肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「ギャラリーフェイク 35巻 感想」細野不二彦先生(ビッグコミックス)

 

久しぶりに刊行されたギャラリーフェイクの新刊が、時事ネタを充分に活かしつつ物語としてもアートリスペクトとしても面白くてかんたんしましたぜ。

 

www.shogakukan.co.jp

 

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以下、ネタバレを一部含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

収められているお話は次のとおりです。

  • 悪役の作法(トランプ大統領ルノワールなお話)
  • サムライの一分(刀剣女子とユーチューバーのお話)
  • Save Hong Kong! Save art!(香港デモと伏生尚書のお話)
  • 虎と猫(長沢芦雪の虎図のお話)
  • 幻のジョルジョーネ(コロナ禍とジョルジョーネのお話)
  • 初音の選択(大水害と船箪笥のお話)

 

いずれもご時世を踏まえつつ、ギャラリーフェイクらしい作劇になっております。

 

 

どのお話もクオリティが高い前提で。

 

一番驚いたお話は「幻のジョルジョーネ」でして、ガチネタバレですが、フジタの盟友「カルロス」さんがコロナであっけなく逝ってしまわれるという。

もう一枚のモナリザ探し等、主要エピソードにずっと絡んできてくれたカルロスさんを失うというのは、フジタさんにとっても、我々読者にとっても、非常に喪失感が大きく純粋にショックでした。

お話そのものはカルロスさんの後継者的な内容で、しっかりと面白かったですし、後継者の方も「最強の後継者」なので安心なんですけどね。

 

ギャラリーフェイクは、菱沼棋一郎さんなんかもそうでしたが、準レギュラー人物があっさり亡くなってしまうことがあるので油断できませんね。

そういう哀しいエピソードがまた名作だったりしますし。

 

 

 

私の好みは「サムライの一分」と「初音の選択」。

前者は騙された女性モノ、後者は女性を失った男たちモノで、話の組み立て自体は古典的な文法に沿っているんですけれども。

 

細野不二彦作品の女性情念モノは、独特のロマンチシズムがあって好きなんですよね。

 

「サムライの一分」は、ヒロインの女性が恨みを晴らしはしつつ、恋しさも悲しさも溶け切らずにぽろぽろ泣いているのがとてもいいと思います。

裏側で、フジタさんが怪しげなハタ師と結託してサポートしているのも好き。

 

「初音の選択」は、いなくなった女性の思い出を追いつつ、おっさん二人が争うお話なのですが、おっさん二人が微妙に有能だったり無性にロマンチックな面があったりするのがかわいくて好きです。

 

 

登場したアート作品の中で好きなのは、長沢蘆雪さんの虎図ですね。

「かわいい」、でも「妙な迫力がある」というのがまさにその通りだと思います。

「かわいいこわいおもしろい 長沢芦雪」岡田秀之さん(新潮社)と「新美の巨人たちで“虎図”」 - 肝胆ブログ

 

 

 

ギャラリーフェイクは、こち亀やゴルゴと同様、読んだら間違いなく面白いという信頼感がいいですね。

毎々お話を考えるのも大変だと思いますが、これからも読切等なんらかの形で作品が続いていきますように。

 

 

 

信長の野望20XX「クリスマス三好長慶」(聖夜の祝宴 in2020 殿)

 

メリークリスマス!

 

2年続いて20XXのクリスマスガチャに三好家武将が登場、しかも当主の三好長慶さんがまともに格好いいコスプレで現れるという果報にかんたんしました。

 

↓ 2020クリスマス男性ガチャのリリース

nobu201x.gamecity.ne.jp

 

 

2020年の時節柄を踏まえたか、しめやかに現れた長慶さん。

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20XXのクリスマスガチャは、年々頭がおかしくなっていていいですね。

 

 

今回実装された男性陣は次の4名です。

 

三好長慶さん。スパークしてペインに死す。

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足利義輝さん。過剰塩分で薄味派の長慶さん暗殺を企てているのかもしれない。

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今井宗久さん。今井家への熱い風評被害。ただの盗っ人じゃないか。

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柳生石舟斎さん。徳川家をウェイウェイウェーイにしたようです。

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さっそく入手した三好長慶さん。

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おお、真っ直ぐ格好いい。

ノーマル長慶さんが羽織を脱いで、代わりにサンタ衣装を羽織った感じですね。

顎ひもは……サンタ帽に付いているんでしょうか。小学生の帽子みたいに。

 

 

 

呪術師、攻撃バフ(+70%)、生命力最多の敵に攻撃力10倍の毒を2ターン付与。

できることが多いので、どういう風に育てるか悩ましいところです。

 

 

私の場合は、壁仕様(戊)の呪術師は既に源博雅さんがいますし、毒付与人材を持っていなかったこともあるので、素直にシャンペインを伸ばすことにしました。

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バフでアタッカーを支援しつつ、サブアタック的に毒が機能してくれたらいいや的な割り切りです。

毒状態の敵にたくさんダメージを与えられる特性とかが手に入ったら、最近仕事の少ない星3十河一存さんに継承して遊んでもいいかもしれない。

 

 

上のステータスで、だいたい70万くらいのダメージを与えられるようです。

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攻撃バフのおまけと思えば、充分過ぎるくらい強いですね。

今後、末永く活躍してくれたらいいなと思います。

 

 

 

さて、今回いちばん驚いたのは三好家クリスマスイベントが実装されたこと。

デイリーイベントで唐突に出てきたのでびっくりした方も多いのではないでしょうか。

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介錯=ケーキカット。

あれですか、三好家の披露宴では初めての共同作業を介錯ファーストバイトを検分とか言うんですか。

 

 

いきなり長慶さんが現れて驚くかさねさん。まったくだよ!

