肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

隠岐の島観光「島後:山中鹿之介潜伏先、水若酢神社、玉若酢神社、白島等」

 

隠岐の島にかんたんした続きです。

 

隠岐の島観光「島前:後鳥羽上皇、後醍醐天皇、摩天崖トレッキング等」 - 肝胆ブログ

 

 

こちらは島後。

 

 

島後には、山中鹿之介(幸盛)さんや尼子勝久さんがしばらく潜伏していたという伝承があり、城跡もいくつか残っております。

sitereports.nabunken.go.jp

 

 

 

潜伏先その①、国府尾城。

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島後中心部からほど近いところにあるのですが、残念ながら日ごろは現地の人も観光客も訪れることはなさそうな雰囲気で、やぶ蚊の大軍に襲われてえらい目に遭いました。

マムシとかもいそうな感じですので、訪れる際はご注意ください。

いちおう、城跡のある山が「城山」と呼ばれているようなので、城があったという事実は認知されているみたいです。

 

 

掘割?

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井戸の跡?

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このお城は港からも近いので、本土と連絡を取るにも隠岐経済に介入するにも便利だったのは間違いなさそうです。

 

 

 

潜伏先その②、宮田城。

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看板は発見しましたが、その先は民家&工事現場になっていて、ちょっと様子を見てもどこが登山口なのか分からないので潜入は断念しました。

内湾部に面している位置にありますので、こちらのお城も隠岐の水運経済に介入するにはよさそうな感じです。

 

 

 

潜伏先その③、勝山城。

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こちらも看板は発見しましたが、登山口が見つからない&見つけても山頂は遥か彼方ということで潜入は断念しました。

 

こちらのお城は島後の内陸部にありまして、なおかつ国府尾城と連絡を取りやすい位置にございます。

尼子再興軍の方々、毛利家の追手への備えをかなり入念に築いていたんですね。

仮に吉川元春さんとかが海を越えて隠岐に攻め寄せてきて、この島後を舞台に尼子勝久さんを守って奮戦する山中鹿之介さんとかが実現していたらそれはそれで絵になるような気がします。

激戦の果てに尼子主従は戦死するんだけど遺骸は発見されず、実は朝鮮半島まで逃れて満州まで行ってヌルハチさんと合流したんです的な伝説が生まれたりして。

 

信長の野望・大志「毛利元就と毛利家(1567年天下布武)」と「山中鹿之介言行録」 - 肝胆ブログ

 

 

 

お城から寺社に移りまして、まずは水若酢神社。

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こちらの神社も見応えがございます。

厚い茅葺がとてもご立派。

 

 

隠岐は相撲が盛んで、あちこちで土俵を見かけます。

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何人かの島の人に「やっぱり推しは隠岐の海関ですか?」と聞いてみたところ、

  • 稽古が足りない
  • 土俵際の粘りが足りない
  • でも好き
  • 怪我せずに長く続けてほしい

という意見でみんな一致していたのが印象的です笑。

 

隠岐の島出身の力士は八角部屋にたくさんいはりますので、要注目ですね。

 

 

 

 

続いて玉若酢神社。

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こちらの建築・茅葺もたいそう立派です。

いいですね、隠岐の神社。

 

 

鳥居の向こうに見える山が、国府尾城です。

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フォトジェニックな手水舎。めっちゃきれい。

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フォトジェニックな八百杉。めっちゃ神秘的。

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神社の次は、国分寺跡へ。

こちらも後醍醐天皇行在所跡と伝わっています。

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看板にもありますが、廃仏毀釈でお堂や寺宝の多くが焼けてしまったそうです。

天皇所縁の島故か尊王系教養の高さ故か、隠岐廃仏毀釈は激しかったようで……。

 

 

隠岐騒動という市民革命もやってはりますしね。

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史跡の後は、自然を。

小野篁さんも歌に詠んだという白島を観に行きました。

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残念ながら靄がかかっていてクリアに観ることはできませんでした。

小野篁さんは上司に逆らってリアル島流しにされてしまうも、その後見事に復帰して文才を以て活躍したという公務員の鑑のようなお方ですね。

 

