肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

2021-01-01から1年間の記事一覧

小説「浮雲 感想 主人公の高学歴童貞っぽさがすごい」二葉亭四迷さん(新潮文庫)

二葉亭四迷さんの「浮雲」を読んでみましたら、主人公の高学歴&女性経験ゼロからくる謎の上から目線感ですとか、ヒロインの流行に流されてそれっぽく生きている感ですとか、ライバルの典型的な世渡りうまい嫌なやつ感ですとか、ヒロインのお母ちゃんの典型…

フリゲ「ASTLIBRA~生きた証~ 攻略した感想 製作者さんの生きた証的な情熱を感じた」

外伝版のミニ作品が先行リリースされていたフリーのアクションRPGゲーム「アストリブラ」本編がいつの間にかリリースされていて、プレイしてみたら大変な傑作でまさに製作者さんの生きた証的な情熱を感じてかんたんしまして、本編を2週、ついでにmini外伝版…

「天下人の誕生と戦国の終焉 感想」光成準治さん(吉川弘文館 列島の戦国史⑨)

列島の戦国史シリーズ最終巻「天下人の誕生と戦国の終焉」で描かれた戦国時代の終焉が、これまでのシリーズ既刊同様、漸進的に歴史が進んでいった様子がよく分かる内容でかんたんしました。 この9巻に及ぶシリーズは、各地域や文化面、外交面等の幅広な要素…

漫画「奈良へ 感想 奈良っぽい」大山海先生(リイド社トーチweb)

トーチwebで連載していたシュールな奈良漫画「奈良へ」の単行本が発売されていて、まとめ読みしたら実に奈良っぽい雰囲気が表現されている感じがしてかんたんしました。 to-ti.in 「奈良へ」は、現代社会が生きにくい人と、異世界ファンタジーの世界で生きに…

「アンドロメロス 初視聴の感想 凶器ダブルランサーの強さ」

80年代の特撮作品「アンドロメロス」を初めて視聴したところ、ウルトラファイトシリーズとはまた違った低予算な楽しさがある上、「凶器って怖いよね」という社会勉強もすることができてかんたんしました。 imagination.m-78.jp (参考)既に販売終了していた…

短編小説「松山新介重治 あとがき 兼 備忘」

短編小説「松山新介重治 1/5 松山新介の手妻」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 2/5 織田信長の依頼」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 3/5 松永久秀の迷い」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 4/5 松山新介の稲妻」 - 肝胆ブログ 短編小説「…

短編小説「松山新介重治 5/5 織田信長の幸若舞」

短編小説「松山新介重治 1/5 松山新介の手妻」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 2/5 織田信長の依頼」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 3/5 松永久秀の迷い」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 4/5 松山新介の稲妻」 - 肝胆ブログ 短編小説「…

短編小説「松山新介重治 4/5 松山新介の稲妻」

短編小説「松山新介重治 1/5 松山新介の手妻」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 2/5 織田信長の依頼」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 3/5 松永久秀の迷い」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 5/5 織田信長の幸若舞」 - 肝胆ブログ 短編小説…

短編小説「松山新介重治 3/5 松永久秀の迷い」

短編小説「松山新介重治 1/5 松山新介の手妻」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 2/5 織田信長の依頼」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 4/5 松山新介の稲妻」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 5/5 織田信長の幸若舞」 - 肝胆ブログ 短編小説…

短編小説「松山新介重治 2/5 織田信長の依頼」

短編小説「松山新介重治 1/5 松山新介の手妻」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 3/5 松永久秀の迷い」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 4/5 松山新介の稲妻」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 5/5 織田信長の幸若舞」 - 肝胆ブログ 短編小説…

短編小説「松山新介重治 1/5 松山新介の手妻」

※以下、自作の創作小説となりますのでご留意ください。 短編小説「松山新介重治 2/5 織田信長の依頼」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 3/5 松永久秀の迷い」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 4/5 松山新介の稲妻」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新…

「じゃりン子チエ 文庫版19巻 感想 空飛ぶアントニオジュニア」はるき悦巳先生(双葉文庫)

