さん、蜂須賀氏時代に入った際は十五石しか寺領承認してもらえなかったんですね……。
等々。
展示に加え、徳島城は散歩するにも気持ちよございます。
藩祖の蜂須賀家政さん。
肖像画といい、いい感じに丸みのある表情が好感度高いですよね。
城山で目や耳を楽しませてくれる野鳥たち。
私が行った時間帯だとヒヨドリの鳴き声が元気でしたわ。暖かかったからかな。
本丸跡の脇に立つ清玄坊さんの供養碑(神社)。
犬神といい山伏といい、どうも三好家の界隈には呪術的なにおいが漂います。
もしかしたら三好元長さんvs本願寺の戦いは土着の古き神々vs阿弥陀仏の代理戦争だったのかもしれませんね(迫真)。
最後に、行ったことがなかったので三好長治さんの終焉の地も訪れてみました。
戦国時代、下克上事案は各地で見られますが、下克上返しを喰らった人物はそう多くはない気が。
終焉の地のすぐ向こうは海が広がっています。
淡路か畿内にひとまず逃れようとしたんでしょうが、追手の関係か船の関係か、諦めるしかなく海を目前に自決なされたというのも哀愁深いものがありますね。
なお、長治さん終焉石碑の手前には「南無阿弥陀仏」石碑がありましたが、法華ガチ勢の長治さんに思うところあっての設置なのかどうかは分かりませんでした。
細川・三好を含む形で阿波の戦国時代が注目されるのは画期的なことだと思いますので、ご当地でも戦国時代への関心が高まって、研究も一層進展していきますように。
おまけ、有名な徳島ラーメン「いのたに」さん。
とてもおいしいの。
醤油系統の強めスープに生卵というのが徳島ラーメンのオーソドックスなフォーマットかと思いますが、関西人だといまはなき京都の東京ラーメンを思い出してしみじみする方も多いんじゃないでしょうか。鼻歌まじりのたまごラーメン小ライス的な。