「小野篁 その生涯と伝説 感想」繁田信一さん(教育評論社) - 肝胆ブログ

 

 

 

那久岬の燈台。かつては島後水道の道しるべだったそうです。

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島のあちこちで見ることができるアジサイ

年間を通じて咲いているそうな。

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その他のチップス。

隠岐にはカッパもいらしゃるらしいっす。

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ちゃんとぶっといキュウリが供えられていて感じ入りました。

 

 

 

写真は撮っておりませんが、隠岐は料理もおいしかったです。

観光的にはサザエやアワビやノドグロなどを推しているそうですが、私がいただいた中では「白バイ貝」「もずく」「アジの干物」などがしみじみと美味でお気に入り。

とりわけ白バイ貝は大きくて柔らかくてクセがなくて上品なうま味で、おすすめです。

 

 

以上、隠岐イイよ隠岐、というご紹介でした。

船旅、潮風、歴史、大自然

みんな一生に一度は隠岐に行ってみるといいと思いますよ。

 

 

私自身、もう何周か中世史や北前船や地学や生物多様性を勉強して、より隠岐の値打ちが分かるようになってから冥途の土産にもう一度再訪する機会に恵まれますように。

 

 

 

 

隠岐の島観光「島前:後鳥羽上皇、後醍醐天皇、摩天崖トレッキング等」

 

歴史ファン憧れの島である隠岐に行ってみたところ、歴史関係のロマンを存分に味わいつつ、想像以上の大自然スペクタクルにも出会えてかんたんしました。

 

oki-dougo.info

 

 

隠岐の島の図。

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隠岐の島ってひとつの島だと思っている人が多いんですが、実は複数の諸島から成り立っているんですよ。

皆様知っていましたか。私は恥ずかしながら行くまで知りませんでした。

おおきくは図奥の島前と、図手前の島後という二つの地域で構成されています。

 

 

今回は島前です。

隠岐の島といえば後鳥羽上皇配流と後醍醐天皇配流&脱出という人も多いと思いますが、このお二人に関係する史跡の観光は島前が中心となります。

 

 

まずは島前の中ノ島、海士町にあります隠岐神社。

okijinja.sakura.ne.jp

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後鳥羽天皇を祀る神社でして、後鳥羽上皇の行在所である源福寺跡や後鳥羽院資料館にも隣接しております。

 

リンク先でも見ることができる、「菊浮線」の紋がいいですね。

 

 

行在所(源福寺)跡。

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後鳥羽上皇は日本刀を愛好されていたこともあり、現代でも刀鍛冶から厚い尊崇を受けておられるそうです。

資料館でも日本刀を拝見することができますよ。

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後鳥羽上皇承久の乱の経緯で隠岐の島に配流されてしまいましたが、江戸時代頃から再評価がなされ、昭和初期の隠岐神社創建に至ったようです。

ご本人の無念等はさておき、隠岐神社は桜の名所として地域の人々からも愛されているようですし、悪いことばかりではないよなという気持ちにもなります。

 

「承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱 感想」坂井孝一さん(中公新書) - 肝胆ブログ

 

 

 

隠岐神社と港(菱浦港)の間には、後鳥羽上皇を支えた「村上家」の資料館と、その城「因屋城」がございます。

村上家は交易で全国に名を知られた豪族兼豪商で、後鳥羽上皇の資産管理担当の公家「水無瀬家」とも代々交流を持っていたそうで。

 

因屋城跡。村上家資料館の左手にある階段を登ったところです。

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戦国時代、村上家は毛利家に属していたそうで、隠岐に攻め寄せてきた尼子家残党軍とこの因屋城で戦って追い返したという伝承が残っています。

 

島前には村上家の他に松浦家という有力者もいらっしゃるのですが、それぞれが著名な水軍衆と同じ名字なだけに、何か繋がりがあったんでしょうかね。

 

 

 

 

続いて、海士町から内航船で西ノ島へ。

(今回、知夫里島には行けませんでした。赤壁見たかったんですけど)

