肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「めしばな刑事タチバナ 42巻 感想 チャレンジスピリットを感じる」原作:板戸佐兵衛さん / 作画:旅井とりさん(アサヒ芸能)

 

めしばな刑事タチバナがめでたく500回を突破してかんたんしました。

グルメ漫画ブームの盛衰に流されることなく卓越した構成力とサービス精神とで長寿安定連載になっていることを言祝ぎたい気持ちでいっぱいです。

 

www.tokuma.jp

 

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以下、内容の一部ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

42巻は主にとんかつ回でして、その他にルノアール(最近はコメダ)の社長ですとかトミーさんですとか青木さんの挑戦回ですとかが挟まっている感じです。

トミーさんの宛先なきイケメン力が高まっている気がしてウケますね。

 

 

 

で、メインのとんかつ回はなかなかギミックが凝っている内容でして、

  • 娘の結婚相手が失業したのでとんかつでも驕りながら奮起を促そうとしている源さん(ベテラン刑事)に対して、刑事課のみんなでとんかつを題材にした格言をアイデアラッシュしながら
  • 美味しんぼの名作「とんかつ慕情」を現代世相&現代とんかつ屋シーンを踏まえてリブートしつつ
  • おっさん読者に義理の息子との距離感について注意喚起をする

 

という非常に高度な展開が繰り広げられるのです。

 

 

具体的には、まず源さんが

「たまにはうちの娘もとんかつぐらい連れてってやってな」

(店でとんかつを食えるぐらいは男らしく稼いでくれ)

 

と、まさにとんかつ慕情100%な名ゼリフを言おうとしていたところ、

 

 

若手刑事たちからはリーズナブルな「かつや」「松のや」を念頭に

心の中では「うるせーな よく連れてってるよ」って思いますかね

 

とバッサリいかれてしまい。 

 

 

そこから各メンバーから

「とんかつにソース直がけ出来る男になりなよ」

「とんかつを“塩”で食ったりしない男になりなよ」

「とんかつを塩で食う人をバカにしない男になりなよ」

ヒレよりロースを選び続ける男になれ!」

みそかつまで踏み込むべし!」

三元豚を愛すべし」

 

等々の奥深い格言が次々と飛び出すのであります。

(誰がどの格言をどういう意図で言ったかは伏せておきます)

 

 

今回登場するめしばな刑事タチバナの議論メンバーって、アサヒ芸能の読者層に合わせて

  • 副署長(たぶん50代、娘が嫁いだので傷ついている)
  • 源さん(たぶん50代、娘の夫が頼りない)
  • 志波さん(たぶん50代、関西人枠)
  • 韮沢課長(たぶん40代、妻子と別居中)
  • 立花さん(たぶん40代、独身中年)
  • 丸山さん(たぶん30代、独身でケチ)

 

と、おおむねアサヒ芸能読者を10~20歳くらい若返らせつつ共感できるような感じに構成されているのですが。

 

このとんかつ格言議論では、読者層であるおっさんの固定観念を是正しにいくようなバランスコメントがいつも以上に豊富なのですよ。

 

 

例えば50代っぽい副署長や源さんが「とんかつに塩なんて……」という反応をすると、若い丸山さんたちからは

「新しいことを"なんとなくイケすかないから"って排除したりバカにするのはそもそも若い人には受けないと思うんですよ」

「わざわざマッチョなルールを押しつけるのっていわゆる同調圧力ですよね」

 

とバッサリいかれちゃうんですね。

 

 

そして、とんかつ格言議論の果てには、乱入してきた女子軍団から

「何も言わない」っていう選択肢もあり

 

と、そもそも娘から相談された訳でもないのに夫なら稼ぐべしみたいな性固定バイアス説教するのはどうかと思いますよと火の玉ストレートを喰らって終わるんですよ。

 

 

まったくその通りなのですけど、これはおっさん読者にとってはそうとうキツい一撃ではないでしょうか。

そもそもアサヒ芸能は現実を忘れるために存在するような雑誌なのですから、うまい外食チェーンの話題で共感するような内容ならともかく、「お前そろそろ価値観変えんと手遅れになるぞ」みたいな注意喚起を漫画から受けるのは不意打ち感がありましょう。

 

あえて甘い夢を見せずに読者へ斬りかかる作品づくり。

それは読者のおっさんたちを大事に思っているから。たぶん。

 

私としては安定連載している当作品が500回を超えたタイミングでこうした啓蒙的な話をブチ込んでくるそのチャレンジスピリットを高く評価したいんですよね。

マンネリしてねえぞ、牙ァいつでも磨いてるんだぜ、的な意気込みを感じました。

まあアサヒ芸能ですから自分の身に置き換えて読んでいる読者なんてそもそもいないでしょうし、こういう直球説教回をときどき入れて、無意識下で日本のおっさんの民度が上がっていくなら大変よいことだなあと。

 

 

 

こうした真面目な話は置いておいて、

 

個人的にはあいだに挿入されていた

  • 剣豪みたいな佇まいの渋いおっさん再登場
  • 韮沢課長の妻とのエピソード

 

に一番痺れました。

 

特に韮沢課長は「妻と別居することがいかに辛いことか」を絞り出しつつ、若い夫婦の安寧を祈っている感が凄まじいのでめちゃくちゃ格好いいと思います。

もう本当に、めしばな刑事タチバナの最終巻くらいで復縁できるといいなと願ってやみませんわ。

 

