「<武家の王>足利氏」という本を読んでいたら無性に信長の野望・蒼天録の早解三昧をプレイしたくなり、Steamで衝動買いしてクリアして、その足利氏の御威光に浸れるシミュレーションプレイの楽しさにかんたんいたしました。
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発売当時の蒼天録を現在のPCでプレイするのは設定が面倒そうだったので、Steamで買いなおすことにいたしました。
Steamってインフラは本当に便利ですね。
さて、信長の野望・蒼天録の早解三昧。
蒼天録のPKにはゲーム設定をカスタマイズした「特撰」というチャレンジモードが複数収録されておりまして、こちら「早解三昧」はゲーム開始10年以内に大勢力(点数評価:3000点)になればOKという内容です。
素直に考えれば織田家やの毛利家やの島津家やの北条家やの武田家やの上杉家やのの強い勢力でプレイすると楽そうに思えるのですけど、有名な解法としては「足利家プレイ」というのがありまして。
蒼天録は最近の信長の野望シリーズと違って「外交で他の大名家を屈服させる」という勢力拡大手法が存在し、しかも外交の成功判定でキーとなるのが大名家の「名声」ですので、伝統的権威をたっぷり保有する足利家というのは外交成功率が随一なのであります。
この設定は、従来の力なき存在として扱われがちだった足利家の姿ではなく、近年注目されつつある「武力はないけど利益も価値もふんだんにある足利家」というファクターを鮮やかにゲームに落とし込めているということでして、蒼天録というマニアックなゲームがいまだにキラリと光る逸品たらしめている訳であります。
さて、1560年の足利義輝さん(名声1403、城数2)。
史実の義輝さんは三好家と和睦して畿内を安定化させたところです。
1560年は桶狭間の戦いで著名ですが、この頃の畿内情勢としては正親町天皇の即位式があったりガスパル・ヴィレラさんが都での布教の許可を得たり三好家がちゃっかり河内への侵略を始めたりしている感じですね。
ゲーム開始直後。
何もしていないのに、松永久秀さんがいきなり寝返りを申し出てきてウケました笑。
この頃の松永久秀さんは忠臣説等かけらも広まっておらず、むしろ隙あらば寝返るおじさんとして有名になりつつあるところだった気がいたします。
プレイヤー操作フェーズになりました。
さあ、初手で三好家を脅迫いたしましょう。
交渉相手は三好長慶さん(名声771、城数9)。
「当家の浮沈はわしの
働きにかかっておる
いっそう頑張らねばならぬな」
というセリフが実に重いですね。
脅迫1回目。
「まだ決心がつかぬ」
多くを語るまでもなく揺れまくっている長慶さんの姿が涙を誘います。
足利家に対して圧倒的優位な状況を維持しているのになぜそんなに弱腰なんだ。
これが「権威」「常識」の重さなのか……。
脅迫2回目。脅迫は同じターンの中で家臣の数だけ実行できます。
「もはやこれまでだ
当家は足利家に
従うことにいたす」
長慶さん涙
これでは弟さんや久秀さん(寝返り密約済)や世間様から頭がおかしくなったんちゃうかと思われても仕方ありません。
仕方ないんや、偉大なる将軍様に睨まれたら天下随一の実力を有する長慶さんとてどないもならんのや……。
この展開には足利氏を研究している方々もニッコリでありましょう。
さらに脅迫3回目。
今度は従属脅迫ではなく、家臣化(完全屈服)脅迫を行います。
「もはやこれまでだ
当家は足利家の
一員となろう…」
諦めが良すぎる長慶さん笑
この無気力ぶり、既に201X長慶さんの片鱗が見られると言わざるを得ないですね。
まあフォローすると、長慶さんに限らずたいていの大名は足利家の威光で初手脅迫可能なのであります。
三好家をまるっと取り込んだ足利家。
1ターン目にして天下第一の勢力になることができました。
足利家の権威と三好家の暴力が融合した無敵の中央政権が誕生です。
きっと足利義晴さんも草葉の陰で喜んでいることでしょう。
2ターン目。
元三好家の人材も活用し、各地の大名家に脅迫しまくります。
結果。
六角家も浅井家も斎藤家も本願寺も、足利家の権威に跪きました。
もはやなんで戦国時代になったのか分からないレベルです。
そして3ターン目も脅迫に励み。
あっさりとクリア条件を達成することができました。
一滴の血も流さずに天下を平定……
足利義輝さんはまこと英邁な天下諸侍御主に候やでぇ……!!
なお、そんな義輝さんに膝を屈しなかった畠山高政さんが個人的MVPです。
かつての管領家、畠山家当主としての矜持を感じましたね。
あんた漢だ!
ターンを終了して、次の4ターン目冒頭にクリア画面です。
いやあ楽しかった。
このクセのあるゲーム展開こそが蒼天録の魅力ですね。
また他の三昧も久しぶりにやってみようかしら。
今後の信長の野望シリーズにも、足利氏の血の重さのような、単純な兵数や武将能力では計り知れない味付けがなんらか実装されて多様な遊び方に繋がりますように。
「<武家の王>足利氏 戦国大名と足利的秩序 感想」谷口雄太さん(吉川弘文館) - 肝胆ブログ