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太平記の里。

西ノ島の歴史観光は後醍醐天皇推しです。

 

 

黒木御所。後醍醐天皇行在所跡と伝わっています。

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建武中興発祥之地」という石碑がイカつくていいですね。

 

黒木とは加工していない(樹皮がついたままの)木材のことで、他の天皇が配流された佐渡ヶ島等にも同様の地名が残っているそうです。

 

後醍醐天皇行在所は、島前の黒木御所説と、島後の国分寺説があるそうで、一般的には島後の国分寺説が定説になっているそうですが、隠岐の島の住民(島前・島後両方)的には黒木御所説の方が有力、とのことでした。

脱出の機を伺うなら本土に近い島前の方が合理的とのことで。

 

 

 

黒木御所からほど近いところには、後醍醐天皇が脱出して船を待つ際に腰掛けたという石まであったりします。

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こういう「●●さん腰掛石」ってあちこちで見かけますけど、石に座っただけで史跡になってしまうのだから高貴な方や有名人の力ってのはドエライもんだと思います。

 

「南朝研究の最前線」編 呉座勇一さん/監修 日本史史料研究会(洋泉社歴史新書) - 肝胆ブログ

 

 

 

続いて神社をふたつほど。

隠岐の島は素敵な神社がたくさんあるんですよ。

 

 

由良比女神社。昔は付近にイカが大量に打ち寄せてきていたことで有名だそうです。

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社殿建築が超イイの。

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名産のイカの彫り物があったりも。

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隠岐の島は北前船交易で栄えた歴史があるので、神社も大坂あたりの腕のいい職人の手を借りて見事なものを築くことができたそうです。

 

 

 

こちらは重要文化財の焼火神社。駐車場から山道を徒歩15分。

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洞窟の形にあわせて社殿をつくったそうです。

 

ちなみに隠岐の島は火山島(島前は世界でも珍しいカルデラの内海を持つ)なので、この洞窟も火山活動によってできたのでしょう。

 

 

付近では夏の紅葉がきれいでした。

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野鳥も多く、トンビやキジも見かけました。

キジは猟師来島目当てで放鳥したそうですが、あまり猟師は来てくれず、どんどん繁殖しているそうです。マムシを食べてくれるのはありがたいそうですが。

 

 

港(別府港)には水木しげる先生の焼火神社エピソードも。

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史跡の次は、大自然

この大自然がですね、下調べせずに「ついで」くらいの気持ちだったのですが、めっさかんたんしてしまう絶景でございまして……。

 

「摩天崖」という地上257m、70階建てタワマン並みの断崖から、「通天橋(国賀浜)」という奇岩までをトレッキングしてみたところですね。

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ちょっとジャパン離れした景色が続くのですよ。

 

 

スタート地点。

遥か向こうにあるネズミ色の地点(駐車場)まで、緑を1時間かけて歩いていきます。

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こういう草っぱらをのんびりとね。海風も快く。

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辺りでは、普通に牛や馬が散歩しています。

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食事中の方には失礼ですが、牛糞馬糞が大量に落ちているので要注意です。

 

 

イケメンの馬。

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首がかゆくて標識でかいている馬。この後標識は倒されていました。

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摩天崖からの絶景。

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摩天崖を離れたところから。

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デカいってただただ素晴らしい。

 

 

ゴール付近まで降りてきて、通天橋と観音岩。

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尖っているのが観音岩で、角度等によっては観音像に見えるそうな。

 

 

以上のコースを遠くの赤尾展望所から眺めたところ。

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このトレッキング、本当に気持ちよかったです。

非日常感あふれる景色。超贅沢な時間。

基本下り坂なのでしんどくないし。

 

隠岐の島へ行くことがあれば、ぜひ歩いていただきたい場所ですよ。

 

 

 

残念ながら隠岐の島はインバウンド等の恩恵もほとんど届いておらず、これだけの豊富な観光資源を持ちながら観光客は減っていっているそうです。

ロマンに満ちた史跡、圧倒的な絶景、カルデラに代表されるジオな地形、多様な生物、おいしい魚介類と揃っている中でなぜ。

(首都圏・博多との直行便がない、魅力も彼らに伝わっていない、からな気がする)