 

こうした意欲的な回を人知れず混ぜ込みつつ、めしばな刑事タチバナの群像劇がますます豊かに濃密に描かれていきますように。

 

 

 

 

「ウルトラマンZ 完全超全集 感想 ウルトラマンZの秘密が明らかになり……ません!」

 

ウルトラマンZ完全超全集を興味深く読み進めたところ、各種インタビューや各種詳細設定が大変楽しくて大満足だったのですが、よく考えると主人公ウルトラマンZについては何も明らかになっていないことに気づいてかんたんしました。

この魅力的なキャラクターについては慌てずにこれからゆっくり掘り下げられていくのでありましょう。

 

 

televi-kun.net

 

 

ジャグラー関係とセブンガー関係は別の記事にて。

「ジャグラスジャグラークロニクル ジャの道は蛇&写真集 感想」 - 肝胆ブログ

「セブンガーファイト 感想 溢れ出るウルトラファイト・レッドマン愛」 - 肝胆ブログ

 

 

 

超全集本体の目次は次の通りです。

 

充実っぷりが素晴らしいですね。

ギャラクシーファイト 大いなる陰謀や博品館劇場(ウルトラマンゾフィー)についても収録されているのがめちゃ嬉しいです。

 

 

読んでいて個人的に印象に残ったポイントを縷々書いていきます。

ネタバレを含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • ユリアンの光線は「セレニティショット」。
  • ストレイジメインルームにて、ヨウコが書いたゼットの絵がかわいい。
  • セレブロ(カブラギ)の怪獣メダル製造機の名前は「メダルガッチャー」。割とまんまな名前だった。
  • セレブロ(カブラギ)はギルバリスの破片から色々つくっていた。そうだったのか。
  • ブルトンのアンテナ(A~D)はそれぞれ固有の機能がある。知らなかった。
  • 最終回のヘビクラ隊長演説時は出演者みんなが本気で泣いていた。
  • 吹原幸太さんの追悼記事を読んで泣きそうになった。
  • 田口監督インタビュー。
    じゃあガンマフューチャーは平成かな、ということで、やっぱりTDGかなと。それも最初はまんま過ぎないって言ってたんですけど、ティガ、ダイナ、ガイアで変身すると言ったら、それ以上のものはないよねって(笑)。
    ゲネガーグは光の国に単身突撃して生還してますから、かなり強い怪獣なんですが、その分、疲弊していると考えて、わざと傷だらけにしてもらってます。
  • 辻本監督インタビュー。
    ――あのゼットの名づけ親というのは。
    辻本 あれはエースがゼットの親戚とかそこまでは具体的には関係を決め込まないでおこう、ということになりまして。なにせ監督の想いだけでエースを客演させようとしているわけですから、あまりに濃い関係性は設定に無理が生じるわけで。で、それでもなにかZと接点が欲しいよねとアイデアを絞った結果、絶妙なバランスだったのが名づけ親だったんです。名づけ親なら師匠のゼロの邪魔もしませんし。
  • 坂本監督インタビュー。
    セブンガーが博物館に展示されている、というのは僕の中では『グレートマジンガー』の頃のマジンガーZの感じなんですよ。セブンガーもボスボロットのイメージだったので…これって若い子には通じませんよね(笑)。
  • 尾上監督インタビュー。
    あと特撮そのものというよりはキャラクターが好きで来る人も多いので、現場を見てイメージが違うって辞めてしまう場合もあります。それに、今は現場での撮り切りが減って、合成前提で素材を別々に撮る、みたいなような、地味な仕事のことが多いので、特撮独特の達成感みたいなのは薄くなってるのかもしれませんね。
  • 武居監督インタビュー。
    キングジョーの口から出てくるというのは僕が最初に書いたプロットから決めてました。バコさんは現場まで車で来たという想定ですが、地上からバズーカを撃つだと、自分的に燃えなくて(笑)。口から出て撃つ、とにかくそれがやりたかったんです。あの回って、バコさんは「昔ちょっとな」を言ってないんですよね。つまりバズーカを撃ってる状態こそが、本来のリアルバコさんなんですよ(笑)。
  • 越監督インタビュー。16話のホロボロス回について。
    普段は見れないユカの表情が欲しくて、きっかけの怪獣、初恋の人に会ったつもりで演ってくれと話しました。それに応えてユカの方でも表情に変化をつけてくれたんですが、初恋の怪獣って言いすぎたせいか、撮ってる時は気づかなかったんですけど、編集でみたらすごい色っぽい顔していて(笑)。それで編集の方に「これ、カットかかった後の表情ありますよね」ってお願いして、そっちを使うことにしました。
  • 撮影の村上聡さんによるケム―ル回の光の当て方に関するお話が面白い。
  • スーツアクター岩田栄慶さんのインタビュー。
    坂本組ですね。もうベータスマッシュの出番がなくなるから「やり残しない?」って監督に聞かれて、「スペースローリングエルボーがやりたいです」って即答しました(笑)。
  • ハルキ、ヨウコ、ユカの3人は、セブンガー(ヘビクラ操縦)による「伝説のナメゴン戦」に感動してストレイジを志願した。
  • 「チェストー!」の元ネタはヨウコの父。
  • クリヤマ長官は後任適任者不在のために定年延長して胃を痛め続けている。
  • カブラギは20歳のときに初めて彼女ができるが3カ月で別れている。
  • ユウキマイは客室乗務員だった母親に憧れている。なんか分かる気がする。
  • ゼロマントのデザイン案が、ボツになったものも含めてどれも格好いい。フュージョンファイトオリジナル形態「グランセイバードゼロ」(マン・エース・セブンのメダルで変身)のデザイン画も好みです。
    グランセイバードゼロ、誕生!! − ニュース|データカードダス ウルトラマン フュージョンファイト!
  • 付録のエース写真集がたまらん。バキシム戦やアリブンタ戦の写真が好き。