じゃりン子チエ文庫版19巻、とうとうアントニオジュニアと敵猫が空を飛んで戦い始めてかんたんしました。 大阪の猫は空中戦まで体得しているんですね。 www.futabasha.co.jp 19巻収録のお話は次の通りです。 真夏のサイレン サイレンがテツを呼ぶ 真夏の夜の…

「ドン・フワン・テノーリオ 感想 キリスト教戯曲の大乗仏教的美しさ」作:ホセ・ソリャーサ / 訳:高橋正武(岩波文庫)

宗教幻想劇「ドン・フワン・テノーリオ」を読んでみましたら、いい意味でキリスト教らしい救済のされようが美しくてかんたんしました。 「紀州のドンファン事件」の報道を見て軽い気持ちで読んでみたんですけど、想像以上に内容がよかったので何事もきっか…

小説「蜜のあはれ 感想 室生犀星さんの性癖マジすげぇ」(青空文庫)

室生犀星さんの金魚擬人化幻想小説「蜜のあはれ」を読みましたら、70歳の著者が書いたとは思えないくらいぶっ飛んだ性癖描写が盛りだくさんでかんたんしました。 ふるさとを遠きにありて思ふことで定評のある室生犀星さんのイメージがガラリと変わってしまい…

信長の野望20XX「黄梅院の追憶 感想」

信長の野望20XXイベント「黄梅院の追憶」、今川義元さんが桶狭間で生き残っても三国同盟の結束が揺らいでいてかんたんしました。 短編イベントではありますが、こういうクオリティの高い戦国ifを楽しめるのが20XXのいいところですね。 ↓イベントのリリース n…

実録「漫画太郎版おおきなかぶ~ vs 小学生 読み聞かせ」ガタロー☆マン先生(誠文堂新光社)

漫画太郎先生の絵本第二弾「おおきなかぶ~」を小学生に読んであげたところ、前作の「ももたろう」に続いてゲラゲラゲラゲラ笑ってもらえてかんたんしました。 絵本のジャケを見せただけで「あっ、この絵は!!!!」と喜んでもらえたので画太郎イラストのイ…

大相撲'21名古屋場所感想「白鵬から凡人への問いかけ」

大相撲で久しぶりに名古屋場所が開催され、久しぶりに15日間フル出場した白鵬関が全勝優勝で復帰するという異次元な事態を目撃しかんたんしました。 いろいろ物議はかもすのでしょうけど、数年先数十年先から見ても歴史に残るような場所になった気がしますの…

「じゃりン子チエ 文庫版18巻 感想 おバァはんの謀略がエグい」

じゃりン子チエの文庫版18巻、テツを弱らせるためにおバァはんが仕掛けた謀略がエグ過ぎる上、結果巻き起こった騒動まで一人で解決してしまう無双っぷりにかんたんしました。 www.futabasha.co.jp 18巻収録のお話は次の通りです。 寝小便作戦 金メダルなんて…

小説「陰陽師 龍笛ノ巻 感想 最後の"飛仙”がとんでもない」夢枕獏さん(文春文庫)

陰陽師シリーズ「龍笛ノ巻」を楽しく読み進めて満足していたところ、最終エピソード「飛仙」のオチがイッてる内容で一層かんたんしました。 books.bunshun.jp 以下、ネタバレを含みますのでご留意ください。 当巻に収録されているお話は次の通りです。 怪蛇…

「ベーコン 随筆集 感想」訳:成田成寿さん(中公クラシックス)

フランシス・ベーコンさんの随筆集を読んでみましたら、けっこう実際的というかイギリス貴族っぽい経験知に富んでいてかんたんしました。 日本で言えば戦国時代末期くらいの人物ですが、現代の上級マネジャー層に求められる素養に通じるようなことをたくさん…

「応仁・文明の乱と明応の政変 感想」大薮海さん(吉川弘文館 列島の戦国史②)