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かさねさんのサンタコスは来年までお預けのようです。

本来かさねさんにかけるべき製作陣の手間を三好家に注いでくださったということなんでしょうか。さすがコーエー社は戦国武将ファーストの会社やでぇ。

 

 

2020クリスマスガチャに何の関係もないのに登場する、松永久秀さんと三好三人衆

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三好政康さんの自己矛盾発言がじゃっかん気になりつつ、20XXの三好家中はいつも楽しそうで本当にいいですね。

 

 

大河ドラマ麒麟がくる」では、松永久秀さんがこれからおつらい感じになっていくと思われますので、こういう幸せそうな松永久秀さんを供給いただけて何よりだなあと思っていたんですよ。

 

 

(注:ここから先はやや暴走気味の妄想です)

 

 

そんなところに、松永久秀さんがこんなことを言いはじめましてね。

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聖夜に戦をしない松永久秀さん。

 

これは、有名なクリスマス休戦逸話(真偽不明)を踏まえたセリフだと思うんですが。

 

 

思うんですが…………

 

 

あの逸話、長慶さん死後、久秀さんと三好三人衆の内乱中の話ですよね……。

 

 

 

このイベント、パッと見では三好長慶さんが主軸に見えますけど。

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叙述トリック的な裏話として、実は先に召喚されたのは長慶さん死後の松永久秀さんで、かつての楽しかった時代をクリスマスの一日だけはゴッドブレスユー。

あの頃の長慶さんと三人衆が後から召喚されました。

久秀さんは喜びを嚙みしめながら、あたかも同じ時間軸から召喚されたような態でブッシュドノエルをほおばっていましたとさ。

 

 

そう思うとクリスマス久秀さんの衣装は、

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右手に長慶さんから賜ったシャンペインを掲げ、

左手は三人衆に投げつける爆弾を今日だけはクラッカーに持ち替えて、

過ぎ去った日々を想っているエモーショナルな恰好なのかもしれませんね。

 

 

以上、妄想なのでご放念くださいまし。

 

 

なお、最近話題の松永久秀さん三好家忠臣説については、こんな記事も出ていましたのでご参考まで。

note.com

 

 

 

それにしても、そんな細かい話は置いておいて。

 

この主従、顔がいい。

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美形・イケメンというだけなら他にも素敵な武将はたくさんいるんですけれども、独特のアク強い色気を二人とも兼ね備えていて、目が離せないですね。

 

 

冷静に考えると、世の中で三好家コンテンツが増えれば増えるほど、三好家のおつらいエピソードがたくさん流布されるということでありますので。

 

せめて20XX世界の中では、三好家が幸せな家中でありますように。

 

 

そんなことを考えながら実装された火曜日にシャンパン飲んでいたら、私も飲みすぎペインで身体に支障をきたして2日間ぐったりしてしまいました。

時節柄、皆さまもお身体ご自愛くださいませ。

 

 

信長の野望20XX「クリスマス松永久秀」(聖夜の祝宴 in 2019 殿) - 肝胆ブログ

 

 

ウルトラマンZ「最終回後のジャグラスジャグラー/ヘビクラ隊長 考察」

 

ウルトラマンZが素晴らしい最終回でかんたんしました。

 

以下、ネタバレを含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まこと完成度の高い作品で、俳優、特撮、特空機、BGM、脚本、もう何もかも好き。

 

振り返って、

一番好きな客演はウルトラマンエース

一番好きな戦闘はゼッパンドンvsファイブキングの昭和平成怪獣決戦、

一番好きなBGMは次回予告でも使われているアルファエッジのテーマ、

一番好きなタイプはベータスマッシュ、

一番好きな特空機はやっぱりセブンガー……等々、

語りたい切り口がいくらでもありますわ。

 

登場人物としては、毎々男性陣に注目しがちなんですが、今作はヨウコ先輩とユカさん、女性陣も魅力的でした。

ヨウコ先輩の特空機操縦やセレブロ寄生、ユカさんの研究姿勢やヘビクラ隊長との関係等、最後まで演技が輝いておりましたね。

 

 

 

そんな中で、推しのジャグラスジャグラー/ヘビクラ隊長。

ウルトラマンZ「ジャグラスジャグラー/ヘビクラ隊長の目的予想」22話視聴時点 - 肝胆ブログ

 

 