 

等々、興味は尽きないですね。

 

 

その上で、けっこう多くの人が気にしているであろう

ウルトラマンZはどういう生まれなのか、黒い模様が入っているけど本当に光の国生まれなのか」

「エースがなぜ名づけ親になったのか」

については現段階で特に答がないことが分かった、というのが自分としては大事なポイントだなあと。

 

今後もウルトラマンZが活躍し、こうした点も掘り下げられていくのが楽しみですね。

 

 

 

あらためてウルトラマンZの諸々に思いを馳せてしまう、よい超全集でした。

やっぱりZは面白い番組だったなあ、という感慨がひとしお。

 

後続のウルトラマントリガーもZの勢いに負けず盛り上がっていきますように。

 

 

 

「セブンガーファイト 感想 溢れ出るウルトラファイト・レッドマン愛」

 

ツブラヤイマジネーション(ウルトラマンのサブスク)およびウルトラマンZ超全集にて公開された「セブンガーファイト」のウルトラファイトリスペクトっぷりが半端なくてかんたんしました。

 

imagination.m-78.jp

 

televi-kun.net

 

 

 

ツブラヤイマジネーションで毎日1話レッドマンを観ているくらいにはウルトラファイトレッドマンの味わいが好きなので、この企画には痺れましたね。

超全集についていた夕陽のセブンガーフィギュア(グリッターセブンガー感がある)も嬉しかったです。

 

 

セブンガーファイトは10話構成でして、内容と時期は次の通り。

ウルトラマンZの公式設定に組み込まれているのが熱いと思います。

 

  1. 必殺!セブンガーかすみ斬り
    ジラース登場。Z本編開始前のお話。
  2. 本家特空機の意地を見せろ
    ヘルズキング改登場。漫画「戦え!セブンガー」2話と3話の間のお話。
  3. その銃弾で血に染めろ
    エレキング登場。Z8話と9話の間のお話。
  4. ダンカン捕獲作成!
    ダンカン登場。Z10話後のお話。
  5. 壮絶!セブンガー引退試合
    ガラモン、ピグモン登場。Z10話と11話の間のお話。
  6. 怪獣無法惑星
    エレキング、ガゾート、改造パンドン登場。Z最終回後のお話。
  7. 帰ってきた赤いアイツ。
    ベータスマッシュ、ジャグラー改造パンドンイカルス、ガラモン、ガンダー、ゴース登場。6話の続き。
  8. 恐怖の要塞ロボット
    ビームミサイルキング登場。セブンガーファイト4話と5話の間のお話。
  9. 灼熱!凍結!大地獄!!
    ペスター、ガンダー登場。8話の続き。
  10. 獅子の瞳が輝く時!
    レオ、アクマニヤ、サタンビートル、ケットル、ボーズ、オニオン登場。9話の続き。

 

 

出てくる怪獣がZ本編でメダルになったりデストルドスさんに吸収されたりしているのが絶妙ですね。ダンカンかわいそうです。

 

怪獣、普段出せないけど出したい連中を集めたそうですが、個人的には8話~10話(超全集収録)の登場怪獣に昂ります。

ビームミサイルキング。さいきん復刊された内山まもる先生のメビウス外伝で出て来たばかりなので映像作品で動いているところを観れて嬉しい。

ペスター。かわいい。ヌメヌメで磯臭く抱きつくという攻撃方法もかわいい。ハルキさんのリアクションアフレコもかわいい。

レオ怪獣勢揃い。オニオンまで出てきてびっくり。さすがにタマネギガスは出しませんでした。

 

 

最終話は原点に戻ってレオ、というのがいいですね。

ヨウコさんがレオを「いままで出会ったウルトラマンの中で一番渋い」と讃えていました通り、近年のゲストレオはベテラン戦士感が強過ぎて本当に格好いいと思います。

本物の夕陽で撮影した別れの場面は、低予算番組と思えないくらいの仕上がりの良さで一見の価値ありまくりですよ。

 

 

 

そして、全話通して醸し出されるウルトラファイトレッドマンリスペクトっぷりが最高ですね。マジ最高過ぎます。

  • 突然始まる相撲
  • だらだらと続く追いかけっこ
  • 自滅する怪獣
  • ダンカン戦の顛末
  • 取ってつけたようなガラモンの弱点、からの大爆発
  • エレキングとガゾートの喧嘩の始まり方
  • ペスター・ガンダー戦

 

等のシュールさは非常にウルトラファイト味がございました。

今後セブンガー陰陽の構えとか出てきたらどうしよう。

 

 

また、

  • ベータスマッシュが繰り出す「ベータフォール」「ゼットランスアロー」の演出が完全にレッドマン
  • セブンガーが取り出した「20式銃剣2型」が完全にレッドナイフ

 

というのにも感涙ですね。

レッドマンギャラクシーファイトとかにも出てきてくれないかなあ。

 