 

 

隠岐の島の観光客が上昇に転じて少しは盛り上がって、豊かな史跡や自然がこれからも保全されていきますように。

 

 

隠岐の島観光「島後:山中鹿之介潜伏先、水若酢神社、玉若酢神社、白島等」 - 肝胆ブログ

 

 

「クマ撃ちの女 1巻 感想」安島薮太先生(くらげバンチ)

くらげバンチで連載している「クマ撃ちの女」の初単行本が発売されて、あらためて全話読み返したらやっぱり面白くてかんたんしました。

 

kuragebunch.com

 

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小坂チアキ、職業・兼業猟師。彼女が狙うのは、“日本最強生物”エゾヒグマ……!! 北海道を舞台に描かれる、命がけの狩猟劇!!

 

 

 

タイトル通り、ヒグマ狙いの女猟師「チアキさん」をルポルタージュする漫画です。

 

チアキさんは架空の人物だと思われますが(?)、そうとう入念な取材をされたのか、非常にリアリティ&魅力のある人物造形がなされていて、彼女の魅力と狩猟描写の魅力とでグイグイ読者を引っ張ってくださる力のある作品なんですよ。

 

 

 

何といってもチアキさんのキャラが立っていてですね。

独特の喋り方、独特の表情の豊かさ、いまだ明かされない重い過去、銃への深い愛情、積み重ねた修練と手入れ、確かな殺意、独特の情感が乗ったセリフ。

「狙いやすくなりますぅ便利ですぅ」

「コレはクマの脂肪を精製したものですぅ!」

「まぁ私も時々浮気しますからぁお互い様です」

(こ…このままだと 死ぬ…死ぬ…死ぬ 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ…)

 

しっかりとした心構えと準備と訓練を積んでいてなお、冷静沈着でなんていられるはずもなくて、ハイになったり焦ったり怯えたりしながら、クマ撃ちの意志だけはまったくブレないところがとても素敵だと思います。 

 

 

 

相方のルポライター「伊藤さん」も真面目な観察ぶり、食らいつきぶり、リアクションぶりが魅力的なお兄さんでしてね。

「う…うめー!!」

「おばぁああ!!」

 バビビビビビッ

「こ…殺し上戸って聞いた事ないですけど!」 

(僕は何も出来ない チアキさんは……死ぬ!!) 

 

要所要所で的確かつ上質な状況説明を入れてくれる、不可欠のキャラになっています。

素直な「はい!」という返事が好感度高くてたまらない。

無事にルポ本を発表・発売できるといいですね。

 

 

 

この二人に加え、クマをはじめとする野生生物、山、森、川、自動車、小道具、食材、ビール、そしてライフル等の入念な書き込みが説得力を高めておりまして。

 

ほんま作品全体にリアリティというか、「実感」がこもっているんですね。

 

山歩き、疲労感、匂い、息遣い。

クマとの遭遇、緊迫感、焦燥、息遣い。

喉の渇き、冷えたビール、焼ける肉の音、笑い。

 

五感に訴えるような描写の数々がまことに見事であります。

作者さんは新人とのことですが、やや信じられない。この描写力は武器だと思います。

 

漫画に限らず、文芸作品って、突き抜けた発想とか凝った仕掛けとか類のない表現とかの楽しさもよいものですが、実感のこもった人間の営みをひたすら忠実に描写することそのものの楽しさも実によいですよね。

 

 

細かなストーリーの説明はしませんが、サラッと読んでもじっくり読んでも楽しめる、クオリティの高い作品なのでおすすめですよ。

書籍派の人は手に入るうちにコミックスを確保しておきましょう。

 

 

たいへん好みのタイプの作風ですので、作者の安島薮太先生がこれから息の長い活躍をしてくださいますように。

 

 

 

「アクタージュ7巻 感想 天知心一氏の目的は」原作:マツキタツヤ先生 / 漫画:宇佐崎しろ先生(ジャンプ)

 

