肝胆ブログ

かんたんにかんたんします。

「閑吟集 感想 戦国時代の人々、邯鄲の枕が好きなんだね」校注:真鍋昌弘さん(岩波文庫)

戦国時代の歌集「閑吟集」が岩波文庫からリリースされまして、前から読みたかったので発売されただけでもかんたんしきりだったのですが、収められている歌の多くが想像以上に一期は夢よ感に満ちておりまして我が邯鄲ブログ的には最高の一冊やなと味わい浸る…

「大宇宙の少年 感想 よき童心に戻れるSF小説、藤子・F・不二雄作品を思い出す」R・A・ハインライン / 訳:矢野徹・吉川秀実

「大宇宙の少年」というSF小説を読んでみましたところ、大長編ドラえもんを読んだ時のような、SF冒険の楽しさ&未来に向けた前向きな意思が湧いてくる的な栄養をふんだんに摂取できてかんたんしました。 「のび太と雲の王国」好きな方とかにはとてもいいと思…

「ASTLIBRA Revision 追章まで攻略した感想 大人のゲーマーほどプレイしてみてほしい」

傑作フリーゲームASTLIBRAの完全版、「ASTLIBRA Revision」がSteam等で発売されておりまして、フリゲ版本編クリア後の追加ストーリー「追章」の完成度&プレイバリュー、各種操作性の大幅改善、個人的に苦手だったエログロ要素の緩和等々、非常に素晴らしい…

「ゲゲゲの鬼太郎 決定版 5巻感想 妖怪大裁判がシュールで良い」水木しげる先生(中公文庫)

ゲゲゲの鬼太郎決定版の5巻、妖怪大裁判等の中編がいずれも面白くてかんたんしました。鬼太郎シリーズの妖怪は妙に人間臭い秩序をお持ちで、妖怪が裁判とかポリスとか言っている時点でなんか不思議な面白さがありますよね。 www.chuko.co.jp 決定版5巻に収め…

大相撲2023夏場所感想「この四関脇最高&錦木関いいっすね」

大相撲2023夏場所、初日から千秋楽まで四関脇が大いに盛り上げてくださって、それに触発されたのか横綱・大関から入幕間もない若手層まで見ごたえ多い取組が多かった、非常にいい場所になってかんたんいたしました。 先場所くらいから大相撲の新しい時代のか…

「新姫もずくがうまい、身体にしみる」山忠食品工業株式会社

蒸し暑くなってきて、身体が酢の物を欲する時期になってきましたね。 「新姫もずく」という少しお高い(3パック入りで200円台後半)もずくを試してみたところ、もずくそのもののプリプチ感と、ほどよい調味の酢と、新姫という爽やかな柑橘フレーバーの取り合…

絵物語「陰陽師 首 感想 村上豊さんを偲ぶ」文:夢枕獏さん / 絵:村上豊さん(文春文庫)

陰陽師シリーズを順番に読み進めていましたら、「瘤取り晴明」に続いて村上豊さんの挿絵を思う存分楽しめる絵物語が再び登場してくれてかんたんしました。 昨年お亡くなりになったところなのでしみじみとした気持ちになりつつ、村上豊さんの描く魑魅魍魎はど…

「エロティシズム 感想 エロと神秘の相似性」ジョルジュ・バタイユさん / 訳:酒井健さん(ちくま学芸文庫)

以前読んだバタイユさんの「呪われた部分」が面白かったので、代表作っぽい「エロティシズム」を読んでみたらこれも面白くてかんたんしました。 たまには哲学書を読んでいる時間というのもいいものですね。理解が追いついている訳ではまったくありませんが、…

「ゲゲゲの鬼太郎 決定版 4巻感想 “鬼太郎の誕生”って墓場の鬼太郎時代じゃなかったのか」水木しげる先生(中公文庫)

ゲゲゲの鬼太郎決定版の4巻が引続き面白いのですが、巻末に収録されているエピソード「鬼太郎の誕生」がてっきり墓場の鬼太郎時代のお話だと思っていたのでゲゲゲ時代の別冊少年マガジン収録作品であることに気づいてかんたんしました。 たしか墓場の鬼太郎…

「戦国武将列伝1 東北編 感想」編:遠藤ゆり子さん/竹井英文さん(戎光祥出版)