超全集本編の内田監督インタビューで、カネゴンと赤いアイツの顛末を田口監督がLINEのレッドマンスタンプを見せながらすごい勢いで教えてくれたと語られていますが、じっさいLINEのレッドマンスタンプは名作なのでおすすめですよ。

nlab.itmedia.co.jp

 

 

 

この他、超全集のDVDにはメイキング映像(めっちゃ楽しそうだし子どもに見せたい内容)が収められていたり、セブンガーファイト超全集収録のスーツアクター梶川賢司さんインタビューが大変興味深い内容だったりしますので、セブンガーファンはチェックしてみるといいんじゃないでしょうか。

 

 

○○ファイトはウルトラシリーズの貴重な遺産だと思いますので、今後もこうした楽しい作品が製作されるといいですね。ツブラヤイマジネーションやyoutube等ネット媒体との相性もよさそうですし。

 

ウルトラマンZはひとまず終了いたしましたが、今後もセブンガーやストレイジの皆さまが楽しく活躍する機会に出会えますように。

 

 

 

 

「ジャグラスジャグラークロニクル ジャの道は蛇&写真集 感想」

 

ウルトラマンZ完全超全集が発売されましたところ、ジャグラスジャグラーさん関係の充実っぷりが異常なレベルに達していてかんたんしました。

田口監督をはじめ、スタッフから愛されすぎててヤバい。

 

televi-kun.net

 

 

以下、ネタバレをそうとう含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーブ超全集におけるウルトラマンオーブクロニクル構想に続き、ジャグラスジャグラー単体でのクロニクル構想が収録されています。

 

地球人類でいうと20歳頃がオーブ ジ・オリジン・サーガ、

21歳~25歳頃がテロリスト時代、

26歳頃が魔王獣復活暗躍開始(ヌル・ラ・ホテップ~ルサールカ)、

30歳頃がウルトラマンオーブ本編、

31歳頃が劇場版ウルトランオーブ、

32歳頃が劇場版ウルトラマンジード、

33歳~36歳頃が小説「ジャの道は蛇」~ウルトラマンZ本編、

 

となるそうで。

 

各編のかんたんな紹介も書かれていますが、ウルトラマンオーブ本編におけるジャグラスジャグラーさんのまとめられっぷりが的確過ぎて笑いました。

魔王獣を復活させる準備を整えたジャグラーは、次々にウルトラマンオーブに挑戦。

しかしことごとく返り討ちにされ、ダークリングも失う。徐々に自分は何がしたいのか分からなくなって行くジャグラー

復活した最強の厄災・超大魔王獣マガタノオロチの猛威から、再びナターシャの子孫ナオミを救ってしまう。

結局自分の行動はガイへの執着でしかなかった事を自覚・認め、マガタノオロチを倒す為ウルトラマンオーブに協力してしまう。

 

 

 

続いて、超全集には小説「ジャの道は蛇」が収録されていまして、劇場版ウルトラマンジードからヘビクラ隊長までの期間にジャグジャグさんが何をしていたかを紹介されています。

重大な要素が盛り込まれまくっているのでジャグラスジャグラーファンは入手して読むといいと思いますよ。

 

細かな描写を伏せて、ジャグラーさんの行動だけを説明しますと。

  • 惑星カノンにてミコットの墓参り(シーサーのぬいぐるみを供える)
  • 星間連盟に追われる
  • ガイさんの夢を見る
  • 星間連盟から「いのちの実(いのちの木の種)」奪還&ビランキさん救出ミッションを依頼されて断るが断らない
  • 敵地で活躍する
  • ガイさんの夢を見る
  • 敵地で活躍する
  • 「いのちの実」をゲットし、ビランキを救出しつつ、グルジオライデン誕生の哀しい経緯を知る
  • 記憶を失ったビランキを知人に預ける
  • グルジオライデン暴走の元凶であるセレブロの存在を突き止める
  • グルジオライデンと一緒にZ世界の地球に突入、断熱圧縮でダメージを負い巨大化能力を失う
  • 「いのちの実」が芽吹いたので盆栽にする
  • ヘビクラ隊長になる

 

という流れです。

マジかマジかよオイマジッすかみたいな内容があり過ぎて驚きましたね。

 

 

 

ミコットさんの墓参りで始まるのがいきなり最高ですね。

オリジンサーガ、本当に苦い記憶です。

 

惑星カノンが頽廃都市になっているのは重いものがあります。

命の木を失ったアマテさんたちは上手く星を舵取りできなかったのでしょうか。ジャグラーさんは確かにあの戦争を止めたけれども、命の木という精神的支柱を奪ったことは惑星カノンにとってやはり大きな分岐点だったのかもしれません。

何もかもがジャグラーさんのせいではないんですけど、何もかもをジャグラーさんのせいだと思っている人は多いのだろうと思います。本人も含めて。

 

 

 

そんな暗い背景から一転、ガイさんの夢や、1章~2章の切り替え場面なんかはめっちゃウケます。面白みと暗みの振れ幅がデカすぎますわ。

数十人のクレナイガイがオーブニカを演奏している。

「うわあああああ!」

想像を絶する頭痛をもたらす悪夢からジャグラーは目覚めた。

 

ジャグラーは激高した。

「俺を善人かなんかだと思ってるのか? 行くわけねーだろ! 俺は絶対にイムバット連邦になんか行かない!」

 

■第二章 魔都バホメット

ジャグラーはイムバット連邦にいた。 

 

 

 