最終回でも大活躍で、

魔人態での殺陣に始まり、

ユウキマイさんの耳元での語りかけ、

報告してきたユカさんの頭を軽くなでる仕草、

熱い隊長演説からのゴ―ストレイジ

ウインダム搭乗、

ウルトラマンZへの渾身の応援、

そしてまさかのスーツ&イヤーカフ再びと、

盛り過ぎちゃうかというくらいファンをたぎらせてくださいました。

 

 

思い起こせば第2話稽古時の闇が漏れているBGMであったり、

衝撃の第5話ファースト・ジャグリングであったり、

第8話の「戦士の戦い方ってやつを見せてくれよな」であったり、

第10話の「愚か者は指を見る」であったり(指を見るハルキがかわいかった)、

第15話のファイブキングでのグリーザ突貫であったり、

第22話の「なら見返してやれよ」であったり、

第24話の「またやっちまった」からの「俺たちの~」であったり。

 

ジャグラスジャグラー/ヘビクラ隊長をこれほどに深めて高めてくださって、もう言葉が出ないほど嬉しいです。

あえて苦言をひとつ呈するとすれば、「バコさんと二人で飲みに行っているようなシーンが見たかった」くらいですね。

 

 

 

細かいことを語ると、

 

ファースト・ジャグリングでのペギラ、実はガイさんもTV本編が始まる直前にペギラを倒していて、ジャグラーペギラカードでマガバッサーを復活させてたよなあ。

ゼットランスアローがオーブスラッガーランスと似ているのは、この辺のセルフオマージュなのかなあ(ウルトラマンオーブvsペギラ時はハリケーンスラッシュ入手前ですけど)とか。

 

第24話でウルトロイドゼロ(D4)を無事回収できていた場合、あれを使って何をするつもりだったんだろうとか。光の国に殴りこんだりするつもりはなさそうですし、人類に極端な迷惑をかけるつもりもなさそうなだけに。

真面目なジャグラーさんだけに、あんがいD4の力を蛇心剣に取り込んで次元を切り裂くようになるための修業に使うつもりだったのかもしれませんね。

 

最終回でセレブロを自分で斬っていた場合、ユウキマイさんからかけられている嫌疑も含めて、ストレイジの都合の悪い部分はすべて自分一人で抱えて去っていくつもりだったんだろうなあとか。

生捕りにされたので、嫌疑はある程度晴れるのでしょうけど。

 

いろいろ思い浮かぶことがあります。

 

 

 

で、最終回まで通して見ると。

 

宇宙人の自分を信じてくれたストレイジ、ヨウコ先輩の無事救出、ウルトラマンZへの心からの応援等々。

ジャグラーさんの、オリジンサーガ時代のトラウマ、だいぶ晴れたんじゃないでしょうか。

 

ウルトラマンオーブで、ガイさんジャグラーさんともに、二人のあいだの確執やトラウマやコンプレックスはずいぶん乗り越えた感じがしますし。

ウルトラマンZのラストで、オリジンサーガ時代の内面に抱えていたトラウマ、「光に選ばれなかった」「自分に裏切られた」「戦士の戦い方」「俺は敵か?」等々もずいぶん克服したんじゃないかなあと思うんですよね。

 

「遥かに輝く戦士たち」。

ジャグラーさんも、その一人ということなんでしょうし。 

 

 

ハルキさんとの会話で、人類とセレブロ、それぞれが調子に乗らないよう、一方で諦めもしないよう、「調整していた」と仰っておりましたが。

 

実は今後のジャグラーさんは、完全な光の戦士になることはなく、かつ、完全な闇の戦士になることもなく、光と闇のあいだで自由に動けるバランサー……調停者でもありジョーカーでもあり……な存在になっていくような気がいたしますね。

 

ジャグラーさんの好きなやり方で、ウルトラマンや人類を助けることもできるし、嫌がらせすることも悩ませることも成長を促すこともできる。

宇宙人や怪獣を倒すこともできるし、味方につくこともできるし、裏切ることもできるし、躍らせることもできる。

そうやって引っ掻き回しておいて、ラストはジャグラーさんがいてくれてよかったね、的な感じになる。

 

何それずるい。

 

 

 

そんなこんなで、

ジャグラスジャグラーの本当の戦いは始まったばかりだ! 的な印象もありつつ。

 

ジャグラスジャグラーに感じる可能性、

光にも闇にもなれるし、色々あったけど克服もできたし、巨大化はできないけどいくらでもある方法を駆使して活躍できる……それら全てが、「選ばれたから」ではなく、「もがいて辿りついた」というありよう。

これは、我々視聴者、ふつうの人間の理想像のひとつでもあると思うんですよね。

 

ウルトラマンオーブ時代から一貫しているところだと思うんですが、完全な存在であるウルトラマンとはまた違う、別のかたちのヒーローとしてのジャグラスジャグラー

 

これからも末永く活躍いただけるといいなあと思います。

演者は青柳尊哉さんである前提で。

 

 

ちなみにこの記事は、ウルトラマンオーブのサントラ、M-18「目覚めたジャグラー」をリピート再生し続けながら書きました。

明後日の応援配信ウルトラマンオーブ「さすらいの太陽」でも流れると思いますが、Zでジャグラー沼に堕ちた人はオーブのサントラを買ってジャグラーのテーマ」「ジャグラーの闇」からの「目覚めたジャグラー」という素晴らしい流れを堪能することを強くおすすめしますよ。

 

 

 

 

ウルトラマンZはめっちゃ楽しい作品でした。

いちファンとして感謝を捧げます。

 

これからも映画や超全集等の展開がなされ、ヘビクラ隊長が誕生したきっかけ等が明らかになったりしますように。

 

 

 

※'20/12/21追記

 

ジャグラスジャグラーの「じゃあな」は生存・再会フラグに加え、再就職フラグなのかもしれない。

(オーブ最終回→執事、Z22話→ピザ屋、Z最終回→??)