ちょっと遠出していて本屋さんへ行けない間にアクタージュの最新刊が発売されていて、発売日から1週間くらい経ったのに単行本が平積みされて目立つ場所で売られていてかんたんしました。

1巻2巻の頃は入手することすら大変だったのに……よかったよかった。

 

www.shonenjump.com

 

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表紙が素晴らしいですね。

季節は夏から冬へ。1巻との表情の違いが、そのまま夜凪景さん(およびこの作品)の変化と成長を表しているようでいいなあと思います。

 

(1巻)

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7巻は学園編、夜凪景さんが役者業をいったん休止してフツーの女子高生の生活を得ようと奮闘する話です。

フツーを入手するのに奮闘しなきゃいけないところが彼女の気の毒な生まれ育ちと直結していますね。

 

 

以下、少しだけネタバレ混じりの感想を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクタージュは目的意識がしっかりくっきりしている大人のキャラクターが多くて、私はそういうとこも好きなんですが、この学園編は逆にまっとうな若者、目的や進路に悩む、等身大の可能性なキャラクターが出てきたのが実によございました。

 

夜凪景さん、アクタージュという作品、のこれまでと現時点の立ち位置を作者さんも読者さんも一緒に確認する、新学期前の連休のようなイイ章だったなあと思います。

 

 

とりわけ朝陽ひなさんという人物はいいですね。

フツーフツーを連呼しつつ、健全で、プレーンで、揺れていて。

 

彼女のセリフの一つひとつが好きです。

「夜凪さぁ 吉岡の名前覚えてた? 私の名前は?」

(私が一番先に仲良くなりたい)

「夜凪さぁ!」

 

童謡縛りカラオケで盛り上がってくれるとことか最高やん。

 

読んでて思いましたが、“フツーにあざとくてウザくて意味不明”っていう体験をすることって、フツーの人生、とりわけ高校生時点では意外と少ないですよね。

若い衆の世界では、そういう体験が起こるのを待っている人が大半で、目的意識が明確な人の方がレアであろうと。

 

彼女の存在が、アクタージュの世界を一層複層的にしてくれた気がします。

 

 

 

他に単行本で面白かったのは、何と言っても手塚監督のオマケ漫画でしょうか。

ええわあ手塚監督。

精神的にも年齢的にも成熟した美女に慄きつつも信奉している感じが。

 

 

あとはウルトラ仮面のデザイン、冷静に見たらウルトラマンファンにも仮面ライダーファンにもウケなさそうな独特の代物で面白いなとか、

裕次郎さん告別式で止めていたタバコを吸ってしまう黒山墨字さんとか。

 

 

 

 

さて、7巻では天知プロデューサーが登場しました。

 

現時点では顔見せ程度で、具体的な動きは見せておりませんが、作品的に新たなキーマンとして存在感が増していきそうな気配がぷんぷんします。

役者とも演出家とも違う、別軸の定義で動く、大きくは悪役? という印象ですが。

 

大金を動かしていたり、

悪名が知れ渡っていそうであったり、

黒山墨字さんのことを名字呼び捨てしていたり、

フックが散りばめられているこのキャラ、一体何を目的に動いてはるんでしょうね。

 

アクタージュの他の大人との対比でも、この天知さんも何らかの目的意識は持っているんだろうなとは予想しているんですけど。

単なるお金稼ぎ目的の人なら夜凪景さん関係で損失が出た時点でイライラするはずで、どっちに転んでもOK的な平然としたアティチュードを見るに、お金稼ぎは手段であって目的ではないタイプなんだろうなあと。

 

 

ジャンプ漫画でこういう雰囲気の人物というと、個人的にはダイの大冒険キルバーンさんと、キン肉マンのサイコマンさんがパッと思い浮かぶんですけどね。

前者は目的も手段も他の悪役とは違っていた人(?)で、後者は目的は他の悪役と一緒だけど手段が違っていた人(超人)でして。

 

後者で、目的はあんがい黒山墨字さんと近いんだけど、手段が違い過ぎて決別したとかなんかもしれないですね、天知さん。

そうすると、最終的にはアロガント・スパーク喰らって大黒天消滅ビームを身代わりに浴びて絶命しちゃう役回りになるのか。

 