敵地での活躍シーンも見どころが多いです。

ジャグラーさん、グリーザのことをどこで知ったんだろうと思っていたらこんなところで出会っていたんですね。

タイガに出ていたチブル星人マブゼさんが出てきたりするのも楽しい。

ビランキさんが相変わらずギャンゴを出してくれるのも嬉しい。初代派としてはギャンゴが強くてなお嬉しい。

 

 

 

そして、ヘビクラ隊長の持っていた盆栽ですよ。

あれ、いのちの木を斬り倒したことを引きずっているんだと思っていたら、まさかのいのちの木そのものだったとは。

青柳尊哉さんと田口監督との写真集対談によれば、なんなら盆栽の周りをベゼルブが飛んでいるくらいのつもりだったとは。

 

本人は深く考えずにやっているのかもしれませんが、これジャグラーさんいのちの木の守護者になってるやつやん。

そのうちいのちの木の力で魔人態が戦魔神態に進化したりするんでしょうか。

オリジンサーガみたいな滅茶苦茶な急成長をしないで、少しずつ木が育っているのがジャグラスジャグラーという存在の成長とリンクしているみたいで今後が楽しみですね。

というかいのちの木を持っている時点で、ジャグラーさん狙われるヒロイン化待ったなしじゃないか。ライバル→隊長→ヒロインと役柄を制覇していくのかマジかスゴいな。

 

 

 

 

続いてジャグラスジャグラー写真集。

これは服用量注意ですよ。マジで急に摂取しすぎると中毒になるやつです。命があぶない。

 

 

そもそも届いたストレイジボックスを開封したら、上の方にジャグラスジャグラーポスターが入っている時点でヤバい。

格好いいな、

と思って裏面を見たら実写ビランキがいて「うぉ」と声がでて、密着度高いなこれ大人の女性ファンが動揺しまくるやつやなというかビランキいいやんイメージ通りだわこれ役者さん誰だろうとなって、

よく見たら「黒木ひかりさん(オオタユカ)じゃねぇか!」となって。

青柳 
ビランキ。まさかの黒木ひかりですよ。

田口 
ビランキって黒木ひかりなのかなぁって話はしてたんだっけ。

青柳
うん。『ウルトラマンZ』撮ってる時に、ユカがジャグラーに近づいてくるのが、ジャグラー的になんか既視感があるぞって。ユカとビランキをニアイコールにしようというか。

 

 

収録されているジャグラー&ビランキの写真は、どれも構図や雰囲気がすごいハマってていいですね。

ビランキさんも今後機会があれば登場してもらいたいものですが、ジャグラーファンの大人の女性からジェラれまくるのかなあ。その事態も含めて面白そうですが。

 

 

 

4500枚も写真を撮った、しかもクロニクルに即してセリフを言いながら撮った、というエピソードからも分かる通り、どの写真も大変秀逸です。

 

個人的にはヌル・ラ・ホテップが、そのもののインパクトに加えて、ダークリングやマガタノゾーアが映っていて色んな感情が湧いてきますから好き。

ルサールカの写真も好き。気持ちがオーブ最終話に直結する。

ヘビクラショウタ襲名写真も好き。その後律義に全身大火傷したという設定もたまらん。

その後のヘビクラ隊長としての写真も多く収められていていいですね。ルービックキューブで遊んでいる写真や、笑顔でスタッフに声をかけている写真等がめちゃ好みです。

 

 

で、写真集でスルー出来ないのがラスト2点ですね。

 

1つ目は青柳-田口対談のラスト。

詳しくは引用しませんが、遠い将来の構想として、ウルトラマンジャグジャグとかジャグラーが育てた少年とかO-50性格悪いからこういうことしそうだよねとかで盛り上がってるのが面白いです。

公式にそう考えているという訳ではないと思うんですけど、ジャグラーの未来って色んな選択肢が思いつくよね妄想すると楽しいよねという当事者の雰囲気が伝わってくる感じがしますね。

 

2つ目は写真集ラストカット。

「予告編」として、ジャグラーさんが探偵? やっているカットが映っているんですよね。隣ではいのちの木が盆栽サイズから人間大の観葉植物サイズにまで成長していて。

青柳尊哉さんの服装がとてもおしゃれで格好いいので、このネクストステージもいずれ具体化されてほしいものであります。

 

 

 

 

このほか超全集の中でのジャグジャグ関連で心に染みたのは、橋爪淳さん(バコさん)インタビューですね。

ヘビちゃんとは昔から一緒にやってた仲間、というのは最初に説明されていまして。僕の中ではキリマンスペシャルをいつも一緒に飲んでる仲というイメージでいました。

 

という箇所。

何気ないコメントですが、こういうのを読むと

  • ヘビクラ隊長とバコさんはいつも一緒にコーヒーを飲んでいる仲。
  • セブンガーの各種テストの後とかナメゴン戦の後とか、節目節目で一緒にコーヒーを飲んでいたんだろう。
  • 夜明けに飲んだこともあるだろう。
  • そうか、ジャグラーは、ナオミともビランキとも夜明けのコーヒーを飲んでいないけれど、ストレイジとは夜明けのコーヒーを飲んだんだな。

 

みたいな妄想をしてしまって尊い気持ちになりました。

ありがとうバコさん。

 

 

あと、超全集の巻末にナツカワハルキマスクとヘビクラショウタマスクがついていて、ヘビクラショウタマスクの下に「また、やっちまった…。」と記載されているのに笑いました。