 

 

 

ウルトラマンZ「ウルトラヒーローズEXPO 2021 感想」 - 肝胆ブログ

「ジャグラスジャグラークロニクル ジャの道は蛇&写真集 感想」 - 肝胆ブログ

 

 

 

「UNFIX 1-12話 感想」田口清隆監督

 

ウルトラマン等で有名な田口清隆監督がyoutubeで公開している自主製作作品「UNFIX」が噛めば噛むほど的に面白くてかんたんしました。

少年魂が燃える特撮というより、特撮の味わいを活かしたアート的な印象ですね。

 

www.youtube.com

 

 

以下、幾分ネタバレを含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UNFIXは、特殊外来生物……通称特外……要は宇宙人・怪獣のたぐい……に対応する自衛隊特殊部隊「特外隊」のお話なのですが。

 

いわゆるウルトラマン等の特撮作品と違い、宇宙人や怪獣との戦いに力点は置かれておらず、宇宙人や怪獣と対峙する特殊な環境にありながら地味だったりあるあるだったりゆるゆるだったりな会話・行動を楽しむのがメインという、珍しい作品なのです。

(あくまで私の主観です)

 

や、もちろん戦闘的な場面や駆除的な場面もあるんですけど、そこよりも青柳尊哉さん、ねりお弘晃さん、須藤叶希さん、しおつかこうへいさんという、恵まれた俳優陣のゆるい日常演技がすごくイイ味で、じわじわ楽しいんですよね。

 

 

 

特に好きなのは第9話「或る夏の戦い」。

それまでの1~8話で、異常な部隊なのにその日常は我々視聴者の普通の暮らしとあんまり変わらないんですね感を示しまくった果てに、第9話で合コン飲み会に参加した須藤叶希さんがウェーイ系参加者たちのことを「特外しかいなかったです」と評して自分が馴染めなかったことを告白するのがすごくいいの。

彼女にとっては異常な特外隊の方が普通で、一般人の飲み会の方が異常なんです。

 

こういう描写を観ると、タイトル「UNFIX」の通り、固定観念がほぐれる感じがしていいですね。

宇宙人・怪獣を相手にしているからといって、いつも正義とか戦いの意味とか克服とか絆とかを考えている訳ではないし、特外隊の生活も慣れればそれが日常となる。

一般人の日常も、別の立場の人からすれば異常だったりする。

そもそも特撮作品だからといって、高額な演出をしたり、派手なバトルや怪奇な事件を描いたりしなくてもいいじゃない。

 

感性を伸びやかにしてくれるような視聴感がグッドだと思います。

 

 

なお、第9話は青柳尊哉さんとしおつかこうへいさんが二人で流しそうめんを食べ続けている姿もかわいくて大好きです。

 

青柳尊哉さんとしおつかこうへいさんが絡むシーンは間違いのない面白さで、この回以外にも深大寺を散歩していたりヨガに挑戦していたり、いちいち必見モノの芝居でこちらの胸をえぐってくるのでおすすめですよ。

 

 

青柳尊哉さん演じる寺内二尉のキャラもいいですね。

頼りになる、ユーモアセンスがある、本心はよく分からない、等のヘビクラ隊長と共通するような面もありつつ、後輩いじりの仕方が落ち着いた元ヤンみたいだったり、特外以外の異常な存在は苦手だったり。

主演に据えた場合の青柳尊哉さんは、どっしりした存在感や重みが増していて、他の役柄のときとは違う魅力が出ていていいなあと思います。

 

ねりお弘晃さんの演技もすごく好き。

基本的に地味な画が中心の作品なので、ねりお弘晃さんが塩梅よく騒いで、上手いリアクションを重ねて盛り上げていくのが大事なんだなあと唸らされます。

 

 

褒めるばかりでなんなんですけど、BGMもいいんですよねこの作品。

OPもEDもいい。ずうっと聞いていたくなるし、気づけば口ずさんでいたりします。

百瀬巡さんの曲、すごい好きなやつだわ。

近未来系のダンジョンを探索するRPGとかにも合いそう。

 

 

 

現時点で12話まで公開されていて、またその12話がコロナ禍を逆手に取った面白いやつで続きが気になるやつでしてね。

 

はやく13話が公開されますように。

 

実力のある人たちがつくった「売りたいよりも見せたい」系の作品、好きだなあ。

こういうの超贅沢だと思う。

 

 

 

 

「じゃりン子チエ 文庫版12巻 感想 マサルの母離れ挑戦」はるき悦巳先生(双葉文庫)