 

今後の展開で、天知さんがどんな状況や理由に感情を露わにして、どんな動機や目的で魅せてくれるのか、楽しみですね。

 

 

 

大きな意味で新たな季節に入っていくアクタージュが、ますます面白く盛り上がっていきますように。

 

 

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「青年 感想」森鴎外さん(岩波文庫)

 

森鴎外さんの「青年」を初めて読んだのですが、イメージとは異なる「人妻(未亡人)の虜になってしまう青年モノ」な物語にかんたんしました。

 

www.iwanami.co.jp

 

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岩波文庫による紹介

現代社会を描きたいという希望をもって東京へ出た文学青年小泉純一が,初志に反して伝説に取材した小説を書こうと決意するまでの体験と知的成長を描く.作中に夏目漱石,木下杢太郎,正宗白鳥森鴎外自身などをモデルとした作家が登場する.漱石の『三四郎』と並称される鴎外初の現代長篇小説.改版(解説=須田喜代次

 

 

ということで、文学的というか、内省的というか、懊悩的というか、そういう小説なんだろうなと思っていたところ、いや、実際そういう面もふんだんにあって確かに文学的傑作なんですが、それよりも森鴎外さん48歳(執筆時)による人妻(未亡人)ってイイよね……的要素がいちばん強烈に印象強くて面白かったです。

 

 

以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主人公は文学青年の小泉純一さん。

童貞、イケメン、実家が金持ち、故に無職(小説家志望、但し書いたことはない)。

小説家になりたくて、故郷の山口から東京に引っ越してきたところ。

 

無職なので暇です。

小説家のところを訪ねていったり、難しげな本を読んでみたり、お友達と東京近郊の観光にいったりと、優雅な暮らしをしております。

 

イケメンなので、女性はみんな彼に一目惚れします。

なんだこの主人公。

 

そのまま同世代の女性あたりと付き合って身の丈にあった恋愛でも覚えていければよかったのですが……

 

 

人妻(未亡人)と知り合う

 ↓

本を借りる約束をする

 ↓

人妻(未亡人)の家に赴く

 ↓

童貞を捨てる(奪われる)

 ↓

懊悩する

 ↓

もう会わないと思ったり思わなかったり

 ↓

また会いにいく

 ↓

懊悩する

 ↓

もう会わないと思ったり思わなかったり

 ↓

また会いにいく

 ↓

酷い現実を突きつけられる

 ↓

懊悩する

 ↓

もう会わないと思ったり思わなかったり

 ↓

いまならイイ小説が書けそうな気がする

 ↓

完!!

 

 

……という美しい文学的流れで物語は進展していく訳ですね。

 

あ、一応断っておきますが、明治期の文学なのでダイレクトないかがわしい描写はございませんのでお含みおきください。

 

 

こういう楽しいプロットの上に、森鴎外さんらしい当時の社会への洞察、青年特有の(ある種自己中心的な)懊悩、それぞれが魅力的な空気を放つ女性たち……などなどの優れた描写が乗っかって、実に満足度の高い作品に仕上がっているのです。

 

 

慰められるのは主人公と友人の、青年期における友情の素晴らしさの描写。

人妻(未亡人)とのあれやこれやで濁り始めている主人公の物語において、非常に爽やかな得難さを与えてくれる場面になっているんですね。

 

「きょうは話がはずんで、愉快ですね。」

「そうさ。一々の詞を秤の皿に載せるような事をせずに、なんでも言いたい事を言うのは、我々青年の特権だね。」

 

みたいな会話は、森鴎外さん48歳も、我々青年でない読者も、確かに眩しさを感じる青年期の幸福だと思うのです。

 

 

 

 

身の丈に合わない恋愛の懊悩も、若い友情の素晴らしさも、世代を超えた不変のテーマでありますし、それらを鮮やかに描いてみせたこの「青年」は現代でも不変の傑作だと思いますね。