オーブ超全集読んでいる前提のネタが多過ぎる。

ていうかジャグラーさん、だんだん活躍すべてを追うのが一番難しいウルトラキャラになってきてませんか。

 

 

 

最後に、写真集冒頭のテキスト。

ジャグラス ジャグラー

誰よりも光を求め、光に突き放された男。

しかしそれは、この宇宙で生きていく上で、

圧倒的な自由を手に入れたということだったのかもしれない。

 

「宇宙のどこかで悪い噂を聞いたらジャグラーは達者だと思ってくれ」

 

この解釈いいですね。

 

確かにウルトラキャラの中でも圧倒的に自由なキャラに育ってしまいました。

その上で、ガイさんとの関係性、ウルトラマンへの感情、ミコットやビランキやオリジナルヘビクラショウタやストレイジの仲間たちへの思い等々、抱えているものも圧倒的に大きくて、自由なんだけどジャグラスジャグラーらしい選択をして生きているところがまことに魅力的だと思います。

 

 

ファンやスタッフの声を受けて、今後もジャグラスジャグラーの活躍機会が何かしらのかたちで訪れますように。

 

 

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信長の野望20XX「異聞 信濃平定 感想 武田家ドラマいいよね」

 

信長の野望20XX、久しぶりに実装された大型異聞のストーリーが見応えあってかんたんしました。

武田家ドラマは江戸時代から代々続くコンテンツの積み重ねがあって様々な軸で楽しませてくれるのがいいですね。

 

↓6周年「甲斐の虎」アップデートのリリース

nobu201x.gamecity.ne.jp

 

 

以下、少しネタバレを含むのでご留意ください。

攻略に役立つ情報はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の異聞は武田晴信(信玄)さんの信濃進出を題材にした物語で、前編では信虎さん追放が、後編では砥石崩れがメインテーマになります。

 

 

のっけから不穏なプロローグ。

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天文の飢饉がなければ……という、タイミングに恵まれなかった大名も多かった気がしますね。

 

 

 

前編のキーパーソン、武田信虎さん。

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星5になったのに格のお低いことで……と思わせてからの

 

 

 

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甲斐国の結束を守るために恨みを自分に集めて去っていく……という非常に気高い御仁として描かれておりました。

この父子のドラマ、とても良いやつですね。

 

 

 

 

後編のキーパーソン、村上義清さん。

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人生のネタバレを喰らいます。

これはそうとう残酷な処置ではないか。

 

詳しくは書きませんが、こうやって幽魔勢力へ与しつつも最後は格好よく決めてくださり、しかも明確に戦では武田信玄さんを二度も破った強豪として描かれています。

私は歩き巫女九尾シリーズ(R-18)を読んで以来村上義清さんが好きなので、満足度が非常に高うございました。

 

 

 

 

武田家ドラマで信濃平定とくれば、名臣たちの熱い活躍や死に様、そして信玄さんの成長ですよね。

今回の異聞でもそういった外せないポイントをクオリティ高く投入してくれていたのが嬉しかったです。

 

 

まだまだ発展途上の武田信玄さん。

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存在感を増していく途上の山本勘助さん。

 

個人的には、格好よく戦場で活躍している場面以上に、今川家にネチネチ言われつつも信玄さんのために我慢して交渉している姿に社会人的な魅力を感じました。

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ライバル会社に転職しておきながら前の会社に力を貸してちょうだいとお願いするの、すごいタフなシチュエーションだと思います。

太原雪斎さんからは「勘助殿は、すっかり武田家に染まっておるようですな」とかバッサリやられているし。

 

 

 

そして砥石崩れ。老臣たちの散り様が胸を熱くさせます。

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20XXコラ画像なので絵面は絶妙にジワジワきますけれども、話の内容は最高です。

後の長篠の戦い等も含め、武田家臣はそれぞれの死に様に名場面が与えられているのがドラマとしての完成度を感じさせてくれますよね。

 

 

 

この段階では老臣たちに救われた側の馬場さんが、後に似たような行動に出て武田勝頼さんたちを逃がす、というのも熱いものがあります。

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この二人の組み合わせもいいものだと思います。

 

 

 

また、砥石崩れといえば真田幸隆さんですが……

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幼児なのにオッサングラの筒井順慶さん等、信長の野望シリーズや太閤立志伝シリーズで誰もが突っ込んだであろうことをブッ込んできたかさねさんには参りますね。

 

 

 

かさねさん、今回の異聞ではいままで以上に好き放題活躍していてウケました。

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霊体化して幽魔を蹴り回すヒロイン。自由過ぎる。

20XXリリース当初、かさねさんがここまで面白いキャラに育つとは予想できなかったなあ。おみそれしました。

 

 

 

話の流れ上、霊体同士で諏訪頼重さんと仲良くなっているのも好き。

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「神通力なぞ無い。」→「霊体化して活躍」という一人ボケツッコミみたいな活躍が楽しい諏訪頼重さん。

20XXのシナリオは、こうしたコメディリリーフみたいなキャラの動かし方が上手でいいなあと思っています。

 

 

 

また、武田家ドラマとしては信玄さんと女性(男性含む)たちとの恋愛ドラマも見ものでございまして。

 

当異聞でも三条の方や諏訪姫が星5で登場して彩りを添えてくれていますが、個人的には信玄さんと禰津御寮人さんのこの会話が一番よかったですね。

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こうゆう、メインドラマパートを踏まえたセリフが恋愛ドラマパートでもポロッと出る演出好きよ。