列島の戦国史シリーズの2巻「応仁・文明の乱と明応の政変」が、応仁・文明の乱について京周辺だけでなく地方各地への波及っぷりを詳しく整理してくれていてかんたんしました。 応仁・文明の乱は書き手によってフォーカスを当てる点がかなり変わってくる気が…

「めしばな刑事タチバナ 42巻 感想 チャレンジスピリットを感じる」原作:板戸佐兵衛さん / 作画:旅井とりさん(アサヒ芸能)

めしばな刑事タチバナがめでたく500回を突破してかんたんしました。 グルメ漫画ブームの盛衰に流されることなく卓越した構成力とサービス精神とで長寿安定連載になっていることを言祝ぎたい気持ちでいっぱいです。 www.tokuma.jp 以下、内容の一部ネタバレを…

「ウルトラマンZ 完全超全集 感想 ウルトラマンZの秘密が明らかになり……ません!」

ウルトラマンZ完全超全集を興味深く読み進めたところ、各種インタビューや各種詳細設定が大変楽しくて大満足だったのですが、よく考えると主人公ウルトラマンZについては何も明らかになっていないことに気づいてかんたんしました。 この魅力的なキャラクタ…

「セブンガーファイト 感想 溢れ出るウルトラファイト・レッドマン愛」

ツブラヤイマジネーション(ウルトラマンのサブスク)およびウルトラマンZ超全集にて公開された「セブンガーファイト」のウルトラファイトリスペクトっぷりが半端なくてかんたんしました。 imagination.m-78.jp televi-kun.net ツブラヤイマジネーションで毎…

「ジャグラスジャグラークロニクル ジャの道は蛇&写真集 感想」

ウルトラマンZ完全超全集が発売されましたところ、ジャグラスジャグラーさん関係の充実っぷりが異常なレベルに達していてかんたんしました。 田口監督をはじめ、スタッフから愛されすぎててヤバい。 televi-kun.net 以下、ネタバレをそうとう含みますのでご…

信長の野望20XX「異聞 信濃平定 感想 武田家ドラマいいよね」

信長の野望20XX、久しぶりに実装された大型異聞のストーリーが見応えあってかんたんしました。 武田家ドラマは江戸時代から代々続くコンテンツの積み重ねがあって様々な軸で楽しませてくれるのがいいですね。 ↓6周年「甲斐の虎」アップデートのリリース nobu…

漫画「完全版ウルトラマンメビウス外伝+平成ウルトラマン作品集 感想」内山まもる先生

漫画「ザ・ウルトラマン」で名高い内山まもる先生の平成以降の作品を収めた単行本が発売されていてかんたんしました。 メロスの続編、写実性が非常に高まっている怪獣たち、内山まもる版TDG、グレた息子感の強かったデビュー直後のゼロの造形等々、見どころ…

映画「街の野獣(1950) 感想 薄っぺらい男の追い詰められっぷりが最高」ジュールズ・ダッシン監督

イギリスを舞台にしたノワール(犯罪)映画「街の野獣(Night and the City)」を初めて観たところ、主演リチャード・ウィドマークさんの薄っぺらいのに憎めない演技と悲惨な追い詰められ方が最高でかんたんしました。 あと、必要以上に出てくるプロレスシー…

「下剋上 感想」黒田基樹さん(講談社現代新書)

黒田基樹さんによる戦国時代の代表的な下剋上事例を紹介する新書が発売されていまして、長尾景春さんを取り上げていてくれたり新たな視点で伊勢宗瑞(北条早雲)さんが高く評価されていたり最近の研究を採用して三好長慶さんのことも高く評価されていたりし…

「じゃりン子チエ 文庫版17巻 感想 猛威を振るう危険酒"ばくだん"」はるき悦巳先生(双葉文庫)

じゃりン子チエ文庫版17巻。 これまでにも時々登場していた怪しいお酒「ばくだん」がますます話をかき混ぜるようになってきてかんたんしました。 いまよりは多少おおらかな昭和時代とはいえ、「ばくだん」を小学生が売っている姿を堂々と掲載していいのだろ…