もしかしたら青年よりも、元青年にこそ勧めたい作品かもしれませんが。

 

 

 

これから日本では人数が減っていく青年の方々も、同じように素敵な経験値をたくさん身につけて立派な社会人になっていかはりますように。

 

 

 

 

信長の野望201X「南部家ストーリー攻略 陸奥」と「中国火鍋コラボの雪女が共感を誘う」

 

信長の野望201Xに南部家ストーリーが実装されて喜んでいたところ、陸奥魔窟が満足度の低い「ボス1戦のみ仕様(ウエポンオンリー等限定的なプレイでないとS評価困難)」だったので面倒だなあと思っていたら中国火鍋ダンジョンがカオスに面白くてかんたんしたのでやっぱり201Xは楽しいなあと喜んでいる次第です。

 

陸奥地域

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下北半島に魔窟があるのが味わい深いですね。

 

 

 

ストーリーもいよいよ南部家です。

明智光秀さんが裏でいろいろ画策しはりつつ、表では主に南部晴政さんと津軽為信さんがクセのあるおじさんキャラになって活躍してはって楽しいですよ。

 

 

開始のっけから

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こういう説明が始まって「アカン」と思いましたが、中身はいつも通りの平和な201Xでありました。

 

 

 

ヒロイックナル気味自伝おじさんになっている南部晴政さん。

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三国志大好きおじさんになって謀反独立を忘れがちになる津軽為信さん。

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南部家は騎馬軍団ならぬスノーモービル軍団の結成を検討中のようです。

ヒャッハー感マシマシの異聞イベントがいずれ来る前フリだったらいいな。

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攻略的には、後半のエリアから鬼主体の敵構成になり、銀魔鬼さんも混じってくるので対応を検討する必要があります。

毎ターン兵器を打てる人とか、無属性攻撃ができる人とかがいると便利ですね。

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問題は魔窟です。

ボス1戦だけの構成になっていて、普通に戦うとS評価を取るのが難しいパターンです。

 

ので、弾薬箱や予備弾倉を使って、ウエポンオンリー・現代兵器マニアを狙ってS評価を取っていく訳ですが。

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けっこう事故死が多くて、トライ&エラーが必要でございました。

 

ストーリー攻略もますます難易度が上がってきていますね。

なにとぞお手柔らかにお願いします。

 

 

 

 

ボスでは雪女さん、雪男さんが新登場してきます。

 

こちらは雪女さん。

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タフだなあ、やだなあと思っていたんですが……

 

 

 

現在開催中の中国茶房8さんコラボイベント、中国火鍋ダンジョンでも雪女さんが出てきはりまして……

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なんか共感を誘うような自分語りを始めやがりまして憎めなくなりました。

皆様も報われぬ恋路にはお気をつけくださいまし。 

 

渡しファミリーといい、さいきんの幽魔さんたちは神秘性とか異世界性とかが薄れてきて、難儀な知り合いくらいの扱いになってきているような気がします。

この人?たち、なんで現世に侵略してきてるんでしたっけ。

 

 

 

 

今回は伊達家の皆様はお休みでした。

 

これから蛎崎家や九戸家を巡った上で、また伊達家に戻っていく感じなんですかね。

第二部のクライマックスに向けて一層の盛り上がりを味わわせてくださいますように。

 

 

 

信長の野望201X「伊達家④&安東家ストーリー攻略 羽後」と「今更ながら兵器特化って便利っすね」 - 肝胆ブログ

信長の野望201X「奥州決着篇①ストーリー攻略 陸中」 - 肝胆ブログ

 

 

 

 

「戦国京都の大路小路」河内将芳さん(戎光祥出版 実像に迫るシリーズ)

 

戦国時代の京都市街の様子を解説している本を入手できてかんたんしました。

前から読みたかったんですが、なかなか本屋さんに置いてなくて、webで注文するのもうっかり忘れていて、ようやく出会えた次第です。

 

www.ebisukosyo.co.jp

 

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変貌する〝戦国京都〟。 平安京の衰退、長きにわたる応仁の乱により、失われていった大路・小路。 一方、「上京」・「下京」の成立や、大路・小路から「通」への変化など、現代につながる新たな動きが。 次々に変化していく〝首都〟京都を、信長や秀吉たちはどのように支配したのか!?