後編で禰津御寮人さんが大活躍されるのも美々しいことだと思います。

 

 

 

かように、武田家のドラマは昔から積み重ねられてきた「型」がふんだんにあって、それを活かして20XXらしさも加えて質の高いシナリオを完成させてくれている……というのがまことに素晴らしいと思います。

こうゆうのを温故知新というのでしょう。

 

20XXのテイストを想えば家臣たち全員生存のハッピーエンドも選択できたのでしょうけど、そうするとドラマとしての深みとか武田信玄さん成長フラグとかが不足する気もしますし。

 

まとめると、今回の異聞シナリオも大変面白かったです。

 

イベント更新ペースが落ちている気がしないでもないのですけれど、できれば今後もレベルの高いシナリオがクリエイトされていきますように……。

 

 

 

 

雑談①:小笠原長時さん

信濃守護の小笠原長時さん。

ジャンプの「逃げ上手の若君」を意識した登場セリフなのかもしれません。

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史実の小笠原長時さんはこの後同族の三好長慶さんを頼って上洛します。

でも、20XXでは私は常に三好長慶さんを使用しているので、この世界では小笠原長時さん勢力を三好長慶さんが現代兵器ぶっ放して撃破していることになるんですよね。

この異聞に限りませんが、エージェントが使用する武将たちって他家のイベントをどんな気持ちで見つめているんでしょう。話に介入しないのはマナーなんでしょうけど。

 

 

 

雑談②:猛虎焔砲最高やね

全体攻撃・ボス特効の猛虎焔砲。

「敵全体攻撃+ボス追撃」的なさいきんの人気スキル武将を持っていない私としては、たいへんありがたい兵器であります。

兵器特化キャラにして無理やり主力アタッカーになっていただいている長慶さんが輝く輝く。

 

素打ち。ボスに48万ダメージ。

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連鎖&馬印130%。ボスに550万ダメージ。

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連鎖&馬印130%&防御デバフ。ボスに740万ダメージ。

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ボスの数や配置でジャベリンと使い分けることにしましょう。

スキルは変えれませんが、現代兵器は場面場面で変更できるのがいいですね。

 

 

 

雑談③:EXCつらかった

突破錬士欲しさにコンティニューしまくってクリアしました。コンティニュー貴石の数&プレイ時間と、突破錬士の価値との天秤に非常に悩みましたね……。

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漫画「完全版ウルトラマンメビウス外伝+平成ウルトラマン作品集 感想」内山まもる先生

 

漫画「ザ・ウルトラマン」で名高い内山まもる先生の平成以降の作品を収めた単行本が発売されていてかんたんしました。

メロスの続編、写実性が非常に高まっている怪獣たち、内山まもる版TDG、グレた息子感の強かったデビュー直後のゼロの造形等々、見どころ多過ぎて悶絶です。

 

m-78.jp

 

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以下、ネタバレを含みますのでご留意ください。

 

ザ・ウルトラマンを読んで育った方はこんな記事を読んでいる暇があるなら本屋さんへ行くなりネットでポチるなりした方がいいと思いますよ。急ごう。

 

 

 

収録されているお話を引用いたします。

ウルトラマンメビウス外伝シリーズ>
「超銀河大戦 戦え!ウルトラ兄弟
「超銀河大戦 巨大要塞を撃破せよ!!」※
「アーマードダークネス ジャッカル軍団大逆襲!!」
「ゴーストリバース ウルトラ兄弟VS暗黒大軍団」※

 

<平成ウルトラマン作品>
「戦え!ウルトラ戦士 出撃!宇宙けいび隊」※
ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟
大決戦!超ウルトラ8兄弟」※
「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」※
ウルトラマンティガ いざ鎌倉!」

 

※単行本初収録作品

 

 

 

見どころとしては

  • メビュームブレード超格好いい
  • マーゴドン登場
  • セブンに敬語を使うヒカリ w/アーブギア
  • むしろセブンが突拍子もない作戦を言い出したのでヒカリが混乱しているように見えなくもない
  • シレッとダイナマイトボールしている80
  • ウルトラキーをグレネードランチャーのようにぶっ放しながら登場するゾフィー
  • キーラやケルビムの写実描写がイカしている
  • 「あきらめないで。エース、いえ、星司さん…!」
  • ウルトラダブル!! → 次のページでやられるジャック
  • メフィラス星人兄弟オマージュ
  • メビウスユリアンのツープラトン
  • ファイタス、生きとったんかワレ!!
  • ジャッカル破かい光線の画力アップが凄まじい
  • マザー光線の効果がえぐい
  • グア軍団現る
  • ツリ目が強調されたゼロのヤンキー息子感
  • セブン・ゼロのノリについていけないゾフィー
  • 内山まもる版のTDG、マドカ・ダイゴ、アスカ・シン、高山我夢
  • ウルトラ銀河伝説を34ページでキッチリまとめあげる構成力
  • 巻末で広告されている石川賢ウルトラマンタロウ

 

等々、マジで多過ぎて書ききれない。

ザ・ウルトラマンのセルフオマージュ展開も多過ぎて嬉し過ぎます。

 

 

個人的に一番驚いたのはファイタスさん再登場です。

生きてたことに驚き、

生きてる理由がヒカリというのに更に驚き、

ファイタスさんが素顔をさらしたことに一層驚きました。

 