 

じゃりン子チエ12巻、遂にマサルが男を見せるのかとかんたんしかけましたが、まあ案の定な結末になってしまい気の毒でなりませんでした。

 

www.futabasha.co.jp

 

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収録されているお話は次のとおりです。

 

  • 宿題の旅
  • 西萩少年少女探検隊
  • 山へ川へ
  • 男の旅立ち
  • 男の生還
  • いきなりの秋
  • いきなりの秋―余話
  • 餃子試食会①
  • 餃子試食会②
  • チエちゃんの読書の秋
  • ペットショップへ走る者
  • 餃子試食会へランニング
  • 帰ってきたラーメンマン
  • 再会のラーメン試食会
  • いいことばかりは続かない
  • スリの顔はどんな顔
  • 季節はずれの花火
  • 晦日頭突き合戦
  • テッちゃんのお正月
  • オッちゃんそっくり アントニオそっくり
  • 包装紙のアントニオ
  • アントニオは何処に
  • 風邪はひきたくないけれど
  • 復讐の風邪袋

 

 

以下、ややネタバレを含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前半でチエちゃん&ヒラメペア、マサル&タカシペア、テツ、それぞれの行き当たりばったり旅の模様、

中盤でカルメラ兄弟の餃子&ラーメン修行の成果、

後半でアントニオの剥製誘拐騒動、

等々が収録されている巻になっております。

 

 

前半の旅は「普段と違うことをしよう」という宿題を受けて、チエちゃんやマサルが当てのない旅に行くという筋で、なぜか両組(&テツ)が同じ生駒の山奥に辿りついてしまう感じです。

チエちゃんとヒラメちゃんはパッと来て、飽きたらパッと帰ろうとする賢明さを見せるのですけれども、マサルの方は母離れするチャンスだと思って無謀にも山奥へどんどん進んでいくんですね。

 

で、なんやかんやありつつ、

最終的には謎の第六感で助けに現れた母親に助けられてしまうという、マサルにとって極めて残酷な結末で終わってしまうのです。

こういう、子どものプライドがズタズタになっている横で大人たちが何も気づかずケタケタ笑っている様が無性にリアルで、たまらない気分になりますね。

ちくしょうなんて漫画なんだ、スゲェわ。

 

 

 

以下、各人物の名セリフです。

 

 

チエちゃん&ヒラメ

「だいたいどこにも商店街がないやん」

「こぉゆうのウチらに向いてへんのかな」

「帰ろか」

 

始発で生駒の山奥まで旅に来ておきながら、人っけのなさに寂しくなって即座に帰ろうと言い出すチエちゃん。

「どこにも商店街がない」というのが騒がしい下町で育った子らしさが出まくっていて、写実的だなあと思います。

 

 

 

マサル

来るんや……

見送ったりせえへんとゆうたのにやっぱり来るんや

かくれて見送りに来てただけでも オレショックやのに

そやのにやっぱり最後は見送りに来てたことオレに知らすんや

 

冒険旅行出発時、見送りに来ないと約束していた母親が現れて、ショックを受けるマサル。この旅行の結末で、彼はいっそう酷いショックを受けることになる訳ですが……。

 

マサルはだいぶ痛い子ではありますけど、将来、彼が頭のいい学校とかに入ることができて、周りもみんな頭のいい子になってしまった時が素直に心配ですね。

チエちゃんたち西萩周辺住民に揉まれて育った経験が、未来の彼の糧になればいいなと思います。

 

 

 

テツ

秋か……

ふう……

ドライなテッちゃんもセンチになっちゃうぜ

 

秋の気配にやられて唐突に頭がおかしくなるテツ。

このセリフを聞いた小鉄とアントニオジュニアが屋根から落ちてるのがかわいい。

 

 

 

ヨシ江はん

竹本君……

 

若かりし時代、テツと付き合っていた頃の姿が回想シーンで登場しました。

チエちゃんがそのままお姉さんになったみたいな容姿なのがいいんですが、それ以上にその姿を思い出してしまっているのがテツというのがなおいいんです。

 

 

 

お好み焼屋のオッちゃん&アントニオジュニア

「カナヅチやったら丁度ええわい

 底まで行く手間はぶけるやないかー」

「手ぶらで上がって来るな~」

「おまえの顔なんか見たないわい」

 

アントニオの剥製を沈めたひょうたん池に下手人を沈める飼い主&息子。

たいへんバイオレンスでめっちゃ笑えます。

 

 

 

 

小鉄

いつも俗世間の大人と泥まみれの戦いを続けてるチエちゃんが

今日図書館に行って本を借りて来たんやど

こんなことは滅多にないことやないか

ワシはそんなチエちゃんをここで静かに見守ってあげたいんや

 

いつも優しくチエちゃんを見守っている小鉄

猫だけど登場キャラの中でいちばん大人。

チエちゃんにはさっぱり伝わっていませんが、そのミスコミュニケーションっぷりもかわいいのです。

 

 

 

 

 

 

マサルの不憫さに胸を打たれる巻ですが、その後のマサルはおおむねいつも通りなので、読者も母親みたいに過干渉になる必要はないのでしょう。

いつか何かのはずみでマサルが男前に育ってくれればいいなと思います。

 