 

 

タイトル通り、特定の戦国武将ではなく、戦国時代における京都の街並みや通りにフォーカスした本になります。

中世史の本は人物や家、組織を切り口にしたものが多いのですが、こうしたインフラや文化面からの研究は貴重ですし、読んでいて面白いですね。

 

「実像に迫る」シリーズということで、100ページ前後のボリューム、美麗なグラフィック資料満載という構成になっています。

とっつきやすいですし、歴史系の創作をする方等にとっては非常によい資料になると思いますよ。

 

 

かんたんに戦国時代の京都について紹介されている事柄を例示しますと、

 

  • 主に上京(一条より北)と下京に分かれていたこと
  • 上京と下京は、それぞれ「構」「惣構」とよばれる防壁に取り囲まれていたこと
  • 街中にも田畠が多く、朝廷近くまで麦畑がせまっていたこと
  • 高倉小路から東、五条大路から南は田畠や河原が広がっていたこと
  • 平安時代に築かれた「大路」「小路」は、道路の一部まで宅地や田畠として利用されるようになり(巷所という)、道幅がかなり狭くなっていたこと
    (「大路」という言葉が消えていき、主に「通」と呼ばれるように)
  • 道路をはさんだ両側の町屋が「町」として共同体を形成していったこと
  • 各町の出入り口には「木戸門(釘抜という)」が立てられていたこと(交差点には四つの木戸門が設置されている)
  • 室町通が上京と下京を結ぶ中心軸として活用され、賑わっていたこと
  • 三条、錦小路、六角、町通(新町通)界隈は、下京経済の中心軸であったこと
  • 三条室町、あるいは三条烏丸に米市場があったこと
  • 室町から烏丸への米市場移転も含め、天文法華の乱による街並みの変化の影響が大きかったと想定されること
  • 上京では上立売通が重視され、細川京兆家屋敷や近衛家屋敷があったこと
  • 下京では四条通が重視され、鴨川に四条橋・五条橋が架けられていたこと(三条橋は豊臣秀吉さん以降)
  • 四条通は東西の防備も厚かったが、天文法華の乱の際は、延暦寺・六角家連合軍にあっけなく突破されてしまったこと
  • 五条通は京の南端、境界として意識されていたこと
  • 上京があってもなお、一条通は京の北端として意識され、上京は洛外として認識されていたこと
  • 足利義輝さん⇒足利義昭さん⇒織田信長さん⇒豊臣(羽柴)秀吉さんと、武家の実力者はなぜか二条通に屋敷や居所を構えていたこと
  • 以上のような京の様子は、豊臣秀吉政権により、三条橋の架橋、聚楽第の築城と聚楽町の建設、御土居(京を堡塁と濠を有する高い城壁で囲む)の建設と町の木戸門の撤去、新たな竪(縦)小路「つきぬけ」の増設、町屋の平屋禁止二階建化による人口増対策……等々により、大きく様変わりし、近世に繋がっていくこと

 

……といったところです。

 

随所に上杉本洛中洛外図屏風や古記録の画像を挟んで分かりやすくイラスト解説してくださいますので助かります。

 

 

木戸門なんかは江戸時代の時代劇にもよく出てきますが、中世から既にこうした自治的防備の工夫がされていたんですね。

 

ときどき登場する「天文法華の乱」という影響が甚大な大イベントにドン引きしたり、掲載されている足利義輝さんの肖像画があばた面(ニキビ跡?)の下絵ver.(完成品では跡を消されたやつ)でちょっと気の毒だったり、当時の祇園祭山鉾巡業ルートが検証されていたり、参考に載っている昭和初期の四条大橋画像に「おぉ」となったりと、見どころが実に豊富で面白いです。

 

 

 

京の街並みは平安京から続く記録や研究の蓄積が豊富でいいですね。

 

こうした切り口の研究が、ぜひぜひ他の地域にも横展開されていきますように。