 

あとは、内山まもるさんの描いたTDGやゼロを見れるというありがたさですね。

内山まもるさんのウルトラマン作品は漫画として純粋に完成度が高いので、もっと長生きして彼らやニュージェネレーションの作品も生み出していただきたかった……。

 

 

とりあえずウルトラ兄弟好きには間違いない漫画なので興味がある方は手に入るうちに買いましょう。

さいきん舞台やボイスドラマで内山まもる作品要素がちょいちょい登場していますし、この復刊もあんがいゾフィー無双展開やメロス登場の布石だったりしないかなあ。

 

 

ウルトラマンの人気が高まりつつあるいま、内山まもる作品のリバイバルも進んでいきますように。

 

 

 

映画「街の野獣(1950) 感想 薄っぺらい男の追い詰められっぷりが最高」ジュールズ・ダッシン監督

 

イギリスを舞台にしたノワール(犯罪)映画「街の野獣(Night and the City)」を初めて観たところ、主演リチャード・ウィドマークさんの薄っぺらいのに憎めない演技と悲惨な追い詰められ方が最高でかんたんしました。

あと、必要以上に出てくるプロレスシーンが大好き。

 

 

 

以下、ネタバレを含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お話としましては、

  • キャバクラ的なお店の客引きをやっている詐欺師系の小悪党が、
  • 往年の名レスラーをスカウトしてプロレス興行を打とうとするも、
  • 不誠実な資金の集め方でもともと乏しい信頼を更に失い、
  • 加えて街の興行利権を牛耳るギャング的な方に睨まれ、
  • しかも名レスラーは横死してしまい、
  • しかもギャングのボスは名レスラーの息子で、
  • 最後はギャングたちから盛大に追い詰められる……

 

という救いのない内容になっています。

 

この小悪党を演じるのが往年の名優リチャード・ウィドマークさん。

独特のシニカルな笑い方、時折見せる愛嬌がたまらない方ですね。

「死の接吻」での殺し屋役は印象に残りまくりました。

 

 

ストーリーは小悪党が一瞬浮上しかけるも見事に転落していく……というものですが、役者陣の演技や演出のテンポよさがめちゃくちゃ快くて見入ってしまいます。

口はペラッペラにまわるけど人間性もペラッペラな男、そんな男に振り回される気の毒な彼女、そんな男を徹底的に追い詰める巨悪……という要素は充分な現代性を有しています。

白黒映画ではありますけど、古さやジュネレーションギャップは特に感じることなく最後まで楽しめますよ。

 

 

 

少しお気に入りの場面を貼りますと。

 

主人公がペラッペラの嘘で観光客をだましたり名レスラーをだましたりするところ。

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絶妙に可愛くてイラっとしてちょっと格好いい表情だと思います。

リチャード・ウィドマークさん本当に好き。

 

 

 

 

そんな彼を的確に表現する隣人。

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「彼は作品のない芸術家だ」。

エモーションはあるけれども何も生み出してはいない、男としてはつらい状況だと直球のコメントを主人公の彼女に送ります。

 

たぶんエンディング後は、残された彼女とこの隣人さんで付き合い始めたりするんでしょう。そうでないと彼女さんに救いがなさすぎるし。

 

 

 

 

製作者陣の溢れるプロレス愛を感じる場面。

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レスラー同士の果し合いの決着をベアハッグでつけるというのが最高であります。

犯罪映画のアクセントとしてかなりの尺をプロレス場面に割く、というのがたまんないのでプロレスファンも一見の価値があると思いますね。

ていうか犯罪映画の脚本に「グレコローマンは偉大な芸術だ」というセリフが出てくること自体が面白すぎます

 

 

 

 

 

で、なんやかやあって主人公に懸賞がかけられます。

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ギャングの手下が運転しながらスピーディに街の情報屋へ指示を出していく場面が格好いい。指示内容をいちいちセリフで説明しないのが超いい。

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余計なセリフなしに何をしているのかが充分伝わる演出っていいですよね。

主人公を追い詰める冷酷な場面の始まりなんですけど、それとは関係なしにロンドンの夜景の美しさが際立っているのが対比としても演出としても超いいの。

 

 

 

 

追い詰められる主人公。

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出資してくれと頼んでも誰も出してくれない。

助けを求めても即裏切られる。

夜の街で顔だけはよく知られているのに、なんら信頼を得ることができていなかった男の哀しさが胸を打ちます。

 

 

 

 

だんだんどうにもならないことを覚悟し始める主人公。

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「本当に惜しかったんだ」と主人公は言いますが、視聴者から見ればそれは嘘八百で手にしかけたものでしかなく、努力や実力や実務の積み重ねで得かけたものではないことがよく分かっています。

憎めない男ながら、憐れでなりませんね。

 

 

 

 

最後は、せめて懸賞金を彼女に遺そうとしますが……。

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往生際に僅かな善性をみせるところまで本当に小悪党。

彼の人生に堂々としたものは一かけらもありません。

 

そんなチンケさや薄っぺらさが、我々庶民からすると共感しまくりで憐れで哀しい。

序盤では気取って格好つけていた表情が、どんどん崩れていくのも見応えあり過ぎ。

 

 

眼を離せない、いいノワール映画でした。

演技も演出もテンポもいいので、まじおすすめですよ。

 

 

怠惰や惰弱を直そうとしないままにデカいことだけは成したがるような若者につけこむ悪い人が減っていきますように。