戦国武将列伝の東北編、情報のアップデートっぷりと各人物の相互関連っぷりが素晴らしくて、「武将列伝」でありながら「東北戦国史」とも呼べるくらい地域の歴史が立体的に描かれていてかんたんしました。 東北の戦国時代に興味を持ったら、どの家のファンで…

「深海の使者 感想 太平洋戦争における潜水艦の末路」吉村昭さん(文春文庫)

吉村昭さんの小説「深海の使者」を読んで、太平洋戦争期の日本の潜水艦がどのような活躍をしていたか、そしてどのような過酷な任務に従事して散っていったか……に初めて触れてかんたんしました。 吉村昭さんの小説はもともと静謐、緊張、暗影……といった言葉が…

「図説 六角氏と観音寺城 〝巨大山城〟が語る激動の中世史 感想」新谷和之さん(戎光祥出版)

一見「観音寺城観光のガイドブック」風に見せかけてその実は六角氏のレベルの高い概説書になっている本が発売されていてかんたんしました。 こういう本が出てくると滋賀県を中心に六角ファンが広がっていきそうでいいですね。 https://www.ebisukosyo.co.jp/…

「ゲゲゲの鬼太郎 決定版 3巻感想 海座頭の登場シーンが超格好いい」水木しげる先生(中公文庫)

ゲゲゲの鬼太郎決定版の3巻、個性豊かな妖怪・怪奇譚が次々と描かれてかんたんしました。 なかでも海座頭さんの登場シーンの格好良さ、迫力、海面の描写は素晴らしいのですけど、2ページで鬼太郎さんに退治される出オチっぷりもなかなかの緩急であります。 w…

「ゲゲゲの鬼太郎 決定版 2巻感想 八百八たぬきがかわいすぎる」

ゲゲゲの鬼太郎の新装文庫2巻、墓場の鬼太郎時代の長編バトルが収録されていまして、吸血鬼エリート、八百八たぬき、猫娘、見上げ入道、ぬらりひょんとキャラの立ちまくった妖怪が続々と出てきてかんたんしました。 なかでも八百八たぬきの腹鼓のかわいさは…

「ゲゲゲの鬼太郎 決定版 1巻感想 墓場の鬼太郎」水木しげる先生(中公文庫)

じゃりン子チエの新装文庫がもうすぐ完結してしまう……とうじうじしていたら「ゲゲゲの鬼太郎」の新装文庫が発売されていて元気が出てきました。 いまもオンリーワンな魅力に満ち溢れている鬼太郎ワールドにはかんたんしてしまいますね。 www.chuko.co.jp 1巻…

餃子の王将「紹興酒、コスパ良すぎじゃない?」

久しぶりに餃子の王将へ行きまして、肌寒い日だったのであたたかいものを食べようと思いましたらメニューに「紹興酒」を見つけたんですよ。 ふだんお酒自体しょっちゅう飲んでいるわけではないのですけど餃子の王将も一応は中国料理屋ですし紹興酒ならまあ間…

大相撲2023春場所感想「新時代始まる」

大相撲2023春場所、長らく混沌としていた相撲界がようやく一つの方向・秩序に向かって形が整い始めた感じがビシバシ伝わってきてかんたんしました。 今場所、良い取組が多くてめちゃくちゃ面白かったですね。 番付上位者、あるいは駆け上がっていくこと間違…

「帰って来たどらン猫3上下 感想 なかなかの怪作だと思う」

2013~2015年にWeb連載され、その後初めて単行本化されたという「帰って来たどらン猫3」が、いつものじゃりン子チエ長編シリーズ以上にシュールなキャラが多数登場する怪作でかんたんしました。 www.futabasha.co.jp www.futabasha.co.jp この世を捨てた猫の…

「戦国武将列伝7&8 畿内編上下 感想」編:天野忠幸さん(戎光祥出版)

戦国武将列伝の畿内編上下、ふだんから関心のある時代・地域であるにもかかわらず知らないことがたくさん、イメージが違って見えることがたくさん出てくる良著でかんたんしました。 こういうベース本からまた畿内戦国史の研究が進んでいくと嬉しいですね。 …

信長の野望20XX「久々の迎撃戦、星4十河一存さん実装……」

信長の野望20XX。 迎撃戦の報酬ガチャが唐突にアップデートされまして、三好家のやんちゃな末っ子(やんちゃじゃ済まない)として知られる十河一存さん(星4)が実装されてかんたんいたしました。 そういう訳で、十河一存さん目当てで迎撃戦を数年ぶりにやっ…