親との距離感に悩む子どもに、親が気づいてあげることができますように。

 

 

「じゃりン子チエ 文庫版11巻 感想 テツの結論、ヨシ江はんに酒」はるき悦巳先生(双葉文庫) - 肝胆ブログ

「じゃりン子チエ 文庫版13巻 感想 小鉄の巻き込まれ属性が板につく」 - 肝胆ブログ

 

 

「大内氏の興亡と西日本社会 感想」長谷川博史さん(吉川弘文館 列島の戦国史③)

 

吉川弘文館の列島の戦国史③「大内氏の興亡と西日本社会」が、タイトル通り西日本社会の独自性と大内氏の存在感をビビッドに描いていてかんたんしました。

 

www.yoshikawa-k.co.jp

 

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16世紀前半、東アジア海域と京都を結ぶ山口を基盤に富を築き、列島に多大な影響を与えた大内氏。大友・尼子氏らとの戦い、毛利氏の台頭などを描き出し、分裂から統合へ向かう西日本を周辺海域の中に位置づける。

 

 

紹介文の通り、西日本を周辺海域の様相の中で位置付けている点がこの本の大きな特徴です。

戦国時代の通史と言えば、大きくは室町幕府の秩序や権力が戦国時代っぽく変遷していく様を軸に描かれることが多いと思うんですが、この本では海の歴史という切り口を重視しておられるところが独自性高くて素晴らしいですね。

倭寇、堺・博多・瀬戸内、銀、キリシタン……等の要素が好きな方はぜひぜひ。

 

 

詳しい方が内容を類推できるよう、以下、細かめに目次を引用いたします。

 

海域のなかの西日本―プロローグ

    海から見た歴史

    海禁と倭寇

    大内文化

 

一 東アジア海域世界の展開

 1 琉球王国の隆盛

    琉球文化

    通交関係と博多商人

    琉球国王尚真の事蹟

    列島諸勢力と琉球王国

    琉球王国の斜陽

 2 朝鮮通交と対馬

    朝鮮通交と「偽使」

    大内氏の日朝通交

    三浦の乱と壬申約定

 3 終末期の日明貿易

    永正度遣明船

    寧波の乱

    天文八年度・天文十六年度の遣明船

    広域的物流・交流の担い手たち

    

二 大内義興の上洛と西日本の諸勢力

 1 大内氏の分国経営

    大内氏の出自と来歴

    大内氏室町幕府

    守護分国と守護代

    評定衆と奉行衆

    大内氏掟書

    守護所山口の発展

 2 足利義稙政権と西日本の諸勢力

    足利義稙の周防下向

    大内氏内部の混乱

    御内書・副状の受給者たち

    上洛と船岡山合戦

    大内義興の帰国と西日本社会

 3 大内氏と大友氏・少弐氏の抗争

    大内氏と大友氏の博多支配

    大内氏・大友氏の抗争と少弐氏

    大内義興と大友親治の攻防

    松浦氏・相良氏と大内氏

 

三 分裂・構想の拡大

 1 南九州の争乱

    孤立を深める守護島津奥州家

    島津豊州家と飫肥・油津・外之浦

    伊東氏と島津氏の攻防

    島津奥州家包囲網の形成

    島津奥州家・薩州家・相州家の攻防

    新納氏の攻防

    海域に開かれた南九州の対立軸

 2 大友氏と周辺諸国の争乱

    朽網親満の反乱

    菊池氏と大友氏

    阿蘇氏の分裂・抗争

    相良氏の基盤と内部抗争

 3 四国の情勢

    細川氏分国支配の後退

    土佐国の分裂・抗争

    伊予国の領有関係

    伊予河野氏大内氏

 4 山名氏・赤松氏分国の混乱

    山名氏一族の守護分国

    山名氏分国の分裂・抗争

    山名誠豊と山名氏分国

    赤松氏の分国支配

    有力守護家の後退

 5 大内氏と武田氏の抗争

    安芸武田氏の自立

    安芸武田氏と大内氏の抗争

    鏡山合戦

    大内氏・山梨・大友氏の結束

 6 塩冶氏反乱と出雲・備後の諸勢力

    尼子経久と守護京極氏

    尼子経久の諸勢力

    塩冶氏の反乱

    分裂と混迷の時代

 

四 大内義隆大友義鑑の戦争

 1 大内義隆と北部九州の争乱

    大内義隆家督継承

    芸備における停戦

    北部九州の新たな情勢

    連歌師宗牧の下向

    大内氏包囲網の形成

 2 北部九州全域におよぶ戦乱

    豊筑をめぐる戦争のはじまり

    肥前・肥後・筑後への戦線拡大

    勢場ヶ原合戦

 3 和睦の成立

    北部九州における停戦

    大内義隆と太宰大弐

    秋月の会談

    少弐冬尚と菊池義武

 

五 大内義隆と尼子氏の戦争

 1 尼子氏の拡大

    尼子氏と毛利氏の同盟

    美作国への侵攻

    備後国山内氏の服属

    「上洛」戦と播磨国侵攻

 2 安芸国出雲国への遠征

    安芸国の動乱の再燃

    郡山合戦

    出雲国遠征の失敗

 3 二大陣営の形成

    大内氏・尼子氏の二大陣営

    西日本の合従連衡

    大内義隆畿内政権

 

六 統合への胎動

 1 九州各地における動向

    宗晴康と丁巳約定

    島津貴久の統一過程

    伊東義祐の勢力拡大

    大友氏「二階崩れの変」

    阿蘇氏の統一と相良氏の三郡支配

    龍造寺隆信大内氏

 2 瀬戸内海・四国各地における動向

    天文伊予の乱と海賊衆

    土佐一条氏の存立基盤

    土佐一条氏の拡大

    長宗我部氏の拡大

 3 毛利氏の台頭と大内氏の滅亡

    毛利氏の拡大過

    陶隆房の挙兵

    惨劇の要因

    三好政権の成立と尼子氏

    防芸引分

    厳島合戦

    大内氏の滅亡

 

七 列島周辺海域の変動

 1 石見銀山

    発見と開発

    大内義隆と銀鉱山開発

    産銀輸出のはじまり

 2 海域の変貌

    密貿易海商と日本列島

    大内氏琉球王国

    鉄砲伝来

    後期倭寇の拠点と日本列島

    キリスト教の伝来

 3 嘉靖の大倭寇

    大友氏・相良氏の遣明船

    猛威を振るう倭寇

    明初体制の崩壊

 

海域の変動と西日本社会―エピローグ

    分裂から統合へ

    連携と自立化の拡大

    海域の変化と大内氏の滅亡

    銀のいざなう新たな時代

 

あとがき

参考文献

略年表

 

ハンド転記したのでとても疲れましたが、その甲斐あって、当著の構成がよく分かると思います。

 

海ではじまり海で終わる。

日本を含んだ広域海洋社会の中で、大内家が果たしていた役割。

からの日本社会の分裂、大内家の動揺、石見銀山という新たなファクター。

そして大内家を失った海、新たな時代。

 

この本は、大内義興・義隆親子や尼子経久・晴久爺孫や大友義鑑・宗麟親子や毛利元就さんや陶晴賢さん等の個人ドラマに着目した本ではなく、マクロ的な視点で時代の変遷を説いてくれる訳ですね。

 

大内氏領土の西側、海では、後期倭寇の猛威等で従来の交易体制が崩壊。

一方、大内氏領土の東側では、石見銀山という極上資源を発見。

大内義隆さんの戦略方向は西から東へ。しかし遠征失敗。からの大寧寺

大内陣営・尼子陣営という二大勢力圏が生み出した、次世代に台頭する者たち。

 

ダイナミックで面白いんですよ。

たんに権力者Aさんに代わってBさんが出てきました、Bさんの後はCさんが……というだけの話に留まらず、地政学や外交や資源が複雑に絡みあうので、とても興味深く読み進められます。

 

 

大内家、尼子家、大友家、毛利家、島津家、伊東家、相良家、龍造寺家、山名家、赤松家、一条家、長宗我部家等々、様々な家の興亡についても触れられていてありがたいですね。

 

畿内史の進展についても取り入れてくださっていて、「大内義隆畿内政権」「三好政権の成立と尼子氏」といった章を割いてくれているのが嬉しいです。

大内氏と尼子氏の抗争が、細川晴元さんと氏綱さんの抗争を規定したのでは、という説はなかなか興味深いので、今後の議論の深まりを期待したいですね。

それが最大のポイントかどうかは置いておいて、細川京兆家三好長慶さんも、確かに西日本の実力者の動向を意識していたのはあると思いますし。

 

 

この本でもたびたび取り上げられている、鄭舜功さんの「日本一鑑」についても詳しく知りたいなあと最近思っています。

素人向けの日本語訳とか発刊されないかしら。

当著から離れますが、神戸輝夫さんの論文によれば三好長慶さんのことを「世に三好長慶と号す。世よ武にして且つ文にも良し。故に能く仁を思い義を慕う。倭のまさに耶律楚材と云う」と解説されていたり、当時の明人による日本社会の姿がいろいろ記されているらしいので、ゆるり読んでみたいものであります。

 

 

 

当時の西日本社会は、日本の中でも特に海外に開かれていた地域ですので、こういう本を読むと戦国時代観がばぁーっと広がって立体的になる感じがして楽しいですね。

様々な視点から研究が掘り下げられ、成果が互いに繋がって、戦国時代の魅力が一層鮮やかに織り上がっていきますように。

 

 

「享徳の乱と戦国時代 感想」久保健一郎さん(吉川弘文館 列島の戦国史①) - 肝胆ブログ

「応仁・文明の乱と明応の政変 感想」大薮海さん(吉川弘文館 列島の戦国史②) - 肝胆ブログ

「室町幕府分裂と畿内近国の胎動 感想」天野忠幸さん(吉川弘文館 列島の戦国史④) - 肝胆ブログ

「東日本の動乱と戦国大名の発展」丸島和洋さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑤) - 肝胆ブログ