フォートナイト「初挑戦の感想 大の大人が小学生に勝てなくて悔しい」(チャプター4シーズン1)

小学生に誘われてフォートナイトを初めてみたところ、大変面白くてさすが最近のゲームは違うなとかんたんしつつ、ゲーム歴うん十年の自分が小学生に手も足も出なくてものすごく悔しいです。 この数年、Switchキッズが無料のフォートナイトで遊びまくっている…

小説「日本の副王、百鬼を追う 感想 三好主従ファン必読」真弓創さん(茶話歴談 第五号)

歴史・時代小説アンソロジー「茶話歴談」第五号に収録されている三好長慶・松永久秀・松永長頼題材の短編小説が素晴らしい作品でかんたんしました。 このレベルの作品が生まれるようになったのなら、三好長慶さんや畿内戦国史のコンテンツはもう先行き安泰だ…

「戦国武将列伝10 四国編 感想」編:平井上総さん(戎光祥出版)

いつの間にか戎光祥出版から「戦国武将列伝」というシリーズが発売されていて、試しに四国編を読んでみたら盛りだくさんな中身っぷりにかんたんしました。 これは……各巻をゆっくりでも読み進めていきたくなるやつなんですね。 https://www.ebisukosyo.co.jp/…

小説「陰陽師 瀧夜叉姫 上下 感想 信長の野望20XX平安編の元ネタはこれか?」夢枕獏さん(文春文庫)

小説「陰陽師」シリーズの長編作品「瀧夜叉姫」を読んでみましたところ、信長の野望20XXの平安編で登場する主要人物が大勢出てきて話もすごく面白くて、この作品へのリスペクトオマージュ心があったのかもしれないなあとかんたんしました。 books.bunshun.jp…

三重県度会郡玉城町「田丸城→焼肉おさやん→和菓子野中屋→最高に幸せ」

行ったことがなかったので続100名城の田丸城を訪問してみましたところ、お城の縄張りや石垣の魅力もさることながら、私の人生でも上位なおいしさの焼肉と最中・薯蕷饅頭に出会えて幸せにかんたんしました。 田丸城 kizuna.town.tamaki.mie.jp 南朝の北畠親房…

お菓子「飛騨娘はコスパ最高」(第一製菓さん)

岐阜県の銘菓「飛騨娘」がたいそう美味しくてお茶請けにもお酒のお供にも口淋しい時にも最適な上に、12個も入って200円しないというコスパ良すぎるありがたさにかんたんしました。 ちょっと離れたスーパーの「全国銘菓」コーナーで売っていることに気づいて…

信長の野望20XX「三好義賢の追憶 感想」

信長の野望20XX、唐突に三好義賢さんのイベントが始まってかんたんしました。 しかもイベント内容が、まあ史実とか最近の研究とかの話は置いておいて、20XXとしては新機軸を感じさせてくれる文芸でしたので三好家が嚆矢になったのならアツいなと思いましたね…

大相撲2023初場所感想「霧馬山関をもっと褒めて」

大相撲が2023年も元気に始まりまして、初場所の霧馬山関や琴ノ若関や阿武咲関の躍進にかんたんしていたのですがなぜか霧馬山関だけは相変わらずまったく話題にならないので不思議でなりません。 貴景勝関が久しぶりに優勝して番付秩序の重みを示してくださっ…

「じゃりン子チエ 文庫版33巻 感想 集合絵が終わりの近さを感じさせて寂しい」はるき悦巳先生(双葉文庫)

じゃりン子チエ文庫版33巻、カバー絵の集合絵がいよいよ最終回が近づいていることを実感させてくれて寂しくなりました。 かんたんしながら読み進めてきただけに終わりが見えてくると切ないですね。 www.futabasha.co.jp このカバー絵、見返しにサッちゃんや…

短編小説「松山新介重治 一万貫の夢 あとがき」

あらためてあけましておめでとうございます。 皆々様に今年もよいことがありますように。 短編小説「松山新介重治 一万貫の夢 1/5 松山新介 屋根を往く」 - 肝胆ブログ 短編小説「松山新介重治 一万貫の夢 2/5 鯰江又一郎 馬上を往く」 - 肝胆ブログ 短編小…