「毛利領国の拡大と尼子・大友氏 感想」池亨さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑥) - 肝胆ブログ

「東日本の統合と織豊政権」竹井英文さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑦) - 肝胆ブログ

「織田政権の登場と戦国社会 感想」平井上総さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑧) - 肝胆ブログ

「天下人の誕生と戦国の終焉 感想」光成準治さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑨) - 肝胆ブログ

 

 

 

 

 

 

 

信長の野望201X「真・奥州決着 ストーリー攻略 陸前」

 

20XXならぬ201Xのストーリーが久しぶりに更新されまして、第二部決着に相応しい歯ごたえとストーリー展開にかんたんしました。

 

nobu201x.gamecity.ne.jp

 

 

以下、ネタバレを一部含みますのでご留意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

201Xストーリーの更新は久しぶりなので内容を忘れているユーザーさんも多いかもしれませんが、伊達政宗さんを中心とした奥州諸将の活躍で、主人公たちが異界に飛んだところからお話が始まります。

 

陸前のマップ。

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最後の羽山津見さんを除けば、ボスはそこまで強くありません。

 

一方、雑魚敵はめちゃくちゃタフで高敏捷で高攻撃力ですので、選りすぐりの範囲攻撃メンバーを連れて行くようにいたしましょう。

嫌らしいことに職業相性導入後のベースで3種構成の雑魚敵が出てきますので、201X時代に活躍した2種特効持ちの武将さんなんかが久しぶりに輝くかもしれません。

 

 

典型的な雑魚敵の出現の仕方はこんな感じ。

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高敏捷の爆弾蜂と、異常にタフで高攻撃力の雪鬼が一緒に出てきたりしますので、討ち漏らすと誰かを殺されますから気をつけましょう。

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「戦術家の術全体が一人おったら大丈夫やろ……」等と思っていたら、頻繁に雪鬼さんを討ち漏らしたりしますからね、本当に気をつけてください。

 

 

他のbattleではお婆ちゃんが6人編成で出てきたりもしますので、武芸者の範囲アタッカーも入れておいた方が無難です。

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私の場合は、三好元長さんと援軍範囲アタッカーと鍋島直茂さんで雑魚敵は対処して、ボスは三好長慶さん+範囲アタッカー3人でなんとかする感じで攻略しました。

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ちょっと前に兵器アタッカー化した長慶さんが活躍してくれました。

信長の野望20XX「細川晴元権力 vs 伊邪那美」 - 肝胆ブログ

 

思い返せば、畿内から第二部決着まで、ずっと三好長慶さんをアタッカーで使い続けたことになるんだなあ。しみじみ。

 

 

 

第二部ラスボスの羽山津見さんは、お姿は伏せておきますが、イザナミさんからコケラを抜いて状態異常付与を加えたような感じです。

よって、攻略もイザナミさん同様に防御+兵器部隊で、そこに状態異常対策を加えるのがお手軽だと思います。

数回のコンティニューに抵抗がなければ、クリア・S獲得は充分可能かと。

 

 

あわせて、山城に魔窟が実装されたので、こっちも攻略しておきました。

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魔窟は、201Xの難ボス大集合という感じで、かなり難易度高かったっす。

渡しファミリー再びとかほんま勘弁してーーでした。

 

 

 

 

 

ストーリー面の感想を少し。

 

久しぶりのまつりさん節が、実家のような安心感。

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悩みや悲壮感をまるで感じさせないところが彼女の強みですね。

日本中の武将が主人公たちに協力してくれたのは、彼女の人間力によるところも大きいと思います。

 

 

 

陸前魔境では、伊達政宗さんより前の時代、いわゆる伊達家天文の乱の真っ最中で、乱が幽魔に力を与えるという201Xらしい設定になっておりました。

 

 

詳細なネタバレはいたしませんが、

 

困惑する政宗さんがけなげでかわいい。

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輝宗さんは世間イメージ同様、息子思いで素敵です。

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晴宗さんは世間イメージ同様、暴れん坊キャラです。

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稙宗さんは世間イメージ同様、腹に一物ありそうな老獪キャラです。

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201Xの政宗さんは心根がきれいで目が澄んでいそうな好青年でして、こんな政宗さんもいるんだなあと思っておりましたところ。

 

陸前魔境で稙宗さんから

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などと説教されていたのが印象的でした。

そのうち登場するであろう20XX政宗さんはキャラ変していたりして。

 

 

陸前のストーリーは、伊達家の天文の乱と201Xストーリーが上手くかみ合っていて、なかなか満足度が高いものでした。

 

 

あえて残念だった点を言えば、伊達家以外の奥州諸将があまり目立っていなかったこと、とりわけ大内定綱さんが再登場しなかったことですかね。

201Xストーリーはいまだ完結しておりませんし、東北勢の異聞等もこれから増えていくことでしょうから(たぶん)、奥州諸将のその後がフォローされるといいなあ。

 

 

20XXストーリーも201Xストーリーも、引続きクオリティの高いシナリオが実装され、思い出に残るゲームとして輝き続けてくださいますように。

 

 

信長の野望201X「奥州決着篇①ストーリー攻略 陸中」 - 肝胆ブログ